村上春樹のレビュー一覧
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ネタバレいよいよ宗教団体の核と関わりだし、彼らの強くて長い腕の影響で、物語がディストピア的な色を帯びはじめた。宗教団体のリーダーは、地獄の黙示録を思い出した。ガタイがよく、哲学や思想に造詣があり、全能感がある。痛みから逃れるために死を求めていることも酷似している。ただスピリチュアルに寄りすぎていて、今後論理的な整合性を持つことがあるのか疑問に思った。現実と幻想の融合は相変わらず魅力的だなと。「自分自身が森の怪物だった」というのがなんとなくの鍵になりそう。リーダーの言った善と悪の概念に興味を持った。概念の細分化と拡張によって、善と悪や順と逆といった相対するものが無効化すると。この物語もふかえり、天吾、青豆という概念がもはや一緒のものなのではないかと直感的に思い始めた。とにかくスピリチュアルなままで終わってほしくないと個人的には思う。リーダー、リトルピープル、リサーチャーなどがどういうものなのか。
正直登場人物に天才しか出てこないため、いちいち憧れや劣等感を感じてしまう。村上春樹が世界的に評価される意味がわかった。本をたくさん読んでいき、落ち着いた人間になりたいと思った。もう少し幻想的でナンセンスな作品にも興味を持ち始めた。猫の話が可愛らしかった。
「新学年の新しい教科書を開く時の感情」、「砂漠のような感性の核」など例えが気持ちいい。
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Posted by ブクログ
宗教組織、戎野先生、ふかえり、リトルピープルなどのミステリー的な要素が物語に推進力を与えていた。主人公らの出生はとりあえず明らかになった。数学、バッハ、空気サナギのファンタジー性が創作意欲をそそった。音楽、風景、性交など人間の本能に訴えかけてくる要素が多いと思った。自分の思考が飛ぶ瞬間もあった。個人的に、ふかえりのキャラクターが2人の同級生とダブった。「墜落する飛行機にシートベルトは意味ない→気休めになる」など例えや返しがシニカルで気持ちいい。正直今の自分の想像力では何を示唆しているのかよくわからなかった。天吾と青豆がどう交わっていくのか、どこが現実でどこがファンタジーなのか気になった。可愛らしいファンタジーに興味を持ち始めた。
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第1部と第3部とでは、まるで別の話のような展開でした。
後半の方が村上ワールドっぽかったかな。
この話は2度目に読むと多分、違った感想が出そう。
いくつかのアナザーストーリーが順に進行して行くけど、繋がりがよく分からずに読み進めていると「?」ってなる。
ストーリーについては、結局明確にはクミコさんのことがハッキリしないまま。
笠原メイさんも少しかわいそうだったかな。
もうちょっと優しくしてあげてもよかったと思った。
そういう世界線のストーリーの展開も見てみたかったなあ。
結局、タイトルにもなってる「ねじまき鳥」とは何のために存在したのだろう。
そもそもの設定も含め、ハッキリしない(ハッキリさせない)展開でした。
読み手の感じ方でストーリーの解釈もその数だけありそうな、そんな物語でした。 -
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【2025年148冊目】
「計算士」の僕は音について研究する博士からの依頼を受ける。のんびりとした老後を送るため、給料の悪くない「計算士」の仕事を気に入ってた僕だが、博士の依頼を受けてから、大きく人生が変わり始めていく。一方、もう一つの世界では影と分かれた僕が古い夢を読み取る夢読みとしての暮らしを始めていて――二つの世界で繰り広げられる村上春樹ワールド。
多分読むのは3回目です。強烈なキャラは覚えてるものですね、ピンク色の太った女の子とか、大と小の二人組とか。そして3回目なのに、話の結末を覚えていないので、新鮮な気持ちで読んでしまいます笑
村上春樹さんの理屈っぽさといいますか、いい意味で村上春樹さんだ〜という感じの言い回しが多数出てきます。普通の小説家なら、この一文で終わるだろうなというところを繰り返していく感じですね、他の小説家さんの本を読んでから戻ってくると殊更感じます。嫌いではないです。
しんしんと静かに降る雪のような、音の立たない雨降りのような空気感がやはり好きですね。ちょっと冒険感もあって、下巻も楽しみです。 -
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ネタバレいやあ、長かった。実に長い。
一部例外がありますが、ほぼ上下二段組みで合計777ページ。
あの村上春樹氏が、オウムの地下鉄サリン事件の被害者からのインタビューをまとめたもの。
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だからジャンルで言えば、ノンフィクション? かと思うじゃないですか。
ただ、そこはかとなく村上氏のエッセンスがブレンドするのです。だから、やっぱりこれは村上文学なんだろうな、と感じます。
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繰り返しになりますが、内容といえば、62人の被害関係者へのインタビューがただただ掲載されているものです。
上で村上氏のエッセンス云々いっていますが、各インタビューの前に見開きでその方の略歴、村上氏の抱いた印象がデッサンのごとく粗く表現されています。
ごく短い、本当にざっくりとした印象であろうかとは思いますが、この1-2ページが各インタビューの冒頭で待ち構えることで、やはりそれ以降のインタビューの印象は村上氏のそれに引きずられると思います。
まあ別にこれは悪いことでもなんでもなく、そういう作品、ということだと思います。村上氏の直観的描写も、取り立てて悪意を持って書かかれているようにも見えませんし、むしろ暖かいと感じました。
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そして、いつ間にか、読中の印象は『ナショナルストーリープロジェクト』のような、日常に潜む不思議な体験を綴るかのような風合いを感じるようになりました。私はね。
故に、いろんな人がいて、事件に遭った。大変な方もいますが、多くのかたは従容として受け入れているように読めました。実に皆さん悟るかのように生きているなあ、という印象すら持ちました。もちろん、怒り狂っているような方も当然いらっしゃるのですが、ただ大半は事実をフラットに受け止めているように見えました。
もちろん、インタビュイーはほんの氷山の一角。
こんな話はしたくないし、聞きたくもないという被害者も居ると思います。そういう方にとっては、作中の大半の方のような従容とした態度が、あるいはその表現が、なにやら不謹慎だと思うかたもいらっしゃるかもしれない、と少し心配になりました。
批判を避けるためというわけでもないのですが、やはりこれは村上氏の文学のひとつ、直球のノンフィクションとは違う、と捉えたほうが良いと思いました。
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ということで、村上氏の『アンダーグラウンド』でした。
これも実に約30年前の作品となります。当時の狂騒を思い出します。あれから日本は良い方向に変わったのかなあ。
かつて「事件を総括するべき」「何だったかを振り返るべき」などと叫ばれた気もしますが、あれから考えることもなく、振り返ることもなく、事件は時の波にのまれつつ風化しただけに感じます。
またぞろ同じような事件が起きないといいな、と祈るばかりであります。 -
Posted by ブクログ
自分はたまにものすごく怖い夢を見ることがあります。あともう少し見続けていたらきっと死んでしまっているような不穏な夢です。でも決まって最後のギリギリのところで目が覚めるのです。本書はそんな悪い夢に似た物語集でした。
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村上春樹さんの本は数えるくらいしか読んでいませんが、本書は元気な村上さんという印象です。
元気といっても明るい内容ではなく、不安が増幅されるようなものが多いので、少し怖い系に入ると思います。
とはいえ現実とファンタジーを行き来する不思議な感覚は健在で、さらに独特のキザな言い回しも楽しめます。
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あー怖い。でも本でよかった -
Posted by ブクログ
下戸な私でありますが。
ウイスキーの魅力と酒の場の雰囲気は好きなので手に取ってみました。
読み進めて間もなく、「仮にあなたがアルコールが飲めなかったとしても、ああそうだな、その土地のおいしいウイスキーを飲んでみたい」という気持ちになってもらえると著者として嬉しい、と。
み、見透かされている⁉︎ なんて(笑)
文体と写真の掲載もあって魅力が大変伝わって来て追体験が出来、アイラ島の文化にも触れる事が出来た。
奥様も一緒に行かれて、それも良きですね。
最後に。。。目に留まった1文を2つ。
年月が得るものもあり、年月が失うものもある。
byイアン
うまい酒は旅をしない。
by村上春樹
未読の方は、確かにそうだなーとなるかと^_^
旅にも出たくなるそんな1冊でした。