村上春樹のレビュー一覧
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いよいよ第二部へ。
主人公の画家の周りには何枚かの絵がある。依頼を受けた白髪の紳士免白の絵は寛政し既に依頼主の手元に渡ったが、現在は秋川まりえをモデルにした絵を描いており、また東f北のある町でほんの少し出会っただけなのに妙に印象に残った白いスバル・フォレスターの男を途中まで描いた油絵、そして「騎士団長殺し」。
「騎士団長殺し」を描いた雨田具彦とその弟に関する過去の闇も少しずつ明らかになってくる。それは村上春彦の作品で良く取り上げられる戦争に関連する悲惨な出来事であり、本作でも「騎士団長殺し」を巡る重要なモチーフであることが推測される。
そんなとき、秋川まりえの行方が分からなくなっていると彼女の叔母から連絡が入る。一体彼女はどこに行ってしまったのか。騎士団長の不思議なヒントを手掛かりに、何とか彼女を探し出そうとするところで、以下最終巻へ。
村上春樹の作品はそれなりに読んできたのだが、一体ここからどうなっていくのだろう、謎は深まるばかり。 -
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主人公は白髪の紳士・免色の”肖像画”を完成させたが、それは依頼主の免色もかなり満足の出来栄えだった。
そんなある夜、主人公は家の中で鈴の音が鳴っていることに気付く。意を決してスタジオに行った彼が見たものは『騎士団長殺し』の絵の中の人物、60センチばかりの騎士団長の姿だった。騎士団長は、自分は騎士団長の形体を借りた「イデア」であり、石室に閉じ込められていたが、あの穴から自由になったのだと言う。
また主人公は、ある事情から美しい少女秋川まりえをモデルに肖像画を描くことになる。
「騎士団長殺し」を描いた雨田具彦に起きた戦前のウィーンにおける出来事を巡る事実が徐々に明らかになったり、不思議なイデアが登場したりと、正に村上ワールド。果たして次はどのようなことが起きるのか、先に進むのが楽しみ。 -
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「肖像を描いてもらいにきたのだ」、「おまえはそのことをわたしに約束した」と<顔のない男>は言った。何もないものをいったいどのように造形すればいいのだろう?と何もできないうちに、その男の姿は消えてしまう。このように謎めいたプロローグで本作は始まる。
「とても悪いと思うけど、あなたと一緒に暮らすことはこれ以上できそうにない」と、主人公はある日突然妻から切り出される。妻には付き合っている男がいるようだが、特に諍いもなく二、三言のやり取りで離婚を承諾する。(この辺りの淡々としているところは、正に春樹の登場人物)
妻と別れることにした彼は家を出ることにし、愛車の赤いプジョー205に乗って、仕事も放り出し(彼は肖像画家)、北へとあてどもない旅に出る。そして数か月後車もダメになって、東京に戻ることにした彼は、日本画家である父親がアトリエとして使っていた家に住んでも良いとの友人の助けを得て、新しい場所で、新しい生活を始めることになった。
そこで彼は、家の元々の主、日本画家の雨田具彦が描いた『騎士団長殺し』というタイトルの付けられた、世に出ていない素晴らしい絵を発見する。また彼の前に、高額な謝礼を提示して肖像画を描いて欲しいと申し入れてきた不思議な白髪の隣人が現れるかと思えば、夜中に鳴る鈴らしき音に導かれて、雑木林の中に祠と石室を発見したりする。
謎が謎を読む展開だし、非常にリーダブル。先に進むのが楽しみだ。 -
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村上春樹さんの小説にハマってしまいました♡
消せない過去とか
満たされない想いとか
生きていく上で運命的に抱えてしまった傷跡に
向き合う彼らたち…
その時に与えられる 極上の孤独感や喪失感など
どれもその時にしか感じられない感情ばかり…
自分と向き合うことって
幾つになっても
苦しくて辛くて少し重い…
言葉にできない想いを
いつも求めていた言葉として表現してくれている
読み終えた時は 不思議と満たされた想いになる…
特に短編の中で
『蛍』の小説がお気に入り♡♡
『ノルウェイの森』の原型に
なっている小説ようで
遠い日の記憶や 夢を辿っていく柔らかい空気感が
小説の中に漂っていました… -
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ネタバレ哀しいカフェのバラード
著者:カーソン・マッカラーズ
訳者:村上春樹
銅版画:山本容子
発行:2024年9月25日
新潮社
村上春樹が翻訳をして、山本容子が銅版画を描いている。まあ、これだけでも売れそう。1951年に書かれた名作らしいけど、村上春樹の翻訳ってどうなんだろう。これまで、レイモンド・チャンドラー以外であまり面白いと感じたものはなかった。今回も、うーん・・・って感じ。
長身で骨格と筋肉は男性並、腕力も強い女性、ひどい内斜視のアミーリアが主人公。彼女は父親から町のメインストリート(といってもわずか100メートル)にある建物を引き継いだ。元々は飼料や肥料、粉や嗅ぎ煙草などを販売する雑貨屋だったが、彼女はそこにカフェを開いた。また、3キロ離れた沼地に、郡で一番美味しいお酒をつくる醸造所を持っていて、自分で酒を造っている。最初はその建物で販売のみをしていたが、ある時、酒を買いにきた町の男たちに無料でつまみを出し、それまで許していなかった建物内での飲酒を許した。その日をきっかけに、そこはカフェになった。
彼女は19歳の時、ある男に好きになられた。その男は、町で一番の悪で、機械修理工をする22歳、マーヴィン・メイシー。アミーリアの前では、何も言えなくなっておとなしい。2年間、告白できなかったが、ついに結婚をすることになった。町の人たちは、なぜ彼女がそんな男と結婚などしたのか理解が出来なかった。
新婚生活に入ったが、彼女は初夜を許さなかった。夜になると寝室から降りてきてオフィスで仕事を始める。マーヴィンはプライドを傷つけられる。そして、最後はアミーリアに殴り飛ばされ、追い出される。結婚生活はわずか10日間だった。彼はその後、何軒かで銀行強盗をはたらき、人を殺して刑務所に。
アミーリアのもとには、ある日、小さなせむしの男が現れた。話を聞くと、アミーリアの母親は、その男ライモンの母親と腹違いの姉妹になるという(ライモンの母親が姉)。つまり、カズン・ライモンというわけである。カズン・ライモンはミス・アミーリアの家に住み着いた。そして、小さな体で人気者になり、彼の希望によって店には自動ピアノが設置された。
カフェは賑わった。ミス・アミーリアはカズン・ライモンを愛していた。しかし、彼女にとって不吉な情報が耳に入ってきた。マーヴィンが仮出所したという。彼は町に戻り、子共の頃に世話になった里親の家に勝手に上がり込む。そして、カフェにもやってきて、ミス・アミーリアと睨み合いつつ話すことなく、暫くすると帰って行くが、やがてなぜだかアミーリアの家(カフェの建物の2階)に住み着く。寝室が2つあり、一つはカズン・ライモン、もう一つはマーヴィンが使用。ミス・アミーリアは今のソファで寝なければいけなくなったが、体が大きいのではみ出してしまう。
カズン・ライモンは、マーヴィンの虜になり、彼の後を常について回った。奇妙な三角関係のスタート。
やがて、対決の日を迎える。アミーリアとマーヴィンが殴り合って対決する日だった。町の人たちが、そして遠方から車に乗った人々が、カフェに集まった。お互いに強烈なパンチが入ったところからスタート。両者、ふらつく。そして、殴り合いが進むと、レスリングに。この町では決着はレスリングでつかる。どうやらアミーリアが勝ちそうな雰囲気になった。マーヴィンの首をしめている。このままでは・・・というところで、カウンターの上に乗って見ていた小さなせむし男のライモンが、信じられないような距離を飛んでそこに覆い被さって助太刀をする。形勢は逆転し、マーヴィンの勝ち。
マーヴィンは店中を破壊し、奪い、去って行った。そして、カズン・ライモンも去って行った。カフェは再開することなく、ミス・アミーリアは外から板を打ち付けさせた。近くの店もなくなり、すっかりうらぶれた町となった。その建物は、時々2階の窓があいて、性別不明の内斜視の人間が外を覗く。
この小説で、主要な3人に会話がほとんどない。一体、この3人に何があったのか、何が起きたのか、町の人々同様に、我々読者にも分からないことばかり。最後の訳者あとがきを読んでも、同じようなことが書かれているが、村上春樹氏は欠落した人間ばかりだが、そこにあるのは愛で、愛が絡んだ展開なんだという。マーヴィンとカズン・ライアンには同性愛的要素もあるのだろうという。そして、「せむし」という表現についても、古典だからと使用に理解を求める記述もあった。
ミス・アミーリア・エヴァンズ:カフェの経営者
ライモン・ウイリス:カズン・ライモン、繁盛の功労者、せむし男
ファニー・ジェサップ:せむし男の母
マーサー:ファニーと腹違いの妹、アミーリアの母?
スタンピー・マクフェイル:赤ら顔の職工人
ミセス・マクフェイル:鼻にイボのあるお節介ばあさん
レイニー家の双子:
ヘンリー・メイシー:恥ずかしがり屋で臆病、
マーリー・ライアン:アミーリアがせむし男を殺したという噂の張本人、「三日マラリア」
ヘンリー・フォード・クリンプ:
ロッサー・クライン:
レイナー・スミス:頭のおかしな隠者
ジェフ:黒人の料理人、
モリス・ファインスタイン:ユダヤ人、引っ越した、なよなよした男の喩えに、
<19歳の時代>
マーヴィン・メイシー:機械修理工、邪悪だったが22歳の時にアミーリアを愛した
ヘンリー・メイシー:その弟
ミス・メアリ・ヘイル:彼ら兄弟を子供の頃に引き取った善人 -
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村上春樹の世界観がとても好きだ。
アメリカの少し古い感じ、ゆったりしている感じ、気ままな感じ。
忙しくて明日のこと未来のことを考えすぎてる時に読むと、今を丁寧に大切に楽しんで生きようと思える本。
結局のところ自分の身の丈にあったものしか、見に纏うことができない。合わないものを押し付けられても、そのうちに自然に剥がれ落ちてしまう。だから合わないものを押し付けられるのも、一つの立派な教育と言えるのかもしれない。
村上さんのなんというか気を張らない流れに身を任せるような考え方がとても好きだ。私に合うものや人は考えてできるものではなくて、自然に身についてくるんだろうなあ。 -
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村上春樹が雑誌に連載していたもの、その他を集めて編んだエッセイ集。オリジナルは平成元年というから1989年の発行。35年前のものである。
30強のエッセイが収められているが、興味を持てないもの、全く面白いと感じなかったもの、逆に、なかなか興味深いと思ったもの等、自分的には玉石混淆のエッセー集だった。
村上春樹が、朝日新聞の記事の引用から始めた「日本長期信用銀行のカルチャー・ショック」という題名のエッセイがある。引用された朝日新聞の記事の部分を下記する。
【引用】
ごくごく一部とはいえ、女子行員が制服から私服に変わったことは、やや大げさにいえば、日本長期信用銀行の男子行員にとって、カルチャー・ショックだった。全員まとめて「女の子」だったのが、競争相手の「同僚」へ。それが文字通り目に見えた。
(昭和60年12月9日・朝日新聞)
【引用終わり】
昭和60年、1985年というのは男女雇用機会均等法が施行された年である。おそらく、日本長期信用銀行でも、いわゆる女性の総合職を採用し、その人たちには、女子行員が来ていた銀行の制服を渡さなかったのだろう。だって、総合職なのだから、男と同じく制服は着せない。
この文章に対しての村上春樹のコメントは下記の通り。これも引用する。
【引用】
僕はこの手の文章は個人的にあまり好きではない。たしかに状況を要領よくまとめてはあるが、ひっくくり方が単純明快すぎて、今ひとつ文章全体に信頼感が持てない。読んでいて、本当にそうなのかなと疑問が湧いてくる。
【引用終わり】
日本長期信用銀行の男子行員が、本当に「カルチャー・ショック」を感じたのだろうか(そんなわけないよね)?とか、特に何も感慨を覚えなかった人も、関心を持たなかった人も、私服も良いな、と思った人もいるはず(というか、カルチャー・ショックを感じた人の方が少なかったのでは?)である。
こういう紋切り型の、いかにもありそうで、話としても面白いという文章とは全く別の文章を書こうとして作家は苦労しているはずである。
村上春樹は、エッセイで、自分が感じた違和感を冗談まじりに書いているが、本当は「冗談じゃないよ」と思っていたのではないか、とも感じる。
時々、このように、作家としての片りん(?)をのぞかせるエッセイがあり、それらは村上春樹の本音がにじんでいて面白かった。 -
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「優しい心を持たずに生きのびてはいけない。優しくなれないようなら、生きるに値しない」あの有名なセリフの村上春樹訳である。「プレイバック」の小説そのものよりもこのセリフの方が有名である。
「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」という有名な訳は生島治郎によるもののようだ。
田口俊樹訳だと「タフじゃなければここまで
生きてはこられなかった。」になる。
こんな話だ。朝の6時半、マーロウは知らない弁護士からの電話で起こされる。列車で到着する若い女性を尾行してくれという依頼だった。マーロウは駅へ行き、女性を見つけ尾行するが、彼女の周りにはおかしな男たちがまとわりつき…。前半は事件らしい事件は起こらない。依頼してきた弁護士は何者か?この女性は?彼女にまとわりつく男たちは?何が起きているのか、わからないことだらけである。
途中で死体が出てくるがすぐ消えてしまい、今ひとつ盛り上がらない。最後にはすべてが明らかになるのだが、依頼主になるベティーにマーロウは言う。「私が求めているのは金なんかじゃない。自分がいったい何をしているのか、なぜそんなことをしなくちゃならないのか、それが知りたいだけだ」なんだこの理屈。何がしたいんだ?
この作品では事件は派手には起きない。その点では地味だ。そして何よりいつものマーロウと違う点は、簡単に女性に言い寄られ、簡単に一緒に寝てしまう点だ。これまでのマーロウは悪漢から女性を守るなどの流れがあって女性から何か言われてもさらりと断るのだ。しかしこの話では女性は脈絡なくマーロウに惚れて、マーロウも今までの我慢の反動のように女性を受け入れる。あまりオススメしたくないマーロウである。
翻訳では創元推理文庫の田口俊樹版も良いと言われるが、ハヤカワ文庫の村上春樹版が読みやすいのは確か。どうぞフィリップ・マーロウが崩れ始めるチャンドラー晩年の長編小説を愉しみましょう。
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寝る前の読書は春樹氏のエッセイみたいな読み物が良いことに気付き、実家に帰った時に、本書も何回も読んだが持って帰ってきてまた読んだ。
春樹氏が国内外の旅行に行ったときのエッセイ。私が興味を持って読んだものに関してははっきり覚えているのに、興味がないものはほとんど覚えていない事に気付き、脳の面白さを感じる。
無人島
→多くの虫に悩まされた事を覚えていた
讃岐うどん紀行
→ほとんど全部覚えていて行ってみたいなと思う、お店まだ有るのかなぁ。
ノモンハン
→ほとんど覚えていなかった。
アメリカ大陸横断
→あまり覚えていなかった。著者自身もあまり楽しい思い出でも無いようなのになんの為にエッセイにしたのか。まだ前項のノモンハンの方が、あまり興味はないものの人のやった行い等、考えさせられる物があったが。
神戸
→これも出だししか覚えていなかったな、興味あるテーマだが、内容が著者のごく個人的な内容だったからかと思われる。