村上春樹のレビュー一覧

  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(新潮文庫)

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    ネタバレ

     僕がいる「世界の終わり」と私がいる「ハードボイルド・ワンダーランド」。この2人の主人公を軸に物語は進んでいく。世界の終わりとは、街が壁で囲まれて、壁の外に出ることができない閉鎖的な場所で、ファンタジーな世界観である。一方でハードボイルド・ワンダーランドとは、現実の世界であるが、ある人物との出会いによって、主人公である私の運命どころかこの世界の命運を左右してしまうほどの、重大な事件に巻き込まれてしまう。

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    2024年10月05日
  • 村上朝日堂 はいほー!(新潮文庫)

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    村上春樹が雑誌に連載していたもの、その他を集めて編んだエッセイ集。オリジナルは平成元年というから1989年の発行。35年前のものである。
    30強のエッセイが収められているが、興味を持てないもの、全く面白いと感じなかったもの、逆に、なかなか興味深いと思ったもの等、自分的には玉石混淆のエッセー集だった。

    村上春樹が、朝日新聞の記事の引用から始めた「日本長期信用銀行のカルチャー・ショック」という題名のエッセイがある。引用された朝日新聞の記事の部分を下記する。
    【引用】
    ごくごく一部とはいえ、女子行員が制服から私服に変わったことは、やや大げさにいえば、日本長期信用銀行の男子行員にとって、カルチャー・

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    2024年10月03日
  • 東京奇譚集(新潮文庫)

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    久しぶりに読みたくなり手に取る。ちょっと不思議な話が語られる短編集。私が経験したちょっと不思議な話とはなんだろうと考えてみる。
    ・御巣鷹山飛行機事故が起きた日の話
    ・海に沈む自分を見送る夢を見た話
    どちらも物語にはならないな。

    短編集の中に出てきた「本当に意味をもつ女は三人しかいない」は忘れていたが、学生の頃読んだ後結構引きずったな、「私の意味をもつ女性は誰か?」と。
    やはり、そういう意味では、春樹氏に感化されて青春時代を送ったし、言葉に不思議な力を乗せる能力がある作家だと思う。

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    2024年09月27日
  • カンガルー日和

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    村上春樹氏の短編集の2作品目。
    村上春樹主義で、短編集も結構好きなのだけど『中国行きのスロウ・ボート』を含め本作はそれほど印象に残っていなかった。
    ただ、『バート・バカラックはお好き?』『鏡』は何故か印象に残っているし、とくに後者はさりげなくゾクッとする感じがあって結構好き。

    読み終わった後に少し調べたら後に『象の消滅』『めくらやなぎと眠る女』にも再編集されていたみたいで、こちらと二重に読んだせいで印象深いだけなのかもしれない。

    ※audible版

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    2024年09月26日
  • ラオスにいったい何があるというんですか?

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    ベトナム人にラオスにいったい何があるのか?と聞かれたら春樹さん。興味深い問い。何があるかは行ってみないとわからない。それを探すのが旅だ。と春樹さん。早朝から托鉢の僧侶に正座して餅米ご飯を差し出す。春樹さん。そこでしか体験できない本物、場の力を感じたそうです。これも旅の醍醐味だろうか。イタリア、トスカナのワインも飲みたくなった。

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    2024年09月22日
  • プレイバック

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    「優しい心を持たずに生きのびてはいけない。優しくなれないようなら、生きるに値しない」あの有名なセリフの村上春樹訳である。「プレイバック」の小説そのものよりもこのセリフの方が有名である。


    「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」という有名な訳は生島治郎によるもののようだ。


    田口俊樹訳だと「タフじゃなければここまで
    生きてはこられなかった。」になる。


    こんな話だ。朝の6時半、マーロウは知らない弁護士からの電話で起こされる。列車で到着する若い女性を尾行してくれという依頼だった。マーロウは駅へ行き、女性を見つけ尾行するが、彼女の周りにはおかしな男たちがまとわりつ

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    2024年12月19日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    ティファニーの社長が、昔テーブルマナー本の宣伝のために書店の人たち向けに会議室を臨時食堂に変えてご馳走した、って後書きの話が1番わくわくしたな。オードリーヘップバーンはいなかったらしいけど。

    「ある晴れた朝、目を覚まし、ティファニーで朝食を食べるようになってもあたし自身というものは失いたくないのね」
    「ら女は口紅をさしてからでないと、こういう手紙は読まないことにしてんのよ」

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    2024年09月21日
  • フィリップ・マーロウの教える生き方

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    123冊目『フィリップ・マーロウの教える生き方』(レイモンド・チャンドラー 著、マーティン・アッシャー 編、村上春樹 訳、2022年2月、早川書房)
    チャンドラーの生み出した傑作探偵小説『フィリップ・マーロウ』シリーズから名言を蒐集し、カテゴリごとに配置した語録。ついつい口に出して言いたくなるカッチョいい名文の数々が並ぶ。
    オタク趣味全開な一冊なのだが、これは村上自らが出版社に持ちかけ翻訳を行ったもの。大作家にも可愛らしいところがあるのね。

    〈時が足音を忍ばせ、唇に指を当てて、しずしずと過ぎていった〉

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    2024年09月21日
  • 辺境・近境

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    寝る前の読書は春樹氏のエッセイみたいな読み物が良いことに気付き、実家に帰った時に、本書も何回も読んだが持って帰ってきてまた読んだ。

    春樹氏が国内外の旅行に行ったときのエッセイ。私が興味を持って読んだものに関してははっきり覚えているのに、興味がないものはほとんど覚えていない事に気付き、脳の面白さを感じる。

    無人島
    →多くの虫に悩まされた事を覚えていた

    讃岐うどん紀行
    →ほとんど全部覚えていて行ってみたいなと思う、お店まだ有るのかなぁ。

    ノモンハン
    →ほとんど覚えていなかった。

    アメリカ大陸横断
    →あまり覚えていなかった。著者自身もあまり楽しい思い出でも無いようなのになんの為にエッセイに

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    2024年09月19日
  • 回転木馬のデッド・ヒート

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    聞いた話を物語(小説)にした短編集。ただ聞いた話をそのまま文章にすればいいわけではなく我慢強さというフィルターをとおして、村上氏自身のなかに溜まっていってこの物語を作ったと序文で言っている。人から聞いた話だからリアリティなのかと言えば、なんかちょっと不思議なこともあったりして、やっぱりそこは村上春樹っぽさ(視点)なのかなあとか。
    個人的には「雨やどり」と「ハンティング・ナイフ」が好きでした。ハンティング・ナイフの最後はどういう意味だったんだろう。

    「野球場」では「小さな灯というのはとてもいいもんです。僕は飛行機の窓から夜の地上を見下ろすたびにそう思います。小さな灯というものはなんて美しくて温

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    2024年09月16日
  • フィッツジェラルド10 傑作選

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    学生時代、村上春樹さんの世界に少しでも触れたくて、繰り返し読んだフィッツジェラルド。世界大恐慌の前後のアメリカに合わせて、当時の「酒と薔薇の日々」のような、主人公たちの繁栄と衰退を描く。

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    2024年09月16日
  • ラオスにいったい何があるというんですか?

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    アイスランド滞在記がお気に入り。
    アイスランドに生息する鳥パフィンの件を読んで、パフィンの愛らしさのとりこになりました。

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    2024年09月12日
  • カンガルー日和

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    今の私には難しすぎるな…っていうのが正直な感想
    でも、「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」は好き過ぎて何回も読み返した

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    2024年09月04日
  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    この本のいくつかの村上氏の私見を理解することで、小説の読み方がより深くなると思う。
    特に、最近読んだセンスと哲学に語られてた部分と重なる点がいくつかあり興味深い。
    以下印象に残ったところ。

    小説を書くというのは鈍臭い作業である。自分のテーマをたとえばを繰り返しメタファーとして記していく極めて非効率な作業。
    人生をできるだけ苦労しろと言うつもりはない。でも、何かしらの苦境にいることできつい思いをしているのなら、今はまあ大変でしょうが、先になって実るかもしれませんのと言いたい。
    小説を書いているとき、文章を書いているというよりは音楽を演奏している感覚があった。その感覚を今でも大事にしており、頭で

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    2024年08月31日
  • 神の子どもたちはみな踊る(新潮文庫)

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    きっとこの短編集は読んだはずなのだが、全く記憶に残っていなかった。タイランド、蜂蜜パイといった日常に近い短編の方が、阪神淡路大震災を意識の淵に置いた作品より読みやすかった。故郷を捨てあの揺れを体験できないまま廃墟を見つめることはとても苦しいことであろう。しかしあの震災を契機に世界は今につながる軋み始めたことをしっかりと思い起こさせる力があった。

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    2025年06月02日
  • 回転木馬のデッド・ヒート

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    日頃短編集というものはあまり好まない私でも、楽しく、軽やかに読むことができた。言わば本書は村上作品を嗜む上でのウォーミングアップといったところだろう。

    いくつか気に入った話があるが、その一つは「タクシーに乗った男」である。この話には非常にロマンがあり、「現実に起こり得ないようで起こり得ることがあるのだ」という人生に対する期待感を持たせてくれる。

    また、「ハンティング・ナイフ」という話に関しても、スプートニクと同様、やはり村上春樹にリゾート地を描写させたらピカイチだと思った。

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    2024年08月29日
  • やがて哀しき外国語

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    村上春樹は小説よりもエッセイの方がおもしろいなーって思ってる笑
    特に遠い太鼓は好き。職業としての小説家も好き。エッセイを読んでこの人面白いってのが俺の村上春樹の入り方だったなぁ。
    このエッセイは何年も前に途中まで読んで、あれ?村上春樹にしてはなんかビミョーかもってなってそのままになってた本。改めて読んでも、やっぱりビミョーではある。でもそれがなぜなのか、何が他のエッセイ本と違うのか、今も昔はよくわからん。
    村上春樹の外国旅行記や、実際に住んでみてのエピソードは興味深いんだけど、どうしてもこの本は普通って感じてしまう。なぜなのか...。

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    2024年08月28日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(下)―(新潮文庫)

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    イデアが本質ならメタファーは表象である
    一見して別物だが実のところ一体である
    我々はメタファーによってしか
    具体的なイデアを語ることができない
    そのことを「浮遊するシニフィアン」と呼んだ人もいる
    定義を寄せ付けないその概念に囚われた人々が
    統合の失調に陥ることもしばしばある
    これがいわゆるひとつの
    愛の迷宮ってやつなんだよ(メタファー)

    メタファーにいざなわれる本質世界は
    無機質で不毛な場所だった
    そこを通り抜けた人は、気づかぬうちに
    ある種の諦念を身につけるだろう
    つまり世界の本質は無機質で不毛なものなんだ
    それを多彩に錯覚するのは
    頼りないメタファーで色付けたバイアスの働きにほかならない

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    2024年08月23日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    村上春樹氏訳の名作。カポーティの冷血は読んだことがあるがまた違った感じだった。
    映画のイメージが強く自分は見たことはないが、村上春樹氏の解説では主人公のキャラクターは違うとのこと。確かに髪の色はブロンドと形容されており、オードリー・ヘップバーンの見た目とは違うことが分かる。
    古典的な作品ということもあり、ストーリーはどこかで見たことある展開だった。それでも引き込まれるのは作品として残り続けている魅力なのだろう。

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    2024年08月22日
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(上)―(新潮文庫)

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    ファンタジーとハードボイルド、
    アメリカ作家の雰囲気満載の
    ザ・村上春樹といった小説。

    イデアとメタファーが
    キャラクターとして出てきたのには笑った。
    こういう、意味わからんけど可愛くなっちゃうキャラを描かせたらピカイチな気がする。

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    2024年08月17日