村上春樹のレビュー一覧

  • 村上朝日堂(新潮文庫)

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    34才、まだ熟してゐないエッセー
     ビーフ・カツレツの話を読む。
     すると、丸谷才一の『食通知つたかぶり』を思ひだしたりする。実際、「旅行先で映画を見ることについて」も、多分に丸谷才一っぽい。
     ただ、私は食通ではないので、関心がない。(大江や司馬もさうだったらしい。)

     エッセーの文体も、『いかにして鍛えられたか』『村上T』ほど、洗練されてゐない。《である》《である》《である》がつづいて単調だ。

     このとき、34才である。いまでは考へられない村上の様子もみえる。
     椎名誠の名前も飛びだすし、豆腐(4)でカストリ雑誌的な未亡人とふける妄想もおこなふのである。女性にたいする時代劇拷問でいいね

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    2025年05月24日
  • カンガルー日和

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    若干、意地悪い言い方ると、この選民思想風な感じが村上春樹っぽいと言う感想(自分は見えていない部分も見ていますよ、的な)。

    駄目になった王国、とんがり焼きの盛衰は面白かった。

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    2025年02月28日
  • 螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

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    ノルウェイの森、の元となった蛍が収録されています。

    初期の村上作品はとても本の内容というよりは文章自体を読ませる、なにか独特な密やかな静けさを持っています。読後感もなにか曖昧模糊な雰囲気があり、それはそれでおもしろいです。

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    2025年02月22日
  • ねじまき鳥クロニクル―第1部 泥棒かささぎ編―(新潮文庫)

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    奇妙な人々の謎めいた回りくどい言い回しと変な展開の連続、どこまでが現実でどこからが空想か、それぞれの繋がりも何もかも全然わからないのになぜか惹き込まれる。

    村上春樹作品に共通して言えるけど、登場人物みんなセッ◯スについて、ことあるごとに考えすぎでは。
    あと生々しい描写が(無駄に)多くて、やや冷めた目で見てしまう。
    隠喩も直喩も含めて生きることと密接に絡んでいたり、なるほどなあとは思うこともあるにはあるけど。

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    2025年02月10日
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(下)―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    騎士団長がまさかの出現。中学生の女子が中年の男に向けて胸が小さいと相談するところがとても違和感あって、なんだか気持ち悪かった。どんな絵が仕上がるかは楽しみ。

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    2025年02月09日
  • ランゲルハンス島の午後(新潮文庫)

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    短いエッセイが25編。安西水丸さんのゆるく鮮やかなイラストと一緒に。小確幸、葡萄、八月のクリスマス、「核の冬」的映画館、地下鉄銀座線における大猿の呪い、ランゲルハンス島の午後が特に良かった。村上さんの日々の生活での視点や空想を感じられて面白い。

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    2025年02月08日
  • 回転木馬のデッド・ヒート

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    ここまで長編・連作を読んできた村上春樹の短編集を手に取ってみた。
    ここでも登場する、悲しみを分かち合いは、彼の作品の根底に流れているものだと感じた。
    年を取ることの利点の一つは、好奇心を抱く対象の範囲が限定されること。解ってはいるのだが、抗っていきたい。

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    2025年02月03日
  • 東京するめクラブ 地球のはぐれ方

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    2025.1st
    昨年の後半に村上春樹の「ラオスに一体何があるんですか?」を再読したときに本書のことが書かれていたので、読んでみました!
    取り上げられてる場所もちょっと変わってる。名古屋、熱海、ハワイ、江の島、サハリン、清里…江の島の紀行文って珍しいですよね(°_°)
    名古屋には住んでたことがあるし、熱海も何度か行ったのでこのあたりが本書で一番面白かったです!個人的には。
    サハリンは多分行かないだろうなぁ…(*´Д`*)
    ハワイは行ってみたいけど、似たようなコンセプトでもうちと安い場所が世界にはたくさんあるので、いつになるやら…(><)

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    2025年02月02日
  • 哀しいカフェのバラード

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    ネタバレ

    1917年にアメリカ南部に生まれ、23歳で小説家デビューした天才少女、アルコール依存症などで50歳で亡くなられた著者の1951年出版の作品。

    村上春樹さんによる訳者あとがきで使われていた「異様性」という言葉がまさにピッタリな、いろんな異様性を背負う登場人物。

    山本容子さんの銅版画がさらに印象強く人物像を浮かび上がらせる。

    人間の、なめらかじゃない部分、なだらかじゃない部分、が強調されるような、特質。

    見た目だけじゃなくて、個性的な性質。

    ミス・アミーリアと呼ばれる、カフェ、の店主であり、それ以上にこの物語の中心となっている、アミリア・エヴァンズ。

    「せむし」と称される、カズン・ライ

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    2025年01月25日
  • 螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

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    大麻を吸いながら狙いを付けてる納屋の話をしているシーンがめっぽう気味悪い。
    放火ではなく強姦だとか殺人だとか、色んな説があるけども、どれであってもアカンやつ。
    そんな時はお口直しに蛍を読むといい

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    2025年01月22日
  • ねじまき鳥クロニクル―第2部 予言する鳥編―(新潮文庫)

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    技術はある
     通俗性を帯びた技術はあり、読ませる。さきも気になる。ただ、相変らず、主人公の僕が妻に執着する筋や、変な女子高生のキャラクターに共感はない。

     手を焼くミュージシャンのエピソードが強烈で、あれはいいシーンだ。最後の真実も幾分ハッとなった。
     しかし、井戸にもぐるシーンは長い。綿谷ノボルと加納クレタの関係も、つかみどころがない。

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    2025年06月07日
  • 東京奇譚集(新潮文庫)

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    ネタバレ

    村上春樹氏2005年の作品。5篇からなる短篇集。
    シュールで微熱的な、得も言われぬ魅力のある作品集だと思います。

    ・・・
    一番のお気に入りはやはり、巻頭を飾る「偶然の旅人」。

    ゲイの調律師が、オフの日に郊外のショッピングモールにある喫茶店で読書をしていて、とある主婦と出逢い、すんでのところで一線を越えそうに。勢いを殺すべく、その時点でゲイをカミングアウト。そこでより一層深く互いのことを話し、その女性にも不安や悩みがあることを知る。それをきっかけに、ふと、かつて仲がよかった姉を思い出す。

    20歳そこそこでゲイのカミングアウトを切っ掛けに、結婚直前であった姉とは疎遠になってしまった。その虫の

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    2025年01月21日
  • ロング・グッドバイ

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    ハードボイルド小説の巨匠の代表作を村上春樹訳で読む。もうむちゃくちゃに有名で言い回しやセリフも有名なのが多い。プロットはシンプル(友人の死の真相を調べていく)だがマーロウのくたびれた皮肉が身にしみるように感じる。作品としてオッと思わせるシーンもなくはないが比較的淡々と進んでいくように思えるのは主人公目線だからだろうか。事件が解決してからの方が読み味としては面白く、そこからが本番な気がする。正直、長編もいいのだが短編が読んでみたい。

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    2025年01月18日
  • レキシントンの幽霊

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    ちょっと不思議で、様々な形の怖さが描かれた短編集。
    短編だから一つ一つの作品はさっくり読めるけど、内容は何を伝えたいのかな?ってじっくり考えなきゃいけない感じでした。(自分としては)

    個人的には『七番目の男』。恐怖との向き合い方が考えさせられました。

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    2025年01月18日
  • 村上ラヂオ(新潮文庫)

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    村上春樹のエッセイ。私は、村上春樹は小説よりもエッセイの方が好きだ。飄々とした感じの文体で、真面目なのだかふざけているのだか分からないようなことを書いているのが面白い。
    特に、小説では絶対に使わないような、見方によってはくだらない「比喩」を多用するとことも好きだ。

    ■(海外旅行中にホテルから空港に向かう途中、ホテルにパスポートやフライトチケットを忘れたことを、ホテルから250km地点で奥様から指摘されるのだが)隣に座っていた連れが、現実という見過ごすことのできないずた袋の底から、洗い忘れていた二週間前のテニス用靴下を引っぱり出すみたいに、陰惨な疑問をひとつ持ち出してきた。
    ■しかし災難は、ま

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    2025年01月17日
  • レキシントンの幽霊

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    7つの短編で、旅の帰り道の新幹線にするっと読めた一冊。久しぶりに読んだ村上春樹はやっぱり、見かけは表面が平坦で、静かな波、なのに奥底に渦巻く深さは計り知れない感じ。何を考えてるのか想像しきれない微笑んでる上司みたいな怖さ。本は読み切ったけど、まだ読み切れてない気がする。また戻ってきたい一冊。

    以下、本文より
    - 私には未来というものがない。ただただ過去を積み重ねていくだけなのだ。
    - 具体的な現実から遠いところにいる私たち子供
    - 目に見えるものが存在せず、目に見えないものが存在する場所

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    2025年01月03日
  • ロング・グッドバイ

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    いちいち言い回しがかっこいい!アメリカの風を少し浴びれた気がする。
    ラストにめちゃくちゃ感動したし、人間の心理描写が上手くてめっちゃ良かった
    いつかまた読みたい
    「ギムレットを飲むには少し早すぎるね」

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    2025年01月03日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉前編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    天吾と青豆の話から牛河の話も加わった。
    推理小説を読んでるような感覚
    NHKの集金の人は誰なのか?
    天吾の家と青豆のところに来てたのは同一人物なのか?
    リトルピープル的な何か?
    天吾とふかえりが交わったタイミングとリーダーが殺されたタイミングが同じなので
    青豆の妊娠はやっぱり天吾の…?
    ここまで来たのでオチも気になるし最後まで読む。

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    2025年01月03日
  • 猫を棄てる 父親について語るとき

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    村上春樹さんが、お父様が亡くなったことをきっかけに、自分の父親について、そして村上さんとの関係性について、時代背景である戦争について、実際に書きはじめてみることで考えを深めていったエッセイです。台湾出身の高妍さんが担当された表紙と挿絵は、なんだかぼんやりとした思索を静かに呼ぶような絵でした。

    村上千秋さんという人が春樹さんのお父様で、京都のお寺・安養寺の次男として誕生します。安養寺の住職が村上さんの祖父ですが、もともとは農家の子だったのが、修行僧として各寺で修業を積み、秀でたところがあったらしく住職として安養寺を引き受けることになったようです。

    僕は読む作家を血筋で選ぶことはないので(多く

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    2024年12月28日
  • カンガルー日和

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    常の些細な出来事や奇妙な瞬間を通じて、現実と非現実の境界を揺るがすような作品集
    それぞれの短編には、独特なユーモアと淡々とした語り口が漂い、一見すると無意味に思える出来事が深い余韻が。
    登場人物たちは孤独や不安、あるいは何気ない生活の中での違和感に直面しながらも、その中に温かさや小さな発見を見出します。この作品の魅力は、言葉の選び方やリズムそして村上作品らしく読者の想像力に託しているところ。

    軽やかでありながらも、人生の不可解さや儚さにそっと触れるような一冊で、村上作品は短編集から入った方がいいなと。

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    2024年12月26日