村上春樹のレビュー一覧
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女は散漫で思いつくままに喋るから、話があっちこっちに飛ぶ、なんて云われます。ええ、思いあたりますとも。この小説も筆者の思考の流れるままにひょいと飛躍するところがあるので、ぼやっとしてると置いてきぼりを食らうことがあります。でもちゃんと帰ってくるから大丈夫です。
そんなわけで、時代とか社会背景とか民族がなんちゃらとか、そういう問題はいっさい置いといて、ようは50年代のガールズ・トークだと解釈すると、もろもろ腑に落ちました。原題は“The little disturbances of man”なんですけど、訳者の村上春樹センセイは「女の人生の煩いのモトはたいてい男だからね、フフフ」といいたいのかも -
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村上春樹と松村映三の辺境・近境 写真篇を読みました。村上春樹のコクのある文章と松村映三の味のある写真で構成された10年以上前の旅行記でした。二人のコンビネーションが他の土地に旅行したときのわくわく感を醸し出していて、面白い読み物になっています。ところで、村上春樹はSF作家である、という意見を聞きました。確かに考えてみると私の気に入っている「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」や「アフターダーク」「海辺のカフカ」などはSFと言っても遜色のない構成になっています。語り口が独特で読みやすいので、純文学系のように錯覚してしまいますが。まあ、面白く読めて、何か考えさせられる小説であれば、どの分野で
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村上春樹の音楽エッセイ集。
音楽はとても個人的なものなので、周りの評価がどれだけ高くても、自分の感性に合わないものは好きにはなれない。
たとえ、それが自分の好きな作家が愛する音楽だったとしても同じことです。
そういう意味では、好きな作家の音楽エッセイを読むというのは、ちょっぴり勇気が必要かも・・・などと、思いながら読み始めました。
しかし、「音楽についてそろそろ真剣に、腰を据えて語るべきではないか」という帯書きのとおり、その真摯な文章に最初から引き込まれます。
村上作品の中には、色々な音楽が挿入されているし、知識が豊富であることは周知の事実かもしれませんが、この本で取り上げられ -
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○単行本:1983年12月
○文庫本:1986年12月
○分類:「素敵な絵と文書」の本
○私の偏見的感想
・安西さん、村上さんの名コンビが世に放った記念すべき第一作。
・あと書きによれば、画集を出すのがいやと言う画家と、エッセイ(随筆)を出すのが恥ずかしくていやと言う作家が、誰かと一緒だったら、相乗りだったらと思って出来上がった、引っ込み思案なお二人だからこその作品。
・安西さんのイラストは、雑な様で実は緻密で、相変わらず良い味出てますよね。(うふふ)
・村上さんの文書はエッセイと言うより、小品集という感じでまとまっています。(ご本人は否定するでしょうが、個人的には非常に朗読向きな文書 -
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ネタバレさきがけ、戎野先生、ふかえり、リトルピープル、空気サナギ、天吾の母、安達クミなど、何もわからないまま終わっていった。まあ論理が通用しない世界ということなのだろうが、もっと幻想的なものを求めてしまったのかもしれない。何かを示唆しているのだろうが自分の読解力、考察力では厳しかった。小松が誘拐されたのと対比して、タマルが徹底したプロなのが面白かった。牛河をしっかり殺してくれてありがたかった。牛河の死後の視点も斬新だった。終始、青豆と天吾の孤独感は、単純明快だと思った。もう少し言いずらいくらい凡庸で複雑な孤独感を知りたくなった。
小説全体としては、やはり序盤が面白かった。色々な種類の天才、孤独な人間