村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
コロナ禍で旅行に行けない今読むのにぴったり。
ギリシャのアトス半島と、トルコの黒海地方+東南部を周遊した旅のもようを綴っている。旅行記なのでかなりスラスラと読めた。
ギリシャ編ではいくつもの修道院を訪れ、出会った人や食べものを宗教的な要素にも簡単に触れつつ紹介しているが、なかなか一般的な観光客は足を踏み入れないような場所であるから興味深い。
トルコ編では、トルコのキラキラした部分だけではなく、旅で起こったことをもとにその地の雰囲気、トルコ人の気質や現地人はあまり話したくないような暗い部分に触れたりしていることに好感を持てた。クルド人の話であったり、東南部の街の雰囲気など、少し重い話題であっても重すぎず、かといって軽く流しているようでもないため読みやすかった。
「物事がとんとんとんと上手く運ばないのが旅である。上手く運ばないからこそ、我々はいろんな面白いもの・不思議なもの・唖然のするようなものに巡りあえるのである。そして、だからこそ我々は旅をするのである。」
序盤で響いた言葉。頭では理解できても、心の内からこう思えるようでありたいと思う。 -
Posted by ブクログ
作品全体に暗喩の雰囲気が漂う村上春樹がよもやプラトンについて明るくないどころか洞窟の比喩も知らないとは、、、、。
徒然に、ある種、語感だけでメタファーとイデアを持ち込んで騎士団長殺しを執筆していると考えると身震い。作品を読むたびにこの人物が象徴しているものはなんなのかなあ、わかんないなあとか思ってたけどそんなこと考える必要もないんだな。
「もやっとした総合的なものを読者がもやっと総合的に受け入れるからこそ、それぞれ自分なりの意味を見出すことができるんです。」
わかりやすいステートメントではなく、善き物語としての小説、それもわりかし長い小説という形で発信を続けていく村上春樹の作品を今後も追い続けていきたいと感じた。 -
購入済み
ドライブマイカーの映画が楽しみ
ドライブマイカーは絵になると言うか、情景が浮かぶ良いストーリーでした。その他のお話は独立機関、シェラザード、木野と表題作まで、女性を何らかの形で求める男の満たされない気持ちがあふれているように感じました。コロナで人々のふれあいが不自由になる中で求めていたショートピースを一個いただきました。
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Posted by ブクログ
「村上春樹は短編やエッセイが読みやすいし面白いよ」、と中学時代から村上春樹の作品を愛読書とする友人からアドバイスをもらい、たまたま古本屋で手に取った一冊。
『海辺のカフカ』冒頭でなぜか挫折してしまった事実が嘘のように、読める読める。大学時代、通学時間に1ページ1ページ繰るのを楽しみに読んだ。
アメリカでの生活や、彼の哲学や思考がよく分かる。所々ウィットに富んだ文章があり、読んでいてふふっと笑ってしまう。
また、日本の自動車不買運動が起こっていた時代にアメリカに住んでいたとのこと、その文章の端々からトランプ政権へと右傾化していく保守的なアメリカ人たちの予兆のようなものが感じ取れる。丁度トランプがヒラリーを打ち破った時にこれを読んでいたので、「村上春樹すごー!」と思ったり...。
この本をきっかけに他のエッセイを読み始め、今では小説も好んで読んでいます。
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Posted by ブクログ
ネタバレ兄を探して欲しいという女の言動に「あれ?」と思ったマーロウ。結果として、それは正しかった訳だが。
絡んで複雑になっていく話に、どんどんのめり込んでいった。プロットが素晴らしいなこれは。シリーズで一番ミステリ色が強かったのは、水底の女だと思うが、これは女たちの心情が一番素晴らしかったと思う。
ここで漸く気付いたのだが…シリーズを通して、どんな形にせよ、女の愛がどの作品にも色濃く漂っていて、それが事件に大きな関わりを持っているのが、とても面白い。殺してしまえば、永遠に自分のものになるとか、愛した男でも自分の過去を知っていれば、口封じに殺してしまうとか、愛とは…
そして、美しいと思える表現の数々。私が、所謂"村上主義者"だと言うことを差し引いても、読む価値はあると思う。