村上春樹のレビュー一覧

  • 1Q84―BOOK2〈7月-9月〉前編―(新潮文庫)

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    青豆、天吾、二人の接点がいよいよ明らかになる。
    けれども、まだ大人になってからの二人は出会わない。
    物語として局面が一つ大きく進んだ感がある。

    教祖が少女に対し性的暴力をふるっている。
    その被害者であるつばさは、マダムに保護されたはずなのに、ホームから忽然と姿を消す。
    それどころか、女性警官のあゆみまで殺害される。
    青豆はマダムの依頼を受け、「最後の仕事」として、この教祖を殺すべく、整体師として教祖のもとに向かう。

    ―えっ?ラスボスがこんなに早く現れる?
    と思ったら、どうやら彼自身も超自然的な力に操られ、放っておいてもやがて朽ちて死んでいく運命にあることが判る。
    むしろ、彼の後継者を欲しが

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    2025年11月02日
  • 国境の南、太陽の西

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    若い時初めの方で読むのをやめた本だった。今読むと、他の長編のモチーフとつながっていることに気づくし、現実世界の理解でおさまる範囲で語られているようで読みやすい。
    喪失が埋められ、ゼロから始まる予感で終えられているのも悪くない。語り手だけでなく、主要な人間が根元に関わる喪失を経験しているという共通点もある。

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    2025年11月01日
  • 村上春樹 翻訳ライブラリー ある作家の夕刻 フィッツジェラルド後期作品集

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    中高生のときに「華麗なるギャツビー」を読んで、それから「雨の朝パリに死す」を読んで、なんとなくフィッツジェラルドという作家の醸し出す雰囲気みたいなのを背伸びしていいなぁと思おうとしているようなところがあった。
    なんか人間の切なさみたいなのを絶妙に掬い上げるような感じの印象があって、それ自体がなんかすごくわかるような感じでいることがカッコいいことのように思っていた。太宰の「人間失格」を読んで、自分はこの感じわかる、と言いたいようなああいう感覚。若い時特有の。
    それで今大人になって、だいぶ久しぶりにフィッツジェラルドを読んだら、わかる気がするというより、分かってしまう、という感覚だった。でも本当は

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    2025年10月30日
  • 一人称単数

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    ネタバレ

    どれもファンタジーとリアリティが7:3くらいの割合で混じっていて彼らしさを感じる。

    個人的にはクリームの話が好み。「中心を複数持つ外周を持たない円」という無理難解な概念自体はどうでもいいのだが、「君の頭は難しいことを考えるためにある」という言葉がなんだか心に残る。

    世間的には『品川猿』が人気っぽいのも納得。
    人語を操る従業員の猿という奇妙な設定、性欲を満たすべく女性から名前を盗むという突拍子もない発想、そしてその行為はもうやめたと言っていたのにふとした時に名前を忘れる女性との出会い。

    不気味さが面白い。

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    2025年10月30日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉前編―(新潮文庫)

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    何も読まずに好きだの嫌いだのと村上春樹を語れないので、最初の彼の小説として『1Q84』を選んだ

    ジョージ・オーウェルの小説『1984年』(1949年刊)も読んだことないけど、『1984』に出てくる独裁者ビッグ・ブラザーと対称的なリトル・ピープルという名前の集団が『1Q84』には出てくるらしい
    この巻では名称が数回出てきただけでまだ謎のまま

    I can’t speak about liking or disliking Haruki Murakami without reading his work, so I chose '1Q84' as my first novel

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    2025年10月28日
  • 東京奇譚集(新潮文庫)

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    読んだことあるようなないような話だった。フィクション感満載の話ばかりだった。特に最後の猿の話はなかなか面白かったが、現実に起こったとは信じ難い。

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    2025年10月28日
  • ラオスにいったい何があるというんですか?

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    ラオスへの旅行記だけだと思っていたら、短編集だった。高野秀行さんの本を読んだ後だったから、情報は得られたけど刺激は少なかったという感じ。
    以前からアイスランドには行ってみたいと思っているが、湖のような温泉地はすでにオーバーツーリズム。懸念される。
    近場では熊本に行ってみたい。

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    2025年10月24日
  • 街とその不確かな壁(上)(新潮文庫)

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    久しぶりに村上春樹の長編読んだ。短編集も良かったけど、やっぱりわたしは長編が好き。
    でも、どうして私は村上春樹の小節が好きなんだろう。好きを言語化全然できない。ここのシーンが良いってのも特にない。不思議な世界観にいつのまにか入り込んでしまって、ただただ続きが気になって読み進めてしまう感じ。最後まで読んでも、結局わからないことの方が多いんだけど。とりあえず魅了される。本当に不思議。

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    2025年10月21日
  • 街とその不確かな壁(上)(新潮文庫)

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    ハードボイルドワンダーランドを彷彿とさせる壁の内の世界。影のない世界。

    山奥の小さな村。子易さん。

    村上春樹の最新作は、彼の世界観がふんだんに詰め込まれていることだろう。

    下巻が楽しみだ。

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    2025年10月19日
  • 国境の南、太陽の西

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    ネタバレ

    学生の頃から数々の村上春樹作品に挫折してきた私だけど、初めてはっきり理解できる作品だった。かといって共感できる部分はひとつもなかったが…。
    結局のところ私は村上春樹的なバブルの遺物みたいなキャラクターが出てくる小説が結構好きなんだよな、と思う。同じことが江國香織作品に出てくる危なっかしい雰囲気の女性にも言える。

    内容について思ったのは、再会した島本さんってつまり非現実の存在なのでは?ということ。
    主人公が囚われていた希死念慮?のようなもの。満たされなさを抱いて、現実から逃げてしまいたくて幻影を見ていたのかなと。
    何がそんなに不満だったのかは全然納得がいかないけど、島本さんのミューズ感ってやっ

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    2025年11月08日
  • 東京奇譚集(新潮文庫)

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    村上春樹の短編集を初めて読んだ。すごく不思議な感覚に包まれながらも大切なことを学べる思い出せる本だと思った。

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    2025年10月19日
  • ねじまき鳥クロニクル―第3部 鳥刺し男編―(新潮文庫)

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    ☆4.5くらい。

    妻がいなくなるという、村上春樹的なおきまりから物語が動き始める。

    主人公とその周りの再生を描く中で、主人公がちゃんと闘っているのがいい。絶望しすぎていない。

    人との出会いが救いになっているのかもしれない。
    それぞれが抱えている地獄が、すさまじい。

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    2025年10月19日
  • もし僕らのことばがウィスキーであったなら(新潮文庫)

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    アイルランド、スコットランドのウィスキーを巡る旅。
    羨ましすぎる。私もこの本持ってアイルランドとアイラ島にウィスキーの旅に出たい。

    '年数の多いほどシングル•モルトはうまいと思いがちだ。でもそんなことはない。年月が得るものもあり、年月が失うものもある。...それはただの個性に過ぎない。'

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    2025年10月15日
  • 神の子どもたちはみな踊る(新潮文庫)

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    1995年は阪神大震災と地下鉄サリン事件が起こった年。地震と宗教、共通点があるはずはないのですが、同じ年にこの二つの出来事が起きたということは、この世には人の手の届かない何か大きなものがあるのでは?そしてその大きなものを村上春樹は知っているのでは?などと思わせるような不思議な短編集。
    登場人物は、被災者や被害者ではないけれど、この2つの出来事が心に小さな余波を残している人たち。独特な文体を取り混ぜて、言葉を話すカエルや天の光の中でひたすら踊る若者など不思議なキャラクターも登場します。彼らが何を抱えているのか、何をしたいのかはさっぱりわからず、ただ淡々と流れるように物語が進み、結局謎のまま終わ

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    2025年10月15日
  • 国境の南、太陽の西

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    どんな内容なのかと思っていたが,複雑だが日常でありそうな恋愛話だとは思っていなかった。昔に出会った異性を想うのはよくあることで、悪くないことと思うが、実際に会ってしまうのは良くないんだろう。会いたい気持ちはよく分かるが、会わないから良い。現実にもありそうな話であるように感じた。

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    2025年10月13日
  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    多分、小説家を目指す人達が手に取る本だと思いますが、ネタは脳内キャビネットから取り出したものを使って書くとか、まるでジョンレノンがメロディと歌詞が天から降ってくる…的な天才が語る話だな、と思いました
    ちなみに毎日10km走って、5〜6時間机に向かって書く、というようなマッチョ?なのですね
    また、昔からの読者は今更なのでしょうけど若い時から洋書を原書で読み漁っていて翻訳の仕事をするなどアメリカの出版界ともその頃から繋がりがあって現在があるようです。そして、書くにあたってどんな企画でどんな内容にするかなども、かなり当初から自由に書かれていたということなので、小説家志望の方達にはあまり参考にならない

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    2025年10月13日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(新潮文庫)

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    イシグロオサムのような未来世紀ブラジルのような。未来的でディストピア的なSFの世界と、内省的な意識の世界が独特の世界観をつくりだしている。これはこれまでの三部作とは全く異なる小説である。それでもやっぱり一人の男が何かを探しながら、自分の価値観を確認しつつ、トラブルに巻き込まれながら前にすすむという意味ではハードボイルドである。

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    2025年10月10日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    他人に迷惑をかけてはいけない精神のある日本人からすると、ホリーの自由奔放な生き方は心底羨ましいのではないかと思った

    万引きは当たり前のように、警察に捕まったのに割と簡単に海外に逃げているし、なんだかゆるいところがあるけれど、それが日本との価値観の違いなのかと疑問には感じた

    村上春樹の文体が大好きな身からすると、この作品が好きなのか、村上春樹が好きなのかは判断しかねたが、この後の行方は読者におまかせ系の終わり方は個人的に好みでないため、星4に

    もう一度読んでみたいし、映画も見てみたくなった

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    2025年10月07日
  • やがて哀しき外国語

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    20年以上前にアメリカ留学していた頃、よくわからない言葉と文化と習慣の中で生きていくのが精一杯だった頃に、「遠い太鼓」と一緒に傍に置いていた本。電子書籍もなかったし日本語の本なんてとても高価でなかなか買えなかったから、文庫本の表紙はボロボロ、中のページもよれよれになるまで読み返していた。だから今でも、この本を開くと当時の気持ちが空気付きで思い浮かぶ。

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    2025年10月05日
  • 神の子どもたちはみな踊る(新潮文庫)

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    阪神淡路大震災を受けての短編集。
    好きな作品が多かった。

    ・UFOが釧路に降りる
    妻の失踪、釧路に荷物届ける。
    何かが起こるわけじゃないのに心がざわっとする。

    ・アイロンのある風景
    家出した順子、放蕩息子の啓太、焚き火が得意な絵描きの三宅さん。
    焚き火を見ながらぼんやりと過ごす時間を文章で表現できるの、ほんとすごい。
    ラストがとても好き。

    ・神の子どもたちはみな踊る
    1Q84の青豆の設定はここからだろうか。
    途中まですごく惹きつけられたが、踊るところからついていけなくなった。

    ・タイランド
    40代の女医のさつきと、タイの観光ガイド兼運転手のニミットとの物語。
    ニミットが素敵。空気感が好

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    2025年10月04日