村上春樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ悪が、純度100%の悪としては描かれず、
主人公に宿る悪(=スバルフォレスターの男)
免色に宿る悪(=スズメバチ、クローゼットの前に立っていた男)として、「普通の(免色に至っては普通以上の)善良な人間」にも宿る普遍的な悪(闇とも言い換えられる)を描いていたのが村上作品の中で新しいと思った。
ねじまき鳥クロニクルでは、
皮剥ぎボリスや綿谷ノボルなど、読者にとことん嫌悪感を抱かせる純度100%の悪が描かれていたが、
この作品の免色渉は、とにかく自制的でスマート。
私はすごく好感を持てるキャラクターだったな。
そんな人間でも、悪を抱えている(キリスト教でいう原罪)ということなのだろうな…
悪は -
-
Posted by ブクログ
2009年5月初版(単行本)。
村上春樹、最長作品。文庫で6冊。内容も宗教アリ、公募小説がらみアリ、殺人アリ、まあ攻めまくっている。春樹作品の中でもっとも脂ののりきっている作品と言っていい。
春樹が苦手な人はとことんダメだろう笑。それほど流布された春樹的世界が敷き詰められつつ、新たに壁を乗り越えようとしているようにも感じられる。
この一冊、先を急がず、いくつもの興味深い謎をテーブルに並べて置きますねって感じで終わる。45歳で、学生運動をしていた父を持つ私としては、もっとも語ってほしい時代設定である。春樹的世界の深層はまだまだ提示されない。
1980年代生まれにとっては刺さりまくる話だと思う。