【感想・ネタバレ】ねじまき鳥クロニクル(第1部~第3部)合本版(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

「人が死ぬのって、素敵よね」彼女は僕のすぐ耳もとでしゃべっていたので、その言葉はあたたかい湿った息と一緒に僕の体内にそっともぐりこんできた。「どうして?」と僕は訊いた。娘はまるで封をするように僕の唇の上に指を一本置いた。「質問はしないで」と彼女は言った。「それから目も開けないでね。わかった?」僕は彼女の声と同じくらい小さくうなずいた。(本文より) ※当電子版は新潮文庫版『ねじまき鳥クロニクル』第1部~第3部の全3巻をまとめた合本版です。

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匿名

購入済み

10年ぶりくらいに再読。当時は満洲国やシベリア抑留などに関するパートが印象に残っていたけれど、改めて読むと失った妻を取り戻そうとする物語として読むことができた(あるいはこの10年の間に自分が結婚したことも関係しているのかも)。逆にモンゴル人や中国人の描き方が一面的すぎるのではないかと、そこが気になった。
全体的に色々なエピソードやイメージ、そして家族関係や政治や戦争などあまりにも多くの要素が絡んできて読書体験としては極上と言えると思う。

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2024年08月17日

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