平田オリザのレビュー一覧

  • わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か

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    対話=異なる価値観を擦り合わせていく行為である といった話や、自分と価値観の違う価値観やライフスタイルの違う他者と接触する機会をシャワーを浴びるように増やしていくことが大事という話に特に共感した。

    演劇が他者の感情や価値観を理解するのに役立つということが新しい発見だった。

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    2023年12月16日
  • 経済成長なき幸福国家論 下り坂ニッポンの生き方

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    「他者を蹴落とさないと生き残れないという発想は前世紀の遺物」「自己決定力」などが残る。この著者たちの過去の本が理解できない人たちが多いことが理解に苦しむ。

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    2023年10月14日
  • 幕が上がる

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     定年間近のこの歳になっても、青春を描いた本を読むのは楽しいです。
     もしかしたらこの本は学校の演劇部員にとってはバイブル的なものかな?著者もそこは意識して書いたのではないでしょうか。所々に「ここはこうした方がいいよ」とか「ここにも注意した方がいいね」とか、読者に丁寧にアドバイスしてくれているような場面が数多く散りばめられているのは演劇に疎い私でも感じました。
     以前に読んだ、佐藤多佳子さんの「一瞬の風になれ」が中高の陸上部員の間で広く読まれた(たぶん)のと同じように、プロ・アマ問わず演劇の世界で頑張ろうと考えている中高生にとってはうってつけの一冊だと思います。
     もちろん、演劇に興味がない人

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    2023年08月25日
  • 幕が上がる

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    演劇部に入っている身からして、本当にリアルに書かれたお話だとは思うのですが、やっぱり優秀な顧問の先生が来ないと始まらないと思わされました。(そこもリアルではあるけれど)
    けれど、全国目指して頑張る演劇部のみんなは、とてもキラキラしていて、やっぱり高校演劇って青春!!
    藤ヶ丘高校演劇部のみんな、国立行けたらいいな…。

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    2023年08月19日
  • 撤退論

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    現在のシステムの潮流でのカタストロフィの生じる前の方向転換を撤退論としている。
    コモンの再生と撤退ということで、斎藤幸平が、『資本主義から撤退して里山に行くだけでは不十分。何故ならそのままでは、資本主義が里山を含めた環境を破壊するから。』と言っていたところに納得。彼はだからこそ資本主義は止めなければならないという。当方はまだ、サステナビリティは社会という形での対応が必要と思っている。戦争、技術進化などに対応する上で、経済を止め切ることはできないと思うため。

    撤退とは、単に行くか戻るかの二者択一を意味しない。そのような二者択一を自分に迫っている世界観とは、全く異なる世界観へのパラダイムシフトを

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    2023年05月03日
  • 幕が上がる

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    とても良かった…!良い青春小説はいつまでも読んでいたく、読み終わってしまうのが寂しいですね
    高校演劇がテーマの本作は、分かりやすく熱い!だとか心揺さぶられる!といった要素はどちらかというと薄く、
    どちらかというと淡々とした雰囲気で進む作品でしたが、
    劇中で公演を作っていく中で、現在の自分たちに、分からないなりに向き合っていく様子が眩しい
    周りから少しずつ大きな影響を受けて完成した演目が上演されるシーンは
    自分でもよく分からない涙が溢れた

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    2023年04月19日
  • 22世紀を見る君たちへ これからを生きるための「練習問題」

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    中高生向けの授業が増えそうなので、参考になりそうな事例を学ぼうと購読。以前からパフォーミングアートで地域活性や人材育成などに取り組んでいる平田さん。今回は子供たち向けに、これから何をどのように学ぶと良いかについての論を展開している。といっても、子供向けというよりは、子供に向き合う大人や、新人を採用する組織に向けたものでもあり、とても参考になった。世界最高クラスの知識はネット学習でいくらでも学べる時代であり、そういった形式知の多寡よりも、「クルー型」(見知らぬ仲間、多様な仲間と、いかに物事を成し遂げていくのか)を見るようになるだろうと。そうすると、このような機会を小さな頃から持つことが大事なのだ

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    2023年03月12日
  • 演劇入門

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    演じる場である劇場について、触れてるかなと思い読み始めたが、一言も出てこなかった。期待は外れたものの、内容は興味深く、特に一章のリアルなセリフとは何か、と、四章のコンテクストについて、でハッとさせられ面白かった。
    コンテクストは一般化して考えることができ、演劇に限った話ではない。あらゆる物事において、何がベースにあるか知ることはとても大事だと思う。
    別に演劇をやっているわけでも、よく観に行くわけでもないが、続編の「演技と演出」も読んでみたい。

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    2022年12月27日
  • ともに生きるための演劇

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    私たちにはまだ演劇がある。未成長の分野があることは、日本の希望だと思う。
    多様なままでともに生きる世界を、みんなで考え対話するべきだ。大人も子どもも。

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    2022年11月19日
  • ともに生きるための演劇

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    演劇が社会に必要なこと
    多様性を受け入れるために必要なこと
    が平易な文章で書かれていてめっちゃ面白い!!
    もう一回読む

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    2022年11月16日
  • 撤退論

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    「まえがき」の内田樹の文章の衝撃たるや。
    21世紀末には、総務省の中位推定で、日本の人口は4700万人に。7000万人も減るという。
    そして、この事実を国は知ってはいるが、「このシナリオを国民に対して開示する気がない」にっちもさっちもいかなくなってから、我々に、さて、「日本は沈みつつありますが、生き延びる手立てはもうこれしかありませんと手の内を明かす」だろうと。
    その時には「強者にすべての資源を集中し、弱者は見捨てる」というシナリオは出来上がっている…。

    そうだろうと思う。そうなのだ。たぶんもう出来上がっているのだ。我々庶民はうかうかしてこれからだまされるのだ。

    この「まえがき」と白井聡と

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    2022年06月01日
  • 撤退論

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    涙あり、衝撃あり。15通りのメガネをかけさせてくれる、とても有意義な一冊。
    一人ひとりの論考をじっくり味わいたい、でも面白すぎるし文章の量も程良いのでもう1人読みたい、もしくはこの人の別の著書を早く読みたい、そんな気持ちになった。
    新しい時代がそこまで来ている、そんな予感がしてくる。

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    2022年05月30日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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     内田樹さんんが呼びかけて「中高生向き」に書いてもらった,オムニバス本。わたしが知っていた人は6~7人だが,それぞれの呼びかけが面白かった。
     本書のメッセージは,30代~70代の年代別に分かれていて,70代なんて,中高生が大人になった頃はほとんど現役ではないわけで,だからこそ,なにを呼びかけているのかが,気になる。
     新型コロナによって暴き出された現代社会の矛盾は,コロナ禍が過ぎ去ったとしても,なんらかの修正を迫られるはずだ。会社に行かなくても仕事ができる…と分かったからには,満員電車に乗って会社へ行くこと自体が,すでに「必要なこと」ではなくなってしまった。密を避けることは,過疎地域では当た

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    2022年01月10日
  • 22世紀を見る君たちへ これからを生きるための「練習問題」

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    21世紀に求められる力・学力観をもとに、入試問題作成の過程やその内容を例に挙げながら出題意図について述べられた本。「21世紀型スキル」である対話力をはかろうとしている考えられた入試方式・内容で、その裏側と思いが分かりやすくまとめられていた。アクティブラーニング化する高等/中等教育機関での授業に応じた試験内容でかなり勉強になるポイントがたくさんあった。

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    2021年12月16日
  • 演劇入門

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    演劇のはじめ方の本。タイトル通り。
    ダメな戯曲を書かないためのコツが分かる。

    テーマより自分の世界を表現することが大事。
    テーマに触れることで自分の世界の表現方法が見えてくるみたいな…。

    情報の格差を持たせることがリアリティに繋がり、
    格差を持たせるためにはセミパブリックな場を用意するとよいらしい。納得。

    色んな舞台をいっぱい観たくなった。
    財力が足りない………。

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    2021年11月13日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    忖度か、同調圧力か、権力の逸脱か。最近、表現の自由が失われつつある風潮がある。26人の研究者、作家、芸術家、ジャーナリストが自由について考察し、声をあげる。

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    2021年11月03日
  • わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か

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    第一章 コミュニケーション能力とは何か?
    p20
    日本のこれまでの表現教育というものは、教師が子どもの首を絞めながら、「表現しろ、表現しろ!」と言っているようにしか見えない。そういう教員は、たいていが熱心な先生で、周りも「なんか違うな」と思っていても口出しができない。
    私は、そういう熱心な先生には、そっと後ろから近づいていって肩を叩いて、「いや、まだ、その子は表現したいと思っていませんよ」と言ってあげたいといつも感じる。

    p25
    では、その「伝えたい」という気持ちはどこから来るのだろう。私は、それは、「伝わらない」という経験からしか来ないのではないかと思う。

    p28
    若者全体のコミュニケー

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    2024年08月26日
  • 幕が上がる

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    高校の演劇部が舞台の小説でとても読みやすかったです。
    この小説を読み終わった後、私もこんな青春を送りたかったと思いました。初めての演出で悩んで、悩んでいい舞台にしていこうとするさおりに心を打たれました。
    ももクロがでている映画も見てみたいと思いました。

    私も演劇がしてみたくなりました! 

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    2021年10月04日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    まず著者群の面子を見て、少なくとも既知の名前において、それぞれの発信することばを追いかけている人が多いことを確認。演繹的に、その他の著者についても、かけ離れた立場にはないであろうと判断。あわよくば、今後の人生指針になり得る存在と出会えることも期待。前置き長いけど、そんな考えの下、発売前から気にかけていた本書。日本学術会議任命拒否問題についても、どこかでちゃんと読まなきゃと思っていたけど、その欲求も本書で満たされた。中曽根時代から綿々と受け継がれて今に至るってのも、何とも根深くて嫌な感じ。そのあたりまで遡って、ちゃんと勉強しなきゃ。あとは、己でさえままならない自由の取り扱いを、更に次世代に伝える

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    2021年07月28日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    26名による日本学術会議任命拒否問題に端を発した、自由への権力の介入に関しての論考集。息苦しさの正体にはさまざまな形での!自由を禁じようとする動きがあったことに改めて気がつく。
    それぞれの立場で見た自由への介入は、幅広いものがあり、私たちの生活がじょじょに狭められてきていることが分かる。
    誰かの問題なのではなく、自分の問題として、さまざまなやり口で介入しようとしてくる権力にはNOを突きつけたい。

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    2021年07月16日