平田オリザのレビュー一覧
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少し古くささを感じる部分はあったが、普段子どもを相手にしている私にとっては、非常に多くのことを考えさせられる時間になった。
日本語という言語、そして日本語が持つハイコンテクストな文脈は、多くの国では共有されていない。
だからこそ、マジョリティのコミュニケーションの仕方を知ることの重要性を改めて実感した。
同時に、そのハイコンテクストさが、かえってコミュニケーションを丁寧に、詳細に行う機会を奪っている面もあるのではないかと気づかされた。そう考えると、ある程度の訓練を通して意識的にコミュニケーションを行うことは、現代人にとって必要なことなのだと思う。
また、グローバリゼーションをどこまで -
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劇作家・演出家の平田オリザさんが、各地での街づくりの実践を踏まえた、日本社会がどうあるべきかを提起した本でした。
真の地方創生を考える前提として提起された、3つの寂しさ。日本は下り坂を降りていくしか無いという現状認識が、そうだよね!と共感。
「もはや日本は工業立国では無い」「もはや日本は成長社会では無い」「もはやこの国はアジア唯一の先進国では無い」
そして地域活性化のために、箱モノやバラマキではなく「人と共に生きるためのセンス」である文化資本を育てなければならない、という主張が新鮮で光明が見える気がします。人をいかに育てるか、育つ仕組みをどうつくるかという視点が、なかなか持てない世の中なんだ -
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ネタバレ高校の時に読んでなんで読めたのか理解できない、何もわからず読んだか諦めたんだだろう、、笑
当時より今読んだ方が、社会情勢を踏まえて面白いかもしれない。
国際化がより普通となった現代、一方で奥ゆかしさなどの文化が犠牲になっていく。
対話部分が一番おもしろかった。日本に根づいていないし、根付けばいいなと思う。対話の難しい部分は、こちらが対話をする気満々でも相手に対話の体力や経験がないと受け入れてもらえない(対話自体が一切成り立たない)ことである。とにかく否定ではなく、私はこう思っていて、あなたはどう思っているの?このラリーが「あなたを否定しているわけではなく、私はあなたと話して結論を探したいので -
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内田樹篇の平成を振り返るエッセイ集。最初に内田氏が言っているように、自由に書いてもらったので統一感はないが、それぞれの書き手の専門分野に応じて、いろいろな平成の断面が見える。中には内田氏ファンである読み手の存在を忘れているのではないかと思われるものもあったが、総じて興味深く読めた。面白かったのはブレイディ氏の英国的「ガールパワー」と日本的「女子力」が全く真逆の意味になるという指摘だった。前者は、女が、女たちの支持を得て女たちをインスパイアすることだったが、後者は、女が、男たちの支持を得て男たちに愛されてほかの女たちより上に立つことだという、なるほど、双方の国民性の一端を垣間見せてくれている。
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人は文化や環境で考え方がそれぞれ異なる。「みんな違って大変だ」。この前提で人との察し方を考える。筆者が演劇への深い考察から得た結論が、豊富な事例を元にまとめられている。以下、エッセンスというか、自分なりのトピック。
人間らしいロボットは、その動きの中に無駄な要素、ノイズがあり、それが的確に入っているらしい。人間は何かの行為をするときに必ず無駄な動きが入る。認知心理学の世界ではマイクロスリップという。優れた俳優も、このマイクロスリップを演技に取り入れている。
長期記憶のメカニズム。ある程度明らかなのは、様々な新鮮な体験との組み合わせによって起こるらしい。
会話の冗長率。一つの段落、一つの文 -
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ネタバレわかりあえないことから。
このタイトルのとおりのコミュニケーション論。
この本を読んだのは2度目だが、初めて読んだときに衝撃を受けたのを覚えている。
コミュニケーションは“わかりあえないこと”から始める必要がある。
自分としてはずっと“わかりあえるもの”としてコミュニケーションをとっていたわけだけれど、この本を読んで、なるほど!と思った。
たしかに生きてきた環境も違えば、当然価値観も考え方も違う。趣味趣向も違えば、好きなもの嫌いなものも違う。そんな人たちと関わり合うのが社会だ。
そりゃあ、わかりあえないだろうよ。
そう思ったら至極気が楽になった。
まずは“わかりあえない”から始める。
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あらゆる企業の新人採用において重視される項目であるところの「コミュニケーション能力」とは何なのか。一般論と教育論、そして演劇をからめて、議論は展開していく。
日本語においては区別が曖昧な、対話(ダイアローグ)と会話(カンバセーション)、そして対論(ディベート)の違いを明確にし、対話的精神、いやそれよりも、「対話の基礎体力」の重要性を説く件は深く納得。
冗長率(意味伝達と関係のない無駄な言葉の含有率)は、実は「対話」に最も多いのだという。小津安二郎の映画を題材に、夫婦だけの会話のシーンに、近所の他人がひとり加わった瞬間「まあ、」とか「いやあ、」とかの間投詞が増え、それが対話に切り替わる様が説明 -
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人から聞いて読んでみた本。タイトルの「わかりあえないことから」。異文化同士はもちろん、同じ日本人同士であってもこの前提は大切。それは異文化に見をおいて仕事をする中で漠然と感じていたことではあった。そのうえで、わかりあえるための努力を惜しまず出来るかどうか。日本人が国際社会で生き抜いていく(成功していく)ための秘訣であると、眼を開かされたように感じた。日本がどのような文化を持ち、他者はどのような文化を背景に持っているか。これを意識的に考えるだけでもコミュニケーションは違ってくるだろう。「みんなちがって、たいへんだ」、その通りだと思う。でもだからこそ、多様な価値観から新しい何か、高いパフォーマンス
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- カート
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試し読み
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今後日本が成長していくことはないということを改めて実感した。また、そのことをきちんと受け止めて、新自由主義を脱却し、新たな産業構造に基づいて文化政策を打ち出していくことの重要性に気がついた。
作者の述べる文化政策や寛容と包摂の社会は決して情緒的・感情的なものに振り切ってない。
それは極めて現実的・合理的でいて、筋の一本通った主張だった。
地方創生や大学入試、文学作品、諸外国、演劇など様々な題材を取り上げる中で、これからの日本の在り方を一貫した姿勢で見つめ直している。
日本の衰退を勇気を持って受け入れ、耐え忍んでいくためには、芸術・文化の地位を高め、対話を行なっていくことが大切だという主張 -
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続・僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう
チャレンジをテーマとして各氏の講演と主催者である永田和宏氏との対談が収められている。何者でもなかった頃の話かと言われるとそうでもない感じもするが、基本的には若者向けのメッセージになっている。学びは多いと思う。
池田理代子
漫画家を中断してまでも声楽家を目指すために47歳で音大に入り直す。やらないで後悔したくないというのがモチベーション。
平田オリザ
コミュニケーション能力について。相手のコンテクストを読み取ることができる医師を育成するために阪大は劇作家である氏を招聘した。劇の役割は解答を与えることではなく議論を喚起するものであるという意見も興味