平田オリザのレビュー一覧
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ネタバレ高校の時に読んでなんで読めたのか理解できない、何もわからず読んだか諦めたんだだろう、、笑
当時より今読んだ方が、社会情勢を踏まえて面白いかもしれない。
国際化がより普通となった現代、一方で奥ゆかしさなどの文化が犠牲になっていく。
対話部分が一番おもしろかった。日本に根づいていないし、根付けばいいなと思う。対話の難しい部分は、こちらが対話をする気満々でも相手に対話の体力や経験がないと受け入れてもらえない(対話自体が一切成り立たない)ことである。とにかく否定ではなく、私はこう思っていて、あなたはどう思っているの?このラリーが「あなたを否定しているわけではなく、私はあなたと話して結論を探したいので -
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内田樹篇の平成を振り返るエッセイ集。最初に内田氏が言っているように、自由に書いてもらったので統一感はないが、それぞれの書き手の専門分野に応じて、いろいろな平成の断面が見える。中には内田氏ファンである読み手の存在を忘れているのではないかと思われるものもあったが、総じて興味深く読めた。面白かったのはブレイディ氏の英国的「ガールパワー」と日本的「女子力」が全く真逆の意味になるという指摘だった。前者は、女が、女たちの支持を得て女たちをインスパイアすることだったが、後者は、女が、男たちの支持を得て男たちに愛されてほかの女たちより上に立つことだという、なるほど、双方の国民性の一端を垣間見せてくれている。
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人は文化や環境で考え方がそれぞれ異なる。「みんな違って大変だ」。この前提で人との察し方を考える。筆者が演劇への深い考察から得た結論が、豊富な事例を元にまとめられている。以下、エッセンスというか、自分なりのトピック。
人間らしいロボットは、その動きの中に無駄な要素、ノイズがあり、それが的確に入っているらしい。人間は何かの行為をするときに必ず無駄な動きが入る。認知心理学の世界ではマイクロスリップという。優れた俳優も、このマイクロスリップを演技に取り入れている。
長期記憶のメカニズム。ある程度明らかなのは、様々な新鮮な体験との組み合わせによって起こるらしい。
会話の冗長率。一つの段落、一つの文 -
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ネタバレわかりあえないことから。
このタイトルのとおりのコミュニケーション論。
この本を読んだのは2度目だが、初めて読んだときに衝撃を受けたのを覚えている。
コミュニケーションは“わかりあえないこと”から始める必要がある。
自分としてはずっと“わかりあえるもの”としてコミュニケーションをとっていたわけだけれど、この本を読んで、なるほど!と思った。
たしかに生きてきた環境も違えば、当然価値観も考え方も違う。趣味趣向も違えば、好きなもの嫌いなものも違う。そんな人たちと関わり合うのが社会だ。
そりゃあ、わかりあえないだろうよ。
そう思ったら至極気が楽になった。
まずは“わかりあえない”から始める。
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あらゆる企業の新人採用において重視される項目であるところの「コミュニケーション能力」とは何なのか。一般論と教育論、そして演劇をからめて、議論は展開していく。
日本語においては区別が曖昧な、対話(ダイアローグ)と会話(カンバセーション)、そして対論(ディベート)の違いを明確にし、対話的精神、いやそれよりも、「対話の基礎体力」の重要性を説く件は深く納得。
冗長率(意味伝達と関係のない無駄な言葉の含有率)は、実は「対話」に最も多いのだという。小津安二郎の映画を題材に、夫婦だけの会話のシーンに、近所の他人がひとり加わった瞬間「まあ、」とか「いやあ、」とかの間投詞が増え、それが対話に切り替わる様が説明 -
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人から聞いて読んでみた本。タイトルの「わかりあえないことから」。異文化同士はもちろん、同じ日本人同士であってもこの前提は大切。それは異文化に見をおいて仕事をする中で漠然と感じていたことではあった。そのうえで、わかりあえるための努力を惜しまず出来るかどうか。日本人が国際社会で生き抜いていく(成功していく)ための秘訣であると、眼を開かされたように感じた。日本がどのような文化を持ち、他者はどのような文化を背景に持っているか。これを意識的に考えるだけでもコミュニケーションは違ってくるだろう。「みんなちがって、たいへんだ」、その通りだと思う。でもだからこそ、多様な価値観から新しい何か、高いパフォーマンス
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試し読み
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今後日本が成長していくことはないということを改めて実感した。また、そのことをきちんと受け止めて、新自由主義を脱却し、新たな産業構造に基づいて文化政策を打ち出していくことの重要性に気がついた。
作者の述べる文化政策や寛容と包摂の社会は決して情緒的・感情的なものに振り切ってない。
それは極めて現実的・合理的でいて、筋の一本通った主張だった。
地方創生や大学入試、文学作品、諸外国、演劇など様々な題材を取り上げる中で、これからの日本の在り方を一貫した姿勢で見つめ直している。
日本の衰退を勇気を持って受け入れ、耐え忍んでいくためには、芸術・文化の地位を高め、対話を行なっていくことが大切だという主張 -
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続・僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう
チャレンジをテーマとして各氏の講演と主催者である永田和宏氏との対談が収められている。何者でもなかった頃の話かと言われるとそうでもない感じもするが、基本的には若者向けのメッセージになっている。学びは多いと思う。
池田理代子
漫画家を中断してまでも声楽家を目指すために47歳で音大に入り直す。やらないで後悔したくないというのがモチベーション。
平田オリザ
コミュニケーション能力について。相手のコンテクストを読み取ることができる医師を育成するために阪大は劇作家である氏を招聘した。劇の役割は解答を与えることではなく議論を喚起するものであるという意見も興味 -
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(01)
演劇は生きることそのものではないが,生きることに少し似ていると著者は締め括る.その似る姿は,この人間はあの人間に似ていながら,かつ互いに他者であり続けることに相似している.人間社会と個人生活を映し出す演劇ではあるが,それは観るものにとっても演じるものにとって,社会や個人そのものではないが,似たものとして舞台において提示されている.ワークショップの試みは,他者を通じて社会や個人を探る行為でもあり,そのものの延長に演劇があるとも言える.
著者の経験的な理論から近代演劇史に基づいた理論(*02)までが,テスト的なテキストを用い,ワークショップ成功のポイントを示しながら論じられていく.動作や