あらすじ
低成長の「下り坂」の時代も、見方を変えれば「成熟した国家の高原状態」。潜在力をうまく活用すれば、活力のある社会は実現可能である。「競争社会」で埋没する「個」の能力こそ、ニッポンの潜在力に他ならない。「個」をベースにした「成熟国家」に向けて、ではまだこの国になにが足りないのだろうか?
人口減少に歯止めをかけた自治体の秘策とは?「東京だけは勝ち組」がウソである理由とは?低成長ニッポンの「国家論」と、下山の時代を生きるための「幸福論」を、平田オリザ、藻谷浩介両氏が徹底的に語り尽くした「幸福国家論」新登場!
※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「他者を蹴落とさないと生き残れないという発想は前世紀の遺物」「自己決定力」などが残る。この著者たちの過去の本が理解できない人たちが多いことが理解に苦しむ。
Posted by ブクログ
とても素晴らしい本。何が素晴らしいって、お二人が具体的に実践されていることに心打たれる。その点においては、僕はまだまだ。自分でもコミットして行動していかなければと熱い気持ちにしてくれる。
Posted by ブクログ
東京の出生率の低さ 子供を三人以上産む人が少ない 出生率2は3人以上が支え
製造業から文化立国へ 文化により付加価値を与える(30)
成熟国家の時代
多様性が不可欠
Iターン・Jターンが地域・自治体を選ぶ理由 自由・文化
「自己決定力」を持つのがElite
「付加価値」他者との違い 長期記憶の組合わせ=イノベーション
皆が効率の良い労働に疲弊して、消費も文化も均一化
「多様性」の真逆
「日本社会のリセット論」は
Posted by ブクログ
バブル期のような派手でおかしな時代はもう来ないだろうけれど、ああいうのとはまるで反対の意味で楽しく暮らせる社会が、あと少しの時間と手間暇を掛けたら実現されそうな気がして来る、そんな本。日本はまだまだ捨てたもんじゃない。てか、これからだね。
Posted by ブクログ
人口減少が確実に進んでいる日本の経済成長は見込めないと言い切った上で、下り坂の時代をどう生きていくかを対談した本。
下り坂はなぜ不安なのか?コンペティションではなくコラボレートして生きていける環境が地方にはある。そしてその中で心の豊かさを育むためには、「自己決定力」が大事になる。
現実的に考えてもう経済成長を第一優先するのではなく、お金に捉われたい人もとらわれたくない人も共存できる多様な生き方を実現できる社会をつくっていくべき。
私は望んで積極的下層市民になりたいと思いました。
Posted by ブクログ
対談本でかつ相互に批判的な論議ではないから、テーマ発散型で、悪くいうと取り留めがない。経済成長は良い事なのかという論点に決着せぬまま、人口減少が必ずマイナス成長を齎すという理屈からスタートとしているので、結局、『下り坂をそろそろと下る』という別著に象徴されるように、既定路線であるネガティブな方向に、如何に抗わずに生きるか、という話し合いになっている。
生産人口が減り、生産性も上がらず、故に経済成長がマイナスとなり、税収は縮小する。だからと言って税率を上げると、人々の暮らしは貧窮していく。しかし、税金は教育や福祉、医療、防衛に使われるため、税収を上げないと、支出を要する高齢人口の増加と共に収支が合わなくなり、暮らしは不安定になる。つまり、経済成長が無いと、幸福から遠ざかるのではないだろうか。
そこで、イノベーションや出生率の議論。本著では、イノベーションに対して否定的だが、これはプロダクトの付加価値は、やがて追随されて逓減するという主張だ。当然だが、しかし、イノベーションとは、別に最終製品の機能アップとしての技術革新だけではない。対談では、生産技術の革新という観点が見落とされている。生産性を上げるイノベーションは意味があるはずだ。また、地方の方が生産性が上がっている、10人でやっていた農業が1人で可能になったとの論。生産量が同じで、残り9人が存命、無産階級として病院にいるなら、地方の生産性は上がっている事にはならない。この9人の新たな付加価値化、労働が必要な点が見落とされている。
子供が将来に支払う税額を考慮すれば、子供手当を1千万円払っても、投資回収が期待できるという論がある。本著では、平均出生数を上げるのではなく、多産家庭を増やす事が重要という話。これは、その通りだな、と思った。多産できない事こそが経済的理由ならば、解決策はあるような気がする。ただ、人類は子作りや子育てという進化しない本能に対し、それ以外のエンタメが進化し過ぎて、あるいは、道徳観や医療が進化していく事で、価値相対的に子作りをしない生命体になっていくのだと思う。
幸福とは何か。もう少し議論を深められた気がして残念な書。でも、対談に参加させて貰った気になる、思考のきっかけとしての良書。