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地下室の令嬢
地下室で暮らすわたしを救うためにあなたは結婚を申し込んだの?“管理人兼ハウスキーパーの職に応募いたします”両親を事故で亡くし、何不自由なかったアラベラの生活は一変した。切実な思いを込めて書いた手紙のおかげでようやく見つけた職は、病院の地下室に住んで、待合室や診察室の掃除をしたり、患者やスタッフのために玄関のドアを開け閉めするのが主な仕事だ。部屋を飾り、おいしい料理を作って小さな幸せに浸るアラベラの姿は、タイタス・タヴェナー医師にはけなげなシンデレラにしか見えない。独身の彼に周囲は盛んに女性を紹介するが、退屈な相手ばかりだった。けれど、ときどき地下室を訪れるうちにタイタスの中で何かが変わった。愛してるわけじゃない。だが、アラベラと結婚すればうまくいく。突然のプロポーズをアラベラは静かに受け入れた。でも、愛のない結婚が本当にうまくいくのだろうか。 -
やさしい闇
派遣会社で働くローラに、とある富豪の城での仕事が舞いこんだ。城主リチャードは先日前妻を亡くしており、幼い娘を引き取ることになったため子守を頼みたいのだという。彼は事故で顔に大怪我を負って以来、隠遁生活を送っていて、ここ数年、その姿を見た者は誰ひとりいないらしい。実際、城での仕事が始まってからも会話は常にドア越し。リチャードは一向に姿を現さず、娘にすら会わないと言い出した。これでは父を頼りに城にやってきた少女がかわいそうだ……。ローラは決心した――なんとかして彼を孤独の闇から出そうと。 -
愛の使者のために
友人の出産祝いで産婦人科医院を訪れたジャックは、そこで思いがけず、かつての恋人ニーナと鉢合わせした。8カ月前、ジャックの子供嫌いが原因で二人は諍いになり、口論の末、ニーナは彼のもとを去っていったのだ。忘れられずにいた最愛の人を前にしてジャックは呆然とするが、一方のニーナは何も言わず、怯えた様子で彼の脇を過ぎていく。なぜニーナがこんな場所に? しかも、入院患者の服を着て。まさか……ある可能性が頭をよぎり、彼はニーナを追いかけた。一度は失ってしまった大切なものを、その手に取り戻すため。 -
社交界の評判
忘れもしない17歳のあの日、へスターは社交界を去った。スキャンダルになった事件そのものよりも、ダンガラン卿の一方的な非難が何よりも彼女を傷つけた。兄の友人で、優しい彼にひそかに恋していたのに……。最後に彼に言われた侮辱の言葉を思い返すと、今でも腹立ちと恥ずかしさで頬が熱くなる。あれから6年が経ち、へスターは両親に説得されて、再び社交界に足を踏み入れようとしていた。でも、夜会に行けば必ずダンガラン卿に会う。そのとき、わたしは平気でいられるだろうか? -
妻という名の契約
なんという偽善者!スティーヴンの葬儀にぬけぬけと現れたガイを見て、フランチェスカは激しい怒りを覚えた。スティーヴンの兄であるにもかかわらず、重い病に倒れた弟を見舞いにさえ来なかった男。3年間、スティーヴンと暮らしてきたフランチェスカは、ガイの冷たい仕打ちを決して許すまいと心に誓っていた。だが、スティーヴンの遺言はそんな彼女の決心を打ち砕いた。信じられないことに、彼はガイにこう頼んでいたのだ。“フランチェスカと結婚し、一生彼女を守ってやってほしい”と。 -
愛にさすらう
リー・マーシャルの望みは、まにあううちに結婚して子どもを産むことだった。愛を知らないまま、家族の世話に捧げた青春。決して若くない彼女にとって、結婚相手の条件は、ときめきよりも生活の安定のはずだった。ジャッド・バーネットは大規模なホテル・チェーンの経営者だったが、3年前に一人息子を事故で失って以来、自暴自棄になっていた。仕事を優先し、息子との約束を破った日に事故が起きたのだ。リーとジャッドのふたりは、運命に導かれるように出会い……。 -
十津川警部の挑戦<新装版>
20年も前に警視庁捜査一課の刑事だった父親が、勤めていた会社を退職して、「小樽へ行く」との置き手紙を残して失綜してしまった。心配した一人娘は、十津川警部の制止を振りきり、<がんがん部隊>という意味不明のメモを頼りに、父を探しに小樽へ飛ぶ。だが、そこでわかったのは、父が昔に起きた何かを調べに来たらしい、ということだけ。父が会いに行ったと思われる老婆が、謎を解くカギを握っているかもしれないと訪ねたときには、老婆はすでに首を吊って死んでいた。いったい何が起きているのか、父親は連絡もないまま帰ってこない。十津川が案じていたのは、その警察OBの失綜ばかりではなかった……。 -
答えられそうで答えられない語源
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ベストセラー「読めそうで読めない間違いやすい漢字」の著者が贈る、日常的に使っていながら語彙・語源については説明することができない言葉を約600語集め、クイズ形式でわかりやすく解説。「おくびにも出せない」のおくびとは?/「ケンもホロロに断られた」のケンって? ホロロって?/「元も子もない」の元とは? 子とは?/「モッケの幸い」のモッケって何?/二十歳をなぜはたちという? などなど知っていそうで知らない日本語を掘り下げます! -
守銭奴
徹底した守銭奴アルパゴンを主人公にしたモリエール晩年の喜劇。今日では「タルチュフ」についで最も上演回数が多い。「泥棒、泥棒!」で始まる第四幕の最終景は、金貨を盗まれて狂乱するアルパゴンの一人芝居の見せ場で、主人公は、観客に訴えかけ、観客の視線、観客の笑いに恐怖を抱く。モリエールはここで劇場全体を舞台空間にしてしまっている。 -
タルチュフ
宗教を食い物にする偽善者タルチュフにすっかり篭絡され、イカレてしまったオルゴンは、極度の思い込みから自己中心主義のとりこになって、一家の全員を苦しめるが…コメディ・フランセーズですでに三千回以上の上演回数をほこるモリエール屈指の力作。 -
メグレ警視のクリスマス
ミステリであれ、純文学であれ、外国の作家たちは一生涯に一度はクリスマス・ストーリーを書く。エラリイ・クイーンによれば、クリスマス・ストーリーにはいくつかの約束事がある。「子供を登場させる」ことと、「奇蹟がなければならない」ことだ。『メグレ警視のクリスマス』にも子供が登場し、小さな奇蹟も起こる。『メグレのパイプ』では、メグレ夫人が十年前の誕生日祝いに贈ってくれたメグレのもっとも好きなパイプが盗まれる。毎日、メグレはオフィスのなかをさがす。帰宅しても、不機嫌で、ほとんど口をきかない。メグレがそのパイプを見つけるのは、捜査中の事件の犯人を逮捕したときであった。シムノン自身がもっとも愛している中編。 -
海底二万リーグ
次々と報告される海の「怪獣」の正体を明らかにすべく、アメリカは巡洋艦エイブラハム・リンカーン号を派遣する。フランスの海洋生物学者アロンナクス教授は正式な招待をうけて、それに乗り込む。同行するのは召使いの若者コンセイユだ。艦にはカナダ人のモリ撃ちの名手ネッド・ランドもいた。「怪獣」の正体はほどなく明らかになったが、それに気づいたとき、3人は鋼鉄製の「怪獣」の腹のなかへと引きずり込まれた。「怪獣」は見たこともない潜水艦で、ネモ(誰でもない)という名の艦長がその指揮官であった。艦長はいぶかる3人を深海の散歩に歩につれだす。ヴェルヌの「驚異の旅」の代表作。 -
グラント船長の子供たち
SFの始祖として知られ、冒険小説の第一人者として知られるジュール・ヴェルヌの「驚異の旅」シリーズ第5作。スコットランドの貴族グレナヴァンはふとしたきっかけから冒険家グラント船長の船が遭難して船長が消息を断ったことを知り、残された姉妹メァリとロバートを連れて捜索にのりだす。だが、さしあたりの手がかりは南米のパタゴニアしかない。老練な航海士オースティン、料理長オルビネット、グレナヴァンの従兄弟で沈着なマクナブズ少佐、まちがって乗船し冒険旅行に出ることになったが、該博な知識で協力する天衣無縫の地理学者ジャック・パガネル…果たしてグラント船長はどこかに生きているのか? -
即興詩人
童話作家として有名なアンデルセンの手になる、抒情あふれる長編小説。ローマの片隅の貧しい家に生まれたアントニオは、即興で詩をつくってみせる即興詩人になることを夢見る。そんな彼の才能をかってくれる名家出の嬉しい友人もできたが。……ローマの謝肉祭、復活祭のなかで起こる歌姫アヌンツィアータをめぐる思いもかけない事件がアントニオを巻き込む。ローマを逃れてナポリへ、ポンペイへ、ヴェズヴィオ火山へ、ペストゥムの神殿では不思議な盲目の少女と出会う。再びローマを通ってはるか彼方のヴェネツィアへ。そして運命の糸は再び「歌姫」との出会いをもたらす。詳しいイタリア旅行案内としても楽しめる一冊。 -
幸福手配師パーカー・パイン
「あなたは幸福ですか? 幸福でないかたは、 パーカー・パイン氏にご相談ください」と新聞に広告を出し、この通りの文句を入れた名刺を持ち歩くパーカー・パイン氏。だがこれは慈善事業ではなく、正真正銘のビジネスなのだ。さまざまな悩みを抱えた人物が訪れる。氏はたちどころに核心をつく質問をして、直ちに処方箋を見つけて提案する。これこれの金額でいついつまでにあなたを幸福にしてあげますと言い切るのである。むろん前金でいただく。だがもし失敗すれば返金しますと申し添える。氏は有能な専属スタッフを使って、直ちに「幸福を手配する」…氏は有能な素人探偵でもある。 -
青蛙堂鬼談
青蛙堂(せいあどう)主人から案内が来て、行ってみると、「実はこのような晩にわざわざお越しを願いましたのはほかでもございません。近頃わたくしは怪談に興味を持ちまして、ひそかに研究しております。つきましては一夕(いっせき)怪談会を催しまして、皆さまの御高話を是非拝聴いたしたいと存じておりましたところ、あたかもきょうは春の雪、怪談には雨の夜の方がふさわしいかとも存じましたが、雪の宵もまた興あることと考えまして、急に思いついてお呼び立て申したような次第でございます」ということで、一席ずつ怪談話を披露することに…綺堂の怪異談12編。 -
鏡の国のアリス
鏡の裏側の世界、チェスの動きをする世界へ旅するアリス。ハンプティ・ダンプティ、ライオンと一角獣など、異次元世界の生き物と接しながらポーンからクイーンへと成長するアリスを描く「不思議の国」の続編。 -
不思議の国のアリス
チェシャー猫、三月うさぎ、ハートの女王など、不思議な生き物の国を旅するアリスの冒険ファンタジー。しゃれや語呂あわせ、童謡などを駆使した機知に満ちたお伽噺を多田幸蔵氏の苦心の訳でおくる。 -
青い鳥
貧しいきこりの子の兄妹チルチルとミチルはクリスマス・イブの夜、仙女の訪問を受け、その言い付けで「青い鳥」を探しに出かける。「思い出の国」「夜の宮殿」「未来の王国」などを探しまわるが、どこにも「青い鳥」は見つからない。ようやく自分たちの家に帰ってきたとき、すべては夢だったことがわかる。そして「青い鳥」(幸福)は家で飼っていたキジバトだったことを知る…メーテルリンクの代表的な夢幻劇。
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