小説 - メディアワークス文庫作品一覧

  • 探偵・日暮旅人の宝物
    3.8
    保育士の陽子は、相変わらず血のつながらない親子・旅人と灯衣の世話を焼くため、「探し物探偵事務所」 に通う日々を送っている。 ある日、陽子は夏休みを利用して大学時代の友人・牟加田の地元に旅行に出かけることになる。牟加田は陽子にお願いがあるという。それは、彼の恋人役を演じてほしいというものだった。戸惑う陽子だが、その頃旅人は熱で寝込んでいて――。 少年時代の思い出が切なく香る 『夏の日』 ほか、『六月の花嫁』 『犬の散歩道』 『愛しの麗羅』 『花の名前』 の5編を収録。愛を探す探偵の物語、セカンドシーズン開幕!
  • 探偵・日暮旅人の忘れ物
    3.8
    音、匂い、味、感触、温度、重さ、痛み。目に見えないモノを視る力を持った探偵・日暮旅人は、名字の違う娘・百代灯衣と暮らしながら、探し物専門の探偵事務所を営んでいる。 そんな旅人を 『アニキ』 と慕う青年ユキジは、旅人の“過去”を探していた。なぜ旅人は視覚以外の感覚を失ってしまったのか。ユキジが感じる胸騒ぎの理由とは――? 旅人とユキジの出会いを描く 『雪の道』、喫茶店のマスターに起こるささやかな奇跡を描いた 『森の調べ』、旅人の秘められた過去に迫る 『夢のぬくもり』ほか全5編を収録した、『愛』 を探す探偵の物語第3弾。
  • 生贄のジレンマ<上>
    3.9
    「今から3時間後にあなたたちは全員死にます。ただし生き残る方法もあります、それは生贄を捧げることです――」 卒業を間近に控えた高校生の篠原純一が数週間ぶりに登校してみると、何故か校庭には底の見えない巨大な“穴”が設置され、教室には登校拒否だった生徒を含むクラスメイト全員が揃っていた。 やがて正午と共に何者かから不可解なメッセージが告げられる。最初はタチの悪いイタズラだと思っていた篠原たちだが、最初の“犠牲者”が出たことにより、それは紛れもない事実であることを知り……。『殺戮ゲーム』 の著者・土橋真二郎、待望の新作!!
  • DOUBLES!! ―ダブルス―
    3.8
    天才であるが故に誰とも協調することができない孤高のプレイヤー・琢磨。 練習熱心だが、とあるトラウマから他人を信用することができなくなった駆。 高校の名門テニス部で出会った二人は、入部当日から衝突してばかり。プレースタイルも真逆で、初めてコートで向かい合ったときからお互いのことが気に食わない。 だけどある日突然、「お前ら、ダブルス組んでみない?」と理不尽な部長命令が下り――。 喧嘩ばかりの凸凹コンビが、練習と敗北を重ねる中で徐々に成長し、絆を深めていく熱血部活テニス物語! 少年たちの、熱い夏が始まる。
  • おかえりシェア
    3.5
    新鮮みのない毎日。人生の不感症。アラサ―OLの道子は、退屈な日々を過ごしていた。ときめきを求めていたある日、家に帰ると、部屋の壁に「穴」が!? そこから覗いていたのは隣人のイケメン男子手近くん。穴を空けたお詫びとして、彼が引っ越すまでの1週間、毎日顔を合わせて会話することを提案される。『あいさつ、おしゃべり、一緒にごはん』 三つのルールでつながる不思議なシェア生活がはじまってーー? 期間限定ときめきラブコメ!
  • ぼくの映画。 ~学園一の美少女をヒロインにキャスティングしてゾンビ映画を撮ろう~
    4.7
    成績は頑張って中の下。スクールカーストで言えば低い方。気の合う友達はいるけど、女子と喋った回数なんて数えるほど。可愛い女の子と交遊なんて高望みってものだろう。だけど脚本兼監督を引き受けてしまったぼくの一言で、映画部の日常が変わる。「ヒロインで撮りたいんだ」文化祭に出展する予定のオリジナル脚本ゾンビ映画『死霊の呼び声』。しかし主演女優の出演交渉は早くも難航。女子たちから小馬鹿にされながらも、ヒロイン獲得に向けてみんなで策を練るが…
  • 招き猫神社のテンテコ舞いな日々
    3.6
    起業した会社が倒産したため、着の身着のまま、東京の片隅にある神社に管理人として身を寄せることになった青年。都落ちを痛感しながらも、再起に向けて意気揚々と暮らし始めようとする。 ところが、この神社には3匹の猫が棲み着いていた。大きくてブサイクな虎猫と、灰色の毛玉のような仔猫2匹。実は彼らは“化け猫”だった。 傍若無人ぶりを発揮する化け猫たち。そして、それにひたすら翻弄される青年――。 どこか憎めない化け猫たちとの人間味豊かな同棲生活を愉快に描くストーリー。化け猫も、けっこう可愛いものですよ……たぶん!
  • 初恋ロスタイム
    3.6
    僕の「青春」は、人よりも少しだけ長いらしい。ある日、僕以外の時間が止まったのだ。 それは平凡な高校生活を送る相葉孝司に唐突に訪れた特別すぎる青春だった――。 午後1時35分、毎日決まった時刻に訪れる1日1時間だけの奇妙なロスタイム。そんな中で、僕は僕と同じ景色を見る彼女に恋をした。 琥珀色の瞳で、まるで停止世界が当たり前だと言わんばかりの不思議な魅力を持つ少女・篠宮時音。彼女には“僕だけ”が気付けない、とても大きな秘密があるようで……。 不思議なロスタイムが少年と少女を結ぶ、ほんのり甘くビターに切ない恋愛物語。
  • 藤島さんの深夜ごはん
    3.3
    田舎でひとり暮らしをしている藤島さんは、深夜逆転が常の不健康な作家生活を送る二十九歳。今日も深夜、冷蔵庫を漁るも、出るのはため息ばかり。お腹が空いたのに、何もない。そうだ、ちょっと買い物、行ってくるかな――。 近所のコンビニに深夜の買い出しに出かけた藤島さんが手に取るのは、サバの缶詰、レトルト、サラダにおでんに、チキンカツ……それにほんのひと手間加えて、深夜ごはんの出来あがり。 止めたいけれど、止められない。お腹が求める深夜のお食事。いつもよりもほんの少し幸せになれる、藤島さんの深夜ごはんのお味は?
  • 僕が電話をかけていた場所
    4.0
    ずっと、思っていた。この醜い痣さえなければ、初鹿野唯の心を射止めることができるかもしれないのに、と。「電話の女」の持ちかけた賭けに乗ったことで、僕の顔の痣は消えた。理想の姿を手に入れた僕は、その夜初鹿野と再会を果たす。しかし皮肉なことに、三年ぶりに再会した彼女の顔には、昨日までの僕と瓜二つの醜い痣があった。 初鹿野は痣の消えた僕を妬み、自宅に閉じこもる。途方に暮れる僕に、電話の女は言う。このまま初鹿野の心を動かせなければ賭けは僕の負けとなり、そのとき僕は『人魚姫』と同じ結末を辿ることになるのだ、と。
  • オーダーは探偵に 謎解きは舶来のスイーツと
    4.0
    いつもは静かな喫茶店エメラルドが、珍しく大盛況となっていた。沢山の女性に囲まれたその中心にいるのは、高校生の王子様探偵・上倉悠貴……ではなく、柔らかな笑顔を振りまく金髪碧眼の青年で? その青年――イギリスからの留学生・ダニエルは、美久との奇妙な縁をきっかけとして喫茶店で居候兼ウェイターとして働き始めたのだ。いつしかここは「選ばれしイケメン店員しかいない喫茶店」と噂され……。 そして、今日もエメラルドには、依頼が舞い込んでくる。 紅茶とレモンパイの香りがやさしく広がる喫茶店で、謎解きはいかがですか?
  • たいやき
    3.5
    堅く真面目なサラリーマンの長兄、いいかげんで放浪癖がある大学生の次兄、そして登校拒否中で家に引きこもって漫画家をめざす妹――。 母が入院し、父が旅に出たために、小さな家に三人だけで暮らすことになった彼ら。 心を開けるほど親密ではなく、かといって無視できるほど疎遠でもない。ひとつ屋根の下に住んでいながら、微妙な距離感でつながっている三人兄妹の平穏な日常が少しずつ崩れていく様子を、コミカルかつ繊細に綴っていく。 家族って、イライラするほど厄介だけど、だからこそ、愛おしいのかもしれない。
  • 花の佳音
    3.8
    知っていますか? あなたが笑ったり泣いたりしているときに、すぐ横に寄り添って、一緒に微笑んだり涙を流してくれる存在がいることを。 それは……美しくも儚い 「花」 たち。彼らは、いつでも人間を温かく見守り、心の底から祈っています。 あなたが幸せでありますように―― と。 これは、そんな花たちの声を聞くことができる不思議な青年・草介と、心優しい花たちの、切なくも心温まる物語。 ほら、花たちに耳を近づけてみてください。思いがけない、嬉しい囁きが聞こえてくるかもしれませんよ?
  • 私たちは青になった
    4.5
    自由のないお嬢様に幼ない日から想いを寄せつづけ、大学生になった西源重郎。 長い時間を経て、源重郎の想いが届こうとした時、2人を引き裂く残酷な出来事が起きる。 傷だらけになった2人がたどり着いた、最後の楽園は――。 魔法のiらんど単行本で大人気の『お女ヤン!!』シリーズにも登場する、西源重郎の究極の愛を描いた、切なすぎる号泣ラブストーリー。
  • さよなら流星ガール
    3.2
    北海道のある町で、同じ日同じ病院に生まれた僕と茉莉(まつり)。家もお隣さん同士という、絵に描いたような幼馴染の僕たち。唯一の違いは“健康な体”で生まれてきたかどうかだった。 いくら星に願っても、神様は茉莉の病弱な身体を治してくれる気がないらしい。けれど彼女はその小さな体じゃ足りないほどの好奇心に溢れていた――。 入院生活での熱心な読書が災いし、ちょっとどうかと思う理系女子に成長した茉莉は、いつも僕を振り回してばかり。ただ、僕には言えない大きな秘密を抱えているようで――。 これは、きらきらの恋をし、やがては消える少女と僕の、刹那に輝く星のような物語。
  • 新宿陰陽師
    3.8
    欲望も希望も飲み込む巨大都市、東京。その新宿の片隅に、赤星和真の事務所はある。和真は近寄りがたい青年だ。顔立ちは気品のある整ったものだが、新宿の住人特有の尖った雰囲気がある。だが彼の稼業は水商売などではなく、陰陽師なのであった。 大手企業に勤める本条千晶は、自身の困り事をきっかけに和真と知り合う。この時世に陰陽師を名乗る和真を信用できない千晶。だが和真は言う。子供も大人もネットを介し手軽に呪詛の言葉を発信し合う。現代だからこそ呪いはある、と。千晶はそれを身をもって知ることになる。東京の光と闇、現代の陰陽師異聞。
  • 天体少年。 さよならの軌道、さかさまの七夜
    4.0
    天文学者の父親とともに遠く南国の孤島に暮らしている少女・海良。ある日、彼女が闇夜の草原で出逢ったのは、星空から降りたった不思議な少年・τ(タウ)だった。 「僕という天体は、宇宙を未来から過去へと進んでいる。でもこの姿を浮かべていられるのは、ほんの七日間だけ。だから今夜は僕にとって、君との最後の夜なんだよ――」 果たしてその謎めいた言葉の通りに、海良は毎夜、タウと出逢い続ける。約束された出逢いの、避けられない別れの時へ向けて――。 時を遡る少年とすれ違い続ける少女が織りなす、たった七夜のラブストーリー。
  • オーダーは探偵に 季節限定、秘密ほのめくビターな謎解き
    4.3
    喫茶店『エメラルド』のオーナーである、ドSな高校生探偵・上倉悠貴と、そこで助手兼アルバイトをする女子大生・小野寺美久。悠貴の高校で起こった難事件を無事解決し、エメラルドに戻った悠貴たちだが、そこで彼らを待っていたのは、悠貴のライバルである花見堂聖だった。 突然現れた聖に激昂する悠貴は、聖をエメラルドから追い払う。美久はその一部始終を見て、悠貴と聖の深い溝を再確認する。もう絶対に、聖を悠貴に近づけてはいけない。 ――と思っていたのに!? 翌日、なぜか美久と聖は『エメラルドの探偵』コンビとして謎解きに挑むことになり……!?
  • 自称分析官ヴィルヘルムの迷推理
    3.3
    ふんわり可憐なその容姿に似合わず、日常のどんなものにでも首を突っ込んで、分析しなければ気が済まないちょっぴり残念な女子大生、葵子。 バイト先で、ふと訪れた喫茶店で、大学の研究室で──葵子は今日もどこからか、日常に隠れた分析の種を見つけてくる。 くすりと笑う彼女の唇から転がり出す、冗談めかした分析。それは、つまらない日常の色をがらりと変える。くだらなくって可笑しくて、けれどちょっぴり温かい、日常の謎の真相とは……。 軽妙に二転三転する論理が楽しい、おもちゃ箱みたいな日常分析ミステリ登場!
  • 砂漠のボーイズライフ
    4.0
    男子校、だ。 頭髪の自由はなく(例外あり)、携帯電話は悪の枢軸で、もちろん華やかな青春なんて皆無。三年間、僕らが進み続けるのは砂の海。そう、『砂漠』というわけだ。 そんな男子校に、訳あって集ったのは、全く意味のないイケメンフェイスを持つ長髪野郎、モンゴルから柔道のために砂漠に来た留学生、高校生の代名詞である丸坊主の元・野球少年、そして、そんな悪友たちと虚しい青春を謳歌する僕だ。 四人が歩くその先には、無限の砂漠と蜃気楼の美女しかいない。 今日も僕らの雨乞い(ボーイズライフ)が始まる。
  • めたもる。
    3.6
    たとえば、すれ違いばかりの彼と彼女がいたとする。本当にちょっとしたボタンのかけ違い。でも、きっかけがなくて──。 そんな時、彼/彼女はふと善行をする。弱っている猫にエサをあげたりといった些細なことだ。だが、枕元に神様が立って、何にでもなれるお札をくれるという。え? そんなおとぎ話を信じられない? いやいや、嘘じゃない。実際彼らはお札を手に入れ、それがきっかけとなり二人の関係は変わっていくんだから。 大人のメルヘンをどうぞ。
  • オーダーは探偵に 砂糖とミルクとスプーン一杯の謎解きを
    3.7
    就職活動に疲れ切った女子大学生・小野寺美久が、ふと迷い込んだ不思議な場所。 そこは、親切だけど少し変わったマスターと、王子様と見紛うほど美形な青年がいる喫茶店『エメラルド』だった。 美形の青年――意地悪で高飛車な上倉悠貴との最悪の出会いを経て、『エメラルド』でウェイトレス兼探偵を務めることになった美久。 ドSな年下王子様と、すこしドジな助手の許に、今日も謎解きの匂いがほのかに薫る事件が舞い降りる。
  • サマー・ランサー
    4.1
    剣道界で神童と呼ばれながら、師である祖父の死をきっかけに竹刀を握れなくなった天才剣士・天智。彼の運命を変えたのは、一人の少女との出会いだった。高校に入学したある日、天智は体育館の前で不思議な音を耳にする。それは、木製の槍で突き合う競技、槍道の音だった。強引でマイペース、だけど向日葵のように明るい同級生・里佳に巻きこまれ、天智は槍道部に入部することになる。 槍道部では、里佳のほかにも個性豊かな部員達が天智を待っていた。剣を置いた少年は今、夏の風を感じ、槍を手にする。第19回電撃小説大賞〈選考委員奨励賞〉受賞作!
  • パーフェクトフレンド
    4.0
    周りのみんなより、ちょっとだけ頭がよい小学四年生の理桜。担任の千里子先生からも一目置かれている彼女は、ある日、不登校の少女 「さなか」 の家を訪ねるようにお願いをされる。能天気少女のややや(注: 「ややや」 で名前)や、引っ込み思案の柊子とともに理桜は彼女の家に向かうが、姿を現したさなかは、なんと早々に大学での勉学を身につけ、学校に行く価値を感じていない超・早熟天才少女であった。そんな彼女に理桜は、学校と、そこで作る友達がいかに大切であるかということを説くのだったが……果たしてその結末は!? 野崎まどが放つ異色ミステリ、まさかの小学校編登場!
  • 終わる世界のアルバム
    3.7
    なんの前触れもなく人間が消滅し、その痕跡も、周囲の人々の記憶からも消え去ってしまう世界。人々は普段通りの生活を続けながらゆるやかに訪れる世界の終わりを待っている。そんな世界でぼくは例外的に消えた人間の記憶を保持することができた。そんなぼくは気がつく。人が消えていくばかりの世界の中、いなかったはずの少女がいつのまにかクラスの一員として溶け込んでいることに――。
  • カエルの子は
    3.7
    遊園地でカエルの着ぐるみをかぶって仕事をこなし、優雅な独身貧乏生活を満喫中の俺、三十歳。ある日、見知らぬガキんちょがやってきて、俺に向かって思いっきり叫んだ。 「父ちゃん!」 身に覚えは……ない、わけでもない……。ああ、なんてこった。突然の息子の登場で、俺の平穏な生活が一変。そもそも子供は苦手なのに、この先、どうなっちまうのか ――。 真冬の遊園地でじんわりと展開する、奇妙な縁で結ばれた親子の心温まる物語。ぎこちない父親の愛情と、まっすぐな子供の信頼が、関わる人々に笑顔を運んでいく。
  • 俺たちのコンビニ 新米店長と仲間たち
    4.1
    故郷の小さな田舎町でコンビニを起ち上げた若き店長、牧水良平。開店までの苦労を乗り越えた彼を待っていたのは、厳しい現実だった。画一化を図るコンビニチェーン本部に抵抗し、オリジナリティあふれる店づくりをモットーに頑張っていたが、経営は赤字続き。しかも、バイト店員が起こしたある事件が原因で、ただでさえ少ない客足も激減してしまう。閉店の危機に、牧水店長が打ち出した策は―― !? どれだけ努力しても、結果が出ないこともある。でも彼には、信じるものがあった……。へこたれながらも、前へ進もうとする青年を描いた、元気をもらえる爽やか青春小説!
  • 俺のコンビニ
    3.6
    東京暮らしに挫折して、故郷へと舞い戻った青年、牧水良平。実家の小さな商店を手伝うわけでもなく、悶々とした日々を送っていた。そんな彼が一念発起! 人口の少ない田舎町で、コンビニを起ち上げようと決意する。当然のごとく次から次へと難題が降りかかってきて、若き店長は行き詰まるのだが――。 あなたがいつも立ち寄るコンビニの裏でも、こんな熱いドラマが繰り広げられているのかもしれない!? 何事にもへこたれず、前へ進んで行こうとする一人の青年を描いた、元気をもらえる爽やか青春小説!
  • 昨日は彼女も恋してた
    3.9
    小さな離島に住む僕。車いすに乗る少女・マチ。僕とマチは不仲だ。いつからかそうなってしまった。そんな二人が、島に住む変わったおっさん(自称天才科学者)の発明したタイムマシン(死語)によって、時空を超えた。はじめは二人はどこにいるのかわからなかった。なぜなら、島の景観なんて、十年やそこらじゃあまり変わらないから。僕たちが 『過去』 に来たと分かったのは、自分の足で全力で向こうから走ってくる、『小さいマチ』 を見たからだ。僕は驚き、そして思いつく。やり直すことができると。ずっと後悔していたことを、この、過去という 『現在』 で。
  • 明日も彼女は恋をする
    4.3
    『過去の改変』 から戻ったわたしに待っていたのは、彼の消失だった。そして、もうひとつ。わたしの歩けなかった足が、元通りになっていた。歩いている。わたしが、進んでいる。自分の足で。わたしが歩き回る姿に、島の住人は誰も驚いていない。慣れきっている。この世界の 『現在』 では、彼は九年前に死んでいた。その蔓延する常識が、わたしを苛み、蝕んでいく。わたしが歩ける毎日。それは彼が死んだ現代。まるで別の星へ飛んできてしまったようだった。決めた。わたしは必ず取り返す。わたしと彼がいた世界を。必ず。 『昨日は彼女も恋してた』 と上下巻構成。
  • 死神と桜ドライブ
    3.4
    地味なOL生活を送っていた美咲は、アイドルのように中性的で、若くお洒落な彼氏と付き合っている。ようやく捕まえた愛しい彼のため、美咲は借金の連帯保証人にまでなっていた。だがある日、彼の口車にのって引き合わされたのはヤクザな男たち。まんまと彼氏に騙され、美咲は風俗に売り飛ばされることになったのだ。自暴自棄になった彼女は、走ってきた車に思わず身を投げるのだが――。 『太陽のあくび』で〈メディアワークス文庫賞〉を受賞した有間カオルが、受賞後1作目として放つのは、死の薫り漂う異色のミステリアス・ストーリー! ユナイテッド・シネマ シネマプロットコンペティション2008のグランプリ受賞作。
  • 探偵・日暮旅人の探し物
    3.8
    保育士の山川陽子(やまかわようこ)は、ある日保護者の迎えが遅い園児・百代灯衣(ももしろてい)を自宅まで送り届けることになる。灯衣の自宅は治安の悪い繁華街の雑居ビルにあり、しかも日暮旅人(ひぐらしたびと)と名乗るどう見ても二十歳前後の父親は、探し物専門という一風変わった探偵事務所を営んでいた。 澄んだ目をした旅人と、人形のように美しい灯衣。名字の違う不思議な親子に興味を惹かれた陽子は、探偵事務所を度々訪れるようになる。そして、旅人が持つある“能力”を知ることになる。匂い、味、感触、温度、重さ、痛み。旅人は、これら目に見えないモノを“視る”ことができるというのだが――?
  • 殺戮ゲームの館<上>
    3.6
    ── 誰かが言った。この二つには共通点があるのではないか。 一つは時折マスメディアをにぎわす集団自殺のニュース。そしてもう一つは人間が殺し合う娯楽ビデオが存在するという都市伝説。 出会いや遊びが目的のオカルトサークルに所属する福永祐樹は、ネットで偶然見つけた自殺サイトに興味を持ち、集団自殺の現場となったというある廃墟にたどり着く。だが祐樹が目覚めた時、彼を含むサークルメンバー11名は密室に閉じ込められていた……。 戦慄の密室サスペンス、上巻。
  • 博多豚骨ラーメンズ
    続巻入荷
    4.0
    「あなたには、どうしても殺したい人がいます。どうやって殺しますか?」 福岡は一見平和な町だが、裏では犯罪が蔓延っている。今や殺し屋業の激戦区で、殺し屋専門の殺し屋がいるという都市伝説まであった。 福岡市長のお抱え殺し屋、崖っぷちの新人社員、博多を愛する私立探偵、天才ハッカーの情報屋、美しすぎる復讐屋、闇組織に囚われた殺し屋。そんなアクの強い彼らが巻き込まれ、縺れ合い紡がれていく市長選。その背後に潜む政治的な対立と黒い陰謀が蠢く事件の真相とは──。 そして悪行が過ぎた時、『殺し屋殺し』は現れる──。
  • 蒼空時雨
    3.7
    ある夜、舞原零央はアパートの前で倒れていた女、譲原紗矢を助ける。どこにも帰る場所がないと語る彼女は居候を始め、次第に猜疑心に満ちた零央の心を解いていった。やがて零央が紗矢に惹かれ始めた頃、彼女は黙していた秘密を語り始める。その内容に驚く零央だったが、しかし、彼にも重大な秘密があった。 二人は自分の居場所を見つけるため、互いに秘密を打ち明け始める。まるで、雨宿りでもするかのように。巧妙に張り巡らされた伏線が、いくつも折り重なったエピソードで紐解かれる、新感覚の青春群像ストーリー。
  • ちょっと今から仕事やめてくる
    4.2
    ブラック企業にこき使われて心身共に衰弱した隆は、無意識に線路に飛び込もうとしたところを「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。 同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう隆だが、本物の同級生は海外滞在中ということがわかる。 なぜ赤の他人をここまで気にかけてくれるのか? 気になった隆は、彼の名前で個人情報をネット検索するが、出てきたのは、三年前に激務で鬱になり自殺した男のニュースだった――。第21回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>受賞作。 スカっとできて最後は泣ける“すべての働く人たちに贈る、人生応援ストーリー”
  • ノーブルチルドレンの残酷
    3.7
    美波高校に通う旧家の跡取り舞原吐季は、一つだけ空いた部室を手に入れるため、『演劇部』と偽って創部の準備を進めていた。しかし、舞原と因縁ある一族の娘、千桜緑葉も『保健部』なる部の創設を目論んでおり、部室の奪い合いを発端に、奇妙な推理勝負が行われることになってしまう。反目の果てに始まった交流は、やがて、二人の心を穏やかに紐解いていくことになるのだが……。幸せを放棄した少年と、純真な心で未来を夢見る少女の人生は、いつだってポップなミステリーで彩られていた。これは、現代のロミオとジュリエットに舞い降りる、儚き愛の物語。
  • 0能者ミナト
    3.8
    1~11巻583~693円 (税込)
    科学が隆盛を極める現代。だが、その片隅にひっそりと息づく異形のものたちがいた。存在を知る一部の者たちは、それを 「怪異」 と呼んだ。 当然、怪異を相手にする生業もある。修験者、法力僧、呼ばれ方は様々だが、その中でひと際変わった青年がいた。九条湊── どこか斜に構えたクセのある青年だが、彼が同業者から疎まれているのはそこではない。霊力、法力、神通力、彼はそんな力を一切持っていない。それにもかかわらず怪異を倒すという。その手腕は驚くべきものだった──。
  • 観 -KAN-

    3.0
    天性の美貌と才能を持つ猿楽師の三郎は、父の死をきっかけに兄の一座を離れた。そして自分の一座を建て、将軍の前で舞いたいという野望を抱く。能楽の大成者・観阿弥が新たな芸術の創造に向け試行錯誤する若き日の姿を鮮烈に描く。
  • ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~
    4.2
    鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋 「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない、若くきれいな女性だ。だが、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。だが、古書の知識は並大抵ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも。彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。これは栞子と奇妙な客人が織りなす、“古書と秘密”の物語である。
  • マジックバーでは謎解きを ~麻耶新二と優しい嘘~
    3.0
    新宿の古ぼけたビルの三階にそのマジックバーは存在する。店の名は「ファンタンドミノ」──それは、忽然と姿を消してしまった偉大なマジシャン・小鳥遊丈佳の忘れ形見であり、謎を持つ人物を引き寄せる不思議な店だった。 過去の失敗で舞台から遠ざかってしまったマジシャン・麻耶新二。彼は、師匠が残したこの店で、若きオーナー・小鳥遊紅音と出会いマジシャンとして再起する。その傍らで客が抱える謎を解き明かしていくのだが、やがて師匠が残した謎のメッセージの真相を知ることになり……。
  • 八百八寺の風鈴屋
    -
    京都に佇む風鈴専門店『風の通り路(みち)』。この店には、代々伝わる不思議な風鈴があり、お人好しの兄弟が働いている。 不思議な風鈴によって、悩みを抱える来客を知る若店長・遊佐和真は、今日も今日とて商売そっちのけで客の問題に首をつっこむ日々。一方、そんな兄を諌(いさ)めるのは、共に働く現実主義者の弟・遊佐隆司。でも、調子のいい兄のペースに乗せられて、いつもいつの間にか協力する羽目に。 そんな二人が働く風鈴屋に、亡くなった夫の想い出を巡ってある老婦人が訪れて……。 これは、風鈴によって人々の悩みを幸せに変える、お人好しな風鈴屋兄弟の物語。
  • 天使のどーなつ
    4.4
    男やファッションに興味なし。出世や金にも興味なし。垢抜けなくて野暮ったい灰庭留衣は、無類のドーナツ馬鹿だった。他人から変わり者扱いされても気にすることなく、一日中、美味しいドーナツのことばかり考えていた。 留衣が勤めるのは、首都圏に展開するチェーン店「羽のドーナツ」。代々木本社の開発部に所属する彼女の夢は、食べた人が笑顔になるドーナツ、食べた人を幸せにする奇跡のドーナツを作ること。 そんな彼女が巻き起こすトラブルの連続に、はじめは呆れていた周囲も、やがて――。 甘くて愉快で美味しい、心躍る物語、ぜひご試食あれ。
  • スターティング・オーヴァー
    4.1
    二周目の人生は、十歳のクリスマスから始まった。全てをやり直す機会を与えられた僕だったけど、いくら考えても、やり直したいことなんて、何一つなかった。僕の望みは、「一周目の人生を、そっくりそのまま再現すること」だったんだ。 しかし、どんなに正確を期したつもりでも、物事は徐々にずれていく。幸せ過ぎた一周目の付けを払わされるかのように、僕は急速に落ちぶれていく。――そして十八歳の春、僕は「代役」と出会うんだ。変わり果てた二周目の僕の代わりに、一周目の僕を忠実に再現している「代役」と。 ウェブで話題の新人作家、ついにデビュー。
  • オーダーは探偵に グラスにたゆたう琥珀色の謎解き
    4.0
    王子様と見紛う美形の探偵・上倉悠貴がオーナーの喫茶店。そこでウェイトレス兼探偵助手を務める小野寺美久。文句ばかりのちぐはぐな二人が、ふとしたミスで密室の倉庫に閉じ込められてしまう。 慌てる美久だったが、しかしそれをきっかけに、美久と悠貴の距離がほんのすこしだけ縮まるのだった。 ようやく息が合ってきたかにみえたその矢先。吉祥寺の秋祭り会場で、悠貴とはぐれた美久が事件に巻き込まれてしまう。そんな彼女を救ったのは、悠貴とは趣の異なる、もう一人の『美青年』で……。 今回の謎解きは、いつもよりすこしビターな薫りでお届け。
  • 死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~
    3.8
    「この学校に、永遠の命を持った生徒がいるらしいんですよ」 生物教師・伊藤が着任した女子校 「私立藤凰学院」 にはそんな噂があった。話半分に聞いていた伊藤だったが、後日学校にて、不意にある生徒から声をかけられる。自分がその 「死なない生徒」 だと言ってはばからない彼女は、どこか老練な言葉遣いと、学生ではありえない知識をもって伊藤を翻弄するが……二日後、彼女は何者かの手によって殺害されてしまう――。果たして 「不死」 の意味とは? そして犯人の目的は!? 第16回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>受賞者・野崎まどが放つ、独創的ミステリ!
  • 夜魔 -怪-
    4.4
    「君の『願望』は──何だね? そして、君の『絶望』は────」 満開の夜桜の下、思わず見とれるほど妖しく綺麗に佇んでいたのは密かに憧れていた従姉だった。彼女はその晩、桜の木で首を吊る。 ──彼女は、あの桜の中にいる。……彼女に会いたい。そう信じ、願う男は、遂に人の願望を叶える夜色の外套を身に纏う昏闇の使者と遭遇する。曰く、暗闇より現れ、人の望みを叶えるという生きた都市伝説。夜より生まれ、この都市に棲むという、永劫の刻を生きる魔人。そして、恐怖がココロの隙間へと入り込み──。 鬼才・甲田学人が紡ぐ渾身の怪奇短編連作集。
  • ガーデン・ロスト
    3.9
    誰にでも、失いたくない楽園がある。息苦しいほどに幸せな安住の地。しかしだからこそ、それを失う痛みは耐え難いほどに切ない。 誰にでも優しいお人好しのエカ、漫画のキャラや俳優をダーリンと呼ぶマル、男装が似合いそうなオズ、毒舌家でどこか大人びているシバ。花園に生きる女子高生4人が過ごす青春のリアルな一瞬を、四季の移り変わりとともに鮮やかに切り取っていく。壊れやすく繊細な少女たちが、楽園に見るものは――。 『ミミズクと夜の王』 の紅玉いづきが挑む、初の現代小説
  • [映]アムリタ
    3.9
    自主制作映画に参加することになった芸大生の二見遭一。その映画は天才と噂される最原最早の監督作品だった。彼女のコンテは二見を魅了し、恐るべきことに二日以上もの間読み続けさせてしまうほどであった。二見はその後、自分が死んだ最原の恋人の代役であることを知るものの、彼女が撮る映画、そして彼女自身への興味が先立ち、次第に撮影へとのめりこんでいく。 しかし、映画が完成したとき、最原は謎の失踪を遂げる。ある医大生から最原の作る映像の秘密を知らされた二見は、彼女の本当の目的を推理し、それに挑もうとするが――。 第16回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>受賞作。
  • 絶望センチメンタル
    3.6
    今日こそはアイツに復讐しよう。公園のベンチに座ってそう決意する僕の目の前に、女子高生のお姉さんが落ちてきた。 ……アスレチックの上から。彼女は微笑んで言う。 「しようぜ、復讐」 見知らぬお姉さんに引きずられ、僕(=小学五年生)の奇妙な旅が始まった。旅なのか……な? 第17回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉受賞後、第一作。可愛げのない小学生と、破天荒な女子高生。おかしな二人の奇妙な旅を綴るメランコリック・ロードノベル。
  • 探偵・花咲太郎は閃かない
    3.3
    ぼくの名前は花咲太郎。探偵だ。浮気調査依頼が大事件となる素晴らしい探偵事務所に務め、日々迷子犬を探す仕事に明け暮れている。 ……にもかかわらず、皆さんはぼくの職業が公になるやいなや、期待に目を輝かせて見つめてくる。刹那の閃きで事態を看破する名推理をして、最良の結末を提供してくれるのだろうと。 残念ながらぼくは犬猫専門で、そしてロリコンだ。最愛の美少女・トウキが隣で睨んできてゾクゾクした。悪寒はそれだけじゃない。眼前には、真っ赤に乾いた死体まである。……ぼくに過度な期待は謹んで欲しいんだけどな。これは、『閃かない探偵』ことぼくと、『白桃姫』ことトウキの探偵物語だ。
  • 彼女を好きになる12の方法
    3.5
    なんとなく 『彼女』 を好きにならないといけない気がする。そのためには 『彼女』 と一緒にどこかへ出かけたり遊んだりしないといけない。 今年で俺と彼女は大学三年生。この一年をのんきに過ごしてしまったら、就職活動も控えて、顔を合わせる機会は激減するだろう。 だからこの一年が、彼女と暢気に過ごす最後の年と言っても良い。その一年の間に、俺は 『それ』 を見つけたいと祈った。 これは、優柔不断な大学生の 『俺』 が過ごす一年間の記録だ。必ず、一年の間に見つけなければ。 彼女を好きになる方法を。
  • バカが全裸でやってくる
    3.6
    バカが全裸でやってくる。僕の夢は小説家だ。そのための努力もしてるし、誰よりもその思いは強い。しかし努力と環境では、才能は覆せない日々が続いていた。お話をつくることを覚えた子供の頃のあの日から、僕には小説しかなかった。けれど僕は天才じゃなかった。小説家になりたくて、でも夢が迷子になりそうで。苦悩する僕のもとにやってきたのは、全裸のバカだった――。大学の新歓コンパ。そこにバカが全裸でやってきた。そして、これが僕の夢を叶えるきっかけになった。こんなこと、誰が想像できた? 現実は、僕の夢である 『小説家』 が描く物語よりも、奇妙だった。
  • すべての愛がゆるされる島
    3.5
    太平洋の赤道直下に浮かぶ、名前のない小さな島。そこには教会があり、神父とわずかな島民が暮らし、訪れるどんな二人も祝福され、結婚式を挙げることができる。同性愛、近親愛、不倫愛、そこではあらゆる愛が許される――二人が、本当に愛し合っている限り。 その島を訪れる、父親と娘。それから姉と弟。ある者は愛の存在証明のために。またある者は不在証明のために。様々なものを見失って渇いた者たちの、いのちと時間がその場所で交錯する。
  • ミミズクと夜の王 完全版
    値引きあり
    4.2
    紅玉いづきデビュー15周年記念・3か月連続刊行【第1弾】 伝説は、夜の森と共に――。完全版が紡ぐ新しい始まり。 魔物のはびこる夜の森に、一人の少女が訪れる。額には「332」の焼き印、両手両足には外されることのない鎖。自らをミミズクと名乗る少女は、美しき魔物の王にその身を差し出す。願いはたった、一つだけ。「あたしのこと、食べてくれませんかぁ」 死にたがりやのミミズクと、人間嫌いの夜の王。全ての始まりは、美しい月夜だった。それは、絶望の果てからはじまる小さな少女の崩壊と再生の物語。 加筆修正の末、ある結末に辿り着いた外伝『鳥籠巫女と聖剣の騎士』を併録。 15年前、第13回電撃小説大賞《大賞》を受賞し、数多の少年少女と少女の心を持つ大人達の魂に触れた伝説の物語が、完全版で甦る。
  • 永遠のあなたと、死ぬ私の10の掟
    値引きあり
    3.5
    500年を超える悠久の時を生きてきた不死身の床無くん。 平成の終わり頃、髪結いを生業とする彼と出会い、一瞬で恋に落ちた真昼は、奇妙な「十の掟」を交わす。それは二人がうまく付き合っていくための大事な約束だという。第一の掟「掟ヲ守ル事」、第二の掟「姓デ呼バヌ事」……。 煌めくような日々の経過と共に明かされる掟に秘められた真意と、床無くんが古から見送ってきた幾つもの人生。しかし、第九の掟がもたらしたのは残酷な運命だった――。 これは、永遠に残る愛の形。
  • この世界からまた君がいなくなる夜に
    値引きあり
    4.0
     命の寿命を色で感じ取ってしまう女子高生の藤木六華はある夜、春風歩と名乗る青年と出会う。  夜の散歩が趣味だという彼は誰もが持つはずの命の色を持たず、そんな歩の不思議な雰囲気に六華は興味を持ち惹かれていく。  だがある日、町で見かけた彼はいつもと様子が違った。六華のことを覚えておらず、青色の命を纏い自分を“翔”だと告げ――。  やがて明らかになる、歩の切なく残酷な秘密。それを知ったうえで、二人は限りある時間で奇跡のような恋をする。
  • 百合の華には棘がある
    値引きあり
    4.7
     犯罪都市・東京。この街で探偵社を営む小百合は、行き倒れていた元格闘家のローサを拾う。行くあてのない彼女から頼みこまれ、行方不明の姉を捜す代わりに、仕事を手伝ってもらうことに。  馴染みの議員・松田から依頼されていた花嫁の素行調査に、ローサとともにあたる小百合だったが……。花嫁の実像に近づくほど、浮かび上がるいくつもの疑念。見えるものだけが、真実なのか――? やがて小百合達は、15年前、国家権力に葬られたある事件へと導かれていく。
  • 新装版 恋空 ―切ナイ恋物語―(上)
    値引きあり
    -
     高校一年生の美嘉は、ひょんなことから別のクラスの男子・弘樹(ヒロ)と知り合う。夏休み中、毎日連絡をとっていた二人は、二学期ついに初対面を果たすことに。想像と違い派手な外見のヒロに驚く美嘉だけど、優しい彼に惹かれていき……。そして恋人同士になった二人には、過酷な運命が待ち受けていた。  実体験をもとに描かれた切ない等身大の恋の物語に、感動の涙が止まらない! 日本中で一大ムーブメントを巻き起こした、伝説のラブストーリーがついに文庫化!
  • 君を、死んでも忘れない。
    値引きあり
    3.0
     日々を無気力に生きている高校生・樹の前に現れた少女・ナナミ。自分は病気でもうすぐ死ぬ。だから“難病もの”のヒロインのように想い出を作りたい。そんな願いに付き合い始めた樹は、つまらない映画のエンドロールのようだった毎日が色彩豊かなものになっていくのを感じていた。  しかしある事件をきっかけに、樹は自分が憶えていられる日々が徐々に少なくなっていることを知る。そして“記憶の日数”がゼロになった時……。“もうすぐ死ぬ”のは彼女ではなく自分だった?  徐々に明らかになる事実があなたの認識を逆転させる、新感覚の青春ストーリー! #1 私もうすぐ死ぬんだ、と、目の前の少女は笑って言った。 #2 お前はもうすぐ死ぬんだ、と、彼は悲しげに言った。 #3 君を想い出になんてさせない。 #4 私の過去と、私の未来。
  • 毒吐姫と星の石 完全版
    値引きあり
    4.5
    【紅玉いづきデビュー15周年記念刊行・第2弾】 忌まれた姫と異形の王子の、小さな恋のおとぎばなし。 「星よ落ちろ、光よ消えろ、命よ絶えろ!!」 全知の天に運命を委ねる占いの国ヴィオン。生まれながらにして毒と呪いの言葉を吐き、下町に生きる姫がいた。星と神の巡りにおいて少女エルザは城に呼び戻され隣国に嫁げと強いられる。 唯一の武器である声を奪われ、胸には星の石ひとつ。絶望とともに少女が送られたのは聖剣の国レッドアーク。迎えたのは、異形の四肢を持つ王子だった――。 書き下ろし番外編「初恋のおくりもの」で初めて明かされるある想い。『ミミズクと夜の王』姉妹作。
  • 拝啓見知らぬ旦那様、離婚していただきます〈上〉
    値引きあり
    4.3
    『拝啓 見知らぬ旦那様、8年間放置されていた名ばかりの妻ですもの、この機会にぜひ離婚に応じていただきます』  商才と武芸に秀でた、ガイハンダー帝国の子爵家令嬢バイレッタ。彼女には、8年間顔も合わせたことがない夫がいる。伯爵家嫡男で冷酷無比の美男と噂のアナルド中佐だ。  しかし終戦により夫が帰還。離婚を望むバイレッタに、アナルドは一ヶ月を期限としたとんでもない“賭け”を持ちかけてきて――。  周囲に『悪女』と濡れ衣を着せられてきたバイレッタと、今まで人を愛したことのなかった孤高のアナルド。二人の不器用なすれちがいの恋を描く溺愛ラブストーリー開幕! ◇◆登場人物◆◇ 【バイレッタ】 商才に溢れ、武術も得意な才女だが、それを妬む周囲により『悪女』とあらぬ噂を立てられている。 16歳のときに父により無理やりアナルドと結婚させられてから8年、一度も夫の顔も見たことがなかった。 【アナルド】 スワンガン伯爵家の嫡男で、ガイハンダー帝国の陸軍騎兵連隊長。 冷酷な策士で、戦場の灰色狐の異名を持つ。 他人への興味が薄く、上司命令でバイレッタと結婚をしたはずだが……。
  • 水の後宮
    値引きあり
    4.0
     入宮した姉は一年たらずで遺体となり帰ってきた――。  大海を跨ぐ大商人を夢見て育った商家の娘・水鏡。しかし後宮へ招集された姉の美しすぎる死が、水鏡と陰謀うずまく後宮を結びつける。  宮中の疑義を探る皇太弟・文青と交渉し、姉と同じく宮女となった水鏡。大河に浮かぶ後宮で、表の顔は舟の漕手として、裏の顔は文青の密偵として。持ち前の商才と観察眼を活かし、水面が映す真相に舟を漕ぎ寄せる。  水に浮かぶ清らかな後宮の、清らかでないミステリー。
  • わたしの処女をもらってもらったその後。
    値引きあり
    4.2
     真野美咲、年齢イコール彼氏いない歴更新中のもうすぐ29歳。処女を拗らせた結果、全く覚えがないまま酔った勢いで会社一のイケメン忽那さんと一夜を共にしてしまう!? 「このまま付き合おう」と言われたものの、何もかもが初めてだらけで戸惑いを隠せない。真剣に迫ってくる忽那さんにだんだんほだされてきたけれど、“初めて”はやっぱり一筋縄ではいかなくて!?   第6回カクヨムWeb小説コンテスト恋愛部門《特別賞》受賞の笑って泣けるハッピーラブコメディ!
  • 吸血鬼は目を閉じ、十字を切った
    値引きあり
    4.5
     美しい姿のまま永遠を生きる異端――吸血鬼。  彼らは“三つの禁忌”に従い、存在を隠し生き延びてきた。  吸血鬼を監視する非公開組織・INAPO(国際夜行性動物保護機関)に入ったヒバリは、美しい青年・シキョウと出会う。組織唯一の吸血鬼であるシキョウは、なぜか吸血鬼から迫害され、極端に他者との関わりを避けていた。  自殺した少女に遺された咬み痕、連続失踪事件――吸血鬼の関与を疑わせる事件を共に追ううち、ヒバリは過去の凄惨な事件に繋がるシキョウの秘密を知ることになり……。  美しき異端の監視官が紡ぐ、夜闇のミステリ。 【INAPO】 国際夜行性動物保護機関の略。表向きはフクロウなどの夜行性動物を保護することを目的とした保護団体だが、その実態は半世紀前に存在を確認されたヒト様生物――『吸血鬼』の保護・共生を目指し、監視を行う非公開の組織。 【シキョウ】 INAPOで監視官として働く、唯一の吸血鬼。寡黙で決して人に心を開こうとしない。齢は二百歳を超す。見た目によらず大食いで甘い飲み物が好き。 【ヒバリ】 行方不明の父を探しINAPOに入った女子大生。飾り気のない性格で、シキョウの相棒役に任命される。冷たく突き放すような言動のシキョウとは衝突をしてしまうが……。
  • 幻国の菓子使い
    値引きあり
    3.0
     突如、異世界へ迷い込んだ和菓子職人見習いの杏。スニファ王国の騎士・スピカに不法入国者として拘束された杏は、この世界の理を教わる。  ここでは年に一度、各国が魔女に菓子を捧げる祭典があること。祭典で魔女を満足させられなかった国は、国土が消滅してしまうこと。そして、魔女の特徴は黒髪黒目――奇しくも杏と同じことを。  祭典を控え緊張走るスニファ王国で、杏は様々な陰謀に巻き込まれていき……。やがて、魔女の脅威に揺らぐ世界の衝撃の真実が明かされる。  和菓子職人見習いが、魔女から国を救う!? 珠玉の異世界ファンタジー! 【佐倉 杏(さくら あん)】 老舗和菓子店『佐倉』の一人娘だったが、両親の死をきっかけに家を追い出された。ある日突如異世界へ迷い込んでしまい……。 【スピカ】 スニファ王国騎士団団長。第一王子シリウスに忠誠を誓い、付き従う。優秀だが、“黒髪”持ちのため周囲から敬遠されている。 【魔女】 強大な魔力を持ち、人々から恐れられる者。皆“黒髪黒目”を持ち、奇しくもその特徴は杏にも当てはまり――。
  • 君が花火に変わるまで
    値引きあり
    4.0
    「好き。だから付き合って」  小学校からの幼馴染である村瀬扶由花による突然の告白。  どこか戸惑いを感じながらも、高校二年生の大澤悠明は初恋の相手でもある扶由花と付き合うことにする。  デート、文化祭実行委員、海岸での花火……順調に仲を深めていく二人だったが、ある日扶由花はいきなり悠明の前から姿を消す。  そこには彼女が過去に患っていた大きな病と、切なすぎる秘密が関係していた――。  これは、11年越しの告白から始まる、君と僕の未来を探す恋物語。
  • 僕といた夏を、君が忘れないように。
    値引きあり
    4.7
     僕の世界はニセモノだった。あの夏、どこまでも蒼い島で、君を描くまでは――。  美大受験をひかえ、沖縄の志嘉良島へと旅に出た僕。どこか感情が抜け落ちた絵しか描けない、そんな自分の殻を破るための創作旅行だった。 「私、伊是名風乃! 君は?」  月夜を見上げて歌う君と出会い、どうしようもなく好きだと気付いたとき、僕は風乃を待つ悲しい運命を知った。  どうか僕といた夏を君が忘れないように、君がくれたはじめての夏を、このキャンバスに描こう。
  • 午後十一時のごちそう ~三ツ星ゲストハウスの夜食~
    値引きあり
    3.0
     仕事のストレスから逃げるように鎌倉旅行へ来た御木本小町。不運な手違いにより宿泊先を失ってしまう。代わりに紹介されたのは、柔和な支配人・神月と無愛想なシェフ・佐野、男二人が切り盛りするゲストハウス。  ――思い出の料理おつくりします。  そこでは“特別な夜食”が提供されるらしい。  「……元気が出るケーキが食べたい」  亡き母が作ってくれた“元気が出るケーキ”に思いを馳せる小町の姿に、神月と佐野は思い出のケーキの再現を試みる。  記憶を頼りに解き明かされるレシピ――そこに詰まっていた亡き母の思いとは。  ゲストたちの思い出の料理を通じて紡がれる、出会いと成長の物語を召し上がれ。
  • 大凶ちゃんと太陽くん #誰かじゃなくて君がいい
    値引きあり
    5.0
     仏滅の日は会社を休みたい!  不運に愛された大凶体質のOL、暗野静香は超ネガティブ思考。人前でのパフォーマンスは大の苦手……なのに、運悪く四年に一度の大規模な社内コンペを任されてしまう。  絶望する彼女に手を差し伸べたのは、同じ部署の先輩である大陽寺照。笑顔の貴公子と名高い彼は、幸運はじける超ポジティブ男! 性格が真逆の彼に拒否反応を示す静香だったが、彼の笑顔に秘められた理由を知るうちに、だんだんと気持ちが変化してきて――?
  • 御執事様の仰せのままに
    値引きあり
    4.3
    三度の飯より飯を作るのが好きな貧乏大学生・葛木新はある日突然、日本有数の名家の跡取り候補になってしまう。 彼に仕えることになった美貌の執事・進藤御行は、主人より百倍主人らしく、そして自分だけでなく主人にまで完璧を求める超完璧主義の『御執事様』だった。いまいち足並みの揃わない凸凹主従は、当主代理として社交界デビューに挑むことになるのだが――。 マイ・フェア・レディならぬマイ・フェア・ロード。ど庶民主人は果たして理想の主人となれるのか……!?
  • 西由比ヶ浜駅の神様
    値引きあり
    4.4
    鎌倉に春一番が吹いた日、一台の快速電車が脱線し、多くの死傷者が出てしまう。 事故から二ヶ月ほど経った頃、嘆き悲しむ遺族たちは、ある噂を耳にする。事故現場の最寄り駅である西由比ヶ浜駅に女性の幽霊がいて、彼女に頼むと、過去に戻って事故当日の電車に乗ることができるという。遺族の誰もが会いにいった。婚約者を亡くした女性が、父親を亡くした青年が、片思いの女性を亡くした少年が……。 愛する人に再会した彼らがとる行動とは――。
  • 佐々木探偵事務所には、猫又の斑さんがいる。
    値引きあり
    3.0
    吾輩は「猫又」である。名前はまだ無い……わけではない。拾ってくれた主人、探偵事務所の所長・佐々木鏡介からもらった大切な名がある。表の顔は飼い猫、裏の顔は物の怪を見張るエリート猫又「観怪(みけ)」。それが吾輩の正体なわけだが、こっそり人の姿に化け「旧鼠(きゅうそ)」ココノと共に主人が引き受けた依頼を解決したくなってしまうのだ……。何故かはさっぱりわからぬが。――これは、猫又「斑(まだら)さん」が探偵業を手伝い、不器用で優しすぎる主人を幸せにする、恩返しのための物語である。
  • 命の後で咲いた花
    値引きあり
    4.7
    晴れて第一志望の教育学部に入学した榛名なずなの大学生活は、苦労の連続だった。そんな日々の中、彼女はとある窮地を年上の同級生に救われる。突き放すような優しさを持つ彼に、次第に惹かれていくなずなだったが……。たとえば彼女が死んでも、きっとその花は咲くだろう。絶望的な愛情の狭間で、命をかけて彼女は彼のものになる。著者の最高傑作に<書き下ろし後日譚>を収録。愛と死を告げる、新時代の恋愛ミステリー。
  • 眠れない夜は羊を探して
    値引きあり
    4.0
     幸運をくれると人気の占いアプリ〈孤独な羊〉にはある噂が。画面上を行きかうカラフルな羊たちの中に、もしも黒い羊が現れたら、どんな願いも叶うらしい。それが誰かへの殺意だとしても――。  同級生に復讐したい少年。祖母の介護に疲れ果てた女子中学生。浮気した彼氏を殺したい女子大生。周囲に迷惑ばかりかける自分を消したい新入社員。理想の死を追い求める少女。余命宣告を受けたサラリーマン……。真夜中のアプリに集う人々の、いくつもの眠れない夜と殺意を描いた15編の短編集。
  • いらっしゃいませ 下町和菓子 栗丸堂 「和」菓子をもって貴しとなす
    値引きあり
    3.8
     東京、浅草。下町の一角に明治時代から四代続く老舗『甘味処栗丸堂』はある。  端整な顔立ちをした若店主の栗田は、無愛想だが腕は確か。普段は客が持ち込む騒動でにぎやかなこの店も、訳あって今は一時休業中らしい。  そんな秋口、何やら気をもむ栗田。いつもは天然なお嬢様の葵もどこか心配げ。聞けば、近所にできた和菓子屋がたいそう評判なのだという。  あらたな季節を迎える栗丸堂。葉色とともに、和菓子がつなぐ縁も深みを増していくようで。さて今回の騒動は?
  • 今夜、世界からこの恋が消えても
    値引きあり
    4.4
     僕の人生は無色透明だった。日野真織と出会うまでは――。  クラスメイトに流されるまま、彼女に仕掛けた嘘の告白。しかし彼女は“お互い、本気で好きにならないこと”を条件にその告白を受け入れるという。  そうして始まった偽りの恋。やがてそれが偽りとは言えなくなったころ――僕は知る。 「病気なんだ私。前向性健忘って言って、夜眠ると忘れちゃうの。一日にあったこと、全部」  日ごと記憶を失う彼女と、一日限りの恋を積み重ねていく日々。しかしそれは突然終わりを告げ……。 唐突にやってくる衝撃の瞬間。その先に待つ驚きの結末に、読む人すべてが感動に包まれる! 第26回電撃小説大賞《メディアワークス文庫賞》受賞作!
  • 犯罪社会学者・椥辻霖雨の憂鬱
    値引きあり
    3.4
    「無味乾燥な記録にも、そこには生きた人間がいた。例えば新聞の片隅の記事、自殺者数の統計にも――」 椥辻霖雨は京都の大学で教える社会学者。犯罪を専門に研究する、若き准教授だ。 霖雨のもとにある日、小さな同居人が現れた。椥辻姫子。14歳、不登校児。複雑な事情を抱える姫子は「死者が見える」らしく……。 頭脳明晰だが変わり者の大学教授と、死者を見、声を聞き届ける少女。二人の奇妙な同居生活の中、ある自殺が起きる。そこは住人が連続死するという、呪いの町屋で――。 大ヒット中、究極のサスペンスミステリシリーズ『破滅の刑死者』の著者による待望の最新ミステリ!
  • 君と、眠らないまま夢をみる
    値引きあり
    3.7
     高校生になった智成の日常は少し変わっている。死者が見えるのだ。吹奏楽をやめ、早朝バイトをする智成は、夜明けには消えてしまう彼らとの、この静かな時間が好きだった。  だが、親友の妹・優子との突然の再会がすべてを変える。 「文化祭で兄の遺作を演奏する手伝いをしてくれませんか」手渡されたそれは、36時間もある壮大な合奏曲で――。  兄を失った優子。家族と別れられない死者。後悔を抱える智成。凍り付いていたそれぞれの時間が、一つの演奏に向かって、今動きはじめる。  「主人公たちの幸福を願わずにはいられない、愛おしい物語」(三上延)、 「これは小説でしか表現出来ない音楽だ。最後の別れはキラキラと輝いていた」(佐野徹夜)――感動と推薦の声!  「さよなら」ができない、すべての人に届けたい感動の青春小説。応募総数4,355作品から選ばれた第27回電撃小説大賞の《メディアワークス文庫賞》受賞作!
  • 君が最後に遺した歌
    値引きあり
    4.7
    田舎町で祖父母と三人暮らし。唯一の趣味である詩作にふけりながら、僕の一生は平凡なものになるはずだった。 ところがある時、僕の秘かな趣味を知ったクラスメイトの遠坂綾音に「一緒に歌を作ってほしい」と頼まれたことで、その人生は一変する。  “ある事情”から歌詞が書けない彼女に代わり、僕が詞を書き彼女が歌う。そうして四季を過ごす中で、僕は彼女からたくさんの宝物を受け取るのだが……。 時を経ても遺り続ける、大切な宝物を綴った感動の物語。
  • 秘密結社ペンギン同盟 あるいはホテルコペンの幸福な朝食
    値引きあり
    3.0
    望口駅前に建つ「ホテルコペン」は朝食ビュッフェが評判な、真心溢れるおもてなしの宿――というのは表の顔。その正体は、人間に進化したペンギンたちの秘密結社【ペンギン同盟】の隠れ蓑だった!  ひょんなことから、そんなホテルのベルガールとしてスカウトされた犬洗ライカは、組織の“裏の仕事”も手伝うことに。武器はかわいさと善意、内容は無償の人助けというが、彼らの本当の目的とは一体――。  6羽のクールなペンギンたちがあなたの心もお腹も満たす、痛快・連作ミステリー。 ☆【モフモフ配信中!!】鳩見すたの〈ほっこりモフモフ〉シリーズ☆ 『アリクイのいんぼう』/『ハリネズミと謎解きたがりなパン屋さん』/『秘密結社ペンギン同盟』
  • 明けない夜のフラグメンツ あの日言えなかったさよならを、君に
    値引きあり
    3.5
    将来を誓い合った恋人を事故で失った燈は、心の傷が癒えないまま高校生となった。  彼女の唯一の居場所は誰もいない図書室。日々読み終えた本の感想を共用の「読書ノート」に書き込んでいた燈はある時、同じノートを使う、顔も知らない生徒と文章を介した交流を始める。不思議と気の合う相手との文通に安らぎを感じる燈。ところがその相手が死んだはずの恋人「翼」だったことが判明し――?  最愛の恋人との文章だけの再会によって、止まっていた時間が今、再び動き出す――。
  • 恋に至る病
    値引きあり
    3.9
    やがて150人以上の被害者を出し、日本中を震撼させる自殺教唆ゲーム『青い蝶』。  その主催者は誰からも好かれる女子高生・寄河景だった。  善良だったはずの彼女がいかにして化物へと姿を変えたのか――幼なじみの少年・宮嶺は、運命を狂わせた“最初の殺人”を回想し始める。 「世界が君を赦さなくても、僕だけは君の味方だから」  変わりゆく彼女に気づきながら、愛することをやめられかった彼が辿り着く地獄とは?  斜線堂有紀が、暴走する愛と連鎖する悲劇を描く衝撃作!
  • 今夜F時、二人の君がいる駅へ。
    値引きあり
    4.0
    クリスマス間近のある夜。昴の乗った京浜東北線最終電車の第二車両が、突如消え去った。気づいた昴がいた場所は、まだ開通していないはずの高輪ゲートウェイ駅――そこは、5年後の未来だった。 失われた時間に、最愛の彼女を亡くしていた昴。そして、様々な事情を抱える瞳、勇作、晟生、真太郎の乗客たち五人。変わり果てた未来に追いつけないでいた昴たちは、過去に戻れる可能性があることを知る。 ただし、戻れるのは一人だけ――。 衝撃の結末を読み終えた時、はじめてこのタイトルの意味に涙する――未来と過去をつなぐSF青春ラブストーリー。
  • 時は黙して語らない 古文書解読師・綱手正陽の考察
    値引きあり
    3.0
    古文書に傾倒し、周囲から《解読師》と呼ばれる歴史学専修の院生・綱手。研究室で見つかった古文書の返却を任じられた綱手は、瀬戸内海の小さな島を訪れる。同行者のトラブルメーカー・相馬に振り回されつつ返却を済ませた綱手だが、連続殺人事件に遭遇してしまい……。  島に伝わる『白妙姫伝説』を模した殺人、白妙姫の生まれ変わりと信奉される少女、内容が欠けた謎の手記――。  綱手は古文書を読み解き、歴史の陰に隠された真実に光を当てる。  物憂げな《解読師》が紡ぐ、古文書ミステリ!
  • 消えてください
    値引きあり
    5.0
    『私を消してくれませんか』  ある雨の日、僕は橋の上で幽霊に出会った。サキと名乗る美しい彼女は、自分の名前以外何も覚えていないらしい。 ・一日一時間。 ・『またね』は言わない。  二つのルールを決めた僕らは、サキを消すために日々を共に過ごしていく。父しかいない静かな家、くだらない学校、大人びていく幼馴染。全てが息苦しかった高一の夏、幽霊の隣だけが僕の居場所になっていって……。  ねえ、サキ。僕は君に恋するごとに“さよなら”の意味を知ったよ。 衝撃的な内容で発売直後から話題沸騰し、大ヒットとなった『ひきこもりの弟だった』から二年半――今、葦舟ナツが綴る、《別れ》の意味を問う、新たな衝撃作。
  • 神楽坂・悉皆屋ものがたり 着物のお直し、引き受けます。
    値引きあり
    3.5
    鎌倉にある呉服屋の長女・紬は、どうしても着物に興味をもてず、店の経営に腐心する日々を送っていた。そんな様子を見かねた両親の強引な指示によって、彼女は神楽坂の路地裏に建つ悉皆屋で修業することになる。  仕立て直しや洗い張りなど、着物のメンテナンスを一手に引き受ける悉皆屋。飄々とした店主や軟派な大学生らと共にこの店で働くうち、紬はこれまで気づかなかった着物の魅力にはまっていく――。  瀟洒な街・神楽坂には、日本伝統の美が、よく似合う。
  • ニセモノ夫婦の紅茶店 ~あなたを迎える幸せの一杯~
    値引きあり
    3.6
    穏やかな海辺の町、千葉の館山にひっそりと建つ紅茶専門の喫茶店『Tea Room 渚』。店を営む“夫婦”には、4つのルールがある。 1.互いの部屋には入らない。 2.共同生活に関わることは一人で判断しない。 3.本当の夫婦でないことは他言しない。 4.どちらか一方の申し出で、いつでも関係を解消できる。  神経質で毒舌な秀二と、社交的で明るいあやめ。訳あって偽装夫婦となった二人のもとを訪れるのは、困った事情を持つお客さんばかりで……。
  • 真夜中は旦にゃ様 ~モノノケ恋奇譚~
    値引きあり
    -
    六歳上の許嫁・太一に憧れ、花嫁修業に励む女子高生・桃子。しかしある日突然、太一から婚約解消を申し出る手紙が届いてしまう。実は太一は、由緒正しい陰陽師一族の末裔で、妖怪の呪いにより『ムラムラするとネコに変身してしまう』秘密を抱えていた!  太一の呪いを解くため桃子が向かった先は、「駅」と呼ばれる妖怪たちが暮らす隠れ里で――!? 英会話を習う鬼に、ドケチな八咫烏、詐欺師の狸……個性豊かな妖怪たちと、恋する花嫁(予定)のあやかし奮闘記がはじまる!
  • 聞こえない君の歌声を、僕だけが知っている。
    値引きあり
    -
    動画サイト上に投稿された「歌声だけがない歌う少女」の動画。様々な憶測を呼び、いつしか彼女は「無声少女」と呼ばれ、社会現象となった。  ある日、大学生の青年・永瀬は、突然なぜか世界でただ一人「無声少女」の歌声が聞こえるようになってしまう。彼は彼女の歌詞をヒントに「無声少女」を探そうとする。  動画の少女は誰……? 彼女の歌は、何のために? 目の前に現れた「サクヤ」という女の子は何者――?  全ての答え。それは『愛』。これは切ない『愛』の物語。
  • 噺家ものがたり ~浅草は今日もにぎやかです~
    値引きあり
    5.0
    大学生の千野願は、寝過ごしてしまった就職の最終面接へ向かうタクシーの中で、カーラジオから流れてきた一本の落語に心を打たれる。その感動から就職はもちろん、大学も辞め、希代の天才落語家・創風亭破楽への弟子入りを決意。 何度断られても粘りを見せ、前座見習いとなるも、自らの才能のなさに落ち込む千野願だったが、ある日、初めて人を笑わせる快感を覚える。道が開けたように思えたそのとき、入門前から何くれとなく世話を焼いてくれた兄弟子・猫太郎が突然――。
  • 夜空は見上げる君に優しく
    値引きあり
    3.0
    渋谷の夜を照らすアドバルーン。気球から下がる布には、夜の街を楽しむ人達のメッセージがつぎつぎと流れていく。そんなメッセージの中に、「夜が怖い人もいるんです」という悲壮な呟きを見つけた、気球の管理人、横森佑。夜のにぎわいを守るため、呟きの主と待ち合わせると、やってきたのは一人の少女。それが、言葉を発せず、今にも消えてしまいそうな女子高生、咲良との出会いだった。夜の屋上に居場所を見つけた青年と、夜に脅える少女が、二つの月の下で出会う、儚い恋愛物語。
  • 天保院京花の葬送 ~フューネラル・マーチ~
    値引きあり
    3.7
    天保院京花には、俗に言う『第六感』が備わっている。でも実際は、人よりちょっとだけ、目がおかしくて、耳が変で、鼻が異常で、舌が特殊で、肌が異様なだけ――。廃墟の洋館で起きた殺人事件。現場に集まったのは、霊感女子高生の京花、トラブルメーカーな元女装少年の人理。不良出身の熱血刑事・竜弥、そして、麗しきナルシスト霊能者の行幸。喪服を纏った女子高生・京花が、おかしな奴らと『謎』に挑むとき、事件は意外な結末を迎える――!
  • 繰り返されるタイムリープの果てに、きみの瞳に映る人は
    値引きあり
    4.0
    「あなたは運命の人じゃなかった」。順風満帆かと思われた慶介と亜子の関係。しかし亜子は突然に別れを告げた。驚きと悲しみに打ちひしがれた慶介に、しかしタイムリープというチャンスが与えられる。別れの際に告げられた、その原因となった行動や欠点を改め、克服していく慶介だが、その先に待つのは幸せか、それとも――。繰り返されるタイムリープの果てに、慶介と亜子、二人がついに辿り着く真相と結末とは?
  • 猫曰く、エスパー課長は役に立たない。
    値引きあり
    4.5
    小生は猫であります。名前はらっきょ。主人の千川兆介は、恐妻家のしがないサラリーマンです。だがお待ち頂きたい。小生の鼻がひくひく動く。どうやら主人には、傷に触れるとその過去が分かるという“超能力”なるものがあるようで。はて、これは? 食い逃げ事件に非行少年、OLの恋愛相談。主人が語る愚痴によりますと、何やらいつも大変な目に遭われている様子。だがしかし。主人に関わった人々は皆、なぜかちょっぴり救われているようで? 疲れた心に贈りたい、あったか人情物語。
  • 倫敦幽霊バラッド
    値引きあり
    -
    僕は朝倉柊二郎。実は僕、昔から幽霊に悩まされていてね。だから家族から「ロンドンには幽霊がいない」と言われて、二十世紀になったばかりのロンドンに、たった一人でやってきたんだ。だけど街は幽霊だらけじゃないか! 騙された!! 気落ちして街を歩いていると、鮮やかな青の着物に身を包んだ少女を見つける。ああ、幽霊だ……。でも、いつもなら目を逸らすのに、なぜか彼女から目が離せなかった。これが、僕を変えることになる女性との出会い――。霧深いロンドンを舞台に描かれる、切なさに涙が止まらない、儚く消えた恋の物語。
  • アイドルとマーケティングの4P
    値引きあり
    4.3
    契約数減に悩むケータイキャリア『セルラーコム』の営業マン・中林雅史は最近の仕事に手応えを感じず、暇があればスマホで転職サイトを覗く日々を送っていた。しかし、ある雑誌広告グラビアの撮影立ち会い時、彼は仕事熱心なアイドル・歌織と出会った。大人たちがただの小さい案件と割りきって「こなす」中、唯一ひたむきに仕事に向き合う歌織に雅史は心を打たれ、彼女のグラビアを良い物にしたいと行動する。結果完成した広告の評判がよく、宣伝部に引きぬかれた雅史は、歌織を広告塔とした、プロモーションプロジェクトを本格的に担当することになり……!?
  • 吹き溜まりのノイジーボーイズ
    値引きあり
    4.1
    元吹奏楽部で現帰宅部の亜希は、担任の平野からある生徒達に吹奏楽を教えてほしいと頼まれる。平野に連れて行かれた先は、学校のいらないモノが吹き溜まる旧講堂。待ち受けていたのは、学内で札付きのヤンキー少年達だった。 怖じ気づく亜希だが、下手ながらも音楽を楽しむ彼らの熱意に引き込まれ、共に文化祭を目指すことを決意する。しかし亜希は、吹き溜まりのメンバーの一人・夏目から、ある曲をヤンキー達が一ヶ月でマスターできなければ手を引くようにと言われてしまう。 田舎町の高校を舞台に、熱血ヤンキー達と女子高生が奏でる奇蹟の青春ストーリー。
  • 百鬼夜行とご縁組 ~あやかしホテルの契約夫婦~
    値引きあり
    3.3
    「このホテルを守るため、僕と結婚してくれませんか」  結婚願望0%、仕事一筋の花籠あやね27歳。上司とのいざこざから、まさかの無職となったあやねを待っていたのは、なんと眉目秀麗な超一流ホテルの御曹司・太白からの“契約結婚”申し込みだった!  しかも彼の正体は、仙台の地を治める大妖怪!? 次々に訪れる妖怪客たちを、あやねは太白と力を合わせて無事おもてなしできるのか――!?  杜の都・仙台で巻き起こる、契約夫婦のホテル奮闘記!
  • 今日は心のおそうじ日和 素直じゃない小説家と自信がない私
    値引きあり
    4.1
    突然終わった結婚生活。バツイチか──と嘆く余裕もない私。職務経験もろくにないが、家事だけは好きだった。 そんな私に住み込み家政婦の仕事が舞い込む。相手は高名な小説家。そして整った顔立ちとは裏腹に、ものすごく気難しい人だった。行き場のない私と、ふれ合いを拒む小説家。最初はぎこちなかった関係も、家事が魔法のように変えていく。彼と心を通わせて行くうちに、いつしか──。 なにげない毎日が奇跡になる物語──本を閉じた後、爽やかな風を感じてください。

最近チェックした本