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田舎町で祖父母と三人暮らし。唯一の趣味である詩作にふけりながら、僕の一生は平凡なものになるはずだった。 ところがある時、僕の秘かな趣味を知ったクラスメイトの遠坂綾音に「一緒に歌を作ってほしい」と頼まれたことで、その人生は一変する。 “ある事情”から歌詞が書けない彼女に代わり、僕が詞を書き彼女が歌う。そうして四季を過ごす中で、僕は彼女からたくさんの宝物を受け取るのだが……。 時を経ても遺り続ける、大切な宝物を綴った感動の物語。
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「君が最後に遺した歌」
2026年3月20日公開 出演:道枝駿佑、生見愛瑠、井上想良
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Posted by ブクログ
最後に贈り物を感じました。 こちらは映画化を予定している作品であり、かつジャケット写真に私は惹かれて手に取りました。 あなたが結を想像をしたとしても、私は読むことをお勧めします。なぜなら私は読んで良かったと感じたからです。素晴らしい物語が“君が最後に遺した歌”にはあります。 このタイトルに隠さ...続きを読むれた意味を想像しつつ読み、そこで作者が伝えたい思いに辿り着きました。この作品はとても読みやすく、宝物達への思いに触れることができました。この物語は終わりますが、きっとこの物語は… 最後に観覧車を前に佇む1人の女性は誰なのかを私は想像しつつ読み終えることとします。 気になる方は是非その物語に浸ってください。 そして私に共感していただける方がいらっしゃると嬉しいです。
最後の方の章では、もう涙涙でした。 母親として自分が子供を産む意味。 『命を与えたのではなく、命を受け取ってもらった』 こうして、自分の命が繋がっている。 自分の生きた証が残されていく。 読みやすくて一気読みしてしまいました。
一条岬さんの「今夜、世界からこの恋が消えても」が面白かったので読んでみました。タイトルに「遺した」と書いてあるのである程度の結末は予想できましたが面白かったです。
涙必須の一冊。半分くらいからずっと涙が止まりませんでした。自己犠牲しすぎることはよくないことかもしれないけど、誰かのために、自分の気持ちに蓋をしたり、時間と労力をかけたりしたいと思えることって素敵だなと思う。私もそんな人生を歩みたい。
ディスレクシアの綾音と詩作が好きな春人。 接点のなかった二人が、曲作りを通じて親密になっていく様子が初々しくてよかった。 途中からは重たい展開になってきたけど、二人のまっすぐな気持ちを応援しながら読んだ。 似たような境遇の方の話を思い出したりしながら、こんなにも愛されている綾音は幸せだなと思った。
匿名
アヤネはすごく素敵な女性でした。 だからよけいに、悲しかったです。 もっと生きてほしかったです。
一条岬『君が最後に残した歌』は、愛と別れ、夢と継承を描いた切なくも温かい物語です。冒頭、主人公・春人が車を運転し、助手席に座る「彼女」と会話する場面から始まります。何気ない導入のようでいて、物語の最後にその「彼女」の正体が明かされることで、大きな感動へとつながっていきます。 高校時代、春人と綾音の出...続きを読む会いは印象的でした。担任の藤田先生が詩を読み上げる場面で、綾音は目を閉じて耳を傾け、その詩を歌にのせて歌唱しました。その瞬間から、春人と綾音は互いに心を通わせ、居場所を見つけたかのように過ごすようになります。やがて綾音が「文字の読み書きが困難な発達性ディスレクシア」を抱えていることが判明しますが、春人の詩を歌うことで二人の絆は深まり、綾音は歌手デビューの夢を掴みます。春人は彼女の夢を邪魔したくない一心で距離を置き、二人は離れ離れになってしまいます。 数年後、春人は公務員となり、綾音は歌手として成功を収めます。ツアーで地元を訪れた際に再会した二人は、互いの存在の大切さを改めて実感し、春人の告白によって結ばれます。遠距離恋愛ながらも順調に愛を育む二人ですが、綾音の体調に異変が訪れます。そこで描かれるのは、強烈に印象的な二つの出来事です。ひとつは新しい命を宿すこと、もうひとつは余命1年半を宣告されることです。綾音は残された時間を精一杯生き抜き、娘を出産し、春人のギターとセッションを重ね、やりたいことを一つひとつ叶えていきます。しかし物語は残酷で、綾音はこの世を去ることになります。 物語の冒頭で描かれた助手席の「彼女」との会話は、実は娘とのものであったと明かされます。しかもその娘・春歌は歌手デビューを控えているのです。最も心を打たれたのは、綾音がライブでしか歌わなかった「春の人」、そして春人と二人で完成させた「春の歌」です。隣にいたのは綾音ではなく娘であったという真実に胸を締め付けられ、歌に込められた想いの継承に深い感動を覚えました。 この作品は、単なる恋愛小説にとどまらず、「歌」という芸術を通じて人が人へと想いを託す姿を描いています。綾音が抱えていた障害や病は、彼女の人生を制約するものでありながら、逆に彼女の歌に深い意味を与えました。春人の詩と綾音の歌声が重なり合うことで生まれた音楽は、二人の愛の証であり、娘へと受け継がれる希望でもあります。 読後、私は「人は限られた時間の中で何を残せるのか」という問いを強く意識しました。綾音は歌を通じて自分の存在を未来へと託し、春人はその歌を支えることで彼女の夢を守りました。そして娘・春歌がその歌を受け継ぐことで、物語は世代を超えて続いていくのです。 一条岬先生の筆致は、まるで目の前に情景が広がるような臨場感に満ちています。愛と別れ、夢と継承を描いたこの物語は、読者に強い余韻を残します。来年の映画化が今からとても楽しみです。
歌で生きていくのは厳しい世界だから 夢ばかり見てられないって 自分なんかが出来ることじゃないって。 その綾音の気持ち凄く分かる。 厳しいと分かっている世界に飛び込むのは 怖いし自信持てないよね。 でも春人が綾音の歌声に可能性を感じて 春人なりの形で綾音の背中を押して 綾音は歌手になる夢を叶えた...続きを読む。 芸能界ってスキャンダルとかに厳しいから 春人と綾音の関係がどうなるかは予測できた。 綾音は夢を叶えたい。 でも春人と離れたくない。 春人は綾音の側にいたい。 でも綾音に夢を叶えて欲しいし チャンスを無駄にして欲しくない。 2人の気持ちが想像できるから 凄く切ないし現実は甘くないと思う。 でも別れた数年後に綾音のLIVEをきっかけに 2人はまた一緒の時間を共にし始める。 LIVE中に綾音が初めて作詞した“春の人”を歌う。 すぐに春人に宛てた歌だと分かったよ。 普段だったら面と向かって言えないことも 歌や詩ならストレートに言えるのって どうしてだろう。 それこそ歌の力なんだろうね。 そして綾音が妊娠したと予感して これから幸せになるって思った矢先に 妊娠と同時に病気が発覚してしまって 本当に運命残酷だと思ったし 何でストレートで幸せになれないんだー と叫びたくなる。 この後の展開は1つは想像した通り。 でももう一つはそこまで考え及ばなかった。 全てのピースが繋がった瞬間感動した。 でも残酷な運命が立ちはだかっても 何とかして乗り越えようとしていくから 物語は面白いし読書を辞められない。 こんな熱い恋愛したい。 色濃い人生を送りたい。 綾音と春人に負けてられないぞ! って私まで熱くなっていく。
切ない。切ないけど、その中にある希望を感じさせてくれる一冊だった。 タイトルからして悲しい物語だけど、読んでいくのが止まらない。よくある展開(彼女が病気になっちゃう)ではあるけれど、2人の心情描写がとてもよかった。 ケンさんのお守りを渡すシーンも印象的。
遠坂綾音 田舎町出身。高校卒業と同時に広い世界へ羽ばたき、誰もが知るような歌手になった。クラスメイトから“鉄の女”と呼ばれていた。 水嶋春人 高校で綾音と出会う。綾音と古い部室棟にある文芸部の部室で一緒に歌を作っていた。両親は事故で他界。祖父母と三人暮らし。 藤田 教務主任。国語や古典を兼任する...続きを読む老齢の教師。 遠坂正文 綾音の叔父。トラットリア・マサというイタリアンレストランを経営している。三十八歳独身。 ケン 遠坂正文の友人。ギター担当。 ヨシ 遠坂正文の友人。ベース担当。
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君が最後に遺した歌
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一条岬
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