すべての高評価レビュー
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購入済み
構成が良かった
私にとっては初めましての作家さんで、
正直言ってサクッとセックスして便宜上のセフレという手前てきとーにモダモダして誤解やらなんやらが解消してヨッタネーというよくある話しかと思ってたし、途中まで「私が」時田を好きになれるかなあ……(=この作品を読んで良かったと思えるかなあ)と心配してたのですが、杞憂でした。
途中までそういう展開だったのはそうなのですが、後片付けの仕方が綺麗で、読後感が大変良かったです。
こういうお話、下手すると事態を丸めようという演出と描写が逆に攻の不誠実さ等を浮き彫りにしてしまっている作品も多く、肝心の後半で一方的にガッカリすることが多いのですが、このお話は構成がうまくてそれを逆転させていて、良かったです。
なんならあまりにも関係性の描写が気になりすぎて、セックスシーンは早足で読んでました(笑)
読者に感動を押し付けず、登場人物の心情心理だけがそこにあって、回収シーンがねっとりしてないのも良い。花村くんがとても良いキャラだし、時田のポーカーフェイスを装う表情筋と心理の根性に私もしてやられました。
面白かったです。 -
Posted by ブクログ
超知能AIは、人類が他の動物に対して優位に立ってきた知性において初めて上回られる可能性ある存在。生存原理が異なるため人類抹殺(ゆるやかな滅び)を選ぶこともありえるうえに、それを止める有効な手段もないなかで、いったんブレーキを掛けて安全策を講じるのは今をおいて他にないという趣旨が語られている。恐ろしいのはAIの進化スピードとされ、原発事故でわずかな均衡の崩れにより核反応が爆発的に進んで崩壊に至るという例えは分かりやすい。
その世界的な対策として核拡散防止的な枠組みが提案されるのはまぁ分かるが、空爆も含めろと踏み込んでるのがすごい。そもそもAGI推進をプッシュしてピーター・ティールに資金援助された経歴もあり、「自ら育てた人類への脅威を取り除く」という、キカイダーの光明寺博士かよという印象もある。 -
購入済み
ふつう
年の差というか、大人と幼児という関係性もあって、BLというジャンルだけでは括れない作品だと思いました。
最初は、これは「正常」これは「異常」という世間一般的な考え方もまだ十分に身についていない、あんなに幼い子に大人が何を…と思いました。
読んでいるうちに、幼い子ども自身も、大人への憧れなのか、友達や家族、恋人に向けるような愛情なのか、何らかの感情を抱いていて、本人が嫌悪感を抱いていないのであれば、必ずしも引き離さなければならない関係なのだろうか…と、考えれば考えるほど頭が混乱しました。
ただ、その感情に大人がどのように応えるかが重要であり、子どもの愛情を理由に大人の行動を正当化することはできないのかなと思いました。
…色々と思うところはありましたが、現実的に考えると、親からしたら少しでも怪しいと思う時点で、そんな関係はたまったもんじゃないと思いますが(笑)
物語としては、とても引き込まれる素敵な作品でした! -
Posted by ブクログ
ネタバレ仕事がうまくいかず、子供が不登校になり関係も良くなく、これまで運が良くないと思っていた保険営業の主人公。しかし、ある日不思議なタクシーの運転者と出会い、価値観が変わっていく物語。
その運転者は、
運は"良い"、"悪い"という使い方はしない。
"貯める"、"使う"で表現するもの。
ある程度貯まったら使うことができるもの。
運は人に何かしてあげたことと、
それに対してしてもらったことの差分。
運が劇的に変わる変わる時、そんな場というのがあり、それを捕えるアンテナは全ての人にあり、その感度は上機嫌の時に最大になる。
損得勘定で動くと運は見つけられない、
興味をもつこと。
を教えてくれた。
ミュージシャンの人は元々柔らかくできていて
何かに興味を持って身体を使い続けると
それに適応して強く硬くなっていく。
その間には痛みが伴うが、
自分を強くしていけば何だってできる。
という話も好き。 -
Posted by ブクログ
★★★★★★★★★★
テレビでも見かける医師、おおたわ史絵さん。
彼女がYouTubeの某チャンネルで、自身の家族にまつわる大変な苦労を語っている動画がある。彼女の人柄、優しさ、明るさ、重ねてきた思いを垣間見ることができる。そのキャラクターを思い浮かべながら読むと、本著で語られる一文一文から彼女らしさのようなものが伝わってきやすい。
とくに印象に残った部分を記しておく。
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ニュースを騒がせた極悪チームの青年を診察した時は、彼がとても小さくて華奢なことに驚いた。小さな掌、細い指、その手でどれだけの人を傷つけてきたというのか。
いったい彼らは、どんな理由があって犯罪に手を染めたのだろう?
どう見ても凶悪には見えないその者たちの胸に聴診器をあてながらカルテに目を落とす。ふと彼らの人生に思いをはせる。
外の世界での既往歴や治療歴が患者さんひとりひとりの過去の生活歴だとするならば、罪人のカルテもまた受刑者の人生の歴史、そのものが刻まれているのだ。
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そして繰り返し書かれているのが、刑務所の存在意義、目的。
「刑務所は罪人を懲らしめる場所ではない。懲役を務めあげさせるとともに、心身の健康を教育して更生への道を示すところなのだ。少なくとも我々はそう考えて働いている。」
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