すべての高評価レビュー
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Posted by ブクログ
7つのストーリーがそれぞれにいい味を出していて、絶妙な切り口のストーリーになっていておもしろい。
私の口にあった3作を選ぶなら、
原田ひ香さん「最後に、何を食べたの?」
井上荒野さん「本当の話」
寺地はるなさん「小曾根幸子の送別会」。
今(私的に)話題の原田さんのストーリーは、はじめは、頭が?の状態から、少しずつ、ヤバいことしようとしてる展開が理解できてきて、なるほど、という結末で落ち着くけど、きっと、もっともっと濃く長くしたら、すごく面白い一冊の本になるような気がする。読みたい。なんとなく、「PRIZE」に近しい心情になる気がする。ド素人的な感想です。 -
Posted by ブクログ
津村記久子さんの『やりなおし世界文学』で知った本。
作家さんでさえ、どう説明していいか、と戸惑う本。
なのに、救済感、美しさが感じられる。
それは読んでみなくては、と思い手にする。
たしかに、何と言っていいかが難しい作品だった。
でも、最初の一ページから引き込まれてしまう。
スコットランドの小島にある、ラムジー家の別荘の、夏のある一日が描かれる。
ラムジー家の幼い息子、ジェイムズが「影や光の射す一瞬」を結晶化していつまでもとっておけるように、その一日が克明に描かれる。
最初透明な語り手が状況を語り始めた…と思った次の瞬間に、ラムジー夫人の内言となり、その直後には彼女が注意を向けた人物、例えば夫、ダンズリー、バンクス、そしてリリー・ブリスコウといった人物の内面に移っていく。
これで読者として混乱しないのかといえば、意外としない(というか、たいして事件が起こるわけでないのであまり困らないのかもしれない)。
それよりも、次第に浮かび上がってくるラムジー夫人、ラムジー、ブリスコウらの人柄、人生に興味が掻き立てられる。
特に魅力的だと思ったのがリリー。
画家として生涯独身を貫き、自らの表現を追究しようとしている。
大変な美女ではあるが、一世代前の価値観で一直線に行動するラムジー夫人とは相いれなさそうなのに、なぜかリリーは夫人を慕い続ける。
自分が持っていないものを持っているからなのか。
十年の後、夫人も世を去り、夫妻の八人の子のうちの二人が早世してしまった後の大きな喪失感を味わいながら、人がそこにたしかにいることで、世界がどれだけ充足していたかを見出だしていく。
そのリリーの姿は、せつなくて美しかった。 -
Posted by ブクログ
高まるソ連の脅威に対抗するために、モンゴルに第二の満州国を作ろうとする動きは結局うまくいかず。
徐々に高まる国民党政府との緊張。頻発する関東軍と国民党軍及び抗日ゲリラ達との衝突。犬猿の中だった共産党軍と国民党は合流。
昭和12年には通州事件が発生。多くの日本人が凄惨に惨殺される。
国民党政府(1912年成立の中華民国)の首都である南京への進軍には兵站は伴わなかった。兵士による現地調達すなわち掠奪と強姦を取締る憲兵は少人数しか配置されず。
そして南京陥落後の虐殺に多くのページを割いている。現代の中国が主張する20万人という数字はアンリアルであるために、虐殺自体がなかったことと主張する意見も存在するが、この本は日本兵による国民軍兵士たちへの処刑の様子を詳述。20万人という現代中国の発表よりは大幅に少ないが、それでも夥しい殺人が行われたことを記録。おそらく多くの関係者への取材を経ていると推測。
関東軍による阿片生産の取り組みや、三井物産による阿片輸入についても触れている。これは多くの公文書により記録が残る闇歴史。
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