アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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「クリスマス・プディング」の冒険:さる王国の皇太子が伝家のルビーを女友達に盗られてしまった。ポワロに極秘奪還の依頼がきたが、意外な所に隠されていた。イギリスの古典的なクリスマスが出てくる。映像で見てみたい。(ドラマでは「盗まれたロイヤル・ルビー」)(ポワロ)
「スペイン櫃の秘密」:さる女性に思いを寄せてるらしい男が3人。女性はそれを恋愛感情とは気づかず、そういう態度が殺人を起こさせた。クリスティに繰り返し出てくる「おめでたい女」の亜種か。(ポワロ)
「負け犬」:さるお屋敷で主人が殺された。犯人はよくある設定だがクリスティではめずらしいかも。メイヒューという名の弁護士が出てくる。(ポワロ)
「二十四羽の黒つぐみ」:火曜と水曜に決まってレストランに食事をしにくる老人が死んだ。いつもはこない月曜に来て、いつもは頼まない黒いちごのタルトを注文した後だった・・ (ポワロ)
「夢」:ある金持ちから最近決まって3時28分にピストルで頭を撃つ夢をみる、とポワロは相談された・・
「グリーンショウ氏の阿房宮」:その昔財を成したグリーンショウ氏は大きな家を建てた。今そこには孫娘が一人住んでいるが、殺された。(ミス・マープル)
「阿房宮」が何かわからなくて検索したら、秦の始皇帝が建てたばかでかい王宮。生前には完成しなかった。原題:Greenshaw's Folly Follyは愚行、金ばかりかかるばかげた事業[計画,建造物];〔景観のアクセントとして作られる〕新奇[華美]な建築物 などとあった。
2018.5.31に買っているのだが読みかけのままだった。
1960発表
200411.30初版 2012.6.15第4刷 購入 -
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ネタバレトミー&タペンス、今度は大物スパイの正体を暴く!
いつのまにか双子が大人になっていても、トミーとタペンスは相変わらず国際的陰謀に首を突っ込んでいる。とはいえ、冒頭で二人は、自分たちがまだまだ役立ているはずなのに、必要としてくれない社会に不満をこぼしている。舞台は第二次世界大戦のイギリス、1940年の春といえば、なかなかに厳しい状況である。パリが落ちるかもしれない、ロンドンも直接攻撃されるかもしれない。そんな不安の中の話である。サスペンスというよりもアドベンチャー寄りのトミー&タペンスも、どことなく緊迫感を帯びている。それでも、トミーがタペンスにしてやられるところは面白いし、冗談を言いながらもお互いのことを思いやる二人の姿に心がくすぐられる。トミーが踏み込みすぎて生命の危機に陥るのも、単独行動のタペンスが勇気を示して大きな成果を得るのも、このシリーズのお約束。
舞台となる〈無憂荘〉は高級賄い付き下宿、ゲストハウスということで、管理人も含めここに滞在している人の中に大物スパイ〈NとM〉がいるらしい。この時代の典型的イギリス人とか様々な国の人々のステレオタイプをあまり知らない私でも、どの人の怪しく、その姿は演技ではないかと疑い、誰が祖国を売る卑劣なスパイなのかわからないまま、はやる思いでページをめくった。
近所の〈密輸団の巣窟〉という建物に住むヘイドック海軍中佐は、パターンでいうと、ちょっとブラウン氏に似ていて、信頼できる人と思っていたのに実は、という展開。トミーに関して、切り抜けた、と油断したところでやられるのは、ちょっと見えていたかも。
スプロット夫人に関しては、タペンス同様、子ども連れでスパイ活動はないだろう、という前提を崩せずにいたので、銃撃の腕には絶対素人じゃないと引っかかりを覚えたのに活かせなかった。言われてみれば、ぼろぼろの絵本に重要な機密を隠すってありそうな手だ。誘拐犯を撃てた理由は、そちらが本当の母親で、ベティは実の子ではなかったから。タペンスが母親の愛情を強調していて、それこそ証明はないけど諸々のことに対して雄弁な理由づけになると思っていたけど、こういう形で出てくるか。でも、顔が似ているって小説では示しにくい伏線では。それともどこかにそういう描写があったのかな。
私はこの第二次世界大戦の結末を知ってこの話を読んでいる。コピーライトが1941年とあるので、まだ大戦中に、クリスティーはこの話を発表したということだ。戦争批判ともとれるし、政府への批判と読まれそうなところもあるし、愛国心についての台詞もあるのが、なかなかロックだなと思った。この話が封じられる世界でなくてよかった。 -
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「人を殺したかもしれない」との相談で訪れた依頼人がポアロを見て、「年を取りすぎているから」という理由で依頼をキャンセルされるという印象的な場面から始まる本作。軽い失意と気懸りから、依頼者の身許を調べ、自ら事件に関わろうとするポアロ。おなじみのオリヴァ夫人も登場し、ちょっとした冒険を企て、災難に遭ったり、オリヴァ夫人の証言で事件が大きく展開していく。物語がかなり進んでも死体がなかなか出てこず、ポアロが「死体探し」に頭を悩ますところも異色。
真相は相当意外なものであり、真相を知ると伏線があちこちに散りばめられていることが解り、その伏線が真相に活かされているところは流石。しかし、この真相は相当無理があると感じてしまう。ヒロインの女性が記憶を失うタイミングが都合良すぎるし、真相の核となる事柄にはヒロイン等が気づくだろうと思わざるをえない。また、ソニアの本の件の真相が説明されていない。 -
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ネタバレトミー&タペンスの小さな大冒険!
トミー&タペンスのシリーズは楽しい。タペンスが、(死語だけど)おきゃんで、読む人を惹きつける。トミーは、頼りないように見えて、ここぞというときは活躍する。そして、この仲良しの夫婦のコンビ感が、わくわくした気持ちを盛り上げる。探偵事務所を始めて、物語の探偵の真似をしながら事件を解決するなんて、荒唐無稽だし、そんなうまくいくわけがないのだが、そんな文句を吹き飛ばすのが、トミー&タペンスの楽しさなのだ。国際的陰謀も、楽しい二人の物語の味付けに過ぎない。思わず脱力するような真相も(だって双子って!)トミー&タペンスに関しては、いいのだと思える。
「牧師の娘」でのタペンスの惚気、「16号だった男」のトミーの憔悴っぷり、そしてその最後に出てくる“新しい仕事”など、ちょっとした二人のかわいいシーンも楽しい。 -
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ネタバレポアロ、縦横無尽の活躍。
「死人の鏡」「謎の盗難事件」「厩舎街の殺人」の中編が3つ、4つめの「砂にかかれた三角形」はやや短い。
「死人の鏡」依頼人から呼び出されて屋敷に向かったポアロ。時間に厳しい依頼人が夕食に姿を見せない。依頼人は部屋で死んでいた。夫人、養女、甥、弁護士や自伝の手伝いをしていた秘書的存在など、様々な登場人物の話を聞きながら、ポアロが暴いた真相。そんなにうまくいくのかな、と思いつつ、密室よりも重要な真実は隠された人間関係。
「砂にかかれた三角形」リゾート地でポアロが出会った人々。夫婦、有名な美女とその新しい夫、若い女性。トリックはあっさりしていて、それだけか、とも思う。しかし、ポアロの警告の真の意味など、すっきりまとまって面白い作品。 -
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★★★2019年1月レビュー★★★
『ブラックコーヒー』というタイトルに惹かれて読んでみた。ポワロシリーズのミステリー。1934年の英国が舞台。新たな兵器の化学式を発明した科学者サー・クロード・エイモリー。彼の開発した化学式を巡って起こる殺人事件を名探偵ポワロが解き明かしていく。
ロンドン郊外のエイモリー家の屋敷。被疑者は彼の家族と、訪問中のイタリア人医師。
「ああ犯人はあの人ね」
というオチ。展開のテンポはよく、すらすら読めた。
エルキュール・ポワロの人物が分かる紹介を少しだけ。
*ポワロは几帳面で、何事も整理整頓されていないと気が済まない。「左右対称、均整調和こそ、すべてなんですがねえ・・・・灰色の脳細胞はきちんと整理されていなくては」
*また、ポワロは自信満々。
「しかも、マダム。このエルキュール・ポワロは超一流の猟犬です」
「私ほどの推理力に恵まれていない人間にははっきりしないことが、このエルキュール・ポワロの知力にとっては、まったく明らかだからですよ」
しかしながら、見た目はぱっとしない。
卵形の頭をした小男。 -
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昔、創元推理文庫で『エンドハウスの怪事件』というタイトルで読んだが、クリスティ文庫完全読破目指して再読。
再びヘイスティングス登場でポアロもの安定の空気感!冒頭から登場のニックの魅力と絡みながらいつも通りテンポよく楽しめる。
以前読んだとはいえ話は全く覚えていなかったが何故か途中から怪しいと思ってたらその通りの結果に。記憶の奥に残ってたのかな?そう思い出して読んでると読者の意識を誘導する記述が絶妙に散りばめられている事に気がつく。事件には直接関係のない謎など多少のノイズも含まながらも事件を中心にまっすぐ展開する流れは潔い。景色美しさや登場人物の魅力、シーンの少なさから映像化に向いてるかも。 -
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古代エジプトの墓所守の家族内で起こる連続殺人事件。ポアロやマープルといったシリーズ探偵が登場しない歴史ミステリーで、作者としては異色の作品。
家長である父親、その子供の長男夫婦、次男夫婦、三男、夫を亡くして出戻りの長女、家長の年老いた母、雇われの管理人の男、古参の召使の女が主な登場人物。登場人物それぞれが個性的で、性格の違いによる書き分けが巧い。特に、家長の母親エサの慧眼ぶりと召使のへネットの嫌味な性格が印象的。
家業の墓所守や農地経営等で一族の生計を立ててきたが、父親が出張先から妾を連れて戻ってきたことで、微妙なバランスを保っていた家族内の関係に波乱が生じ、連続殺人へとつながっていく。
お互いの微妙な心理関係を織り込みながら進行していくストーリーは、なかなか読ませる。ヒロイン役の長女レニセンブがホリとカメニのどちらを選ぶのかというラブロマンスとしての興味もある。
犯人は1つだけトリックを使っているが、たいしたものではないし、読者が推理する要素はほとんどないので、ミステリーとしては平凡。