アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • 満潮に乗って

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    悲劇はあたかもシェイクスピアのように。

    大富豪の未亡人、その兄と、困窮する一族。戦争の傷が描かれた作品で、戦後を生きるイギリスの人々の姿に思うところがある。戦時中は従軍し、戦後田舎に帰って婚約者との結婚に戸惑うリン・マーチモントが印象的。前半でたっぷりとクロード一族の人間模様を描き、ポアロは名探偵だが、もはや主役ではないのでは。ラストは、すっきりとまでは言わないが、ひとつの人間関係の決着に満足した気持ちになった。クリスティ作品に出てくる女性は、いつも印象的で、何十年たった今でも全然古びていないと思った。

    0
    2019年07月04日
  • 象は忘れない

    Posted by ブクログ

    エルキュール・ポアロシリーズ#36。

    後年多くなってくる「回想の殺人シリーズ」のひとつ。
    12年前の事件を、オリヴァ夫人による、当時を知る人へのインタビューを通して明らかにする。

    「象は忘れない」というのはクリスティーの心を捉えていたらしい逸話で、象はいじわるされたりした記憶をいつまでも忘れない(らしい)ことにちなんでいる。すなわち、人の記憶も、ふとしたきっかけでよみがえるものだ、ということである。

    実質的にポアロ物として最後に書かれた作品で、ドンデンとか事件と解決の切れ味とか謎解きということよりも、物語としてしみじみしたコクがある。

    0
    2019年07月01日
  • ねじれた家

    Posted by ブクログ

    映画が公開されるということなので、興味本位で読んでみた。

    冒頭に殺人事件が描かれているにも関わらず、それ以降はミステリらしくない展開が続く。飽きるかと思いきやそうではなく、一族のスキャンダルがストーリーのベースになり、これはこれで面白い。第二の殺人が起きる後半からはギアチェンジして鋭いロジックを見せつけられるのだが、前半の人間模様が作品の雰囲気と合ってたので、このまま人間ドラマで終わってもいいかなと思ってみたり。

    とは言ってもさすがはクリスティー。きちんと伏線を回収して、意外な犯人と意外な着地で読み手を翻弄する手は緩めない。実はなかなか重い真相なのに読後感が悪くないのは、ほどよいボリューム

    0
    2019年06月30日
  • 第三の女

    Posted by ブクログ

    「人を殺したかもしれない」との相談で訪れた依頼人がポアロを見て、「年を取りすぎているから」という理由で依頼をキャンセルされるという印象的な場面から始まる本作。軽い失意と気懸りから、依頼者の身許を調べ、自ら事件に関わろうとするポアロ。おなじみのオリヴァ夫人も登場し、ちょっとした冒険を企て、災難に遭ったり、オリヴァ夫人の証言で事件が大きく展開していく。物語がかなり進んでも死体がなかなか出てこず、ポアロが「死体探し」に頭を悩ますところも異色。
    真相は相当意外なものであり、真相を知ると伏線があちこちに散りばめられていることが解り、その伏線が真相に活かされているところは流石。しかし、この真相は相当無理が

    0
    2019年07月05日
  • おしどり探偵

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    トミー&タペンスの小さな大冒険!

    トミー&タペンスのシリーズは楽しい。タペンスが、(死語だけど)おきゃんで、読む人を惹きつける。トミーは、頼りないように見えて、ここぞというときは活躍する。そして、この仲良しの夫婦のコンビ感が、わくわくした気持ちを盛り上げる。探偵事務所を始めて、物語の探偵の真似をしながら事件を解決するなんて、荒唐無稽だし、そんなうまくいくわけがないのだが、そんな文句を吹き飛ばすのが、トミー&タペンスの楽しさなのだ。国際的陰謀も、楽しい二人の物語の味付けに過ぎない。思わず脱力するような真相も(だって双子って!)トミー&タペンスに関しては、いいのだと思える。

    「牧師の娘」でのタ

    0
    2019年06月27日
  • 運命の裏木戸

    Posted by ブクログ

    読むのに凄い時間をかけてしまった…
    トミータペンスシリーズ最終作、クリスティーの最終作とも言われてる、この本。
    トミーもタペンスも歳をとって、のんびりに物語は展開していくが、1つ1つの出来事は確実に大きな意味を含んでいることを改めて感じた。

    0
    2019年06月16日
  • もの言えぬ証人

    Posted by ブクログ

    一人のお年寄りを死を巡ってポアロが調査を行う物語。結構な分量にもかかわらず動きが少ないが、個性豊かな登場人物により最後まで楽しめる。

    怪しいと言えばみんなあからさまに怪しい人達ながら、何となく憎めないキャラが集結していてるが、今回はトリックがちょっとしっくりこなかったかな。文章の中に色んなヒントが散りばめらているという意味ではフェアな探偵小説であるとは思うけど。

    それはそうと解説は他の人の言う通り見ない方がいい。大したこと書いてないのに色々と他の話のネタバレさせとる…全員が一度クリスティの代表作を全て読んでる前提のような文章はないだろう…

    0
    2019年06月02日
  • バートラム・ホテルにて

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    英国式の古式ゆかしいホテルであえるバートラムホテルという舞台設定が魅力的です。
    表面上は昔のままに見えていたホテルの裏側が明かされていき
    後味のよい物語ではありません。
    明らかになった真相がかなり大きくリアリティに欠けるようにも感じます。
    ミス・マープルの活躍も本作ではそこまで大きなものではなかったのは残念でした。

    0
    2019年05月28日
  • 満潮に乗って

    Posted by ブクログ

    久しぶりにクリスティの作品を読み返してみると、謎ときや犯人探しよりも、人間模様というか登場人物たちの心理描写が面白いと感じる。
    ポワロものとはいえ、彼が本格的に登場するのは小説半ばからだ。作品の主眼に置かれているのは、戦争後の混乱期における家族ドラマではないかと思う。
    外地で従軍した女性が、戦争を経てもなお何も変わらない田舎の人々に感じる苛立ち、村の外からやってくる災いの気配、裕福な親戚の庇護の下、金銭的自立から目を逸らし続けた結果に戸惑う一族…
    結末には少々納得しかねるが、時代を考えればそんなものなのかもしれない。

    0
    2019年05月19日
  • 死人の鏡

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ポアロ、縦横無尽の活躍。

    「死人の鏡」「謎の盗難事件」「厩舎街の殺人」の中編が3つ、4つめの「砂にかかれた三角形」はやや短い。

    「死人の鏡」依頼人から呼び出されて屋敷に向かったポアロ。時間に厳しい依頼人が夕食に姿を見せない。依頼人は部屋で死んでいた。夫人、養女、甥、弁護士や自伝の手伝いをしていた秘書的存在など、様々な登場人物の話を聞きながら、ポアロが暴いた真相。そんなにうまくいくのかな、と思いつつ、密室よりも重要な真実は隠された人間関係。

    「砂にかかれた三角形」リゾート地でポアロが出会った人々。夫婦、有名な美女とその新しい夫、若い女性。トリックはあっさりしていて、それだけか、とも思う。し

    0
    2019年05月02日
  • メソポタミヤの殺人

    Posted by ブクログ

    メソポタミアの異国情緒とまではいかないけど、砂漠っぽい雰囲気をイメージしながら読んでた。

    ミス・レザランの手記というスタイルの文章は親しみやすくすっと入り込めた。が、何故かポアロが出てきてからの方がちょっと失速してた感も。主体が記述者本人ではなくポアロに移ってしまったからかな…

    全体としてはライドナー夫人の描き方自体がミスリードを誘っている感じで、少しずるい感じも。それを「当事者の手記」との形態をとることで批判をかわしてるのかな?とも。

    0
    2019年04月10日
  • ポアロとグリーンショアの阿房宮

    Posted by ブクログ

    「幻の・・・」なんていうから買ってみたけど、内容は中編の佳作。プロットも謎解きも面白いのだが、最後がポアロの会話で一気に解決でなんとく尻すぼみ。本書を元に別の長編が執筆されたというのも頷ける。それでも、つい一気に読ませてしまうのは、クリスティの偉大さか。

    0
    2019年01月15日
  • ブラック・コーヒー〔小説版〕

    Posted by ブクログ

    ★★★2019年1月レビュー★★★


    『ブラックコーヒー』というタイトルに惹かれて読んでみた。ポワロシリーズのミステリー。1934年の英国が舞台。新たな兵器の化学式を発明した科学者サー・クロード・エイモリー。彼の開発した化学式を巡って起こる殺人事件を名探偵ポワロが解き明かしていく。
    ロンドン郊外のエイモリー家の屋敷。被疑者は彼の家族と、訪問中のイタリア人医師。
    「ああ犯人はあの人ね」
    というオチ。展開のテンポはよく、すらすら読めた。


    エルキュール・ポワロの人物が分かる紹介を少しだけ。
    *ポワロは几帳面で、何事も整理整頓されていないと気が済まない。「左右対称、均整調和こそ、すべてなんですが

    0
    2019年01月14日
  • 第三の女

    Posted by ブクログ

    まずは起こったはずの殺人を探すという展開が目新しい。伏線はいろいろ張ってくれているので、謎解きの予想はある程度つくけど、やはり見せ方がうまいので、かなり楽しめた。

    0
    2019年01月05日
  • 邪悪の家

    Posted by ブクログ

    昔、創元推理文庫で『エンドハウスの怪事件』というタイトルで読んだが、クリスティ文庫完全読破目指して再読。

    再びヘイスティングス登場でポアロもの安定の空気感!冒頭から登場のニックの魅力と絡みながらいつも通りテンポよく楽しめる。

    以前読んだとはいえ話は全く覚えていなかったが何故か途中から怪しいと思ってたらその通りの結果に。記憶の奥に残ってたのかな?そう思い出して読んでると読者の意識を誘導する記述が絶妙に散りばめられている事に気がつく。事件には直接関係のない謎など多少のノイズも含まながらも事件を中心にまっすぐ展開する流れは潔い。景色美しさや登場人物の魅力、シーンの少なさから映像化に向いてるかも。

    0
    2018年12月14日
  • ブラック・コーヒー〔小説版〕

    Posted by ブクログ

    もー!

    ヘイスティングスったらかわいい子が出て来たらすーぐころっとやられちゃうんだから!

    もー!


    となる一冊。
    良いコンビだ…

    0
    2018年11月30日
  • 死が最後にやってくる

    Posted by ブクログ

    古代エジプトの墓所守の家族内で起こる連続殺人事件。ポアロやマープルといったシリーズ探偵が登場しない歴史ミステリーで、作者としては異色の作品。
    家長である父親、その子供の長男夫婦、次男夫婦、三男、夫を亡くして出戻りの長女、家長の年老いた母、雇われの管理人の男、古参の召使の女が主な登場人物。登場人物それぞれが個性的で、性格の違いによる書き分けが巧い。特に、家長の母親エサの慧眼ぶりと召使のへネットの嫌味な性格が印象的。
    家業の墓所守や農地経営等で一族の生計を立ててきたが、父親が出張先から妾を連れて戻ってきたことで、微妙なバランスを保っていた家族内の関係に波乱が生じ、連続殺人へとつながっていく。
    お互

    0
    2018年11月20日
  • カリブ海の秘密

    Posted by ブクログ

    西インド諸島で療養中のミス・マープル。殺人犯を知っているという昔話に興じていた少佐が翌日に死体となって発見される。ホテルのオーナー夫妻、使用人、様々な旅行客。旅先で出会った人の本当の顔は知る由もない、数々の噂話も嘘か本当かわからない、そんな状況でマープルは何を信じて真相を解明するのか。

    0
    2018年09月24日
  • チムニーズ館の秘密

    Posted by ブクログ

    前半はなんだか繋がりがわかりにくくて、少しずつしか読み進められなかったが、後半からは急に読みやすく、面白くなった。終盤は次の流れが気になってやめられない面白さがあった。最後はスッキリ気持ちの良い終わり方で、最後まで読んで良かった^ ^

    0
    2018年08月12日
  • カリブ海の秘密

    Posted by ブクログ

    ミス・マープルシリーズ。
    登場人物の夫婦が何組もいて、誰が誰なのかわからないまま読み進んだ。集中して読んでなかったのかもしれない。最後まで犯人がわからなかった。

    0
    2018年08月08日