アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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ノンシリーズ。
牧師の息子ボビイは、崖下に転落した瀕死の男を発見。その男は「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」という一言を告げて息を引き取ってしまいます。
謎の男の、ダイイングメッセージがそのままタイトルになっている本書。
ボビイと幼馴染の伯爵令嬢・フランキー(なんだか、ごろつきヤンキーみたいなあだ名ですが、本名は「フランシス」)が、男の死をめぐる謎の真相を追う、冒険ミステリです。
若い男女の冒険モノという事で、トミー&タペンスを彷彿とさせる、ちょっと危なっかしいけどアグレッシブな二人の様子が生き生きとしていて、読んでいるこちらも一緒に謎解きやスリルを楽しんでいるような気分にさせてくれますね。
巧妙なミスリードもあって、犯人の片方はさほど意外性が無かったのですが、“もう一人”の方は完全にその仮面に騙されていました。
ラストの犯人からの手紙もなかなかいい味でていますね。
そして、微笑ましいハッピーエンドも良き良きです。お幸せに! -
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ネタバレ助演・名探偵ポアロ。
パーティーでカクテルを飲んだバビントン牧師が死亡。また別の場所でそのパーティーにもいた医師バーソロミュー・ストレンジがワインを飲んで死んだ。パーティーを開いた元俳優チャールズ・カートライトは、友人である医師の死と牧師の死を結びつけ連続殺人だと捜査を始める。仲間は美術・演劇のパトロンでありチャールズの友人であるサタースウェイト、そしてチャールズと接近中の若い娘エッグことハーマイオニー・リットン・ゴア嬢。3人の探偵劇に、ポアロがアドバイスする。この推理劇の結末はいかに。
あくまで主役を食わないように注意しても名探偵ポアロが場を攫ってしまうのは自明のこと。3人が足で稼いだ手がかりを聞いたポアロは、動機を推理し、狙われた者に忠告し、証拠の破壊を防ぎ、犯人を突き止める。
別の物語に出ていたサタースウェイト氏が再び登場。今回も観察力、語りは健在で、読者は多くをサタースウェイト氏の口を通して見聞きすることになる。ポアロはヒントを出したからサタースウェイト氏にも真相にたどり着く可能性はあったと言うが、彼はそのポジションの人ではないだろう。しかし実に有能なワトソンとも言える。
特定の人を狙うことが不可能で、動機も考えられない第一の殺人。第一の殺人で何かに気付いたはずの人が殺される第二の殺人。同じく口封じと考えられる第三の殺人。それぞれの動機が明らかにされると、どの殺人もなるほどと言える。現実にはあまり起こり得ないと思うが、真相が明らかにされた時のスッキリ感は素晴らしい。
クリスティー作品にもはや不可欠と言ってもいい「おきゃんなお嬢さん」エッグの活躍が心地よい。それもあって犯人はあらら…という感じだったが、犯人ぽく描写されて実は問題なかった若き友人が彼女のパートナーに相応しいのだろう。トミーとタペンスのように尻にひかれそうな未来も見えるけど。 -
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ネタバレアガサは書き直しの際に割と犯人を変えるんだなと言うことを学習し、さすがこれだけ売れる作家はサービス精神が違うと思ってその辺も楽しみながら読んだ。
どれも悪くないけどさほど気にいったということもない四篇。そのうち3作はそこそこの長さと登場人物の多さで、空き時間にちょこちょこ読み進めていたのでやはり登場人物リストが欲しかった。最初の2作は事件ではなく、犯人というか首謀者に理があり頭も良くて感心した。3作目も同情できる犯人で、その辺と、見た目と違う真相、あたりがこの本のテーマになっているのかもしれない。
ミス・プレンダーリースは「ホロー荘の殺人」のヘンリエッタタイプ。
「謎の盗難事件」が意外と1番好みで、メイフィールド卿のような人いいなと思う。間取りがどことなくロジャーアクロイドの家と似ている?
「砂に描かれた三角形」というタイトルの訳し方が素敵だなと思った。ロードス島は当時イタリアだったんですね。 -
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ミステリの女王クリスティには考古学好き、西アジア好きという一面がある。
舞台はエジプト、後にアマルナ時代と言われるアクナーテン王の治世。強大なアメン神官の力を削ぐために、アクナーテンはテーベからアマルナへ遷都し、太陽の神アテンを唯一の神として祀り始める。長い古代エジプト史の中でも謎とロマンに満ちた時代だ。個人的には、アクナーテンという王は、アケナテンないしアクエンアテンと表記する方が見慣れた気がする。
美術史上最も美しいとされるネフェルティティの胸像をキーに、クリスティはアクナーテンの哀しい物語を、虚実ギリギリのところで描いている。実は私の恩師がこの時代の専門家で、学生時代にはそれなりに文献も読み漁った。著名な考古学者で夫でもあるマックス・マローワンのツテでクリスティがエジプト学者にも監修してもらったという本作は、細かい点まで史実に忠実で驚かされる。あの時代の彼らはこんな風に話し、考えていたのかなと想像するだけでも楽しい。
クリスティの最晩年に書かれたこの戯曲にはミステリの要素はほとんどない。クリスティのエジプトへの憧憬が書かせた作品という気がする。 -
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原著は1929年刊行。初期の作品である。
ウッドハウスぽいクリスティー、ということで、クリスティーに詳しい方から紹介していただいて手にとった。
以前に読んだかも、とドキドキしたが、それはポアロの『複数の時計』のほうだった。
こちらはノンシリーズ、一応前段にあたる《チムニーズ館の秘密》があるそうで、それを飛ばして読んだけど、特に問題はなかった。
ジャンルとしては、スパイアクション。初期ぽい。
このジャンルはあついファンからはナメられているけど、私はけっこう好きで本作も楽しく読んだ。
冒頭の事件、なかなか起きない青年への友人たちのいたずらで、たくさんの目覚まし時計を置いてやる、って陽キャ大学サークルのノリだ。
本編は、向こう見ずの金持ちお嬢様・バンドルが、謎にとりくむストーリー。
愛車イスパノを駆って、ロンドンの謎の秘密結社のクラブや、郊外のお屋敷をめぐって謎に挑んでいく。
金持ちライフ、恋や友情、社交にゴルフに政治パーティー、執事と秘書など、確かにウッドハウスばりにキラキラしている。
怪しいキャラだらけのなか、成り上がりのクート夫妻がいい味を出していると思う。
私が一番こわかったのは、最後のシーン。
黒幕がわかり、今までの謎もとけ、大団円。
主役のバンドルたちが、近くにしゃれたレストランがありますよ、ちょうどいいわ、お腹ペコペコだったの、と言い合うところ。
え、ちょっと待って、、、いま、盛大に☓☓が☓☓だったとわかって、ショックうけてないの?
平然とご飯を食べられる神経が怖いな、となりました。
いやあ、さすが金持ちは違うねー、ハハッ。
かつての雇用主、というだけで、相手に対して居丈高なバンドルにもびっくり。
あと、全体に訳が古風な気がする。
・ライオンのあぎと
・とつおいつ
・ヒヤ!ヒヤ!(←『黄色い本』のチボー家の人々シーンだと《謹聴!》って訳されるシーンですよね。和む) -
Posted by ブクログ
ポアロもの。 今回の舞台は中東です。
看護師のエイミーは、ヤリミア遺跡の調査隊長で考古学者のライドナー博士の妻・ルイーズの付き添いの為、遺跡発掘現場にやってきます。
死んだはずの夫から脅迫状が届くと、不安に駆られるルイーズ。不穏な雰囲気の中、ついに殺人が起こってしまいます。
例によって、“偶々”シリアにいたポアロに事件解決の依頼がされて、捜査に乗り出すという展開です。
美しく、男性を魅了してしまうルイーズを巡って、微妙な雰囲気になっている遺跡調査隊の人間模様が、看護師エイミーの視点で描かれていて、その人間観察的な部分も見どころです。因みにエイミーの“ポアロ観”も何気に面白いです。
犯人は予測しやすいと思いますが、その“正体”と殺人の方法には無理があるかな・・・という印象です。
あとは、怪しさ満点だった調査隊メンバーがやっぱり“訳アリ”でした。
そして、現場を後にしたポアロは、一週間後にオリエント急行で英国に帰る途中、新たな殺人事件に巻き込まれたそうな・・。ニヤリ。 -
購入済み
短編集です
短編集です。
いろいろなタイプの話が読めて面白いです。
短編なので少し物足りない感じもしますが
お気に入りの一編を探してみるのも悪くないと思います。 -
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ネタバレ庭園モチーフや、人々の会話から垣間見られる世相が「復讐の女神」と近く、作品としてはマープル物の方が好きながら、こちらもひんやりとした雰囲気に趣がある。タイトルに季節感があるとその時期に手に取りやすい。
子供(それも姉弟)の連続殺人、さらに誤解による口封じとなると普通ならいたたまれない悲しい話のはずが、クリスティの語り口は乾ききって憐憫がなく、登場する大人たちもおしなべて子供たちを突き放して見ている。この時期の彼女の若い世代への嫌気みたいなものが出ているようだが、最後に活躍する若者2人組には意表をつかれた。そして犯人達は子供に輪をかけて無分別で短絡的なのに悪知恵が働くところが怖い。
「マギンティ夫人は死んだ」でいい人だなと感心したスペンス警視が隠居先で前の事件についてポワロと話すのも楽しかった。同居する妹がどことなくアクロイド殺しの語り手の姉を彷仏とさせる。
アリアドニは毛糸玉で迷宮からの出口を導く由来からミステリ作家の名前としてうまいことつけたことよ、と思っていたので途中登場人物達の名前に関する会話が出てきたのが個人的にツボだった。ミランダもまさにこの少女のイメージが湧きやすいし、もちろんエルキュールも、彼のキャラクターにふさわしい大げさな感じと身体的イメージのギャップの面白さ+彼の場合はもっぱら頭脳の活躍だがやはり英雄、と言う点でぴったり。 -
Posted by ブクログ
ネタバレほとんど手慰みのつもりで読んでいたのが、いつの間にか物語に引き込まれるパターン。アガサ・クリスティー読んでるといつもこうなる。さすがミステリーの女王!って毎回思う。
学生寮の小さな窃盗事件が殺人に繋がり、どうせ人間関係のいざこざなんでしょって思ってたら、まさかの麻薬や宝石の密輸組織に繋がるというスケールのデカさ。ポアロの推理や警察の捜査の仕方は、いやそれでええんかい!みたいなとこあるけど、まあミステリーって大体そういうもん。それより隙のない物語のプロットの立て方に感心。これぞ王道。そして質の良い王道は当たり前に面白い。
何作か読んでるけど、有名なのもそうじゃないのも安定して楽しめるっていうのは本当に凄いことだと思う。当時のファンの熱狂ぶりが窺えるな。ファンじゃなくても全作読破してみたいと思わせるんだから相当な魅力です。また手が空いたときに読む。 -
購入済み
まぁまぁかな
ホラー小説の短編集です。
発表された当時は怖がられたのだろうけど
今読むと正直物足りない。
面白いことは面白いけど、
クリスティを読破しようというのでなければ
それほどオススメというわけではありません。