アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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名探偵ポアロは保養地のホテルで、若き美女ニックと出会った。近くに建つエンド・ハウスの所有者である彼女は、最近三回も命の危険にさらされたとポアロに語る。まさにその会話の最中、一発の銃弾が・・・ニックを守るべく屋敷に赴いたポアロだが、五里霧中のまま、ついにある夜惨劇は起きてしまった。
前作よりも結末がドラマチックで面白かった。まさかすぎる展開で、全然予想しなかったなあー。かなり苦戦したポアロでしたが、トランプをやってから最後にみんなを集めて種明かしまでは怒涛の勢いでした。結局ポアロの前で最初にニックを弾丸で撃ったのはフレディの夫でよかったってこと?人は見かけによらないということに関して、ヘイスティングスが学習しないのは笑っちゃうんだけど、でもだからこそ彼がポアロの相棒足りうるんだろうな。今回はいいところで発熱してましたがやっぱりポアロの独壇場にならずに読者の目線で場を盛り上げてくれる大切な登場人物だと思うので。しかし海外の名前の愛称って難しいなあ。 -
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トミー&タペンスもの
まず、トミーとタペンスが40代になっているのに驚き。時の流れの速さを感じます。
さて、ナチのスパイを探り出す密命を受けたトミーが、タペンスには内緒で指定されたゲストハウスを訪れたところ、“ブレンキンソップ夫人”という偽名で、タペンスが何食わぬ顔で既に滞在しているのにはびっくり。さすがタペンス!この辺の掴みもバッチリですね。
というわけで、いつも通り協力し合いながら探索に励む2人。年をとっても仲の良さは相変わらずで、ドキドキの冒険サスペンスを堪能させてくれます。
中盤で、ゲストハウスに滞在中のベティーちゃんという女の子が誘拐されてしまう場面があるのですが、物語の終盤に、その誘拐の真相が解った時は胸が痛みました。本当、戦争は悲しみしか生まないですね。
因みに、あのアルバート青年も結婚してパブの亭主になっていましたが、トミーの危機を救うため、ちょっぴりですが登場してます。 -
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ミス・マープルもの。
舞台はロンドンにある、クラシックな佇まいを保つバートラム・ホテル。
この古き良き英国を彷彿させる高級ホテルに滞在中のマープルさん。ロンドンでのお買い物などを楽しみつつ、ホテル内外での人間観察も怠りません。
一方、ロンドン警視庁では、最近頻発している大掛かりな列車強盗等の犯行グループを追っているのですが、これらの犯行とバートラム・ホテルとの関わりは・・?
滞在客の牧師の失踪、霧の夜に起こった狙撃事件・・数々の点が終盤に見事に集約され、驚きの大仕掛けが明らかになるさまは圧巻です。
今回、真相解明するのはデイビー主任警部で、マープルさんはその協力者のようなポジションでした。勿論マープルさんも真相にたどりついていましたし、彼女の観察力あってこその証言により捜査が大きく進展したのですけどね。
狙撃事件の真犯人の処遇について、結局どうするのか曖昧なままだったのですが、それが却って余韻が残る終わり方だなと思いました。 -
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読者の引き込み方がクリスティーらしいなぁ。小説の最後に、「それは結末じゃない、始まりだ」と言ったのは、私はポジディブな意味にとらえたけど、真意はどうなんだろう。
イザベラみたいに今だけを考えて、自分の輝きをずっと持っていられる人って特別だな。ゲイブリル、クセ強いなぁ。テレサは何事にも理解がある人って感じで描かれているけど、そんな人、本当にいるんだろうか。
幸せになることだけが人生の意義ではない、っていうのには共感する。世間的にみた不幸が、ある人にとっては一種の幸せでありうる。幸福が人生の意義であるとは限らないし。
不幸に生きながらえる人っているよなぁ。悪いわけではないし、無理に変える必要もないって思ってたけど、滑稽だし誰かを辟易させる。
誰のことも見ているつもりでも、ちゃんとその人のことは見えていない。自分の偏見から自由にはなれない、公平になんて見ることはできない。自分に対してですら、公正な目で見ることはできないんだから。 -
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ミス・マープルもの。
『カリブ海の秘密』の続篇といえる本作。
西インド諸島に滞在した時に知り合った、大金持ちのラフィール老人が死去し、彼の遺言にてミス・マープルに“ある犯罪調査をしてほしい”といった意味の依頼がされますが、具体的な内容は何も書かれていませんでした。何を調査するか不明なまま、ラフィール翁の手紙の指示に従ってバスツアーに参加するミス・マープル。
途中までは暗中模索状態のマープルさんですが、ツアー中に起きた“事故”をきっかけに、徐々に物事が動き出します。
そこで浮かび上がってきたのが、以前に起きた少女殺人事件と、ラフィール翁の息子との関わりについてで・・。
今回は秀逸なミステリであることは勿論なのですが、それ以上に“愛憎劇”といえる内容です。まさに“愛が過ぎた”故の悲劇でした。
犯人については、割と予想しやすかったと思いますが、“守護天使”は完全にやられました。ドッキリ(?)に引っかかったような気持ちです。
と、いう訳で今回もクリスティーにあんぐりさせられました。流石ですねー。 -
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ミス・マープルもの。
転地療養の為、西インド諸島のホテルに滞在中のミス・マープル。ある日、同じホテルの滞在客の少佐が死体となって発見されます。
高血圧による死亡として処理されますが、マープルさんはその死を不審に思い、独自に調査を始めます。
ホテルの経営者夫婦や、滞在客たちとの会話から、複雑な人間模様も浮かび上がってきて、もう何が何だか・・・という感じですが、それでも先が気になるのでページを繰る手を止められない私です。
いつものイギリスにいる時とはマープルさんも勝手が違っていたようですが、大金持ちで偏屈なラフィール爺さんがマープルさんの良い聞き手となった事もあり、見事に真相にたどり着くのは毎回ながら感心してしまいます。
因みに、今回舞台となった“西インド諸島”は、お馴染みの南アジアのインドではなく、南北アメリカ大陸に挟まれたカリブ海域にある群島です。カリブ海の島でリゾート療養なんて羨ましいですね。 -
購入済み
少し物足りない
面白いことは面白いのですが
思わせ振りな登場人物が多くて
少し消化不良な印象を受けました。
ポワロの活躍にもちょっとキレがないような
快刀乱麻を断つとは言えない感じです。 -
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トミー&タペンスもの
クリスティー作品は、最近だとミス・マープルものばかり読んでいたのですが、ちょいと気分を変えて本書を手に取りました。
幼馴染のトミーとタペンスが、とある機密文書を託されたまま失踪した女性を巡る陰謀に巻き込まれていく冒険活劇です。
本書は、クリスティーお馴染みの本格ミステリとは趣が異なる感じで、若い男女コンビが繰り広げるアクションに、ドキドキハラハラしながら読みました。
(注:この“ドキドキハラハラ”は、二人の行動が危なっかしくてハラハラしていたという意味です 笑)
で、“謎の黒幕”が誰か?という事も、話の展開で怪しい人物が挙がってくるのですが、「この人か?・・あ、でもこの人ちゃうか・・」と、見事にクリスティーに翻弄されてしまいました。
という事で、クリスティーのこのような冒険小説も楽しいですね。今後、“トミー&タペンスもの”制覇したいと思いました。
※余談ですが、今回はいつもの古い方のクリスティー文庫ではなく、新訳の文庫にしてみましたが、個人的に表紙のデザインは古い方(左上に“マーク”がある方)の、クリスティー文庫が好みかな。と思った次第です。 -
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ミス・マープルもの。
旧友・ルースから、彼女の妹・キャリイの家の様子を見てきてほしいと頼まれた、ミス・マープル。訪れたその邸は、敷地内に民間の少年院のような施設があり、本宅の方もキャリイの親族やら居候やら、複雑な関係の老若男女が共に暮らしている状況です。
そんな中、妄想癖のある青年が、キャリイの夫・ルイスに襲いかかるというハプニングと同時に別の人物が実際に殺されてしまうという事件が勃発します。さらに、キャリイの命も狙われているかも?と、いう疑惑まで出てきて・・。
まるで魔術のトリックのような事件の真相に、ミス・マープルの人間観察力を絡めた推理が冴えわたります。
ミステリとしての構成もさることながら、人間ドラマとしても興味深い展開となっているのが、流石クリスティーですね。 -
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これぞ「ザ・クリスティー!」といわんばかりの事件(笑)
毒殺された金持ちの亭主、事件の捜査が進むごとに浮かび上がるドロドロの人間関係。金目当て、遺産目当ての殺人か、はたまた痴情のもつれか。と思っている間に、第二・第三の殺人が起こり……
そして、殺されたメイドがかつてミス・マープルのお屋敷でも働いていたことから、マープルも自ら事件のあったお屋敷に乗り込み、推理に挑むます。
推理としては、もうちょっとカチッと嵌めてほしかった感や、もっと展開を転がせたのではと思ったところ、
また、証言と登場人物の行動を追っていくミステリなので、全体的に地味といったところもあったのだけど、クリスティーらしい人物描写の妙は、今回も見事でした。
怪しい人物は徹底的に怪しいし胡散臭い。それがほぼ全編にわたって描かれます。その胡散臭さにまかれて、いつの間にか植え付けられていた先入観。
ミス・マープルが犯人を指摘したとき、「おお、そうきたか」と思ったのですが、
動機であったり、いかにもな行動を取っていたりと、よくよく考えるとまったく意外な人物ではないのが、自分で自分のことを不思議に感じてしまいます。
どこで、そういう思考回路になってしまったのか……
いつの間にか物語の雰囲気に流され、犯人候補から無意識的に遠ざけていたのだと思います。
そのように、物語の雰囲気と人物描写で、読者の思考を騎手のごとく操り、そして生まれた隙を確実に突くのが、クリスティーの真骨頂なのだろうなあ。
ポアロにしろ、ミス・マープルにしろ、あまり義憤に駆られるタイプの探偵というイメージはなかったのだけど、この『ポケットにライ麦を』はそれが良い意味で裏切られました。
マープルの元に最後に届いた手紙。それは愚かといってしまえばそれまでなのだけれど、その愚かさが哀しく、そして憐憫の情を感じてしまいます。
マープルも被害者への憐憫や、犯人への憤りを感じるあたり、やっぱり人間だったのだなあ。でも、最終的に勝利の歓びを感じて終わってるから、結局のところ探偵の血は争えないのかもしれないけれど。 -
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ミステリーではない
面白かったです。
ポワロとビッグ4が対決する冒険小説です。
謎解きや犯人探しの要素はあまりないので
素直にストーリーを読み進めるのが良さそうです。