アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • ヒッコリー・ロードの殺人

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    読み進むにつれてだんだん登場人物の人間関係が分かってくる。各章の終わりにその時点での人間関係図なんかがあれば理解しやすいのにと思う。犯人にも被害者にもなりうる同列の登場人物が多いので、こんがらかる。淡々と進んでいく展開に若干の物足さを感じる。

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    2020年05月27日
  • ねじれた家

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    前半1/3くらいまでは和訳にやや違和感があった。
    英語を文頭から文末までそのまま訳した感じ。
    やっぱり原文のままで読めた方が楽しいんだろあなぁなんて考えながら、とりあえず読み進めたら後半からすごく面白かった。
    映画はまだ観てない。
    一番オススメしたいポイントは、なんと言っても一緒に推理していける事。
    伏線もしっかりはられている。よく、(本当によく)考えたら分かるように。推理小説が好きな人の、欲しがってる部分を埋めてくれる感じ。
    読み進めていく中で感じる違和感は、やはり必ず重要な部分なのだと再認識。
    1940年代に書かれたなんて信じられない。あまりにも色褪せない。
    1940年に生きようと2020

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    2020年05月03日
  • ヒッコリー・ロードの殺人

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    クリスティ完全攻略で星1だったので、覚悟して読んだが意外にも?楽しめた。

    確かに犯罪小説やトリックという面から見ると評価は下がるのかもしれないが、ドラマとしては普通に面白い。トリックも小粒ながら、お得意の本筋をカモフラージュする細かいネタとの組み合わせでどんどん読み進められる。

    ドラマと思って読めば十分に楽しめます!

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    2020年05月03日
  • ホロー荘の殺人

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     『ナイルに死す』に続き、”複雑な人間関係が絡み合った系”の作品を読んでみた。今回はかなり丁寧に読み進めてみたのだが、どいつもこいつも、怪しかったし、やはりいつも通りアガサクリスティのじらしにむずむずした。

     ヘンリエッタの、どこか地に足つかぬ、あまりに感情先行な言動。ガータの裏の顔。ルーシーの危なっかしい天真爛漫さ。ヴェロニカの意味ありげな行動。そして、エドワード、別荘、リッジウェイ病・・・。すべてが怪しかった。
     そしてまさか、そういういきさつだったとは。さすがにそれは思ってもみなかった。
     誰もが怪しく、物語が一歩一歩規則正しく進んでいく様は、やはり正統派のミステリー小説。アガサクリス

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    2020年04月30日
  • 雲をつかむ死

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    ネタバレ

    文中にある『黄と黒の毛羽立った絹のようなものが結びついている』凶器の毒針の説明がいまいち掴めませんでした。

    題名は何度か変わっていますが、雲をつかむ死という訳がぴったりで好きです。

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    2020年04月04日
  • 無実はさいなむ

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    NHKで同名の海外ドラマとして放送された作品の原作。
    殺人事件というのは往々にして、エゴイズムの塊であるが、本書はそんなエゴイズムが、悲劇を巻き起こす。

    資産家の女性、レイチェルが殺された。
    殺人犯とされるのは、彼女の養子である、今は亡きジャッコ。
    なんと、「おまえはもう死んでいる」状態の設定。
    話、終わりじゃん。

    しかし、第三者であり、本作の探偵役のアーサー・キャルガリが現れたことで、事件が蒸し返され、改めて真犯人探しが始まる。
    解説にもあるが、めでたし、な終わり方は妙な唐突感があるし、真犯人が判明するのも、なんとなく取ってつけた、感はある。
    その意味では、ドラマ版の方が、私は鮮やかで面

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    2020年03月14日
  • 親指のうずき

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    ネタバレ

    私はその風景を見たことがある。

    タペンスは、トミーの叔母の遺品に描かれた家を見たことがある気がした。叔母を見舞った時に出会った老婦人が元々の所有者であり、彼女の行方が知れないことを知ったタペンスは、老婦人の言い残した言葉の謎を解くために出かける。会議から帰ってきたトミーが知ったのは、帰ってくるはずのタペンスがまだ帰ってきていないことだったーー。

    タペンスのお節介とも言える、しかも有り余る行動力で、ぐいぐいと読ませる。事件が起きるとは思わず、せいぜい過去の悲劇を明らかにするものだと思っていたら、事件は現在形になった。トミーが別の方向から参加することで加速する謎解き。明らかになった真相は、一線

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    2020年03月08日
  • 茶色の服の男

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    この装丁はどうかと思うが。
    若い時に読んでいたら、若い主人公の冒険ありハラハラドキドキの恋愛あり、でもっと楽しめたかもなー。
    クリスティがこういう作品も書いていたなんて知らなかった。ラブリーな作品だと思う。

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    2020年02月17日
  • 愛の重さ

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    愛の重さは、愛すること、愛されること、これが同じ重さになるのが理想なのか。親対子、兄弟姉妹、夫対妻、どちらかが一方的に愛するだけでは破たんし、愛されるだけでも、愛するだけでも幸せにはならない。

    賢く愛くるしい兄、控え目でおとなしい妹ローラ、両親の愛は兄に傾きがち。妹はそこで葛藤する。だが兄は病気であっけなく死んでしまう。そこに兄に似た妹が生まれる。また両親の愛は妹に向かう。私は妹の死を願う。が家が火事になり、とっさに妹を助け出したことで、妹への愛に目覚める。

    主人公ローラは誰かに愛される事を願いながら、ずっと愛することで人生を生きてきた。親に愛されなかったと思い込んでいるローラ、妹をひたす

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    2020年02月17日
  • 娘は娘

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    若くして夫を亡くし育てた一人娘も19歳になった。そこに再婚してもいいかと思う男性が現れた。ところが娘と男性はそりが合わない。娘は全力で男性を排除しようとする。男性には娘と自分とどちらを択るのか?と選択を迫られ、娘を選ぶ。まるで一人息子を争う嫁姑のような会話が展開される。

    また女性が間にはさまり対立が異性という点では婿取り娘対実母と婿。これも間にはさまる娘は大変。自分がこの立場なので、対立相手は娘ではなく実母だが、この小説の未亡人アンが娘と愛する男との間にはさまり神経が摩耗する会話が実にリアルに響いてきて、読むのがつらくなるほどだ。

    娘は母親が相手の男性を好きな事に気づかないし気づいてやる余

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    2020年02月17日
  • ポアロとグリーンショアの阿房宮

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    「死者のあやまち」の原型の中編。
    中編だけあって骨格だけになっている。「死者のあやまち」のほうが、たっぷりしたごちそう、といった読み応えな感じがする。


    1954執筆
    2015.1.15発行

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    2020年01月24日
  • 満潮に乗って

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    またまた人間ドラマ的作品。資産家が一族を養うという状況が前時代的でイマイチ設定に入りきれないが、クリスティを読んでると思っていれば十分に楽しめる。

    ただクリスティを読破するぞ!と決意して読んで23冊目、もうちょっと推理ものである事を期待して読み出した頃からすると、これは本当に自分が読みたいジャンルの小説なのか?との疑問も湧いてきた…今3冊に一冊はクリスティと決めて読んでたけど、ちょっと間を空けてみようかな。この作品もよく出来てるとは思うけど、なんか素直に楽しめなくなってる気がする。

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    2020年01月19日
  • 複数の時計

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    ネタバレ

    ポアロシリーズ29作目。
    あらすじの内容に惹かれて読みはじめたのだけれど、<死体を囲むあまたの時計の謎に、ポアロが挑む>というほど時計は多くない。笑
    そして晩年の作品だけあって、年老いたポアロの登場が少ないのが残念。
    ほとんどが情報部員のコリンとハードキャスル警部の捜査でストーリーが進む。

    でも、いいとこ取りのポアロの謎解きスピーチはやっぱり引き込まれる。
    複雑な人間関係と、こことここが繋がるのか、と読んでいるだけでは想像つかない結末だったけれど、ポアロの謎解きでおおー!と合点がいった。
    ポアロが読み耽っていた歴史ミステリーと、その講義のような紹介も大事な構成のひとつだったのだと納得。

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    2020年01月19日
  • 雲をつかむ死

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    ポアロシリーズ10作目。今回は最初からポアロがいる……と思いきや、まさかの乗り物酔いでいつもの洞察力が少なめ(笑)
    前作よりは楽しめたけど、ラストが個人的にはうーんって感じ。
    そこ?!みたいな(笑)
    読み返したら確かにそういう風に描かれているし、クリスティーうまいなーって思うけど、いきなり人変わりすぎじゃない?(笑)


    ポアロは相変わらず粋なおじいさん。てか、だんだんチャーミングになってる気がする。

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    2020年01月08日
  • クリスマス・プディングの冒険

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    アガサ・クリスティのポアロ作品を中心とした短編集。

    表題作の「クリスマス・プディングの冒険」はクリスマスの雰囲気を楽しめるお話。

    どちらかというとほのぼのするエピソードですし、短めなのでクリスマスの当日に読むのもおすすめです。

    わたしのお気に入りは「24羽の黒つぐみ」。登場する料理がなんともおいしそうでした。

    「習慣」に対する違和感から始まるポアロの推理もさすが!という感じです。

    ポアロの生活圏内で起こる事件のほうが個人的には好きなので、その点もよかったです。

    ◇おすすめポイント
     ・表題作のクリスマス感
     ・さまざまなポアロ作品+マープル作品1つを楽しめる
     ・お気に入りのエピソ

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    2019年12月22日
  • 蒼ざめた馬

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    病死に見えるがなにやら降霊術による呪いが背後にあるようだ。降霊術の謎にせまるべく若き学者が相棒の女性とともに謎の降霊会に挑む。え~ クリスティーがまさかのオカルト解決と思いきや、手品の種明かしのように種が最後に示される。おきまりのカップルも誕生しめでたしめでたし。犯人は意外だった。

    全25章にわたり「マーク・イースターブルックの物語」と題名がついている。このマークが素直で好感が持てる。

    主人公マークは知識も教養もある女性ハーミアと先入観にとらわれない行動型の女性ジンジャーの間で揺れ動く。クリスティは主人公には行動型の女性に引かれる、という設定が多いがこれもそうである。

    オリヴァ夫人も登場

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    2019年12月21日
  • 蜘蛛の巣

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    明るい死体コメディ。

    戯曲のいいところは早く読めるところ。
    だけど、かなり想像力がないと、うまく鑑賞しきれない。
    クラリサが明るいので、いろんなものがボヤけているけど、笑っていいのかよくわからないストーリー。
    怪しいやつがやはり怪しかった。

    舞台で見てみたら印象が変わるだろうな。

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    2019年10月31日
  • 死者のあやまち

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    ナス屋敷で屋外パーティが開かれ、余興に殺人犯探しゲームが行われる。筋立ては小説家のオリヴァ。ポアロは賞金渡し役にと呼び寄せられる。ところが犯人役の少女が本当に殺されてしまう。そしてナス屋敷の主人の妻、ボート小屋の老人までも殺される。

    書かれたのは1956年で、お屋敷が売られてユースホステルになっている、とか、ユースホステルの客が皆外国人で北欧とかイタリアとかでしかもショートパンツ姿、などという当時の状況が興味深い。そして古くからあるナス屋敷の女主人は息子二人が戦死して相続税で家を失ったが、新しく買った人の好意で庭さきの番小屋に住んでいる、という設定。戦後の社会の変化を取り込んだ作品。

    これ

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    2019年10月31日
  • ポアロとグリーンショアの阿房宮

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    新しく出版された作品、という喜び。
    ストーリーもまずまず、クリスティらしさもあり、トリックも面白かった。
    なにより、この薄さがありがたかった。
    記憶力が衰えたいまや、長いミステリを読むのは大変なんですよね。。。

    阿房宮folly、
    という単語は初めてみた。勉強になった。

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    2019年10月24日
  • NかMか

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    クリスティーってこんなスパイ物も書いてたんだ。知らなかった。
    いかにもクリスティーらしいスパイ物。派手なアクションとか全くないけど、別荘舞台の謎解きはさすがクリスティー。

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    2019年10月22日