アガサ・クリスティーのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレリスタデールという名前の響きが好きだが、話がうますぎてちょっと気持ち悪い、と思いながら次の「ナイチンゲール荘」を読むと迫力のある結婚詐欺の話で、一作目もあのままじゃ済まないよねという不安を引き起こさせる配置の妙を感じた。「ナイチンゲール荘」はサスペンスの典型的な題材ながらスピードと緊迫感がすばらしい。ただし結末はもっと普通でよかったのではと思う。「事故」が突出して後味の悪いシリアスな作品でこの中では異色作と言える。最後の「白鳥の歌」というタイトルとトスカへのこだわり、イタリア人歌手の話が出たところで結末が読めたけれど短編集の締めにはふさわしい。他は割と締まりのない似たような話が続くが「エドワード・ロビンソンは男なのだ」はなかなか楽しかった。犯罪と無縁の男の子がハードボイルドに振る舞おうとするレイモンド・チャンドラー唯一のコミカルな作品「真珠は困りもの」を思い出した。
-
Posted by ブクログ
ネタバレチムニーズ館の秘密に続きこちらも上流階級の言葉遣いが悪すぎてドン引き。まあ若手エリート外交官達が見たままの「ぼんくら」揃いでなかったのには安堵した。ダイイングメッセージでこっちが犯人だな目星をつけた状態で読んだので格闘も自作自演感がわかりやすかった。途中で自分が絞首刑になる運命とか言っているし。セブンダイヤルズの会合でロニーを事故死に見せかける噂が流布されて、それなら心配ない、と言うようなコメントが出ていたのは矛盾に見えるけど…
ポンゴが地味に好き。「私はなんと言われようと平気ですが」と平然と言ってのけるバトル警視の渋いキャラクターが好きだったのに、最後の現実離れした派手派手展開に驚愕。バンドルは本作の時点で爵位も継いでいるようだし、才気煥発な美女と恵まれすぎ設定だが、非モテ系に好かれ(前作に続き)そうでない人にスルーされたり、前作の初登場場面は「動く指」のミーガンを彷仏とさせ、終始とんちんかんな努力をしながらも憎めない感じだった。 -
Posted by ブクログ
戯曲ってあんまり好きじゃないんですよね
(衝撃の告白からスタートしております)
高校生くらいの頃かな?
文学青年きどりたいわたくしはシェイクスピアも有名どころはほとんど読んだんですよ
でもその頃からダメだったんですよね
んでもそれって固定観念や先入観あるいは単なる無知から来てたということが今となっては分かっていて、あれから何十年もだった今改めて読んだら何か変わっているかな?と考え
土瓶さんにお勧め頂いたのももしかして転機となるかな?と思ったのですが…
結論を言うと三つ子の魂百までというやつでした(★3の時点でわかる)
ではなぜ戯曲があまり好きではないのか?ということなんですが…
まずはっきりさせておきたいのはシェイクスピアもこの『ねずみとり』も素晴らしい物語だということは間違いないんです
間違いないんですが戯曲って未完成品だよねって思っちゃうんです(まぁ了見の狭いこと)
舞台になって初めて完成品だよねって
もしこの『ねずみとり』を舞台で見たら(もちろん脚本だけで決まるわけではありませんが)立ち上がってブラボーって言ってたかもしれません
でも戯曲って設計図やん!そんなん舞台や映画が好きな人がコレクションするやつやん!って思ってしまうんです
うんもうしょうがない
しょうがないこれは
面白ければ面白いほど小説で読みたいな〜(あるいは舞台で)って思っちゃうんですよね
なのであんまり好きじゃないのです -
Posted by ブクログ
毒針を使った空の密室殺人を暴け。
パリからロンドンに向かう飛行機の中で殺人が起きた。凶器は落ちていた毒針。飛行機内で蜂を見たという人も現れる。ポアロは犯人を見つけられるのか。
乗り物全般が苦手なのかポアロ。この当時、もしかして飛行機での旅行は珍しいものだったのか。吹矢で毒針を飛ばすなんてありなのか。トリックや犯行にはなんだかピリッとしない感じがある作品。
しかし最後まで止まらずにページをめくり続けてしまうのは、会話が面白いから。いい加減なマスコミ、パリで出会った2人の進展、あれこれと語り合うポアロと警部たち。さらに登場人物の独白も面白い。犯人とわかってからその人物の独白を読み返すと、ここにこんな意味があったのか、と驚く。犯行時の行動がそこに堂々と書いてあるのだ。
クリスティーすごいな、とまた思った。これはやはり全作品読むしかない。 -
Posted by ブクログ
ポアロもの。
資産家の老婦人・エミリイから命の危険を訴える手紙を受け取ったポアロ。
ですが、差出人のエミリイは手紙が届く二か月前に死亡していて・・。
巨額の遺産を、親族ではなく付添婦のミス・ロウスンに残す旨遺言状変更した理由とは?そして、エミリイが死亡する前に起きた階段落下事故は偶発的なものだったでしょうか?
ポアロ&ヘイスティングズが、真相解明に乗り出します。
事情を探る為とはいえ、ポアロが身分詐称はするわ、嘘話はするわ、誘導尋問はするわ、盗み聞きはするわで何でもアリなやり方に、若干引き気味のヘイスティングズでしたが、彼とエミリイの愛犬・ボブとのやり取りには癒されました。(ボブの台詞部分はヘイスティングズの妄想)
そう、今回は何といっても、ボブの愛くるしさにつきるという感じでしたね。
真相については、印象操作的なミスリードにまんまと騙されてしまいました。
ラストでは、ボブが良い引き取り手に託されたようで、何よりです。
因みに、本書の解説で『カーテン』のネタバレがさらっと書かれていて、未読の私はかなりショックを受けました。
皆さん、気をつけてくださいね! -
Posted by ブクログ
やはりポアロには敵いませんでした。
誰が犯人でどうやって事件を進めていったのか、動機はなんなのか。
自分なりに考えを持ちながら読み進めていったのですが、ポアロに種明かしをされるまで、犯人にたどり着くことはできませんでした。脱帽です。
ミステリー小説は多くあるが、"実は時系列が違いました"、"実は女性でした"など"実は○○でした~"という終わり方が多いように思う。
でも、この一冊は本当にポアロと一緒に事件を追っていくことができ、事件を解く鍵も平等に与えられていく。それがとても面白く、読むことに没頭してしまった。
こういうのを正統派ミステリーというのだろうか。
名探偵になってみたい方は、是非挑戦してもらいたい