アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • クリスマス・プディングの冒険

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    傑出した出来の作品はなく、すべて平均点程度の出来で、一番良かったのは「クリスマス・プディングの冒険」。

    「クリスマス・プディングの冒険」
    ある国の王子の高価なルビー盗難事件を秘密裏に解決してほしいとの依頼を受けるポアロ。推理物ではなく、ポアロが巧みな策略で事件を解決する話。奇妙な手紙が置かれていたり、子供たちが殺人事件の芝居でポアロをかつごうとしたリと、楽しめる筋書き。

    「スペイン櫃の秘密」
    スペイン櫃の中で殺された男の妻が容疑者の無実を信じ、その無実の証明をポアロに依頼する話。偽装された手紙の謎や衝立が動かされた謎など、シェークスピアの「オセロ」になぞらえて、ポアロは意外な真相を暴き出す

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    2016年12月19日
  • 蒼ざめた馬

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    本格物ではなく、冒険的要素を兼ね備えたサスペンス小説という感じだ。カトリック神父殺人の背後にある大きな謎を、主人公の学者と友人女性が調査して暴く物語。クリスティーの作品でおなじみのオリヴァ夫人が登場するが、ポアロは登場しない。ポアロが登場しないのは、推理よりも調査過程がメインの話であり、素人探偵の視点で物語を描きたかったためであろうか。
    殺された神父が残したメモの謎、3人の魔女による呪法の儀式と遠隔殺人の謎、「車椅子の男」が歩いて牧師を尾行していたという目撃者の証言の謎、主人公たちによる偽装潜伏調査など、ミステリーとしての読みどころは十分。事件の背景にある謎は、ドイルの「赤毛組合」を彷彿させる

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    2016年12月06日
  • 黄色いアイリス

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    ミステリ。短編集。
    ポアロ、ミス・マープル、パーカー・パインと、クリスティ作品の主要な探偵役が揃っているのが魅力。
    読みやすさも相変わらず。
    やっぱりポアロが好き!

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    2016年11月27日
  • スリーピング・マーダー

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    読みながら、冒頭をドラマで見たことがあることを思い出した。
    あれが、スリーピングマーダーだったとは。

    クリスティの小説としては最後のこの一冊も、ついに読み終えてしまったけど、最後がマープルさんらしいマープルもので良かった。

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    2016年11月26日
  • ポアロとグリーンショアの阿房宮

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    ネタバレ

    旧知のミステリ作家アリアドニ・オリヴァ夫人から、相変らず一方的に呼び出されたポアロ。
    聞けば田舎屋敷グリーンショアのお祭りの催し「殺人ミステリ推理大会」の優秀者の表彰をして欲しいとのこと。
    オリヴァ夫人はこの催しのプロデュースを任されていたのです。
    満更でもない気持ちで引き受けたポアロだが、読者の予想どおり“本当の殺人事件”が起きてしまう。

    中編作品のため、一冊分の枚数を稼ぐためか、関係者による序文が2つ、解説が2つあった。
    本文124頁に対し、これらが37頁。
    多少うんざりしたものの、解説にあった、クリスティ本人のプロットメモには興味をそそられた。
    クリスティがどういうポイントでミステリを

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    2016年11月03日
  • 雲をつかむ死

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    一度映像でみたことがあったけど、全然内容を覚えていなかったので楽しめた。ジャップ警部以外にも警察が出てくるので、それもまたおもしろい。また映像でも見てみよう。

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    2020年08月26日
  • おしどり探偵

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    退屈な日常に飽きて、刺激を求めるタペンス。トミーの上司のカーターの依頼を受けて、二人は探偵業を引き受けることに。
    二人の軽妙なやり取りと架空の名探偵気取りで物語は進展してゆき、二人が時には相手を騙したり、協力しながら事件を解決していく。
    14の事件からなる短編集だが、際立った出来ばえの作品はなく、何の変哲もないオチだったり、ノックスの十戒に反していたりと、拍子抜けする作品が多い。敢えて挙げると、「怪しい来訪者事件」、「婦人失踪事件」、「大使の靴」が面白い。
    ハードボイルド的な場面も多く、とぼけたイメージのトミーが窮地に追い込まれても泰然自若としているのが印象的。

    「お茶でも一杯」
    失踪した女

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    2016年08月21日
  • 愛の探偵たち

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    一番最初の「三匹の盲目のねずみ」は、コンパクトながら非常に優れた作品。開店直後の宿屋を舞台に怪しい人物が次々に現れる。読者が怪しいと感じたところをまさに主人公が考察してストーリーを進め、また新たな謎が提示される。没入感が強い。

    ミスマープルの作品は謎解きがすこし無理やりか。

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    2016年08月06日
  • 死者のあやまち

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    田舎屋敷の園遊会で、おなじみの女性作家オリヴァが企画した犯人探しゲームで実際に起きる殺人事件。冒頭の事件のエピソードから興味深く、いかにも怪しげな人物配置、捜査の課程で判明していく様々な謎や人物間の心理的な関係など、とても引き込まれる内容の作品。
    ポアロが事件を防止することができず、真相もなかなか見通せずに、ジグソーパズルに興じながら、焦燥に駆られる場面が印象的だ。
    複雑でひねりのある真相。オリヴァの企画した犯人探しゲームの中に真相が暗示されているのが何とも面白い。数々の「なぜ?」に答える真相だが、素直には納得しがたい。真相説明で過去のある出来事が明らかになるのだが、そんなことが実際に起こりう

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    2016年07月05日
  • ヒッコリー・ロードの殺人

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    ポワロの口調がイメージと違った。

    話としては面白い。盗品から殺人事件が起こり、事件は複雑な様相を呈する。絡み合った糸が解けて単純明快になるのは痛快。

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    2016年07月04日
  • ねじれた家

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    ねじれた家族に発生する、ねじれた殺人事件。
    2件の殺人と1件の殺人未遂が発生するが、いずれも特別なトリックが使われているわけではないし、事件関係者の全員が犯行を行いうる状況であったため、アリバイを巡る論議は一切なく、作中では動機が主な議論の対象。犯人を特定する十分な手掛かりが与えられてはいないので、本格ミステリーとは言えない。伏線らしきものがいくつか見受けられるが、それも犯人を特定するようなものではない。
    ポアロもマープルも登場しないのは、推理や捜査過程を中心に据えた物語ではないためだろうか。クリスティーが描きたかったのは、このねじれた家族関係そのものなのだろうか。
    クリスティーの十八番、お金

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    2016年06月12日
  • メソポタミヤの殺人

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    ポアロシリーズ。
    【好きなところ】
    ・舞台設定。中東は新鮮。
    ・作中作の形式は、サバサバした性格の女性を語り手にすることで、作品を読みやすくしていると感じる。
    ・被害者に送られた脅迫状の意味は、とても良く考えられている。
    ・解決シーンのポアロの説明。ミステリとして一番のハイライト。
    ・”人殺しは癖になる”
    【嫌いなところ】
    ・被害者の人物像をくどいくらいに掘り起こす中盤は、少し長め。
    ・トリックは少し雑。

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    2016年06月06日
  • 複数の時計

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    「ことにワトスン医師というすばらしい人物の創造。あれはまさに大成功だよ。」
    「あの愛すべき友。ヘイスティングズ。きみにも幾度となく話したことのあるわが友、ヘイスティングズ。」
    歳をとったポアロのこういう発言はなんだか切ない。

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    2016年05月20日
  • 死の猟犬

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    「検察側の証人」、「ラジオ」、「青い壺の謎」以外は、超常現象を扱った話。
    超常現象を扱った話は、ストーリー自体に面白みがなく、すぐに忘れてしまいそうな作品ばかり(実際、既にほとんどの作品が思い出せない)。
    唯一、「翼の呼ぶ声」は、お金持ちが持つ悲哀をうまく描けていると感じた。
    「死の猟犬」は、意味不明な作品。"第六のみしるしの秘密"とは何だろうか。"円を閉ざさないように気をつけて"とは、どういう意味なのだろうか。なぜ、こんな意味不明の作品が表題作なのだろうか。
    「ジプシー」と「S.O.S」は、ややこしい話で、一読では理解できずに読み返したが、たいした話で

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    2016年05月15日
  • 運命の裏木戸

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    ネタバレ

    トミー&タペンスも年を重ねたが、好奇心は未だ旺盛で、不思議と事件に出くわすところも相変わらず。
    何が起きたのか、何を調べているのかわからないまま物語は進行、でも、少しづつ手がかりらしきものが現れ、引き込まれていく。
    …のだが、最後は、あっけなかった。もう少し、トミー&タペンスが真相に近づいて欲しかった。

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    2016年05月11日
  • 象は忘れない

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    ポアロとオリヴァが、過去の出来事を忘れない"象"を探し出して聴き取り調査を行い、過去の事件の真相を追求する話。
    私は普段、ミステリーを読んでいて、ほとんど真相がわからないのだが、この作品に関しては、マーガレットとドロシアの関係がわかった時点である疑いを持ち、それ以降、それを補強してくれる事実が次々と出てきたので、最終章の手前では真相の大部分を予想できていた。
    ヒントがわかりやすく、真相が予想しやすい作品ではないだろうか。
    事件の背景にあるもの、時間的拡がり、人物配置、真相のまとまりなど、よくできた作品だと思う。

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    2016年05月02日
  • 予告殺人

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    ミス・マープルシリーズ
    面白かった

    他のアガサ・クリスティ作品も読んでみたくなった
    ・アクロイド殺し
    ・オリエント急行の殺人
    ・ABC殺人
    ・火曜クラブ
    ・動く指

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    2018年11月25日
  • 復讐の女神

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    本作品では、マープルと犯人が直接対決する危機一髪の場面があり、興味深い(しかし、あの場面で登場する二人も真相に気づいていたのではないだろうか)。
    マープルの推理は、ロジックではなく、人間観察と直観に基づくものであり、本格的な妙味は薄い。
    人間の持つ複雑な感情に根差した犯行動機や、殺人偽装とそれを行った理由は面白い。
    しかし、なぜ、依頼者のラフィール氏は、マープルに依頼目的を具体的に示さなかったのだろうか。バス旅行に参加し、旧領主邸に宿泊するように指示したのはなぜか。ラフィール氏は真相がどこまでわかっていたのだろうか。最後まで読んでもわからなかった。

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    2016年03月28日
  • フランクフルトへの乗客

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    死への旅とかと同じ陰謀ものでも
    ちょっとわかりにくい作品。
    色々広げてたたみ切れなかったような気がするのは気のせいか。

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    2016年03月22日
  • 雲をつかむ死

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    飛行機の客席見取り図を付け、11人の乗客全員について、犯行の可能性と動機をつぶさに検討する、本格志向の作品だが……。
    終盤までは楽しめたが、真相はいただけない。
    このような殺人トリックで騙せるとは思えないし、うまくいかなかった場合のリスクが大きすぎる。
    また、事件の背景にある人間関係だが、警察の捜査で明らかとなることであり、計画に無理を感じる。
    終盤になって、ようやく明らかとなる「あの人物」の存在も、普通は警察がとっくに訊問しているはず。
    また、事件に関係する人物がこんなにもうまくつながっているというのは、ちょっと出来過ぎ。

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    2016年01月19日