アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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ネタバレ巡りあい別れゆく運命の人たち。
お屋敷の少年ヴァーノン・デイアは、音楽が苦手だった。活発な従姉妹ジョー、隣のユダヤ人少年セバスチャン、大人しい美少女ネルと育っていくヴァーノン。彼が音楽に目覚め、オペラ歌手ジェーンと出会い、4人の幼馴染とジェーンをめぐる人間関係は変わっていき——財産、戦争、才能に翻弄される愛の大河小説。
ラストまで読んだら、必ずプロローグに戻りたくなる。そしてプロローグを読み返してため息をつくだろう。クリスティーはこういう話も書くんだ、というのが第一の感想。ロマンティックが濃厚に詰め込まれ、運命の波に一緒に翻弄された。翻弄され続け、失い続けたヴァーノンが、作り上げた《巨人》 -
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ネタバレ老嬢は欺けない。
寄宿学校で共に過ごしたルースに頼まれて、ミス・マープルはルースの妹であり同じく旧友のキャリィを訪ねる。彼女は未成年犯罪者の更生教育にその身を捧げる夫と共に少年院を営む彼女の屋敷を訪ねた。そこにはセロコールド夫妻の他に、キャリィの娘ミルドレッド、キャリィの養女の娘ジーナ、その夫ウォルター、キャリィの二番目の夫の息子アレックスとスティーヴン、キャリィの付き添い人ミス・ベルエヴァー、使用人エドガー、精神医学者のマヴェリック博士、そして施設に入っている少年たちがいた。突然訪ねてきたキャリィの最初の夫の息子クリスチャンの用件はなんだったのか。エドガーは頭がおかしいのか。ミス・セロコー -
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ネタバレクリスティーのオールスター短編集!
ポアロとヘイスティングスの名コンビだけでなく、隠れた名コンビであるミス・マープルと牧師夫人のバンチの活躍も楽しめる。
「スズメ蜂の巣」庭にいたジョン・ハリソンのところにポアロが訪ねてくる。他の作品とはちょっと毛色が違う印象的な作品。ポアロが事件を防ぐことに成功する様子を、当事者の側からどうぞ。
「洋裁店の人形」これだけは怪奇もの。はっきり言って怖い。人形が苦手な人は避けた方がいい。
「教会で死んだ男」ハーモン夫人ことバンチが、教会の中でぐったりしている男を見つけた。亡くなった男のことを知ってエクルズ夫妻が訪ねてくる。夫妻に何かを感じたバンチは、名付け -
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ネタバレおなじみの探偵たちにまた会える。
「三匹の盲目のねずみ」大ヒットした劇「ねずみとり」の原作だそうで。確かに「ねずみとり」の方がこなれた感じがしたかも。
「奇妙な冗談」若いカップルがミス・マープルにした相談は、マシューおじさんが遺したはずの宝物の場所。自分の知り合いのヘンリーおじさんについて楽しそうに語るミス・マープルが示した、マシューおじさんの遺産とは。思い出話で若い人をうんざりさせるミス・マープルを思い浮かべると思わず微笑んでしまう。ハッピーな結末も素晴らしい。
「昔ながらの殺人事件」スペンロー夫人が殺された。警察から話を聞かれたミス・マープルは、いつものように思いを巡らし、そしてちょ -
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ネタバレポアロにミス・マープル、パーカー・パイン、花束みたいな短編集。
ポアロものは「バグダッドの大櫃の謎」「あなたの庭はどんな庭?」「黄色いアイリス」「船上の怪事件」「二度目のゴング」の5つ。パーカー・パインが「レガッタ・デーの事件」「ポリェンサ海岸の事件」の2つ。ミス・マープルは「ミス・マープルの思い出話」、そして幻想小説「仄暗い鏡の中に」が収録されている。
「仄暗い鏡の中に」鏡の中でシルヴィアが婚約者に殺されそうになっていたのを見たので、あの日、私はシルヴィアに彼と別れるように言った。そしてシルヴィアと結婚した私は、彼女の首を——。謎解きなどない幻想小説。なんてことはない話だが、こういうもの -
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ネタバレ冒険もロマンスも盛りだくさん!
ジェリー・ウェイドが眠ったまま亡くなり、寝坊助のジェリーを驚かせるための悪戯だった時計7つが並べられているところから物語が始まる。同席していたロニーが死に、それを間近に目撃したバンドルことアイリーンは事件に首を突っ込む。ロニーが言い残したセブン・ダイアルズとは。友人ビルやその友人であるジミー、ジェリーの妹ロレーンと組んで作戦を立て、セブン・ダイアルズの秘密に踏み込もうとするバンドルだが、バトル警視も何やら作戦を実行してるようで——
バンドルと一緒にハラハラドキドキするのがとても楽しい。秘密結社セブン・ダイアルズの集会に潜入するところなど、行動家バンドルの本領 -
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ネタバレアイツが犯人だと思っていた頃に戻れたら。
ある家族のもとにもたらされた知らせ。それは母を殺したのはジャックじゃない、というアリバイの成立。ジャックじゃないなら、誰なのか。疑心暗鬼に陥る一家、犯人を探そうとする者、隠そうとする者、庇おうとする者、確実に崩壊の足音がしていた。
BSで一度ドラマを見たはずなのに、犯人もすっかり忘れていたおめでたい頭。なんだか坐りの悪い話。むずむずするのは、登場人物が皆「良いことをしようとしている」のに、どんどん不幸を招いているからか。クリスティーは相手を損なう善意をここまで書くのが素晴らしい。はっきり言って免罪を知らせにきたキャルガリは、この一家の問題にここまで -
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ネタバレミステリの劇場にご招待。
薬瓶の箱、金庫から盗まれた方程式、一瞬の暗闇で起こる殺人、ポアロの推理は?
クリスティーの戯曲は初挑戦。表題作「ブラック・コーヒー」は、方程式の書かれた書類はどこに隠されているか、また犯人はどうやってコーヒーカップに毒を入れたか、を考えながら読む。実際の舞台で見た方がもしかして盛り上がるかもしれない。キャラクターが立っているのは、いつものクリスティー。
「評決」は、お金よりも学生の学問への情熱を大切にする教授と、その病める妻、一緒に亡命してきたらしいいとこ、教授に横恋慕し個人教授を願い出るお金持ちの娘、話好きのお手伝いというメインキャラクターの人間関係が肝。犯人