多和田葉子のレビュー一覧

  • 私たちはどう生きるか コロナ後の世界を語る2

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    コロナ後の日本社会はどのように変化してゆくのか。変化した社会にどう生きるか。桐野夏生さんの「不寛容な時代、自由な小説から力を得て欲しい」の言葉に、不安の塊がふうっと軽くなりました。

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    2022年04月04日
  • 献灯使

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    初めてのディストピア小説。ちょっと私の想像力が足らないと反省。でも、新ジャンル開発になりそう。自分でも意外。

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    2022年03月18日
  • 穴あきエフの初恋祭り

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    今の自分には、わかんなかった部分もあったけど、わからないままでいいかと思った。わからないけど良かった。

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    2022年02月11日
  • 穴あきエフの初恋祭り

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    「胡蝶、カリフォルニアに舞う」のストーリー性に牽引され、「穴あきエフの初恋祭り」でかく乱される。多和田さんの作品には、人称の問題とセットで語り手の問題が埋め込まれていることが多いのだけれど、やはり、この本もそうだった。「おと・どけ・もの」は、多和田さんが詩人でもあることを強く感じさせる一編。韻文と散文を自在に往還できる作家さんは、本当に魅力的だ。

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    2022年01月27日
  • 献灯使

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    前回の本と同様なかなか読み進められなかった.
    でもこれは面白かった.
    面白いというより読みすすめるたびに色々考える事がある内容.
    言葉遊びと言い回しと独特なテンポがあるので本を読み慣れてない私にはググっと入り込めないけどジワジワとくるものがある.
    献灯使の最後は え??なに??ここで終わり??え?どういう事??ジョジョ並のぶった切りのような終わりに困惑したけれど 他4作の短編を含めて1つの作品という印象.
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    2022年01月06日
  • 言葉と歩く日記

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    日本語とドイツ語で著作するというか、文学作品を書く著者の言葉をめぐる日常を描いた本。

    著者の「エクソフォニー」という本をたまたま読んで、自国語以外の言語環境で生きること、さらには文学作品を書くということについての話しが面白かったので、こちらも読んでみた。

    日記という形で、その日その日におきたことを言葉、言語の違いという観点で書いてあって、すっと入ってくる。

    でも、これって、社会構成主義とかでいう「言葉が世界をつくる」ということだな。

    ある名詞が指示するものごとの対象範囲は言語によってことなるし、たまたまある言葉がほぼ程度同じことに対応していても、その言葉がもっている他の意味とか、語源に

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    2021年12月07日
  • 私たちはどう生きるか コロナ後の世界を語る2

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    20人によるエッセイ。
    共感できる話が一つや二つはあるのではないでしょうか。
    私は瀬戸内寂聴さんでした。

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    2021年09月27日
  • 尼僧とキューピッドの弓

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    本好きの友人に誘われ、多和田先生の読書会へ行くときに読みました。とても文章が好き。整頓された文章で且つ感情への訴えかけも緩やかでてくだです。

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    2021年03月07日
  • 言葉と歩く日記

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    ネタバレ

    作者は早稲田大学で文学を学び、ハンブルグ大学で学び、チューリッヒ大学で修士を撮った人が、言語の壁を日本語からドイツ語を観察したり、ドイツ語から日本語を観察する際に、感じたことを日記の形で、自作翻訳している期間にまとめられたもの。それは、日本語の「雪の練習生」を和独する作業をされていた時期だと後書きで述べられている。
    作者の琴線に触れた事としてあげられている物の中の一つとして。117項にこんな記述がある。
    「ハンナ・アーレントによれば、ナチスの一員として多くのユダヤ人を死に至らせたアイヒマンは、悪魔的で残酷な人間ではなく、ただの凡人である。上からの命令従わなければいけないと信じている真面目で融通

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    2022年10月08日
  • 雪の練習生(新潮文庫)

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    ネタバレ

    親子3代のホッキョクグマがそれぞれ語り手となる3部構成。(人間が語り手となる部分もあり。)

    最初はホッキョクグマが語り手であるとわからず、違和感があったが、それをわかって読むと面白い。

    ホッキョクグマと人間の視点を行き来しながら、読む本ははじめてだったので楽しかった。

    パーティーに出席したり、会議に出席するクマの描写に思わずクスッと笑ってしまうところもあった。

    人間のように語るホッキョクグマの視点に、人間が思う「クマらしさ」を感じて心が和んだ。

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    2021年01月19日
  • 雪の練習生(新潮文庫)

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    面白かったです。
    ホッキョクグマの3代に渡る物語。
    社会に溶け込んでる祖母、サーカスにいるけど人と会話したりする母「トスカ」、産まれたときから動物園にいて人工哺育で育つ息子「クヌート」。
    くまなんだけれど、ほっこりはしなくてなんだか哲学的。社会風刺もありました。祖母が亡命疲れしたり。
    クヌートが愛らしいけど、しみじみと考えていることはこちらも考えさせられるような事だったり、やっぱりくまだからちょっとズレていたり。
    くまの代が代わるにつれて実際に移動できる範囲は狭まったけれど、その分、思考は拡がった気がします。
    言葉選びなども面白くて不思議な世界でした。

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    2020年12月28日
  • 犬婿入り

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    表題作のつもりで読み進めていってたら全然違う作品で焦った。

    さて、解説にもあるとおり、二作品を収めたこの『犬婿入り』は「溝」がキーワードになっている。つまり境界線のことだ。

    「ペルソナ」では信頼の置ける弟の和男でさえ、主人公・道子とは合同な意見を持っているわけではない。
    特に序盤は、意識的にさまざまな国の名前が登場する。母語である日本語が、だんだんと自分の体から解離していく。日本人らしさや、外国人らしさ、といったステレオタイプには軽微な齟齬がある。同じくらい執拗に、肉の厚みについて述べられる。それもその一点が明白に羞悪な瑕瑾であるかのように。また、「ニガイ」は一貫してカタカナで表記されてい

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    2020年10月28日
  • 海に落とした名前

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    ネタバレ

    印象に残った二篇を。

    「時差」三ヶ国に離れるゲイの三角関係のお話。ゲイの気持ちに関する話は初めてだったんですが、個性ある三人の心の動きはとても気持ちよかった、みんな優しい。でも肉体の描写は辛かった。

    「海に落とした名前」航空機の事故で記憶喪失になった主人公、唯一手元に残ったレシートを手掛かりに自分を取り戻そうとする。が、落としてしまった名前、レシートの中に自分の人生がいかに表現されているかというお話のように感じました。ヘルプに現れる人たちのクセが強すぎて、ちょっと主人公へのフォーカスがずれてしまうのが残念。

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    2020年10月03日
  • 言葉と歩く日記

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    ネタバレ

    ベルリン在住で、日本語とドイツ語のニヶ国語の小説を発表している多和田さんの、"言葉"に関する日記形式のエッセイ。
    小説の中で多和田さんはよく言葉遊びを取り入れておられる。生まれてからずっと日本在住で日本語しか話さ(せ?)ない私にとって、それは新鮮で斬新で、いつもクスッと笑ってしまう。
    ドイツから見た日本、ドイツ語と比較した日本語、というように俯瞰して日本並びに日本語を観察しておられるからできる技なのだろう。特に印象深かったことをピックアップ。

    ●時代と共に日本人が遣う日本語も変化し、遣われなくなり消えていく日本語も少なからずある。実際遣っている我々は、そんなものかと時代に

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    2020年09月27日
  • かかとを失くして 三人関係 文字移植

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    これまで読んだ中でも、その独特な世界観は際立っている。
    半分過ぎた辺りで本が行方不明に。
    見つけ出す前に他の本を読み始める。

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    2020年09月26日
  • 言葉と歩く日記

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    ノーベル文学賞候補ベルリン在住多和田葉子さん。ドイツ語圏、日本、英語圏などを言葉とともに旅するエッセイ。ドイツ語で表す日本語とのニュアンスの違い。日本語で考える日本人にグローバルな思考とは何かを問う。

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    2020年09月09日
  • エクソフォニー 母語の外へ出る旅

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    多和田葉子(1960年~)氏は、早大文学部ロシア語学科卒業後、ドイツ・ハンブルクの書籍取次会社に入社し、ハンブルク大学大学院修士課程を修了。1982~2006年ハンブルク、2006年~ベルリン在住。1987年にドイツで2ヶ国語の詩集を出版してデビュー。チューリッヒ大学大学院博士課程(ドイツ文学)修了。ドイツ語でも20冊以上の著作を出版し、それらはフランス語、英語、イタリア語、スペイン語、ロシア語、スウェーデン語、中国語、韓国語などにも翻訳されている、本格的なバイリンガル作家。1993年に芥川賞、2016年にはドイツの有力な文学賞クライスト賞を受賞。今や日本人で最もノーベル文学賞に近い作家との声

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    2020年06月03日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    タイトル通り変愛を集めた短編集。

    「お、おう、そんなところに」「そんなのと」「え、何この設定」とか本当にそれぞれ変な愛ばっかり笑

    吉田篤弘目当てだけど、電球交換士が出てきていたとは。

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    2020年04月16日
  • 百年の散歩(新潮文庫)

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    “川、湖、滝など、水の見える場所にすわっていると喉につかえていたものが流れて楽になる。”(p.171)


    “子供は親のすべての表情、仕草、言葉を解釈できないままに記憶し、夜空のように肩に背負って歩いていく。”(p.206)

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    2020年01月31日
  • 百年の散歩(新潮文庫)

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    ベルリンの街並みと多和田葉子の想像力、言語力がゆるやかに化学反応を起こしながら散歩はどこまでも続いていく。散歩しながら思索する人は多いだろうけど、そんな人たちの頭の中を多和田仕様で覗かせてもらったような気持ち。気取らず朗らかに、足取り軽く彼女はゴドーを待っている。


    散歩に出たくなるけれど、ただ同じ道を歩いても多和田葉子が拾い上げる要素の数は誰とも比較にならないように感じる。そしてわたしもこの本で、かつて歩いたことのあるベルリンの記憶を辿る。
    ベルリン以外には住みたくない、本当にそう思ったことがあった。
    そうだったよ、わたしも、もう一度ベルリンに行きたい。

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    2020年01月13日