多和田葉子のレビュー一覧

  • 地球にちりばめられて

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    主人公の1人であるHirukoのオリジナル言語であるパンスカや、様々な言語が飛び交い、日本語を話す人を探す旅に出る。ってくらい言語をめぐる物語なのに、SFって設定が面白かった。

    多和田葉子の小説初めて読んだけど、面白かった!

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    2025年04月14日
  • 星に仄めかされて

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    ネタバレ

    三部作の二作目。
    ベルマーの登場で心の内が様々なところに発露され物語は転回、展開。
    タンスのようなお尻はいつの間にか白桃へ。

    意識の流れがそのまま文字になり、川になり、表現・技法に手練手管の感を深く感じ入っている。

    スサノオに反応させるための、ヒルコの熱湯シャワーなんかはまさにそう。

    言語感覚のアップデート、はたまた身体感の新体験。

    三作目も文庫化お待ちしております

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    2025年03月23日
  • 地球にちりばめられて

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     ノーベル文学賞に近いと言われる多和田葉子。初めて読んでみた。いやはや、確かにノーベル賞に近い感じがした。国とは何か?言語とは何か?アイデンティティとは何か?を問いかける。言葉の運び方が実にうまいというか、ダジャレのような言葉の選び取り方。読みながら、なんか可笑しくなる。そうくるかとその言葉の発想がいいのだ。

     まず、物語の中では、留学中のHirukoは、故郷の島国(日本)がなくなってしまっているらしい。国が失っているということが、一つのテーマだ。民族とは、共通の言語を持ち、伝統、食文化、衣服、音楽、芸術などの文化的要素、共有する歴史や生活様式を持っている。

     登場する若者は、クヌート、H

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    2025年03月22日
  • 地球にちりばめられて

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    ネタバレ

    多和田葉子の言葉遊びが冴え渡っておりますね
    パンスカなんて言語は多和田語でござんすわ
    直感でありながら体系的、詩的で簡潔、超噛んでる
    群像劇で多視点展開。僕らは今どこにいる?
    場所も心もどこにある?
    外面を変える、心を切り替える
    スイッチ、不一致、ミファソラド

    三部作とのことでこの先も気になりやさあねぇ

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    2025年02月18日
  • 雲をつかむ話/ボルドーの義兄

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    『雲をつかむ話』ではまさに雲をつかむようでつかめないようなそんなお話だった。しかも数々のエピソードは作者の経験談が多く入っているというのだから驚いた。そして言語というものに対してとても追求する感じなんだなと―初めて多和田葉子の小説を読んだけどーそう感じた。あとは普段は流してしまいそうな物事の意味や疑問みたいなものを小説内に入れていくのも個人的には好きだ。
    例えば「雲たちはまるで日が暮れる前に家に帰ろうと急いででもいるかのように夕空を目に見える速さで移動して行く。雲たちは夜、どこで眠るのだろう。」
    「箸は二本で筆は一本、と言う人がいる。だから物書きは食費の半額しか稼げない。でも、もし二本の鉛筆を

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    2025年01月30日
  • 犬婿入り

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    何これヤバイんだけど。
    というキテレツ系のお話で、概ねその登場人物もおかしいので、誰かだけ浮いていて異常というのよりは全体的に異常系が掛け合わさってもう正常みたいな。太郎くんのハチャメチャっぷりもナイスだけど、ゲイバーをゲーセンと勘違いする小学生にはナルホドなぁと膝を打つような妙手で感じ入った。さほどに小学生は侮りがたし。

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    2025年01月26日
  • 言葉と歩く日記

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    読むのに何故か時間がかかったが、非常に面白かった。特に言葉遊びのような、屁理屈?のような記述に何度も笑った。ドイツ、その他の訪問地での言葉の考察も興味深かった。日独語を読める人が、「雪の練習生」の日独版を読まれたら、感想を聞きたいものだ。

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    2025年01月13日
  • 星に仄めかされて

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    Hiruko三部作の二作目。国と言語を巡る旅行者たちの物語。フォークナーや中上健次のようなサーガを強く意識した部分を感じさせつつも、言葉の語感や趣意を重視し、テンポとリズムを保ちながら、北欧の夏至のように白んだ夜空のごとく不思議な感覚を読み手に与える。前作がアイデンティティに焦点をあてた印象があり、本作はナヌークやSusanooを代弁者とした悪意や闇といった負に焦点をあてた印象。至極小説的小説。

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    2025年01月06日
  • 雪の練習生(新潮文庫)

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    ボーッと読んでいたら… 主体が誰なのかわからなくなって置いていかれるようなトリッキーな構造。文体が独特で、真似しようとしてもできないような才能を感じるけれど、個性的なだけに好みが分かれそう。

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    2026年01月12日
  • 地球にちりばめられて

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    主人公の故郷である島国が消滅した設定の長編小説。北欧の旅を通して描かれる世界は、SFのようでもありおとぎ話のようでもある。「Hiruko」「クヌート」「アカッシュ」「ノラ」「テンゾ(あるいはナヌーク)」「Susanoo」の視点を交互に切り替え、言語の美しさや音感に細心の注意を払いながら、読み進めるほど国や言語の教会があやふやになってくる。著者の日本語に対する異常なまでの完成とアレゴリー的雰囲気は現代の宮沢賢治といえるかもしれない。

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    2024年12月02日
  • 犬婿入り

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    第108回芥川賞受賞の表題作『犬婿入り』と『ペルソナ』の2作品を収録。不思議な小説。物語より言葉を紡いで多和田葉子氏の世界に取り込まれる感覚。
    『犬婿入り』は民話をインスパイアとした寓話的な物語であり、道子と太郎の不思議な関係と、軟体のような人物軸、そして狐に化かされたように何事もなかったように消失。魅力の説明は難しいが惹き込まれる。
    『ペルソナ』はアイデンティティの喪失と発見といえよう。海外経験の長い著者と、言語や文化への完成が極めて強い著者ならではの作品。

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    2024年12月02日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    岸本佐知子さんの編んだ書き下ろしアンソロジー、タイトルに惹かれてまず読んだ津島佑子の短編「ニューヨーク、ニューヨーク」が素晴らしかった。読みながら、読み終わってから、幾つものことを思った。
    「ニューヨークのことなら、なんでもわたしに聞いて。それがトヨ子の口癖だった、という」冒頭のセンテンスを読んで、わたしも数年前の夏に数冊の本を読むことで行ったことのない「ニューヨークのことはもう分かった」と嘯いたことを思い出す。そこには彼女がニューヨークを思うのと同じように個人的で特別な理由があったのだけど。
    その後に元夫と息子がこの世にいない彼女について語り合うことで明らかになり“発見”される、今まで知り得

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    2024年11月13日
  • 雲をつかむ話/ボルドーの義兄

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     初めて読んだ多和田さんの小説。本書には『雲をつかむ話』と『ボルドーの義兄』の二作品が収録されている。
     「人は一生のうち何度くらい犯人と出遭うのだろう」との不思議な書き出しで始まる『雲をつかむ話』。ある日、作者の家に「あなたの本を買いたい」と言って男が訪ねてきたが、「プレゼントなので、それらしく包んでほしい」との依頼に応じるため離れていた間に男はいなくなってしまっていた。それから一年後、一通の手紙が届いた。その手紙には、あのとき自分は警察に追われていて、その後逮捕され刑務所にいる。そして今自分は日本語の練習を始めた、といった内容が書かれていた。
     そこから、語り手である作者と色々な「犯人」と

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    2024年11月13日
  • 献灯使

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    東日本大震災の"if"の世界を描く5作品収録。デストピアの雰囲気漂う中に、どこか浮遊感漂う不思議な作品。紡ぐ言葉は柔らかく、描かれる世界は退廃的。各話の主人公たちの視点の切り替えの機微が素晴らしい。おそらくジャンルとしてはSFに分類され、捉えどころのない作品ではあるが、文学の新境地を感じさせる作風。

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    2024年11月08日
  • 白鶴亮翅

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    海外で活躍する作家
    初めて読んだ
    目まぐるしく変わるシチュエーション
    ちょっと戸惑った

    ドイツに夫に付いて来たけど
    持ち前の好奇心から
    ドイツに残り
    離婚し翻訳者として生活し
    作家としても活躍するようになる
    なかなかの人
    隣人との話 通い始めた太極拳
    そこでのメンバーとの会話
    いろんな人がいるなと興味深い
    神様が二人を分かつ前に早く決断
    したのねという この発言は面白い

    翻訳する時は深く国 民族 国家
    歴史知って訳すことが大事
    なかなか大変な仕事と思った

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    2024年11月03日
  • 地球にちりばめられて

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    言語の連想ゲームで物語が進んでいく感じというか、登場人物の個性がどうのこうのじゃなくて言語や国境の線引きによって如何に人間が区分けされてきたか、みたいなものが伝わってくる。言語学者による考え方なのだろうか。小説を通した随筆というか、不思議な読書になった。

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    2024年10月27日
  • 献灯使

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    一年以上前にNHKで多和田さんがニュースで取り上げられてて初めて知った作家さんで、ずっと一度は読んでみたいと思っていた。

    ニュースの内容は記憶にないけど、ノーベル文学賞に近い日本人の一人(もう一人は村上さん)として紹介されてたのではないか。

    この本は2013.2014位に世にでていて東日本大震災の影響がとても強い作品だと感じた。ドイツに在住されてる多和田さんの俯瞰的日本像というのか近未来小説というのか。世界観が、テーマは重いながら、不思議とページをめくる手は止まらない。

    非常に風刺が効いてるんだが、人はこうあるべきみたい説教くささはなく、読者に判断は委ねられている。

    短編小説が5つ収載

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    2024年10月19日
  • 地球にちりばめられて

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    多和田葉子さん、実は学生時代から名前だけは聞いていた。でも、多和田さんの本を読み通したのは初めてだった。
    留学中に、故郷の島国が消滅し、ヨーロッパで生き抜くため、独自の言語パンスカをつくり出すという設定からもう一気にひきこまれる。
    島国が消滅した理由は読み手に委ねられている。原発が関係しているということは容易に想像できる。しかし、そこが主題ではない。
    個人と言語、個人と国家とは何かを問いながらも、明るく不可思議なストーリーがそこにある。
    「地球人なのだから、地上に違法滞在することはありえない」ということばはずしりと響く。
    クライマックスにはビックリ。続きもありそうだ。多和田さんの言語感覚、世界

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    2024年10月01日
  • 地球にちりばめられて

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    ネタバレ

    初の多和田洋子作品。ドイツ、スカンジナビア周辺の地名が大量に出てきて楽しい。
    日本が消滅した世界で独自の言語「汎スカ」を操る日本人主人公が、消えてしまった母語を話すために同郷人を求めて旅をする。その過程で巻き込まれる人々の個性的なキャラクター、多和田氏の美しい表現技法に引き込まれる。
    母語とイデオロギー、アイデンティティのつながり、ネイティブって何だろう、などなど色々考えさせられる作品。
    あと、デンマーク人毒親が息子にかける言葉がいちいち鋭利でツボ。

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    2024年09月22日
  • 溶ける街 透ける路

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    さまざまな街が、そこに息づく人々とともに紹介されていく。ともに旅行をするというより、ともにそこに短期間、よそ者として住み着くような感じ。また、筆者の関心である移民に目が向けられ、またそれが幾層にも重なっていくことによって、街が変化していくことが想像される。

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    2024年09月14日