多和田葉子のレビュー一覧
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購入済み
不思議、と、多文化
犬婿入り、不思議に感じながら読んだ。
子供の視点があるから、
汚いのかエッチなのか
はぐらかされてしまう。
綺麗な先生でこんなことをされてるんだと
美女と野獣みたいにも思える。
そこに可哀そうな女の子がからんで、
それから超人的なことが
修行で身につくとか
触れてあったと思う。
はじめの、町の描写、周りの様子から入って
剝がれかけたようなポスター、
うわさとかから先生にだんだん
フォーカスされたのがおもしろい。
最後も、あれっと思ううちに
狐にでも化かされたように
不思議のうちに終わった。
ペルソナ、は読み忘れてた。
そういえばとばしたんだ。
読んでみたら読みやすい。
最初のあたりからして、ど -
Posted by ブクログ
「地球にちりばめられて」が非常に面白かったので、読み始めた。同じようにストーリーはなく、次から次へと会話が進むように流れていく。主人公の美沙は現在ベルリンに1人で住んでいる。日本にいた頃は目立たない存在だったが、ドイツに来ると突然周りの人から注目され魅力ある存在へと変わっていく。日本では出せなかった自分がドイツでは自然に溢れてきたからだろう。夫が日本に帰ってからも、ドイツを離れがたく結局離婚して、翻訳で身を建てて生活している。隣人のMに誘われて太極拳学校へ通い始める。隣人Mや太極拳学校の仲間との交流を描いて社会、歴史、現在がかかえる問題など様々なことが描かれている。太極拳の教え方が、日本とは全
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Posted by ブクログ
ベルリンに暮らす主人公は夫が帰国してからも、ドイツでの暮らしを選び一人暮らしをしている。年齢は恐らく50代後半より上のよう。隣人や大学院時代の友人夫妻との交流、太極拳で知り合った仲間との付き合いを淡々とした文体で描く。特に大きな事件も起こらない話だけど、自分はこういう話が好きなので買ってよかった。からっとして湿度が少ない不思議な風通しの良さを感じる作品。
主人公が細々とした翻訳の仕事の収入だけで、一軒家を友人の紹介で格安で借りられて、夫が帰国した後もドイツに滞在し続けられるという設定はいささかファンタジーに近いけれど、まあ小説なのでいいか、という感じ。
多和田葉子の作品を読むのは初めてだった -
Posted by ブクログ
多和田葉子氏の著作は初めてです。「震災後文学の頂点」という売り文句に惹かれ、そのまま読過していました。
著者はノーベル賞の時期になると村上春樹氏と共に名前が挙がる程、海外では評価されている方。私はかなりハードルを上げていましたが、それを容易く超える作品でした。1つ1つの美しい表現の洪水に感動し、その度に友人にその文を送りつけるほどです。
私のお気に入りは大厄災に見舞われた日本列島に暮らす家族を描いた表題作『献灯使』と、人類滅亡後の世界を戯曲で描いた『動物たちのバベル』です。
「当たり前」は「当たり前でない」ということが認識されつつある現代で、両作品は輝きを増してゆくでしょう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2編収録。
・ペルソナ
ドイツに姉弟で同居する道子。二人はそれぞれ留学中の身である。ドイツ中世文学をやる弟、道子はドイツ現代文学を研究中だが、成果なく、奨学金を得られなくなり細々したバイトに明け暮れている。
自分に向けられる差別、自分以外の外国人に向けられる差別、日本人の奥さんたちと弟が持つ差別感情。道子は常にそれらを感じながら生きている。
作者の体験から出てきた作品なのだろう。肌感覚の嫌な感じがうまく文章から伝わりゾクゾクする。
・犬婿入り
面白すぎる。だが笑って済まされるものではない不穏な物語だ。民話にありがちなエロさ、不潔さ、理不尽さをきちんと備えた、しかしちゃんと現代の話である。なん -
Posted by ブクログ
小説だと思って読みはじめたからか最初は読みにくかった。
小説ということだけど、小説というより多和田さんが散歩をしていて、考えていることをつらつら垂れ流しにしているエッセイという感じで、一緒にベルリンの街を、時空を、思考の中をふらふら歩いている気分になる。
特に最初の方は、言葉遊びが樋口一葉と雰囲気が似ていて川上未映子が好きそうな感じだなと思った。
「別宮、別宮浮かん、別空間」、「おつまず、つままず、つつましく、きつねにつままれ、つまらなくなるまで」
★「シーン」があるのは映画の中だけのことで、現実にはシーンなんてない。切り取ることのできない連続性の中を突っ走っていくだけだ。
★出逢ったかも -
Posted by ブクログ
日本語とドイツ語で創作する作家の母語をはなれることと、そこから何かを生み出すことに関するエッセイ集。
エクソフォニーとは、母語を離れた状態を表す言葉のようだが、フォニーというところに、音楽的なニュアンスがあって、シンフォニーとか、ポリフォニーといった調和感ではないのだけど、一種の緊張感と解放性のある言葉なのかな〜。
私たちの概念やストーリーがまさに言葉でできていることを日常的なレベル、そして文学作品を作る現場から、すらっと教えてくれる。
そして、言語の音とか、綴りなどがもつ、呪術性というか、身体性も改めて、伝えてくる。自分の知らない意味の分からない外国語から、何らかの作品を作ってみるワー -
Posted by ブクログ
世界各地の地名をタイトルに、その土地にちなんだエッセイをまとめた第一部と、ドイツ語という言語にフォーカスしたエッセイをまとめた第二部からなりますが、個人的には多和田さんご自身の着眼点の面白さがより詰まった第二部が面白かったです。
冒頭からずっと読んでいて、色々な単語に対する好き嫌いの記述が本書中に何度も出てくるので「やっぱり言葉に対する感性が鋭いんだな」ぐらいに思っていましたが、第二部の以下の部分を読んではっとさせられました。
ちょっと長いですが、多和田さんの文章に対する哲学が垣間見えるとても印象的な一節なので引用させていただきます。
『(前略)ところで、わたしは単語の好き嫌いばかり言って