多和田葉子のレビュー一覧

  • 雪の練習生(新潮文庫)

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    文字の羅列が意味を成し、眺めるともなくそれを見ていると、不意に情景が立ち上がる。すると集中力が増してくる。集中力は、集中力を呼び、やがて文字の羅列は、文章であるのだと理解する。読み耽るといった表現がそのまま当てはまるのは、こういうことだな、と確信を持つ。客観的に僕自身を眺める感覚。それがつまり、僕の読書だ。思う存分愉しめた。
    言葉の意味を転がるような視線で追いかける。とても興味深い物語だった。ときに世の「哲理」を示唆するかの描写、物語の中とはいえ、はっとした。
    核心に触れたかどうかは、わからない。絶えずザクザクとした手触りを感じていて、どこか不穏な気配をも感じつつ。それは言葉か。状況か。物語の背景か。
    読後に訪れた、この感覚は何だろう。この本を薦めてくれた上白石萌音さんは「視界を拡げられた」と書いている。「視界」とは言い得て妙だ。ならば確かに、と腑に落ちた。
    僕は自身の殻の中に閉じこもることが好きだ。そのせいで寂しい思いもするけれど、寂しいことは、そんなにいけないことなのだろうか。好きなものは好きで構わない。その上で、自分の「殻」をこじ開けてくれたような、そんな気がする物語でした。
    上白石萌音さん曰く、ぜひ予備知識無くして読むように、と。僕もそれに倣い読んでみました。それゆえにこの感想文も、内容にはまったく触れていません。
    なにとぞあしからず。
    発見も、気づきも、ありあまる物語にて。
    視界を拡げ、殻をこじ開ける力を実感していただきたく。

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    2025年11月25日
  • 雪の練習生(新潮文庫)

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    これもとっくに読んだのだけど。

    何の世界設定の説明もなく、自然に白熊が自分語りをしている。オットセイも出る。白熊の親子3代に渡る物語。読み終わってかなり感動していた。そして、この白熊たちのモデルとなった現実世界の白熊を調べてさらに涙が出た。

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    2025年11月23日
  • 地球にちりばめられて

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    新感覚の小説だった。日本がなくなったという、しかも日本に関連する情報がどんどん曖昧に薄れていくという気味が悪いミステリアスな雰囲気なのに、悲壮感はなくむしろ後半はふざけた感じになって予想できない話だった。面白いかと言われるとよく分からない。
    純文学に近いのかなと。言語という人個人と切り離せないものが、個人の属性を定義している側面は確かにあり、言語を失くしたり新しく作り出したり複数の言語を操ったり様々なキャラクターが出てくる中で言語=その人の属性というのが全然意味ないんだなと思った。

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    2025年11月23日
  • 太陽諸島

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    ネタバレ

    言語も国籍も性別も混ぜこぜで海をゆく一行の旅の終わり。
    …かと思いきや、次(?)は西から行く!ということで旅は続く。完結しなかったけれど好きな終わりです。
    シベリア鉄道だと端まで行き着いてしまう、でも船なら先延ばしできる…という感覚に切なくなりました。

    日本がどうなったかは仮説が語られてました。これも強烈。

    死者と生者も入り乱れてくるのが面白かったです。
    不勉強で誰だかわかりませんでしたが、文学史的に重要な方々なのか…

    海進んでるときはいいけど、確かにどこかへ上陸しようとしたらビザ要る、と思いました。
    難民って、渡航ビザどうやって取るんだろう…ググったら「難民旅行申請書」というのが日本にはありましたが外国はどうだろう?
    そう思うと、EU圏内移動自由なシェンゲン協定はすごい。日本のパスポートはかなり強いらしいです

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    2025年11月16日
  • 地球にちりばめられて

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    面白かった。登場人物どの人をみても変わっているんだけど、そんな人たちが集まって旅をするというのがこんなにも楽しくワクワクするなんて。最後のみんなのカオスな会話の中クヌートの母がアカッシュに向かって「あんた何なの?」アカッシュ「クヌートの恋人です、あなたは?」というのに笑ってしまった。多分ここまで読んだ方ならこの笑いをわかってくれると思うのだけど!続編の『星に仄めかされて』が楽しみ。
    「薄暗い空間ならば、近くにいる人たちと薄闇の中で曖昧に結ばれている。貧しさとか日々の苦労とかを共有して。でも明るすぎる光に照らし出されたら、わたしはわたし、あなたはあなたで孤立してしまう。(以下略)」こういうものの見え方もあるっていうことを言葉にできるってすごいなと思った箇所。

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    2025年10月30日
  • 星に仄めかされて

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    ネタバレ

    シリーズ2作目。
    ほとんど旅行先の台湾にて読んだものの、帰国してようやく読み終えました。
    Hirukoのように、帰る国のない旅ではないとはいえ、飛び出す気分を味わえて楽しかったです。

    ムンン、ムーンで月読尊なのかな……須佐之男がようやく喋ったかと思いきや。
    アカッシュは相変わらず軽やかで、意外とノラも柔軟なところがあることに気付きました。

    船で、いよいよ海に出るのかな。
    3部作最終巻が楽しみです。日本がどうなってるのか、ドキドキだけれど

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    2025年09月30日
  • 犬婿入り

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    『ペルソナ』では、複数の国を行き来する浮遊感を味わうことができた。『犬婿入り』では、民話が日常へ侵入するさまが、これほどあっさりと描かれるのかと驚いた。

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    2025年08月29日
  • 百年の散歩(新潮文庫)

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    ネタバレ

    よく分からんけど、言語に精通した方の文章だ〜!となった。これはエッセイではないけれど、色々なことに造詣が深い人の視点だと、こんなふうに世界が見えるものなのか。なんだか忙しなくてすごいなあ。面白かった。

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    2025年08月26日
  • 地球にちりばめられて

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    ネタバレ

    面白く読んだのに、いざ感想を書こうとするとまとまらない…まとめられない。

    消滅した国の言葉を話す人を探す旅。
    消滅した国を故郷に持つHirukoは、独自の言語「パンスカ」(汎スカンジナビア語)を作り出して喋っている。その言語に興味を持ったデンマークの言語学者クヌートを筆頭に、旅の仲間が増えてく……
    旅のきっかけや目的がハードで、手掛かりを掴んだと思ったらそうすんなりといかず…ですが、切実さよりも光や和気藹々を感じています。今のところ、かもしれないけれど。

    HirukoとSusanoo、古事記の神様から付けられてるとしたら、この先はもっと大変なことになるのかなぁ。
    ナヌークが開いたHPが、しばらくしたら消えているという描写があるので、日本の消滅の理由も剣呑なものかもしれません。小川洋子さんの「密やかな結晶」のように。
    文化の片鱗はあるのに、場所も名前も記憶されてないとは……アジア人の区別つかないとはいえ。


    去年、友人がデンマークへ旅行し、オーデンセにも滞在したので、長いこと積んでたけれどこのタイミングで読んだことは良かった気がします。
    土産話聞いてなかったら、地名でさらに「???」となってたかも。
    続きも読みます。

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    2025年08月19日
  • 地球にちりばめられて

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    何度も言葉の濁流に飲み込まれそうになりながら、なんとかこの大海を渡り切った、と感じるような読後感。

    登場人物のセリフの言い回しが独特で、洋画を小説にしたような雰囲気だな、というのが第一印象だった。
    消滅した島国(日本)の謎については一切触れず、ただ「久しぶりに同郷の人に会って日本語で話してみたい」という女性を中心に、多国籍の男女がまとまっていく様子をそれぞれの視点から追っていくストーリー。
    とにかく比喩表現が多くて文字もびっしりなんだけど、その比喩が的を射ていて「その発想はなかった」と驚かされるものが多く痺れた。作者の頭の中はいったいどうなっているんだろう。

    なにか感動するポイントがあるわけじゃないし、登場人物に感情移入できるかといったらそんなこともない。(強いていうなら、子離れできてない母を持つクヌートの気苦労は理解できるかな、というくらい)
    それなのに、次から次へとやってくる言葉の波に乗るように思わずページをめくってしまう。そんな不思議な引力のある作品だった。
    ただ、いかんせん文字量が多くて明確な区切りも少ないので、読むのにけっこう体力を使う。体感的にだいぶ読み進めたと思ったけどまだ10ページしか進んでなかった、みたいなことがよくあった。

    正直人に勧めやすいわけではないけど、「なんかすごいものを読んだ」という重量感がしばらく残りそう。

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    2025年07月13日
  • ポケットマスターピース01 カフカ

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    カフカの短・中・長編小説が12編と、公文書に書簡集が収められている。
    カフカがどんな小説を書いたのか、どんな人物だったのかを知るには好個の一冊。

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    2025年06月25日
  • 雪の練習生(新潮文庫)

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    文芸誌で紹介されたため購入。
    冬に再読してみたいです。文体は好きですが、全体的にふわふわとしてよくわからない印象でした。

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    2025年06月12日
  • 地球にちりばめられて

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    主人公の1人であるHirukoのオリジナル言語であるパンスカや、様々な言語が飛び交い、日本語を話す人を探す旅に出る。ってくらい言語をめぐる物語なのに、SFって設定が面白かった。

    多和田葉子の小説初めて読んだけど、面白かった!

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    2025年04月14日
  • 星に仄めかされて

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    ネタバレ

    三部作の二作目。
    ベルマーの登場で心の内が様々なところに発露され物語は転回、展開。
    タンスのようなお尻はいつの間にか白桃へ。

    意識の流れがそのまま文字になり、川になり、表現・技法に手練手管の感を深く感じ入っている。

    スサノオに反応させるための、ヒルコの熱湯シャワーなんかはまさにそう。

    言語感覚のアップデート、はたまた身体感の新体験。

    三作目も文庫化お待ちしております

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    2025年03月23日
  • 地球にちりばめられて

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     ノーベル文学賞に近いと言われる多和田葉子。初めて読んでみた。いやはや、確かにノーベル賞に近い感じがした。国とは何か?言語とは何か?アイデンティティとは何か?を問いかける。言葉の運び方が実にうまいというか、ダジャレのような言葉の選び取り方。読みながら、なんか可笑しくなる。そうくるかとその言葉の発想がいいのだ。

     まず、物語の中では、留学中のHirukoは、故郷の島国(日本)がなくなってしまっているらしい。国が失っているということが、一つのテーマだ。民族とは、共通の言語を持ち、伝統、食文化、衣服、音楽、芸術などの文化的要素、共有する歴史や生活様式を持っている。

     登場する若者は、クヌート、Hiruko、アカッシュ、ノラ、テンゾつまりクヌート、Susanooの6人。
     自分が何者であるか?というのは、他人があって初めて違いを見つける。その違いを容認することで価値観が多様化する。Hirukoは、語学的才能がある。自分で言語をつくる。
     言語学者のクヌートは、テレビに出ているHirukoを見て、興味を持ち、テレビ局に電話して、Hirukoに会うことにした。その出会いによって、言葉を通じて、二人は理解を深める。
     クヌートは、曾おじいちゃんが、左翼の北極探検家で、その名前をもらった。クヌートは、Hirukoという女性よりも、Hirukoの話す言葉に興味を持つ。クヌートは、面倒なことが嫌いで、子離れしない母親にうんざりし、言葉にエロスを感じる青年だった。

     Hirukoは、ドイツのトリアの旨味フェスティバルに行く計画を持っていて、クヌートは旅が好きではないが、Hirukoの行くところについていきたかった。コペンハーゲンから二人は一緒にドイツに向かった。アカッシュは、インド人でドイツでガイドをしていて、性の引越しをした人(この表現がいい)だった。赤色系サリーを着ている。たまたまアカッシュはルクセンブルグ空港で、二人に出会い、クヌートに一目惚れする。

     日本人、デンマーク人、インド人が、ドイツの空港で出会って、友達になる。不思議な縁でつながり、「出汁」に興味を持つ。その出汁が、テンゾという若者が作っている。テンゾは、日本語では禅寺で食事の世話をする役職の名前だ。漢字では「典座(テンゾ)」である。こういう名前を持ってくることに著者の企みがある。

     テンゾは、実はグリーンランドのエスキモー人で、医者になろうとして、コペンハーゲンに来ている若者だった。日本では寿司が有名で、テンゾはドイツで寿司職人の手伝いをして、出汁に興味を持ったのだ。旨味フェスティバルがあり、そこでテンゾは出汁でチャレンジする予定だった。そして、テンゾがエスキモー人だとわかって、ドイツで寿司を伝えたSusanooが行ったフランスのアルルに向かうのだった。

     こうやって、一人一人を説明していると実に多様な国の人たちが絡み合い、コミュニケーションをして、互いを認めあい、そこにクヌートの母親も登場して、言語学の話題が広がっていく。とにかく、日本の小説の狭い空間から、飛び出したはみ出者たちの物語だ。よくぞここまでの編集能力があると感心した。多和田葉子の多言語世界とそれぞれの国の特徴、言葉のつながりが実に痛快である。

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    2025年03月22日
  • 地球にちりばめられて

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    ネタバレ

    多和田葉子の言葉遊びが冴え渡っておりますね
    パンスカなんて言語は多和田語でござんすわ
    直感でありながら体系的、詩的で簡潔、超噛んでる
    群像劇で多視点展開。僕らは今どこにいる?
    場所も心もどこにある?
    外面を変える、心を切り替える
    スイッチ、不一致、ミファソラド

    三部作とのことでこの先も気になりやさあねぇ

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    2025年02月18日
  • 雲をつかむ話/ボルドーの義兄

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    『雲をつかむ話』ではまさに雲をつかむようでつかめないようなそんなお話だった。しかも数々のエピソードは作者の経験談が多く入っているというのだから驚いた。そして言語というものに対してとても追求する感じなんだなと―初めて多和田葉子の小説を読んだけどーそう感じた。あとは普段は流してしまいそうな物事の意味や疑問みたいなものを小説内に入れていくのも個人的には好きだ。
    例えば「雲たちはまるで日が暮れる前に家に帰ろうと急いででもいるかのように夕空を目に見える速さで移動して行く。雲たちは夜、どこで眠るのだろう。」
    「箸は二本で筆は一本、と言う人がいる。だから物書きは食費の半額しか稼げない。でも、もし二本の鉛筆を持って、同時にものを書いたらどうなるだろう。左手は左から右へ、右手は右から左へ。両手は中央で交わり、また離れて行く。」など。
    あとは解説が非常にわかりやすくてとても良かった。

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    2025年01月30日
  • 犬婿入り

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    何これヤバイんだけど。
    というキテレツ系のお話で、概ねその登場人物もおかしいので、誰かだけ浮いていて異常というのよりは全体的に異常系が掛け合わさってもう正常みたいな。太郎くんのハチャメチャっぷりもナイスだけど、ゲイバーをゲーセンと勘違いする小学生にはナルホドなぁと膝を打つような妙手で感じ入った。さほどに小学生は侮りがたし。

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    2025年01月26日
  • 言葉と歩く日記

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    読むのに何故か時間がかかったが、非常に面白かった。特に言葉遊びのような、屁理屈?のような記述に何度も笑った。ドイツ、その他の訪問地での言葉の考察も興味深かった。日独語を読める人が、「雪の練習生」の日独版を読まれたら、感想を聞きたいものだ。

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    2025年01月13日
  • 星に仄めかされて

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    Hiruko三部作の二作目。国と言語を巡る旅行者たちの物語。フォークナーや中上健次のようなサーガを強く意識した部分を感じさせつつも、言葉の語感や趣意を重視し、テンポとリズムを保ちながら、北欧の夏至のように白んだ夜空のごとく不思議な感覚を読み手に与える。前作がアイデンティティに焦点をあてた印象があり、本作はナヌークやSusanooを代弁者とした悪意や闇といった負に焦点をあてた印象。至極小説的小説。

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    2025年01月06日