多和田葉子のレビュー一覧

  • 地球にちりばめられて

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    なにこれ、いいところで終わってる!? 最後まで読んでから『星に仄めかされて』、『太陽諸島』と続く三部作の1作目であることに気づいた。とりあえず最初に読んだのが1作目でよかった。このあと本屋に直行せねば!

    日本の文化が世界に広まっていく。それ自体は良いことだが、裏を返せば日本の独自性が薄まっていくということでもある。その先には「日本の消失」があるのかもしれない。それがグローバル化ということなのだろうが、そこには動植物の絶滅を思うときのような妙な焦りや寂しさを感じることがある。本書は、そこのところの感情を突いてくる。

    多和田氏の作品自体を初めて読んだのだが、ドイツ生活が長いそうで、読んでいて異

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    2026年02月22日
  • 地球にちりばめられて

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    日本人の方がかかれた小説だけれど、私の印象としてはまるで翻訳本みたいだなと思いました。でも読みやすい。そして出てくる登場人物たちが魅力的で、この先の展開も気になります。クヌートとHirukoが素敵で好きになってしまいました。

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    2026年02月19日
  • 雪の練習生(新潮文庫)

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    美しい絵画のような情景や、ひんやりとした空気、艶やかな毛並みの感触…。様々な質感が静かに伝わってくる巧みな文体にうっとりと読んだ。物語の語り手、書き手、動物、人、著者、読者…。主体が揺らぐような感覚が決して読みづらい訳ではなく心地よく酔わせてくれる。動物愛護にセクシャリティなど多層的に社会問題ついて想起させながも、まったく文字を追う快感の障害にはならない。素晴らしい読書体験だった。

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    2026年02月12日
  • 献灯使

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    海外で話題となった日本の小説を読もう週間。多和田さんの作品は上質感と大衆的さのバランスが好きなのですが、こちらはかなり社会派なカラーも。その未来予想、まさに同感だなと思わされる部分がたくさん。結末は私にはよくわからなくて、思わず考察記事を探してしまいました。
    ディストピア文学といえば、終末のフールとか読み返したいかもとふと思い出した。ここまで絶望的ではない終末の表現。

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    2026年02月11日
  • 地球にちりばめられて

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    国はもういい。とひらりと言える情勢ではないけれど、なくなってしまったとして、たしかに独自の食文化などだけは残るのだろう。浮世に浮き足立つような、ふっとこの国から本の中で抜け出してひとりぼっちになったような、不思議な感覚で淡々と旅ができてよかった。ちょうどモネ展に足を運んだばかりでタイミングが良かったなと思う。なにしろ絵がちゃんと思い浮かんでくれたから。セットでおすすめです。

    “ジャパンとかなり大きな滴が水たまりに落ちて、三秒くらい間隔をおいてまたジャパンと落ちる音だ。“


    そんな意図かわからないけれど、上の一節で、ジャパンって水の落ちる音なのかと、ドキドキして珍しく薄く、線をひいてしまった

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    2026年02月11日
  • ポケットマスターピース01 カフカ

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    ひとまず変身を読んだ
    -どんな虫になったんだろう?たぶんかなり大きい?
    -家族の一見薄情にも見える態度がケアの現場で目にするような現実とリンクした。ケア対象の死が安堵と希望をもたらしてしまう。
    -人の価値が家族への貢献度になっているリアル
    -愛とはいったい

    流刑地にて
    -これ無理なやつ…
    -士官はアドルフ・アイヒマンですか

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    2026年02月07日
  • 献灯使

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    日本から海外に出て、新たな風をもたらすというストーリーが歴史上の遣唐使的である、だけでなく、歴史上の遣唐使が持ち帰った仏教文化のモチーフが所々現れているのが面白いと思った。
    まず献灯とは、仏像や仏塔、仏典などに灯明を捧げる仏教の儀式のこと。(今でもお仏壇にロウソク挙げる習慣ありますよね)また、ロウソクに火を灯すというイメージは、東日本大震災の追悼を思わせる。
    また、主人公「無名(むめい)」は、仏教用語「無明」(目が見えないこと、仏教の真理に開けていないこと)と言い換えられそう。後は、「私が海の向こうへ行くといったら着いてくる?」と無名を導く謎の少女の名前は「睡蓮」。睡蓮って、「蓮華」と呼ばれて

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    2026年02月02日
  • 海に落とした名前

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    不思議な味のスナック菓子だけど、何故かやめられなくて最後まで食べきってしまった。美味しい料理を堪能したいとか、お腹いっぱいになりたいとか、栄養をとりたいとか、そういうことじゃない。なんなら原材料もレシピもよくわからない。でも、また食べたいと思ってしまう。そんな感じ。

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    2025年12月23日
  • 雪の練習生(新潮文庫)

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    あと100ページほど残っている。最後まで読み切らなくてもいいと思うくらい満足している。良いとか悪いとかの程度で測れないほど素晴らしい。
    東欧や北極の澄んだ冷たさが書かれていて、知らないのに知った気になる。あたりまえの心の動きが、初めて見たもののように注意深く鮮やかに表現されている。
    生きてきて一番、日本語を読めてよかったと感じている。

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    2025年11月28日
  • 星に仄めかされて

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    扱っているテーマが複数ありちりばめられているが、段々と要素が過多になりすぎた印象
    相変わらず著者の言葉選びや遊びは楽しくクスッとなったりするのだが、もう少し要素を絞って欲しかった
    読みながら考えていた事は 世界の断絶の原因は言葉なのではないかとゆう事と、人と人が深く繋がるときに言葉は重要ではないとゆう事
    世界の境界を、断然を超えるのはダンス(=アート)なのだろうか、、とゆう事など
    マイナンバーならぬドンマイナンバーにはクスリと笑ったし抽象表現に比喩表現に時々唸った

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    2025年10月08日
  • 献灯使

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    他の言語から、日本語の外から日本語を捉えないと
    見つけられない言葉遊びが随所に見られた。

    今後の日本、超高齢化社会の行く末を過度に強調することで多少のポップさ、滑稽さを交えつつと将来の日本に危機感を覚えさせられた一作。

    名作。

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    2025年09月22日
  • 地球にちりばめられて

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    最高の読書体験をした。
    万博イタリア館の待ち時間に全て読み終えた。
    およそ7時間くらいか。

    多和田葉子さんの書籍は2冊目。

    テレビに出ていた、祖国を亡くしたという女性が話す独特の言葉遣いに興味を持って、ぜひ会いたいとテレビ局に問い合わせたら、案外簡単に会えて、詳しく話を聞いてみたいということで、会いにいったことから始まった。問い合わせをしたのは、クヌートという名の青年。彼は言語に興味があることもそうだが、祖国を亡くしてしまったという女性に興味を持った。女性はHiruko という。
    Hirukoは、スカンジナビアの言語体系を自分なりにまとめて、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク語を話す人な

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    2025年09月21日
  • かかとを失くして 三人関係 文字移植

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    濃密な世界、なににも頼れることのない不安定感、これらは我々の生きている世界そのものであり、それらを何気ない顔で過ごす我々とは一体なんて奇妙な生き物なんだろうかね

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    2025年09月11日
  • エクソフォニー 母語の外へ出る旅

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    ネタバレ

    突然ですが、読書について。

    私よりも速読・多読の方は数えきれないほどいらっしゃるのは分かります。それでも、この数年は、私の中では人生史上最も読書をしているという感覚があります。

    それらの本は、当初は仕事で行き詰まる自分への武器、突破口発見のため。あるいは、金がないなかで(というか塾に通わせずに)子どもの高校受験を成功させる、という目的がありました。

    仕事がそこそこ落ち着き、そして子どもたちも無事に日本に戻った近年は、文芸書・エンタメが太宗を占める、息抜き読書が多く、しかも消費する・ただ貪り読むという、あたかも早食い・大食いの読書バージョンであるかのような読み方であると自身感じていました。

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    2025年05月17日
  • 地球にちりばめられて

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    ネタバレ

    この物語の主人公 Hiruko が話すオリジナルの言語であるパンスカは、体言止めで、独特な言い回しをする言語だった。また言語といっても、そこに決まった形はなく、Hirukoがその時感じたままを、スカンジナビア半島周辺の言語の中で、より同じような質感を持つ言葉を選びつつ、会話は展開されていた。
    恥ずかしながら、今まで日本語は表現できる種類の言葉が多く、表現においてあまり不自由を感じたことはなかったが、日本語という言語に支配されているからこそ、語ることのできないものも同時に存在するということを知る機会になった。
    本書を読み、さまざまな言語を学ぶことは、さらに自分の表現の幅を増やすということにつなが

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    2025年05月15日
  • 地球にちりばめられて

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    ちょっとすごすぎるかも!!
    多和田葉子のなかだとかなり読みやすい方だと思うんだけど(ストーリーが追えるので)、ふんわりふんわり流動的に場所が動いていく。根本的に根無し草の感覚があるのかも。
    言語はもっと自由なのかもしれない。私はいつも(特に)英語を話すときには間違えるのが怖いと思ってしまう。文法がちがうと笑われることが怖い。とりわけ「文法を解する」日本人に笑われたりするのが怖いんだと思う。だからchatGPTとは、べらべらずっと好きなだけ喋ってしまう。私は本当はおしゃべりなのに、英語だとおしゃべりになれないのは「文法の共通了解」が世界中に有ってその人たちにジャッジされているという感覚があるから

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    2025年04月20日
  • 言葉と歩く日記

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    面白かった〜。言葉の不思議さに触れられ、驚き、合わせて、ドイツなどを旅している気にさせてくれる、多和田さんらしいエッセイ。現実逃避に最適かもしれない。

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    2025年03月21日
  • 変身のためのオピウム

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    この小説を語るにはあまりにも私の知識が矮小。それでも読むことがやめられぬほど思考に馴染み、こんなに息がしやすいと思うことはない。これからもいつもどんな時もそうやって私の脳みその皺にすっと溶けるんだろうな。
    クリニックの待ち時間に坂道に腰掛けて光の中これを読み、事務員に呼ばれて建物に戻った時、しばらく眩暈がしたのを生涯忘れないと思う。

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    2025年03月19日
  • 言葉と歩く日記

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    彼女は言語学者ではない。
    小説家であり詩人だ。
    それも日本語とドイツ語で小説を書く小説家だ。
    だからなのか言語への深い理解と探究心と遊び心にあふれている。
    言葉と歩く多和田さんの日記の言葉を
    もらすことなく読みたくて時間をかける。

    折しも今日は3月11日
    私のすぐ横に職場のブラウン管テレビが
    落下してきた日だ。
    彼女は「ベルリンにいて地震を経験していないという穴があまりに大きいので、人の話がその穴にどんどん吸い込まれていく。共有ではなく、むさぼり喰うような感じ」と語る。そして次の日のアサヒ・コムの「炉心溶融」は危機感が薄く、「メルトダウン」の方が危うく感じられると述べている。そして、多和田さ

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    2025年03月11日
  • 雪の練習生(新潮文庫)

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    文芸誌GOATで上白石萌音さんが紹介していたのをきっかけに読みました。
    萌音さんが教えてくれたように『先入観無く読みたい!』と思い、ネットで買うにも検索したら表紙が見えちゃうので、家族に頼んで買ってもらい、表紙も帯も取ってもらってから読みました。

    この工程が無ければ、すんなり読めてしまったかもしれません。でも、表紙や背表紙のあらすじを見ずに入り込めたお陰でとても楽しく(頭の中が???になりながら)読むことが出来ました!
    これは初めての読書方法でした。
    上白石萌音さんに感謝の気持ちでいっぱいです^_^

    イヤな顔をせずネットでポチってくれたり表紙と帯を隠してから渡してくれたりと協力的な家族にも

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    2025年03月09日