あらすじ
カフカの文学は、映像的であるという印象を与えながらも一つの映像に還元できないところに特色がある。『変身』のグレゴール・ザムザの姿も言語だけに可能なやり方で映像的なのであって、映像が先にあってそれを言語で説明しているわけではない。……読む度に違った映像が現れては消え、それが人によってそれぞれ違うところが面白いのである。この機会にぜひ新訳でカフカを再読して、頭の中の映画館を楽しんでほしい。(多和田葉子・解説より)
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Posted by ブクログ
再読の『変身』をはじめ、どの作品も最後の最後までどこに向かっていくのか方向性が読めないところが面白い。
中でも『流刑地にて』は衝撃でした。
とある植民地の島を舞台に、公開処刑の装置の仕組みについて嬉々として説明する士官。それを半ば冷めた目で眺める旅行者達。
そして何故テーブルの下に墓石がある?想像するとかなりシュール。
『訴訟』についても、解説を読むと色々な読み方ができて再読したくなりますね。
またカフカの書簡についても、かな~りウザイ性格(ストーカーじみてる!笑)が伝わってきて、これまた楽しめました。