彩瀬まるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
焦げ茶色の桜碁石模様チャボである桜さんの視点に終始する。桜さんの命の恩人、茂さんは勤めていた企業で精神的ダメージを積み重ねていて今は引きこもりがちになり、おじいさん、おばあさんの営んでいる金物店に居候してる。金物店のある明日町商店街は傷ついている茂さんもチャボの桜さんもふんわり受け入れてくれる心優しき商店街。商店街の人たちと接する中で茂さんは少しずつ恢復していく。すっぱりハッピーエンドにはならないがかすかに明るい未来を感じてシアワセになる桜さんなのだった。鳥界と人間界の間にいるセキセイインコの「師匠」は桜さんのいい相談役で作品の調味料となっている。
■簡単な単語集
【いろはちゃん】小学二年生。茂のいとこ。
【宇崎真悟】おもちゃ屋の「うさぎ屋」店主の武子さんが転倒して大腿骨を骨折したのでその世話と店番をしている孫。
【梅干ババア】梅子。米屋。
【大塚】明日町診療所の職員。
【久保田】二日町で日用品の店をやっている。バリケンのことを教えてくれた。ついでに桜がSNSで話題になっていることも教えてくれた。隼人という子どもがいる。奥さんは日葵(ひまり)さん。
【浩二】向かいのブティックの主人。
【桜】主人公。チャボ。焦げ茶色の桜碁石模様。白色レグホンと一緒にされるのが悩み。茂のためになりたいと思っている。片一方の羽を痛めている。
【ジイチャン】川平幸太郎。茂の祖父。金物屋。
【茂】桜の飼い主。職場でうまくいかず引きこもりがち。
【師匠】明日町診療所のセキセイインコの雄。喋るのが好き。ご近所の鳥たちの人気者で「風さま」と呼ばれている。
【橘先生】明日町診療所の先生。藤木先生のつがいらしい。
【龍臣】茂の旧友。文具屋。
【鶴田】明日町診療所の職員。
【藤木先生】明日町診療所の先生。橘先生のつがいらしい。
【バアチャン】園枝さん。茂の祖母。コミュ力が高くしたたかな商売人。
【バリケン】カモの仲間だが白くて顔に赤い色があり目立つ鳥。群れからはぐれて一羽でいるが気が強く仲間を見限ったようだ。
【未来/みく】いろはちゃんのお母さん。茂さんの叔母さん。
【陽子】茂さんのお母さん。
【ララさん】毛先を明るい黄緑色に染めたおしゃれな若い人間の雌。ロッカさんのつがいらしい。二人でギターを演奏する動画を配信している。
【ロッカさん】長いまっすぐな髪の人間の雌。ララさんのつがいらしい。二人でギターを演奏する動画を配信している。きっぱりとした性格。
【渡/わたる】茂さんのお父さん。六つの定食屋を経営している社長。悪人ではないが茂さんをわかろうとしないガサツなタイプ。 -
Posted by ブクログ
最近クレイジー小説にハマっている。村田沙耶香の生命式、湊かなえの人間標本、、、etc...。王道とは違う道をゆく本は、理性が否定したくとも本能が、好奇心をくすぐる世界を見せてくれる。
男性の書く小説、女性の書く小説。前者はどっしりしたミステリーや、社会物の王道が多いのかもしれない。常識ぶっ壊します系ほ小説は、女性著者が多い気がする。偏見だけど。
いつも、作者は読者側の抱く無意識的な格差を炙り出してくれていると思ったけれど、作者の属する文壇側にもそうした偏見がある事を教えてくれた。
本としてはもっと熟成されたクレイジーさが欲しかったかも。 -
Posted by ブクログ
連作短編集
大学時代、合気道部で同期だった男女4人(青さん、かやのん、ゲンゲン、卓ちゃん)の物語。愛称で呼び合える関係って良いですね。大学時代は充実した日々を共に過ごし、順風満帆に見えた4人だが、、
以下、各編の感想
「新しい星」
本書のタイトルと同タイトルの短編。希望に溢れるタイトルに見えるが、結婚、出産、仕事に躓いて意にそぐわない新しい星に叩き落とされた青子の話。立ち直るキッカケが、より不幸な星の友人(茅乃)を気遣う事ってのは何だかなぁ。と思ったけど、解説の白尾悠さんの解釈は違うみたい。それぞれ違う星に叩き落とされた友人に、自らが叩き落とされた星から光を届ける話だとのこと。素敵な解釈ですね。
「海のかけら」
玄也が主人公。1話に引き続き、自分より大変な仲間(卓馬)の窮状を見て前向きに生きるきっかけになるってのはあるだろうけど、どうなの?
「蝶々ふわり」
一番好き。温泉での気づきや、「悲しみが邪魔だ」と思う青子の決意が心に沁みた。
確かに解説の白尾悠さんの解釈は正しいのかもしれない。
「温まるロボット」
卓馬の話。コロナ禍下のリモート飲み会。まぁ男の話はどうでもいいかな。
「月がふたつ」
茅乃にとって、大学時代からの親友青子は何も装う必要のない相手、一方で夫や子供の前では虚勢を張っている。家族だからこその距離感ってあるよね。
「ひとやすみ」
何を書いてもネタバレが過ぎてしまうけど、お疲れ会を開いてくれる友達は欲しいなぁ。
「ぼくの銀河」
先に男が主人公の話はどうでもいいかなと書いたんだけど、間違いでした、ごめんなさい。玄弥が主人公の話ですが、良かったです。4人の中で一番不器用な玄弥が、優しく丁寧に言葉を紡ぎ出します。しかしトロピカルアイスティーがこんなに活躍するとは。