彩瀬まるのレビュー一覧

  • みちゆくひと

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    小学1年生のときに3歳の弟を亡くし、2年前に父を、今度は母を亡くした燈子は天涯孤独となった。遺品として持ち帰った母の日記に書かれるはずのない新しい記述が現れ……という導入部は完全にホラーである。
    物語は燈子の生きる“こちら”と、死者のいる“あちら”を交互に描きながら進む。人は死ぬとどうなるのかというテーマを根底にしながら、どのように生きるべきかにまで踏み込んでいく。ちょっと宗教っぽさも感じた。
    ぼくは死んだらそれで終わり、輪廻転生もないと思っているが、こればかりは死んでみないとわからない。でもまあ、こんな死後は御免被りたい。

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    2025年11月09日
  • なんどでも生まれる

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    焦げ茶色の桜碁石模様チャボである桜さんの視点に終始する。桜さんの命の恩人、茂さんは勤めていた企業で精神的ダメージを積み重ねていて今は引きこもりがちになり、おじいさん、おばあさんの営んでいる金物店に居候してる。金物店のある明日町商店街は傷ついている茂さんもチャボの桜さんもふんわり受け入れてくれる心優しき商店街。商店街の人たちと接する中で茂さんは少しずつ恢復していく。すっぱりハッピーエンドにはならないがかすかに明るい未来を感じてシアワセになる桜さんなのだった。鳥界と人間界の間にいるセキセイインコの「師匠」は桜さんのいい相談役で作品の調味料となっている。

    ■簡単な単語集

    【いろはちゃん】小学二年生。茂のいとこ。
    【宇崎真悟】おもちゃ屋の「うさぎ屋」店主の武子さんが転倒して大腿骨を骨折したのでその世話と店番をしている孫。
    【梅干ババア】梅子。米屋。
    【大塚】明日町診療所の職員。
    【久保田】二日町で日用品の店をやっている。バリケンのことを教えてくれた。ついでに桜がSNSで話題になっていることも教えてくれた。隼人という子どもがいる。奥さんは日葵(ひまり)さん。
    【浩二】向かいのブティックの主人。
    【桜】主人公。チャボ。焦げ茶色の桜碁石模様。白色レグホンと一緒にされるのが悩み。茂のためになりたいと思っている。片一方の羽を痛めている。
    【ジイチャン】川平幸太郎。茂の祖父。金物屋。
    【茂】桜の飼い主。職場でうまくいかず引きこもりがち。
    【師匠】明日町診療所のセキセイインコの雄。喋るのが好き。ご近所の鳥たちの人気者で「風さま」と呼ばれている。
    【橘先生】明日町診療所の先生。藤木先生のつがいらしい。
    【龍臣】茂の旧友。文具屋。
    【鶴田】明日町診療所の職員。
    【藤木先生】明日町診療所の先生。橘先生のつがいらしい。
    【バアチャン】園枝さん。茂の祖母。コミュ力が高くしたたかな商売人。
    【バリケン】カモの仲間だが白くて顔に赤い色があり目立つ鳥。群れからはぐれて一羽でいるが気が強く仲間を見限ったようだ。
    【未来/みく】いろはちゃんのお母さん。茂さんの叔母さん。
    【陽子】茂さんのお母さん。
    【ララさん】毛先を明るい黄緑色に染めたおしゃれな若い人間の雌。ロッカさんのつがいらしい。二人でギターを演奏する動画を配信している。
    【ロッカさん】長いまっすぐな髪の人間の雌。ララさんのつがいらしい。二人でギターを演奏する動画を配信している。きっぱりとした性格。
    【渡/わたる】茂さんのお父さん。六つの定食屋を経営している社長。悪人ではないが茂さんをわかろうとしないガサツなタイプ。

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    2025年11月08日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    『なんどでも生まれる』彩瀬まるさんの作品がきっかけで読み始めた。商店街の短編アンソロジー。色々な作家を読みたい時には良いとは思う。おはなしの傾向は商店街ならではの人情味だろう。さらっと読んでしまうのにはちょうどよかった。

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    2025年11月01日
  • 骨を彩る

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    淡々とした文章で読みやすかった。静かに時間が流れる感じ。誰も誰かと繋がってるんだなと、人によって見せる顔も印象も違うよなぁ。その人のことってホント分からない。

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    2025年10月28日
  • 森があふれる

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    最近クレイジー小説にハマっている。村田沙耶香の生命式、湊かなえの人間標本、、、etc...。王道とは違う道をゆく本は、理性が否定したくとも本能が、好奇心をくすぐる世界を見せてくれる。

    男性の書く小説、女性の書く小説。前者はどっしりしたミステリーや、社会物の王道が多いのかもしれない。常識ぶっ壊します系ほ小説は、女性著者が多い気がする。偏見だけど。

    いつも、作者は読者側の抱く無意識的な格差を炙り出してくれていると思ったけれど、作者の属する文壇側にもそうした偏見がある事を教えてくれた。

    本としてはもっと熟成されたクレイジーさが欲しかったかも。

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    2025年10月25日
  • 嵐をこえて会いに行く

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    まず一度読んでみて、今回いちばん心に響いてきたのは「花をつらねて」。時間と共に失われていくものや尊いもの、分かり合えないもどかしさや距離感、触れ合うことで見えてくるものなどを、四世代や親族の交流の中から感じた。
    「遠まわり」も非現実的でありながら、そうであって欲しい、という思いと共に嵐の海を越える気持ちで読んでいた。
    少し時間を置いてからまた読み直して、次はどんなことを感じるかをみてみたい、と思う。

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    2025年10月06日
  • まだ温かい鍋を抱いておやすみ

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    生きていくために食べ物を食べる。
    暮らしの中で食事する。

    食べ物をただ食べることと、食事をするということは私にとってニュアンスが違う。母親の闘病中は心配させないように私が倒れないようにと食べ物を食べ、亡くなった後は私何で生きてるんだっけと思う日々の中、惰性で食べ物を口に入れる。

    あぁ、美味しいと感じる幸せ。それを共有できる友人・仲間がいる幸せ。
    気持ちを引き上げてくれる食事。サポートしてくれる友人・仲間。

    読んで、そういうことを考えた。

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    2025年10月05日
  • 新しい星

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    連作短編集

    大学時代、合気道部で同期だった男女4人(青さん、かやのん、ゲンゲン、卓ちゃん)の物語。愛称で呼び合える関係って良いですね。大学時代は充実した日々を共に過ごし、順風満帆に見えた4人だが、、

    以下、各編の感想

    「新しい星」
    本書のタイトルと同タイトルの短編。希望に溢れるタイトルに見えるが、結婚、出産、仕事に躓いて意にそぐわない新しい星に叩き落とされた青子の話。立ち直るキッカケが、より不幸な星の友人(茅乃)を気遣う事ってのは何だかなぁ。と思ったけど、解説の白尾悠さんの解釈は違うみたい。それぞれ違う星に叩き落とされた友人に、自らが叩き落とされた星から光を届ける話だとのこと。素敵な解釈ですね。

    「海のかけら」
    玄也が主人公。1話に引き続き、自分より大変な仲間(卓馬)の窮状を見て前向きに生きるきっかけになるってのはあるだろうけど、どうなの?

    「蝶々ふわり」
    一番好き。温泉での気づきや、「悲しみが邪魔だ」と思う青子の決意が心に沁みた。
    確かに解説の白尾悠さんの解釈は正しいのかもしれない。

    「温まるロボット」
    卓馬の話。コロナ禍下のリモート飲み会。まぁ男の話はどうでもいいかな。

    「月がふたつ」
    茅乃にとって、大学時代からの親友青子は何も装う必要のない相手、一方で夫や子供の前では虚勢を張っている。家族だからこその距離感ってあるよね。

    「ひとやすみ」
    何を書いてもネタバレが過ぎてしまうけど、お疲れ会を開いてくれる友達は欲しいなぁ。

    「ぼくの銀河」
    先に男が主人公の話はどうでもいいかなと書いたんだけど、間違いでした、ごめんなさい。玄弥が主人公の話ですが、良かったです。4人の中で一番不器用な玄弥が、優しく丁寧に言葉を紡ぎ出します。しかしトロピカルアイスティーがこんなに活躍するとは。

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    2025年10月05日
  • 新しい星

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    大学時代に合気道で知り合った男女4人のお話
    皆それぞれ大なり小なり悩みを抱えて生きている
    この4人の関係性いいなぁ

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    2025年09月23日
  • くちなし

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    少し変わったファンタジーとゆうか、非日常な世界のお話しで構成されています
    私だけかもしれないけど、表現にそこはかとない色気を感じる

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    2025年09月21日
  • 嵐をこえて会いに行く

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    北海道、東北を舞台にした短編集。土地勘がなくても十分面白い、そしてコロナで騒ぎがあってから数年経つと、当時の状況や約束事が懐かしいとすら感じる。あれがなければ、と思うことがいろいろあるな。
    ウミネコの八戸の話が良かった。

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    2025年08月16日
  • 偏愛小説集 あなたを奪うの。

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    略奪愛をテーマに、ということでもっとドロドロとした無情で無慈悲で綺麗事なしの恋愛を期待していたけど、その期待は外れた。あくまで個人的な見解だけれど、一般的な略奪愛のイメージではなく、「偏愛」アンソロジーの意味合いが強いと思う。
    そういう意味では個人的には肩透かしを食らった気分だったけど、ひとつひとつのストーリーは面白かった。特に文鳥の話はお気に入り。

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    2025年08月07日
  • なんどでも生まれる

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    今までの著作は暗い雰囲気が多かったけど、本作はかなり明るい印象を受ける
    描くテーマは似ているように思うけど描き方が変わるだけで見え方が変わるんだな

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    2025年08月06日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

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    同じトリックが先に明かされているというアンソロジー。今までに読んだことのないパターンで面白かった。
    同じトリックを使っていても、書き手によってこうも変わるのかと。
    初読みの島田荘司さん「ただひとりのサンタクロース」が一番好みだった。

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    2025年08月03日
  • 骨を彩る

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    なんとなく繋がっている短編集。

    あまり好みのストーリーではなかったので、読むのに時間かかりましたが、まぁ日常でありそうな話。
    しいていえば最終話が良かったです。

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    2025年07月25日
  • 嵐をこえて会いに行く

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    北海道、東北を題材にした短編作品。全てコロナ以前に行った事のある街並みですので、小説の内容云々というよりは美味しかった食べ物や景色を堪能している感覚になり、まるで旅をしているかのような気持ちになりました。

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    2025年07月11日
  • 嵐をこえて会いに行く

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    色々な「嵐」を越えて会いに行く。コロナ禍のことはなんだかもう懐かしい。ああ、人となかなか会えなかったなあ…と。最初の土方歳三にハマった女性と、次の海と鳥居の話が良かったです。

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    2025年07月09日
  • 嵐をこえて会いに行く

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    コロナ禍で会いたい人に会いに行く短編集。
    「ひとひらの羽」の二人の関係が羨ましい。
    「自分でものを考えて、自分の羽で飛ぶ方向を選んでいて、かっこいい」って言える相手にめぐり逢いたい。
    「あたたかな地層」に出てくるブックカフェがステキ!
    「読書って内容に没入するまで、読み手に集中力を要求するじゃないですか。音楽や動画は受けて側がなにもしなくても、なんなら町を歩いているだけでも、目や耳に飛び込んでいけるけど。読み始めがスムーズにいけば、読書には読書だけの強みや快楽があるので」読み始めの集中力が守られる場所でじっくり読書したい。

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    2025年07月09日
  • 偏愛小説集 あなたを奪うの。

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    とても豪華な作家さんたちのアンソロジー。
    そして話の内容は『略奪愛』
    こういうお話、大好きです…!!!

    アンソロジーの中でも
    彩瀬まるさんの「かわいいごっこ」は
    特に好みでした!
    出てくる文鳥がとても可愛い…。

    とてもドキドキしながら読めました!

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    2025年07月09日
  • 嵐をこえて会いに行く

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    久しぶりの綾瀬まるさん。良かった!
    コロナ禍の緊急事態宣言を経て、移動ができるようになり、会いたい人に、会いにいく。
    この夏に東北新幹線に乗る予定があったのでタイムリー。
    新函館北斗を出発して、短編ごとに遠くなっていく。
    **の神社、行ってみたいんだよなぁ。
    五稜郭タワーのエレベーターの星、確認しなきゃ。

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    2025年07月06日