彩瀬まるのレビュー一覧
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姉妹の対比が良かった。どちらも真面目なのだけれど気付かないうちに間違っている。それは誰にでもあることだなと共感しました。文章もとても読みやすかったです。Posted by ブクログ
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ありふれた雑居ビルで繰り広げられる
日常のどうにもならない理不尽なこと、
大きな怒りや悲しみを抱えた登場人物5人が
様々な出来事や出会いを通じて
生きる姿勢を少しだけ変えることで、
今までの日々を時間をかけて許し、
付き合っていこうと前を向く。
それまでの憎んだ相手や、苦しみもがいた自分自身が、
手...続きを読むPosted by ブクログ -
どんな時も「みっともない女になるな」という母の"正しさ"が呪縛のように付き纏う28歳実家暮らしの女性が
恋をして初めて母に抗って、だけど結局何が正しいのか分からなくて悩んだり、間違えたり、それでも日々を生きていく物語。
日常的で、生々しくて、それでいて根暗な内容だけど一応 恋愛もの。好きです。
自...続きを読むPosted by ブクログ -
食べることは生きること。自分や大切な人のために美味しいと感じられる料理を作りたい、美味しいものを誰かと楽しくいただきたい、そんな時間を大切にしたいと改めて思わせてもらえる本でした。Posted by ブクログ
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なんとなく読みやすいかな?と言うだけで手に取った一冊。何も期待していなかっただけに予想以上に面白かったし、気持ちが前向きになれた。
短編でサクサク読める。ひとつのネットの書き込みをめぐってのそれぞれの見方が面白い。どれもわかる点はある。どの主人公、どのストーリーも好きだった。Posted by ブクログ -
食をキーにした短編集。著者は、女性の心の揺らぎ、シスターフット系の作品に長けている。
ふと道を外しジャンクなピザの味に恍惚としたことで、逆にメンタルを病んだ夫を理解し包摂できるようになる「ミックスミックスピザ」子を亡くした友人を引き取って食を与え続け自らの喜びを知る「シュークリームタワーで待ち合わせ...続きを読むPosted by ブクログ -
私とよく似た人がたくさん出てきた気がする。てことはどの人も普通の平凡な人たちなんだろう。どっか満たされない部分とか、どうしても埋められない隙間を、なんとかしようとする食事。食べることは生きることだってことなんだろうな。ポタージュスープの話は「夢オチかよ!」なんて全く思わなかったばかりか、なんだこの話...続きを読むPosted by ブクログ
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タイトルが本の内容をぎゅっと凝縮していて秀逸。
どんなに難しい状況にいても、食べずには生きていけない。
どの話にも苦い現実があり、けれどそれを包むようなひたむきさや、優しさがあり、じんわりあたたまった。Posted by ブクログ -
【2024年8冊目】
めちゃくちゃ好みの作品でした。
最初は毒親から逃れる話かと思ったんですよ。全然そうじゃなかった。主人公が一人の人間として、生きる話でした。
28歳で実家暮らしであることに引け目を感じていたものの、兄から子が生まれることをきっかけに、実家に戻ろうと思っている連絡を受け、一人暮...続きを読むPosted by ブクログ -
P35
「嫌われることが一番こわかったけど、今は、自分の事を自分で決められなくなることの方がずっと怖い。本当にそう、思います。」
P81
「それでも俺は、これを、かなしい食べ物だって思う。だからいつか灯がどん底だけを信じるんでなく、他の、もっと幸せなものに確かさを感じて、このパンを食わずにやってい...続きを読むPosted by ブクログ