彩瀬まるのレビュー一覧

  • 暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―(新潮文庫)

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    衝撃を受けた。東日本大震災の時はまだぼけっとしてたので起きたときのことは知ってても空気感までは知らなかった。原発の事故があったから窓も開けられないし、野菜も食べるのに躊躇するし、車で県外に行けば汚染車と落書きされるというのも知らなかった。放射線物質が漏れたかもしれないというのは怖かっただろうし、パニックになるかもしれないから情報が統制されたのも驚き。日本中がパニックになる中で差別とか偏見もあったのも、仕方ないけど残酷だと思った。でも福島の人たちが暖かくて、旅行中に被災した筆者を色んな人が手を差し伸べていて、自分たちのことでいっぱいいっぱいのはずなのに優しいなと思った。この震災で沢山の人が亡くな

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    2026年07月26日
  • 嵐をこえて会いに行く

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    馴染みある東北の景色の中に、コロナや震災のあとで様々葛藤を抱えながら懸命に生活する人たちを描いている作品。読書がひとつのテーマである「あたたかな地層」で盛岡の珈琲について挙げていてほっこりした。「結局その人が去ったあとには残るのは、他者に渡せた幸福だけなのかもしれない。」特別な時間だとは思っていなかった瞬間が幸福であったことを、大人になったいましみじみと実感する。

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    2026年07月22日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

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    小さい頃からの母の教えや、家庭環境で知らず知らずに埋め込まれた考え方にいつの間にか捕らえられてしまう。振り払って一歩踏み出したり、反発してみたりしても、これでよかったのかと逃れられない何かがある。かわいそうなんかじゃない、みっともなくてもいい、自由に自分を解き放てたらいいのはわかってるけどそう簡単にはいかない。でも少しすつでも、うまく伝えられなくても周りの人に自分をだしていった主人公。そのことで恋人や家族と少し歩み寄れた気がする。

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    2026年07月09日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    ネタバレ

    彩瀬まるさんの作品は2冊目。
    一つずつの作品が手でつながっている。
    ほっこりする作品。
    最近、青山美智子さんの作品を読んでいるせいで、こういう話を連続で読んでいる。
    色んな人が実はつながっているという感覚が好きです。
    「マリアを愛する」がまさかの!百合!!!でびっくりした。
    でも、マリアの考え方が好きです。
    自分を押し付けず、相手を苦しめたくないという思いが本当の愛で素敵だった。
    「鮮やかな熱病」は、この年齢でこの考え方で来てしまった方がこんなに簡単に買われるのはちょっとリアリティが薄いかなぁとは思ったけど、自分を偽らずに生きて生きやすくなった時代になったのだなと。

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    2026年07月07日
  • 桜の下で待っている

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    結婚の報告や法事などで東北の故郷へ帰省する人々の短編集。
    家族と不仲だったりして故郷にあまり良いイメージがない場合もあるかもしれないけど、そういうのも全部ひっくるめて温かく包み込んでくれるような小説でした。
    東北の名所が詳細に描かれていて、旅行に行きたくなりました^ ^

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    2026年05月24日
  • みちゆくひと

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    読んでいて苦しくなる場面もあったけれど、読めて本当に良かった。

    そして、染谷悠子さんの装画が、なんて懐の深い素晴らしい絵なのだろうと思った。
    この作品にぴったりだった。

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    2026年05月23日
  • やがて海へと届く

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    あの日を境に帰らぬ人となった親友__
    あなたを忘れることは許されないよね?
    人は突然死ぬ、その人が抜けた穴はいつしか埋まり、世界は何事もなく回り続ける。ように見えるだけで、死者が残したものに生者は影響を受け続ける。
    "忘れてはいけないのは当たり前"それに対するまっすぐな意見にはっとさせられた。そして、彩瀬さんの叙情的な描写がとても好きです。

    この本を読んだことで、災害を体験していない私が分かり得なかった部分に少し触れることが出来た気がした。でも、それはほんの一部であるということ。

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    2026年04月29日
  • さいはての家

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    ネタバレ

    「もうすでにこの番号は通じないかもしれない。許されないかもしれない。理解など、到底されないかもしれない。
    ただ、俺はそういう風にしか生きられなかった。それが他人にどう見えても、俺は、俺だけは、自分が生きることの味方をして、世界と交渉しなければならない」

    大好きな作家の短編集(短編集が基本多いか)

    逃げ出した人たちが生きつく平屋での話
    どの話も好きだったけど最後の話が一番好きだった。
    妻も子供も愛しているけれど、子供の面倒を妻に押し付けてばっかりってわかっていても、どうしてもあの平屋に帰りたい。多分、自分が結婚したり、子供を持ったりすると持ちうる思いだろうという予感がしたのでとても共感ができ

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    2026年04月23日
  • 新しい星

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    4人がそれぞれ相手のことを思いやっていて優しくて泣けました。自分がどんな状況にあろうが、みんなそれぞれの新しい星で頑張ってるんだっていうこと、自分の大切な人ならば特に、忘れないようにしたいです。

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    2026年04月19日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

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    どれも違う感じで楽しめた!
    神秘の彼女が1番好きかな〜。大叔母のこともよかった。
    最後のやつはクレセント錠のトリック使ってる?分かんなかった。話は良かった。

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    2026年04月15日
  • くちなし

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    本好きな人におすすめしてもらった作品。
    面白くて読む手が止められなかった。それぞれの物語の続きが気になるほど面白い。特に良かったのはって決められるわけない。全部好きです。大切にします。解説の千早先生のところも良かったです。

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    2026年04月13日
  • 森があふれる

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    作家の妻が発芽した。木に葉に実に。一軒家から街中の思わぬところまで根を張る森になる。

    SFを感じる衝撃的な始まりで、着いて行けるか分からないまま読み進めた。

    埜渡夫妻の出来事を発端に、彼らを取り巻いている人々の夫婦問題を浮き彫りにしていくお話。
    夫達は何気なくしている行動から妻達の不満が大爆発する過程を丁寧に描かれていると思う。

    例えば担当編集である瀬木口は埜渡に対して軽蔑のような感情を持ったように語っているが、当の瀬木口も自身の夫婦問題に目を向けず挙句仕事帰りに牛丼を食べに行くかのように女を買うという。
    当然、仕事に育児にと試行錯誤して夫を支えようと耐えてきた妻が唐突にこれまでの不満を

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    2026年04月03日
  • まだ温かい鍋を抱いておやすみ

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    彩瀬まる氏2冊め。
    近頃のトレンドと言えるグルメ系小説とは一味違う。タイトルに込められた”まだ温かい”の意味が読み終わるごとにじんわりと分かる気がする。
    人々の思う温かさの違いが表現されている。

    全般に共通しているのが、本人にはどうにもできない/取り返しがつかない所まできてしまった事実への向き合い方だと思う。

    特に『シュークリームタワーで待ち合わせ』は綺麗事だけではない友情と愛情の考え方が素晴らしかった。主人公の夜子は確かに歯に着せぬ物言いがすごくて、現実に居たらやんわりと窘めるかもしれない(笑)が、こんな友人がいたらどれだけ心強いか。芯が強くてブレない、彼女の思う「人のため」の考え方が本

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    2026年03月31日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    ネタバレ

    おおん!いいすね!
    始めの話はまあいいか大概
    でも合った
    余計な言葉がないのもいいし、主人公の男の子は可愛くて親しみが持てる
    こうゆう大人に出会いたかったな、私がもうその先生より歳いってるから私は大人の方の立場にならないといけないけど

    うんうん、だいぶおもろいね
    合気道楽しそう…
    「なんなの、あんたはやっぱり変な子だね、お母さんよく分かんないよ、勝手にしなさい、と呆れながら放り出した。思えばこの人は、自分が思う正しさを、理解の出来ない変わり者の娘に一度も押しつけようとしなかった。」
    いいなあ

    読み終えて総合的にめっちゃよかった!
    思いがけずいい作家さん見つけられた

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    2026年03月24日
  • かんむり

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    ネタバレ

    読み始めた時は、学生時代や幼少期を間で語りながらメインでは今=30代くらいの生活を綴っていくのかと思っていたが70代までが綴られていて、ある夫婦、家族の生涯を覗き見した気分になった。
    主人公の光が息子がスイミング教室を嫌になったことを知り、辞めることを許可するが夫は「そんなんじゃ逃げ癖がつく」、「男はスポーツをやっていた方がいい、今でも体育会系は評価されやすいんだ」と言った時、夫が解雇された時、転職した夫が仕事に集中できるように努めた時、ベリーショートにすると褒めてくれはしたものの夫の中に「ベリーショートの私」を受け入れる器がなかった時、、、人に言うとそんなこと?と思われるようなことやテレビで

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    2026年03月13日
  • 朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)

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    美しさを欲すること
    いや、美は欲望から始まる
    欲することから美は生まれる

    求めること
    美への渇望
    美を内在したい
    美を自分の身体の一部にしたい
    願わくば、その美を蹂躙したい
    そう思って、そう思ってしまったことに気付いて
    震える

    美について、いろんな触れ方があることに
    稲妻のような衝撃を受けた。
    いつだって実体より幻想の方が美しい。
    そう思うことは悲しいことなのかな。

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    生と死を隔てる境界を越えずに生きられているのは
    とても奇跡なことで、例えばボタンのかけ違えみたいに容易く、アッと思う間に、あちら側へいってしまうかもしれなくて。
    足を踏み外した奈落の底で、その時わたしは誰の名を呼ぶのだ

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    2026年03月08日
  • 骨を彩る

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    心情表現が豊かで、頭の中で映画が上映されているような感覚になった。「やわらかい骨」が特にすき。自分の10代の頃を思い出した。あの頃の、やわらかくて脆かった自分の骨は、今どんな色形をしてるだろうかと考えさせられた。

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    2026年03月05日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

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    割と薄めの文庫だったので2時間程度で読み切れると思っていたんです。
    全然、数日かかりました。彩瀬まる先生の書かれる物語を2時間程度で味わいきれるわけがなかったですね。
    もう言葉の節々に苦味と旨みが滲み出ていて、意味を考えながら読んでいたので時間がかかりました。彩瀬まる先生の心理描写が大好きです。
    梨枝が幸せになってくれるのか、いやでもこの場合幸せの定義ってなんだろう、とかぐるぐる考えちゃって、心に深く刺さって抜けなくて、他人事とは思えないお話でした。
    愛情って何なのでしょう、思いやりって何なのでしょう。
    皆さんも1度読んでぐるぐる考えてみてください。
    私にとって楔のような1冊になりました。

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    2026年03月04日
  • 新しい星

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    久しぶりに小説を読んでいて涙が出ました。
    優しくない世界の中、適切な距離感を保ち、暖かい関係を築く4人を読むことが出来て良かったです。
    彩瀬まるさんの関係の描き方、やっぱり大好きだなぁと実感でき、弱っているときでも読める、良い小説でした。

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    2026年02月26日
  • なんどでも生まれる

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    泣けてしまう。
    少しずつ大事に読み終えました。
    まずカバーの鳥達が可愛くて読んでみたいと思い。
    主人公はチャボそれから他の鳥達も登場するので鳥の事もスマホで調べながら読み進める楽しみがありました。
    チャボの桜さんと体調を崩してしまった飼い主茂さんとのお話です。
    人は何度でもやり直せるとか、弱っている時に本当にして欲しい事、過去の不幸と今の幸せ、これからの選択があっているのか間違っているのか、チャボの桜さんが答えを教えてくれます。
    話はチャボの桜さんが茂さんを助けてくれる人間を探しています。けど茂さんだけではなくて茂さん以外の登場人物も鳥達もそうとは知らずに助けてあげています。そして読者もです。

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    2026年02月08日