彩瀬まるのレビュー一覧

  • 神様のケーキを頬ばるまで

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    ネタバレ

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    蓋をしていた汚い感情がすべて露呈した気分。

    一度は思ったことがある劣等感とか人に合わせて正解の相槌をすることとか、見たくないものは見ないとことか、どうしようもない才能に嫉妬することとか、ああわかるわかるってなった。
    それでも最後は、何かしら乗り越えて希望が持てるエンドでよかった。
    それを読んで、わたしもなんか頑張ろうと思った。

    20191229

    「光る背中」がとにかく好きで、何度も何度も読み返している。イケメン商社マンに恋をして、好きになってもらいたいから偽りの自分をつくって。それでも最後に自分をさらけ出して決着をつけた君はえらい。

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    2023年09月27日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    様々な人の視点が読めて、深く共感するもの、全く交わらない他人の感じるものの両方を得た一冊。「マリアを愛する」が一番好きでした。とある元アイドルの非公式MVを思い出した。ずっと余韻に浸っていたい大好きな一冊です。

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    2019年09月26日
  • 暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―(新潮文庫)

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    東日本大震災の時にたまたまその場で居合わせ、放射能の恐怖や周りの方々の親切に触れた著者だから書けた本。被災地の外に戻ったり、どうしても被災地の野菜が食べれない著者の告白など。忘れてはいけないことを記してある本だと思う。

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    2019年09月08日
  • 暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―(新潮文庫)

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    東日本大震災を経験した著者のルポルタージュ。どれも著者にしか記さない記憶と体験の数々であり、わたしのような外の人間にとても突き刺さる内容でした。自分の当時、そして今日に至るまでの行動と認識をいまさら振り返りました。胸が苦しくて悲しくて切なくてずっと眉間にしわを寄せていました。でも読んでよかったです。言葉が鋭くて、やさしくて、あたたかくて、冷たくて、彩瀬さんらしかったです。解説にあったように、さらにその先を読んでみたいと思いました。

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    2019年04月30日
  • 暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―(新潮文庫)

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    綾瀬まるさんデビュー前初めての作品がルポルタージュとは驚きました。
    たまたま震災にあって書く決心がついたなぁと思いました。
    実際にあった時の真に迫る迫力ある文章はすごかったです。
    後日、助けていただいた方々の訪問ルポもあり、作家さんが書いた震災関連の本としてぜひとも読んでいただきたい一冊です。

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    2019年04月24日
  • 暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―(新潮文庫)

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    数行読むごとに胸が締め付けられる。
    目頭が熱くなる。
    鼻の奥がツンとする。

    .
    私はこの時、地震にさえ気づかずに、電気屋でのアルバイト。
    ちょうどテレビ売り場のテレビが十数台立ち並ぶ裏側で1人梱包作業をしていて、いつもはいろんなチャンネルで混ざり合った騒音がやけにクリアだなぁ〜とか思ってた。
    売り場に出ると、テレビは一斉に臨時速報を流していて、すべてのテレビが同じ画面で、いつもは色とりどりなのに全画面が濁った灰色一色。それから状況はさらに悪化していっても画面はずっと灰色だったな。
    .
    被災もしていない、原爆の恐怖も感じなかったけど、あの日の事は忘れられないし、大きな地震が来そうな土地に住ん

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    2019年04月02日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

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    窓やドアのつまみに糸を引っかけて、外から引き鍵をかける-単純で使い回されたミステリーのお約束のトリック。では、このトリックを使うと宣言してしまうのは?
    5人の作家が同じトリックを使い、まったく別の物語を作り出す。

    物語の中にはたくさんの密室トリックがあふれているけれど、現実の事件ではまず存在しない。手間がかかるし、成功する可能性も高くないだろう。読みながらそう思うことも多々あるし。
    それを逆手に取った『似鳥鶏』の『このトリックの問題点』を始め、それぞれひねりが効いていて、とても面白かった。
    一番気に入ったのが、突如部屋に出現した金の仏像と正体不明の彼女『彩瀬まる』の『神秘の彼女』。男子大学寮

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    2019年01月22日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    ネタバレ

    連作短編のお手本のような見事な1冊。伏線回収がばっちり決まって心がすっとする。物語事態を感動する部分と別のところで、「1本とられた」的清々しさをしっかり味あわせてくれる。

    ミステリーではない(そういう要素を含んだ作品もあるが)ので、伏線回収だけが上手く行っても仕方ないわけであるが、そこはそこ、1つ1つの収録作品の出来も良い。イケメンに生まれた葛藤を書く話、死んでしまった短編映画のヒロインとの葛藤を描く話、ド真面目おじさんのちょっとした再生話…。俺は特に合気道にのめり込む女性の話が好き。

    合気道にはまるという設定もいいし、そこに「女性」であることを少し疑問視する主人公をたてるのもいい。合気道

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    2018年04月23日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    ネタバレ

    彩瀬マジックにすっかりやられた。
    彩瀬さんの静かに流れるような文章に心をぎゅっと掴まれた。

    真夜中のネット掲示板上で繋がる連作短編集。
    世の中はなんて儘ならないことが多いのだろう。
    顔や性別、年齢等、思い通りにいかずジタバタする主人公達の短編一つ一つに共感して切なくなる。
    誰しも人には言えないジレンマを心の奥に潜めながら吐き出すことも出来ずにいる。
    けれどそんな自分を受け止めてくれる味方はきっといる。
    人を信じる…底知れぬパワーを貰えた。
    人知れず思い悩んで眠れない夜は、重たい鎧を脱いで素の自分をさらけ出していけたらいいな…。

    彩瀬さんの短編の繋げ方が見事で最後に唸ってしまう。
    読み終えた

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    2018年04月10日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    自分という生き物とうまく付き合えなくて、自分でいることに窮屈さを覚える。
    どうして自分はこんな風にしか生きられないのだろう。という自己嫌悪に陥った経験を持つ人は、持たない人よりも多く存在すると思う。
    別の誰かになることは叶わない。それならばこの自分という厄介な生き物と、どう付き合っていけばいいのか。
    そういった想いを抱えた登場人物たちが織り成す、5つの短編集。

    美しい容姿に生まれたことを窮屈に感じている男子高校生や、女性という性に少なからず違和感を抱えながら生きてきた中年女性など、自分のコンプレックスが何であるかをはっきり認識している主人公もいれば、真面目すぎて物事をまっすぐに決め付けてしま

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    2018年01月08日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    ネタバレ

    【あらすじ】
    この路地を曲がれば、そこはもう、すこし不思議な世界の入口―。ひとつの架空の商店街を舞台に、七人の人気作家がお店を開店し、短編を紡ぐほっこりおいしいアンソロジー。商店街のマスコット「招きうさぎ」がなつかしくあたたかな物語へと誘います。

    【感想】

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    2017年08月07日
  • みちゆくひと

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    死後の世界が本当にあって、現世での思い残しがこんな風に消化されていったらいいなと思いながら読んだ。
    その世界で死者が乗っている夜行。私の頭の中では、「銀河鉄道の夜」のイメージ。死後の世界だけど、怖さがなくて穏やかで…
    亡くなった母の日記が、死後も書き綴られていること。そして、現世と死後の世界が交互に描かれていることでちょっと混乱したけど、気がつけばその世界観に浸っていた。
    少し不安定な内容の中で、私は泰良の存在がすごく好きだった。どんな時も冷静で優しくて、押し付けがましいところもなくて。いいアクセントになっていたと思う。

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    2025年12月12日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    ネタバレ

    何故か分からないけど私はこの人の書く物語が好きなんだな。登場人物にイラッとしたり読んでてモヤモヤしたりするのは、多分どの人も私に似てるとこがあって、なんとなく気持ちが分かるからなんだろうか。まるで当たり前のように突然不思議な世界を描かれてもなんの違和感も感じないのは、好きだからなんだろう。幽霊とか笑なんて全く思わず、美しい世界だとしみじみ思った。

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    2025年12月11日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

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    感想が難しい。何を書いたらいいかな。
    その人によって正解はそれぞれで、考え方も人それぞれ。だからこそ分かり合うのは難しいし、相手の考えに対してどこまで許容できるかが重要なのかな。
    例えば、弱ってる時に優しくしてもらえたら嬉しい人もいるし、そんな時に優しくしてもらったら同情しないで欲しいって思う人もいるわけで。
    本当にその人のためを思ってした行動ならいいことなの?それは独りよがりではないの?でもその基準って誰が決めるの?

    いろいろ考えたけどまだ頭の中がまとまってないな。もう少し考えて頭を整理したい。
    でも前向きな終わり方でよかったなあ。

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    2025年12月06日
  • みちゆくひと

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    永遠に読んでたくなるようなお話でした

    彩瀬まるさんの不思議な世界観が大好き
    想像してる描写が自然と綺麗なものになる

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    2025年12月05日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

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    ネタバレ

    みんな大なり小なり闇を抱えて生きている。
    その闇がコンプレックスやトラウマであると同時に
    生き方の一部になっていることに気づいたとき、どう行動するのか。

    梨枝と三葉の関係は続いて欲しいと願いつつも、だんだん壊れていって
    「好きだけど適切な距離感に戻ろう」みたいな展開になりそうだなと思っていたけど
    自分たちで行動してやり直すことになってよかった。

    母との関係に悩んでいた時期もあったし
    今でも腹が立つことは多いけれど
    母娘の関係がテーマの小説がたくさんあって
    それぞれ細かい種類は全く違うけれど、割とポピュラーな悩みなんだなと気付いて楽になった。

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    2025年12月04日
  • なんどでも生まれる

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    2025.12.3
    主人公はチャボの桜さん。
    桜さんのように茂さんを大切に思っていて、色んなことを考えて伝えようとしてくれる相棒がいるっていいな。気持ちを伝えられないのが勿体無い。
    鳥同士の会話も可愛くてほっこり。
    出てくる人間もみんな優しい。

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    2025年12月03日
  • みちゆくひと

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    私は死後の世界を知らない。
    けれど、この小説で描かれている世界がどこかに存在すると思いたい。
    死んでもなお、自分の生きてきた道を振り返り、心の奥底に固く閉ざしたものと向き合い、誰かのために、そして自分のために、心のあり方を変え続ける時間が訪れる世界。
    しがらみや悔いや妬みや戸惑いやその他にもある様々な感情。
    生きてる間はそれらが複雑に絡み合い、けれど向き合うと日常生活をうまく過ごせないから、すぐにその存在に蓋をしてしまう。
    それを納得した上で昇華させる事が出来るなら、その時間は尊いと思う。
    そして、昇華するには何かが必要で、それは誰か他者との関わりなんだろう。
    よくご縁があって、というけれど、

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    2025年11月30日
  • みちゆくひと

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    不思議な小説だった。続きが気になるけど、面白くてとも違って、このあとどうなるのか知りたいような知りたくないような。世界観を信じたいような信じたくないような。ずーっと不思議だったな。

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    2025年11月22日
  • 桜の下で待っている

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    桜の季節に東北新幹線で向かう、郡山、仙台、石巻
    そしてその乗客を見守る車内販売員
    帰省に伴うネガティブな感情も含め、日本人が持つふるさとへの思いをそっと暖めてくれるような、繊細なお話でした

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    2025年11月18日