彩瀬まるのレビュー一覧

  • 暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―(新潮文庫)

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    彩瀬まるさんのご本を読むのは初めて。
    3.11が近づいて来たので、ずっと気になってたこちらを読んでみた。

    三章からなる構成。
    福島の一人旅中に常磐線であの地震に遭遇。
    たまたま隣に座っていた女性と津波が迫る中逃げるところから始まる。

    一章では、あの震災に遭いながらも励まし合い助け合う人々に救われる様子が描かれていて、自然と涙が出て来てしまった。

    みんな優しい。
    本当に優しい。

    自然災害と今の世界を揺るがす疫病とは話が違うかもだけど、今買い占めとか転売とかで揉めてるのが本当に馬鹿らしくなってしまう。

    でも、二章からはやっぱり人間のどうしようもない面も描かれていて…。
    愚かだし、悲しいな

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    2020年03月11日
  • 妖し

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    あまり「妖し」じゃなかったんですが
    一番良かったのは
    窪美澄先生の 「真珠星 スピカ」
    死んだ母親が娘を こっくりさんを使って
    守る話で 愛情に不意打ちされて
    かなり泣けました さすが

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    2020年03月09日
  • 朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)

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    一言でこの小説を表すとすれば、哀しいホラー短編集だと、私は思う。
    全6編のうち3編は死というものが前提にあって、残りの3編にもどことなく死の匂いのようなものが漂っている。
    怖い中にも湿り気や情緒があって、とても日本人好みの内容だと思う。死者の念や想いの強さが、鬼や奇鳥や地縛霊に姿を変えてこの世に取り憑く。そこには人の哀しみが溢れている。

    ホラー要素はほとんどない一編「眼が開くとき」がとてもエロティックで良かった。いらやしい要素や直接的な表現は全くないのだけど、とてもエロティック。だけどある意味でとても恐ろしい物語でもある。
    憧れや恋心は片目瞑って相手を見ているくらいがちょうど良く長続きもする

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    2020年02月06日
  • 神様のケーキを頬ばるまで

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    ネタバレ

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    蓋をしていた汚い感情がすべて露呈した気分。

    一度は思ったことがある劣等感とか人に合わせて正解の相槌をすることとか、見たくないものは見ないとことか、どうしようもない才能に嫉妬することとか、ああわかるわかるってなった。
    それでも最後は、何かしら乗り越えて希望が持てるエンドでよかった。
    それを読んで、わたしもなんか頑張ろうと思った。

    20191229

    「光る背中」がとにかく好きで、何度も何度も読み返している。イケメン商社マンに恋をして、好きになってもらいたいから偽りの自分をつくって。それでも最後に自分をさらけ出して決着をつけた君はえらい。

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    2023年09月27日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    様々な人の視点が読めて、深く共感するもの、全く交わらない他人の感じるものの両方を得た一冊。「マリアを愛する」が一番好きでした。とある元アイドルの非公式MVを思い出した。ずっと余韻に浸っていたい大好きな一冊です。

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    2019年09月26日
  • 暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―(新潮文庫)

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    東日本大震災の時にたまたまその場で居合わせ、放射能の恐怖や周りの方々の親切に触れた著者だから書けた本。被災地の外に戻ったり、どうしても被災地の野菜が食べれない著者の告白など。忘れてはいけないことを記してある本だと思う。

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    2019年09月08日
  • 暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―(新潮文庫)

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    東日本大震災を経験した著者のルポルタージュ。どれも著者にしか記さない記憶と体験の数々であり、わたしのような外の人間にとても突き刺さる内容でした。自分の当時、そして今日に至るまでの行動と認識をいまさら振り返りました。胸が苦しくて悲しくて切なくてずっと眉間にしわを寄せていました。でも読んでよかったです。言葉が鋭くて、やさしくて、あたたかくて、冷たくて、彩瀬さんらしかったです。解説にあったように、さらにその先を読んでみたいと思いました。

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    2019年04月30日
  • 暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―(新潮文庫)

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    綾瀬まるさんデビュー前初めての作品がルポルタージュとは驚きました。
    たまたま震災にあって書く決心がついたなぁと思いました。
    実際にあった時の真に迫る迫力ある文章はすごかったです。
    後日、助けていただいた方々の訪問ルポもあり、作家さんが書いた震災関連の本としてぜひとも読んでいただきたい一冊です。

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    2019年04月24日
  • 暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―(新潮文庫)

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    数行読むごとに胸が締め付けられる。
    目頭が熱くなる。
    鼻の奥がツンとする。

    .
    私はこの時、地震にさえ気づかずに、電気屋でのアルバイト。
    ちょうどテレビ売り場のテレビが十数台立ち並ぶ裏側で1人梱包作業をしていて、いつもはいろんなチャンネルで混ざり合った騒音がやけにクリアだなぁ〜とか思ってた。
    売り場に出ると、テレビは一斉に臨時速報を流していて、すべてのテレビが同じ画面で、いつもは色とりどりなのに全画面が濁った灰色一色。それから状況はさらに悪化していっても画面はずっと灰色だったな。
    .
    被災もしていない、原爆の恐怖も感じなかったけど、あの日の事は忘れられないし、大きな地震が来そうな土地に住ん

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    2019年04月02日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

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    窓やドアのつまみに糸を引っかけて、外から引き鍵をかける-単純で使い回されたミステリーのお約束のトリック。では、このトリックを使うと宣言してしまうのは?
    5人の作家が同じトリックを使い、まったく別の物語を作り出す。

    物語の中にはたくさんの密室トリックがあふれているけれど、現実の事件ではまず存在しない。手間がかかるし、成功する可能性も高くないだろう。読みながらそう思うことも多々あるし。
    それを逆手に取った『似鳥鶏』の『このトリックの問題点』を始め、それぞれひねりが効いていて、とても面白かった。
    一番気に入ったのが、突如部屋に出現した金の仏像と正体不明の彼女『彩瀬まる』の『神秘の彼女』。男子大学寮

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    2019年01月22日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    ネタバレ

    連作短編のお手本のような見事な1冊。伏線回収がばっちり決まって心がすっとする。物語事態を感動する部分と別のところで、「1本とられた」的清々しさをしっかり味あわせてくれる。

    ミステリーではない(そういう要素を含んだ作品もあるが)ので、伏線回収だけが上手く行っても仕方ないわけであるが、そこはそこ、1つ1つの収録作品の出来も良い。イケメンに生まれた葛藤を書く話、死んでしまった短編映画のヒロインとの葛藤を描く話、ド真面目おじさんのちょっとした再生話…。俺は特に合気道にのめり込む女性の話が好き。

    合気道にはまるという設定もいいし、そこに「女性」であることを少し疑問視する主人公をたてるのもいい。合気道

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    2018年04月23日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    ネタバレ

    彩瀬マジックにすっかりやられた。
    彩瀬さんの静かに流れるような文章に心をぎゅっと掴まれた。

    真夜中のネット掲示板上で繋がる連作短編集。
    世の中はなんて儘ならないことが多いのだろう。
    顔や性別、年齢等、思い通りにいかずジタバタする主人公達の短編一つ一つに共感して切なくなる。
    誰しも人には言えないジレンマを心の奥に潜めながら吐き出すことも出来ずにいる。
    けれどそんな自分を受け止めてくれる味方はきっといる。
    人を信じる…底知れぬパワーを貰えた。
    人知れず思い悩んで眠れない夜は、重たい鎧を脱いで素の自分をさらけ出していけたらいいな…。

    彩瀬さんの短編の繋げ方が見事で最後に唸ってしまう。
    読み終えた

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    2018年04月10日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    自分という生き物とうまく付き合えなくて、自分でいることに窮屈さを覚える。
    どうして自分はこんな風にしか生きられないのだろう。という自己嫌悪に陥った経験を持つ人は、持たない人よりも多く存在すると思う。
    別の誰かになることは叶わない。それならばこの自分という厄介な生き物と、どう付き合っていけばいいのか。
    そういった想いを抱えた登場人物たちが織り成す、5つの短編集。

    美しい容姿に生まれたことを窮屈に感じている男子高校生や、女性という性に少なからず違和感を抱えながら生きてきた中年女性など、自分のコンプレックスが何であるかをはっきり認識している主人公もいれば、真面目すぎて物事をまっすぐに決め付けてしま

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    2018年01月08日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    ネタバレ

    【あらすじ】
    この路地を曲がれば、そこはもう、すこし不思議な世界の入口―。ひとつの架空の商店街を舞台に、七人の人気作家がお店を開店し、短編を紡ぐほっこりおいしいアンソロジー。商店街のマスコット「招きうさぎ」がなつかしくあたたかな物語へと誘います。

    【感想】

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    2017年08月07日
  • 嵐をこえて会いに行く

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    東北新幹線、コロナ、地震を基軸にした短編集…になるのか。ファンタジーであったりものすごく現実的であったり、テイストの全然違う話がどれも面白かった。なんだかもうはるか昔の話のように思えるけど、体験した当事者には当たり前だけど身近な話なんだろうな。

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    2026年01月17日
  • かんむり

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    私は結婚も子供がいる生活も経験したことがないけど、世の中の夫婦達の関係性や悩み、子育問題等の描写がリアル過ぎて想像できてしまう。
    読みながら登場人物の夫婦関係が危うくなる度に胸が苦しくなりハラハラしたり、かと思えばお互い寄り添って軌道修正しほっとする。これこそが夫婦なんだなと、色んな感情になりながらもそう感じることができた。
    と同時に、付き合った当初の初々しい関係や数年経った後のギスギスした関係もしっかり刻んであり凄く素敵な作品だなと思った。
    私もいつか家庭を持つ事ができたら、この作品を思い出し読み返したりしながら、大事にしていきたいと思った。

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    2026年01月15日
  • なんどでも生まれる

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    ほのぼのとした雰囲気で楽しく読み進められて気が付けば一気に読み終えていました。なんとも心が温かくなるお話です。

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    2026年01月12日
  • 神様のケーキを頬ばるまで

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    すごい人は出てこなくて、それぞれ苦しさを抱えながらも、少しずつ前に進んでいこうとするところがいいなあと思った。
    人からは平坦な人生かもしれないけど誰もがそれなりにいろんなことあるよね。それを何とかしながら生きていくんだよね。

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    2026年01月10日
  • かんむり

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    夫婦それぞれ、いい人な面と嫌な人な面が自然に描かれてて、人間の複雑さが少し苦しかった。
    あと、肉体の表現が好き。性愛ばっかが愛じゃないけど、血と肉を感じる愛も悪くないなって思えた。

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    2026年01月07日
  • みちゆくひと

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    『くちなし』や『森があふれる』を思い出すような彩瀬さんワールド全開のお話だった。とにかく言葉一つ一つがきれいで、じっくりと咀嚼しながら読み進めていく時間がとても幸福だった。
    亡くなった母の日記を見つけた燈子は、母亡き後も文章が綴られていくのに気付く。物語は亡くなった母の死後の世界と、燈子が暮らす現実世界の双方を行き来する少しスピリチュアルな内容となっている。死者は「夜行」という行列に参加することでいずれ成仏する仕組みがあり、燈子の母の晶枝も最初はこの夜行に参加するのだが、彼女は過去に交通事故で亡くした息子の照之の死に対してずっと罪悪感を抱えており、死後の世界においてもその罪悪感に苛まれてなかな

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    2026年01月04日