彩瀬まるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【2024年8冊目】
めちゃくちゃ好みの作品でした。
最初は毒親から逃れる話かと思ったんですよ。全然そうじゃなかった。主人公が一人の人間として、生きる話でした。
28歳で実家暮らしであることに引け目を感じていたものの、兄から子が生まれることをきっかけに、実家に戻ろうと思っている連絡を受け、一人暮らしを決意する主人公。ずっと片親であった母親の呪縛みたいなものがあったのですが、そこから解き放たれたわけです。
途中までは母親のことを毒親として認識してましたが、母親も母親で子どもに「かわいそう」と認識される存在であることに気づき、互いにめちゃくちゃ辛いじゃんと思って心臓握りつぶされるかと思いまし -
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ネタバレP35
「嫌われることが一番こわかったけど、今は、自分の事を自分で決められなくなることの方がずっと怖い。本当にそう、思います。」
P81
「それでも俺は、これを、かなしい食べ物だって思う。だからいつか灯がどん底だけを信じるんでなく、他の、もっと幸せなものに確かさを感じて、このパンを食わずにやっていける日がくればいいって願うよ。」
透くん、ナイスやん。
P124
「夜泣きした下の子を抱っこで寝かせてたら、ヤキモチ焼いた上の子がぐずって起きて、それから二人とも全然寝ないんだけどなんだろうこの地獄」
クスッと笑ってしまった。あるある!そんな地獄。
P176
「正しいとか、誤解とか、そういう -
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人に薦められて、彩瀬さん初読み。
第158回と第166回の2回直木賞候補になったというが、この短編集に関しては独特の世界観があって、どちらかというと芥川賞っぽいな、と。
「ベストアルバム的短編集」ってあまりピンとこない表現だけど、素晴らしい作品をとり揃えた短編集ということなんだろう。
確かに、収録された6編は全編捨て駒なし。息つく間もないほど濃密だ。
最初の2編はジャブ。でもパンチが思いの外重くて焦っていたところ、3編目「マイ・マイマイ」で目にも止まらぬ速さのストレートが飛んできていきなりダウンさせられた。
そのあとは4連続ダウンでもう立てません。
なす術もなくノックアウトです。
とくに -
Posted by ブクログ
とことん利用され人生も何もかも無くしたいちかがNN製薬から雇用されるって 一瞬歓喜してるいちか 直ぐにメールで辞退する場面が草原に立っていると表現する。自分は言われた通りにしただけなのに、何故どうしてと 苦悶して同時に会社を守る=決して見捨てないからって、辛すぎる。にこるも姉の会社に託す気持ちを理解出来ず、裁判でもどうしてのらりくらりするのか、自分の知ってる姉かと苦悶する。仕事のパートナーに気持ちが伝わらず伝えようと行動するのが犯罪とか、しかし貝原はにこるを切ったよねジュエル欲しかった癖にそこで目的達成かよ、調子いい事言ってその気にさせて、困れば会社を押し出すとかふざけるなってこと 終盤の黒川
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【生き続けていたら、いつか、あなたが許せないあなたのなかの怪物を、許してくれる人に会えるから。あなたが誰かの怪物を、許してあげられる日がくるから】
生と死、現と夢、獣や鬼・・・・・・などが交じり合う短編がどれも魅力的で面白かったです。
死んだはずの妻が現れたり、死んだ少女視点だったりと異形や怪異などのホラー要素がありますが、登場人物の誰しもが求める救い。
個人的には【ゆびのいと・よるのふち】が共通点があるストーリー構成・それぞれのキャラたちが迎える結末の違いが印象的で、【眼が開くとき】では青春のほろ苦さ・倒錯的な願望・欲望がたまらなく、【かいぶつの名前】では嘘で塗り固められた少女の切なさや終 -
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ネタバレイチョウの葉が印象的だった。
1話目の指のたよりは夜中に読んだからか、
少しホラーに。夢の中で自分の指も。笑
2話目の古世代のバウムロール
分かる。
嫉妬心とか見栄とか。
他人が羨ましく思う。自分を着飾りたくなる。
3話目のバラバラ
人は1人では生きていけない
お互いの気持ち、自分が思ってもないほど実は相手は思っていてくれてたり。
4話目のハライソ
きっとみんな違う形でも
こーいう息抜きというか本音を出す場所が必要
ただ、そんな中にも気を遣ったり言葉を選んだり
最後のやわらかい骨。
人と違うところ。
心内を打ち明けていく
そして打ち解けていく
心の歪みが解かれていく気がした。
柔ら