彩瀬まるのレビュー一覧

  • 不在

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    短編と思いながら読み進めて、これは長い話になると。サイン会の出だしの言葉がどういう意味なのか、お父さんだったのか。お父さんの死から始まり、あんなに嫌いな実家を譲り受けて、同時進行で作家業が続く。冬馬がめちゃくちゃまともな人間で、2人の愛という名の束縛に、拒否して終わりが来る。情緒不安定と表現したけど元々がそういう人間なんだ。自分の養ってあげてるのを、帰るのも貰うのも全て明日香。施したお礼がかえる時のお腹の中のものが解けるとか、これからもそうやって生きていくんだね。

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    2023年11月14日
  • 骨を彩る

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    やがて海へと帰る。を読んで自分が死んだ事に気付かず歩いて歩いて同じ場所に戻って、また歩いて、歩かなくていいんだよとお婆さんが言ってくれる、顔が菊の花で、その大元が震災で、何度読んでも切なくて、でも切ないと自分とは関係ないと人事みたいに考える浅はかな自分がいる。どんどん記憶が消えて行き最後に歩かなくていいんだよと、救われる、最後に救われた思いです。小春の話が印象的だった、自分から見たら今の子供達は複雑で、逃げる術を持たないと生きれない、小春は自分が変わる事が正しいと知り実際そうした、葵とまた会えるはず

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    2023年11月14日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    手の書き込みサイトがどれでも出てきて気になったのも、最後にちゃんとオチが付く、これもまたいい作り。物語も繋がっているし内なるテーマも繋がるし、いいですね。身体を脱ぎ捨てるという発想と実際にあり得る事と、なるほど頷く。綾瀬まるさんは桜の下で待ってるから読み初めて、地元が舞台で訛りがちゃんとしてて、そこからですね好きになる。震災の時に相馬で電車に乗っていたんだった。やがて海へと帰るが強く残ってて、あの世界観が何回でも読める

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    2023年11月14日
  • くちなし

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    やがて海へと続く。からの、とても不思議な話が続き、文章がとても綺麗で、でもイメージが違うけどと、自分の中で噛み砕く途中で、これがデビュー作なのを気付いた。もう才能の宝庫です高校生に思い付くとか。心の中を表現出来るって凄い。花虫が1番印象を受けたかな。物事を受け入れる人と受け入れない人、でもお互い愛してる。終わり方は哀しみだけだが、夢のある物語だったよ

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    2023年11月14日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

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    出だしと終わりが同じ蜘蛛のこと、文章の作り方が上手いから読むのが止まらない進んでいくんだ。最後は居なくなった柳原さんを疑問を持たずに心配している、これは成長なんだろうな、お母さんの呪縛から逃れて、でも膿のように蔓延っていて、恋人との楽しい日々がだんだんと無くなる様に、物語も下火になるのかなって思いました。けど自問自答して人に言われてるとか自分で決められないとかを悩む心を克服して、前に進むんだ。副店長にハッキリ言えたのが痛快でした。途中に自分が精神的にお母さんにされた事を恋人にしたのが心配だったけど

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    2023年11月14日
  • 草原のサーカス(新潮文庫)

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    とことん利用され人生も何もかも無くしたいちかがNN製薬から雇用されるって 一瞬歓喜してるいちか 直ぐにメールで辞退する場面が草原に立っていると表現する。自分は言われた通りにしただけなのに、何故どうしてと 苦悶して同時に会社を守る=決して見捨てないからって、辛すぎる。にこるも姉の会社に託す気持ちを理解出来ず、裁判でもどうしてのらりくらりするのか、自分の知ってる姉かと苦悶する。仕事のパートナーに気持ちが伝わらず伝えようと行動するのが犯罪とか、しかし貝原はにこるを切ったよねジュエル欲しかった癖にそこで目的達成かよ、調子いい事言ってその気にさせて、困れば会社を押し出すとかふざけるなってこと 終盤の黒川

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    2023年11月14日
  • 骨を彩る

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    彩瀬まるさんの作品が好き。
    以前なにかを読んでから漠然と思っていて、メルカリで5冊セットで購入うちの1冊目を読み終えた。
    大きなストーリーに流される話ではなくて
    手からこぼれ落ちていく日々の生活を、ひとつぶひとつぶ、お椀がたの手で受け止めているような、そんな印象
    短編集だがゆるっと繋がっている私が愛してやまないスタイル
    読み終わってからはじめて気付く、表紙のイラスト
    なにか足りない、ずっと足りないと思っていたわたしを、埋めてくれる

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    2023年11月09日
  • 朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)

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    【生き続けていたら、いつか、あなたが許せないあなたのなかの怪物を、許してくれる人に会えるから。あなたが誰かの怪物を、許してあげられる日がくるから】

    生と死、現と夢、獣や鬼・・・・・・などが交じり合う短編がどれも魅力的で面白かったです。
    死んだはずの妻が現れたり、死んだ少女視点だったりと異形や怪異などのホラー要素がありますが、登場人物の誰しもが求める救い。
    個人的には【ゆびのいと・よるのふち】が共通点があるストーリー構成・それぞれのキャラたちが迎える結末の違いが印象的で、【眼が開くとき】では青春のほろ苦さ・倒錯的な願望・欲望がたまらなく、【かいぶつの名前】では嘘で塗り固められた少女の切なさや終

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    2023年10月19日
  • 花に埋もれる

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    だんだんと不思議な世界が強くなってくる短編集。少し切ない感じ、でも優しく穏やかな気持ちになる。これまで読んだ彩瀬まるさんの本は現実的な話が多かったので、こういう不思議な感じのも読めて嬉しかった。

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    2023年10月19日
  • くちなし

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    ありえないくらいファンタジーで想像力必要とする文章だけど感情の表現の仕方が好きだった、各短編に心に残る言葉があっていい

    茄子とゴーヤと愛のスカートが好きです

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    2023年09月29日
  • 桜の下で待っている

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    ネタバレ

    新幹線に乗る、ことでも
    人それぞれ沢山のドラマがあり
    ふるさとの捉え方もそれぞれで
    面白かったです。

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    2023年09月01日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    ネタバレ

    途中だけど短編集なので、書いてみる。
    「あざが薄れるころ」という短編を読んだ。合気道を始めた中年女性の稽古と日常の話。
    合気道を休日にやっているので、非常に共感できる部分が多く読んでいて内容がすんなり頭に入ってくる文章だった。
    他人との齟齬、感覚のズレを感じる「日常」

    合気道の稽古で味わう限られた人間関係の中での共感や成長の「瞬間」
    が丁寧に描かれていた。
    最後には、課題を乗り越え成長し「日常」を受け止めていた。
    幾つになっても成長と感謝を忘れたくないと思った。

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    2023年08月08日
  • くちなし

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    彩瀬まるさんは初めて読みましたが、とっても面白かったです。今まで聞いたことないような突飛な設定と、それらの受け入れを容易にさせるような文章力に驚かされました。特に好きなのは「花虫」という話です。

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    2023年06月28日
  • 神様のケーキを頬ばるまで

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    どの編の主人公も決して華やかでも綺麗でもなく、非常に人間的で面白い。どの主人公も最後は悩みとかモヤモヤが少し晴れた感じでスッキリする。視野が広がった感じがする。

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    2023年06月14日
  • くちなし

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    有り得ない設定の中に自分の知ってる感情や価値観がまじってて楽しかった。
    私も好きな人の腕欲しい。

    主人公達が無駄に幸せになり過ぎないところが現実味があって良かった。

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    2023年06月07日
  • 骨を彩る

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    ネタバレ

    イチョウの葉が印象的だった。

    1話目の指のたよりは夜中に読んだからか、
    少しホラーに。夢の中で自分の指も。笑

    2話目の古世代のバウムロール
    分かる。
    嫉妬心とか見栄とか。
    他人が羨ましく思う。自分を着飾りたくなる。

    3話目のバラバラ
    人は1人では生きていけない
    お互いの気持ち、自分が思ってもないほど実は相手は思っていてくれてたり。

    4話目のハライソ
    きっとみんな違う形でも
    こーいう息抜きというか本音を出す場所が必要
    ただ、そんな中にも気を遣ったり言葉を選んだり

    最後のやわらかい骨。
    人と違うところ。
    心内を打ち明けていく
    そして打ち解けていく
    心の歪みが解かれていく気がした。

    柔ら

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    2023年05月05日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    容姿、性別 重く永遠の問題のような題材を
    読者を見捨てることなく、
    ゆっくり紐解いていく感じが心地いい。

    私的に悩みなどはない分、素敵な作品として読破。

    登場人物は、、全員にどこか切なさが感じられ
    リアルそのものだった。

    現実世界で生活しているひとの考えや思考を、
    美しく言語化している感じが、心地よい。

    とりあえず、心地よく夜風に浴びながら読みたい一作。

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    2023年04月27日
  • くちなし

    購入済み

    きらきらにユラユラ

    自分の置かれた環境がどんなものであっても
    強い自分を持つ人なら揺らがないだろうけれど、
    こうした話のように、ちょっと官能的で
    きらきらしているものを見てしまって
    自分のしていることに身が入ってないと
    ああ、自分もそうです、愚かだと思います。
    でも、そうです、いつもの自分は
    こんなふうに、揺らいでしまいます。
    ああ、それでは駄目だから、
    しっかり自分の頭で考えようと思います。
    だけど、よろめくのは簡単で
    悩むのは楽だから、つい強い自己を
    持たないまま、ふらふらと、それも楽しいですね。
    こういうお話に浸って、同じように揺らいで
    安易に世の中のせいにしているのは
    判断停

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    2023年03月28日
  • 暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―(新潮文庫)

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    旅行中に被災した著者の体験ノンフィクション。
    本当に描写がリアルで生々しかった。

    「苦しんでいる人、差別を受けた人のイメージにはいつも顔がなく、家族も、収入も、家の匂いも、落書きされた車を洗う指先もなかった。」これ本当にそう思う。結局当事者以外はみんなどっか他人事で、リアルとして想像なんて全くできてないんやろな。
    支えあった地元の人達がみんないい人で泣けた。

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    2023年02月28日
  • さいはての家

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    何となくやだ、何となく違和感、何となく…説明出来ない、言葉に出来ない感情を心に届く言葉で表現してくれる作家さんです。様々な理由から行き着く「さいはての家」そこにあるのは希望?絶望?未来?

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    2023年02月25日