彩瀬まるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昔帯に椎名林檎さんがコメントを寄せていて、気になってはいたが、最近ようやく手に取って読んだ。
読んで改めて考えたこと。「みっともない」とか「かわいそう」ってのは多分、力関係に基づいた感情だ。贈与は暴力になり得る。
「人の目がこわい」というのはそうした感情に絡め取られた結果であって、自分は実感としてよく分かった。
身につまされる話が多くあり好きなのだが、彩瀬先生の「大人観」が出ている気がした。先生は周りの物事に依存せず自立することが大人になることであって、それを経て初めて他者とのパートナーシップを築き得るということなのかなと自分は読んだ。
子供と大人の間には時を重ねただけでは乗り越えられない -
Posted by ブクログ
「なにが、なにか困ったことはある?だ。あんな電話、しなくてよかったのに。職場のことなど考えず,迷惑をまき散らしながら逃げて逃げて、どこかの温泉にでも浸かってくれていた方がよかったのに。そうしたら、きっと探しに行ったのに。
本当だろうか、と熱いコーヒーを口に含んで自問する。死んだ人間相手だからと、非現実的な絵空事のやさしさを掻き集めていないか。実際にそれをやられたら,私はそれまで尊敬していた楢原店長をすぐさま見下すようになったはずだ。私も同じような目に遭ったことがあるけれどこんな風にはならなかった、なんて弱い人だろうと、さっきのように自分のたった一度の体験を引き合いに出して、わかる部分だけ切り刻 -
Posted by ブクログ
ネタバレすごい、よく理解できない様の情景が多くあったけど。読みやすかった。
友達とか家族とかが死んだ時、死者をどういう扱いにしたらいいのか。どういう思いでずっと思い続けてたらいいのか。もう亡くなったんだからくよくよ考えずに潔く天国では幸せだよと言ってればいいのか。それとも、辛かったね。苦しかったね。と辛い思いを代弁するかのような気持ちを持ち続けてればいいのか。
カエルちゃんとキノコちゃんが言ったように、震災や戦争のことを忘れないようにしようと言われるのはもう二度と繰り返さないようにっていう思いが強いと思う。けどそれは教訓であるわけでじゃあ何を忘れないようにしたらいいんだろう。
亡くなった人の気持ちを勝 -
Posted by ブクログ
芦沢央さんの解説が的確、かつ本書の完全なる「解説」だった。掴みきれなかったサーカスの意味がしっかり書かれていて、作品とセットになった文庫本としての完成系だと感じた。
朝井リョウさんの『正欲』も、正しさとはーー、をぐりぐりと問うてくる作品だったが、これもすごい。もっと身近な、陥りがちな、色恋のハラスメントと仕事での善悪のボーダーラインの境目を「踏み外してしまった」姉妹を描く。彼女たちはお互いに違うが、普通の人間だ。私たち誰もが陥ってしまいかねない状況だった。でも、ただ共感させて終わりではないところが綾瀬まるさんのすごいところ。
p.51 「鑑賞するのは純粋な物体の美しさだけで良い。どこでど