彩瀬まるのレビュー一覧

  • 草原のサーカス(新潮文庫)

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    姉妹それぞれ、転落していく。
    どこで間違えたのか、間違えたとしても何処かで踏みとどまる事も出来たはず。
    正義感が強すぎる2人だからこそ、そのまま突っ走ってしまった。

    転落した後の人生をどう生きるか、どう決断するか、特に依千佳は重要な決断をする場面があった。

    救われたのが、両親がとても愛情深く、転落した2人を温かく迎え入れていた所。
    帰れる家がある事。温かい両親が居る事。
    それだけでも十分幸せな事なんじゃないかと思った。

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    2023年12月24日
  • 骨を彩る

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    みんな誰だって隠しておきたい事、心に暗い影をもっているものなんだなと改めて思う作品でした。
    読み終えてみると、愛情や人の優しさ、思いはもっていても中々伝わらないものなんだな、と。
    相手を思う気持ちがかえって相手との距離を生み
    、ささいな誤解が大きくなり。
    人と繫がれる事は奇跡に近くて正解はないのかな。
    でも思う気持ちさえあればいつかまた理解しあえるのかも。
    感想は自分の気持ちも相手の気持ちも、理解するのは難しいでした。

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    2023年11月30日
  • さいはての家

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    これはこれで いやいややっぱり好きでは無いな、やがて海へと続くを読んでから追い求めていたから尚更だった。明と暗の暗しかないから、再生もなかった筈だよ、ラストの当たり前に会社を敬い当たり前に会社人間で世の中1番大事な奥さん子供に2か月会わず嫌だけど仕方ない週2回の飲み会に参加するとか 考えられない 大家が逃げてよかったと言うけどあの家こそ逃げないとダメだって事 ほぼ犯罪でとりわけ宗教が嫌だよ、身近にあるから尚更嫌だよ、何であんなのが存在するの

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    2023年11月14日
  • 珠玉

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    ネタバレ

    もってるひとにはもってるひとの悩みがある
    譲司側としてはほんとうの意味では気持ちはわからないですが、ずっと比べられて生きるのは確かにつらそうですね。
    自分のために自分が好きなものを追う姿勢にたどり着けてよかった。譲司はいいパートナーになりそうですが、コンプレックスが薄れれば将来はもしかするかも?

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    2023年11月14日
  • 草原のサーカス(新潮文庫)

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    目まぐるしく変わる今を、私は何を頼りに、何を信じて生きていけばいいのだろうか。
    何が善いことで、何が悪いことなんて、時代や組織そして、集団で安易に変わってしまう。
    結局、信じられるのは自分だけなのかもしれない。

    「絶対に間違えたくなかったからこそ間違えてしまった人」
    もっと自分を持って、信じて生きていきたい。

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    2023年11月10日
  • やがて海へと届く

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    ネタバレ

    すごい、よく理解できない様の情景が多くあったけど。読みやすかった。
    友達とか家族とかが死んだ時、死者をどういう扱いにしたらいいのか。どういう思いでずっと思い続けてたらいいのか。もう亡くなったんだからくよくよ考えずに潔く天国では幸せだよと言ってればいいのか。それとも、辛かったね。苦しかったね。と辛い思いを代弁するかのような気持ちを持ち続けてればいいのか。
    カエルちゃんとキノコちゃんが言ったように、震災や戦争のことを忘れないようにしようと言われるのはもう二度と繰り返さないようにっていう思いが強いと思う。けどそれは教訓であるわけでじゃあ何を忘れないようにしたらいいんだろう。
    亡くなった人の気持ちを勝

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    2023年10月25日
  • 桜の下で待っている

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    話の内容には関係ないけれど、この前東北旅行に行ったおかげで知った地名や駅名、行った場所がたくさん出てきて、自分の世界が広がったことを実感した。

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    2023年10月20日
  • 花に埋もれる

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    彩瀬さん初読み。始めは世界観に浸れず、突然おはじきやカタツムリや、石が出てきて戸惑った。私は、なに読んでるんだっけって感じ。後2編で慣れてきて、楽しくなった。「マグノリアの夫」が一番切なくてお気に入り

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    2023年10月14日
  • 草原のサーカス(新潮文庫)

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    芦沢央さんの解説が的確、かつ本書の完全なる「解説」だった。掴みきれなかったサーカスの意味がしっかり書かれていて、作品とセットになった文庫本としての完成系だと感じた。

    朝井リョウさんの『正欲』も、正しさとはーー、をぐりぐりと問うてくる作品だったが、これもすごい。もっと身近な、陥りがちな、色恋のハラスメントと仕事での善悪のボーダーラインの境目を「踏み外してしまった」姉妹を描く。彼女たちはお互いに違うが、普通の人間だ。私たち誰もが陥ってしまいかねない状況だった。でも、ただ共感させて終わりではないところが綾瀬まるさんのすごいところ。

    p.51 「鑑賞するのは純粋な物体の美しさだけで良い。どこでど

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    2023年10月13日
  • くちなし

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    『蛇になる女はそれほど珍しくない… 異形になった女たちは、夜が明ける前のまだ動きの鈍い男たちのところへ向かい、愛する者を捕らえて頭からばりばりと食べてしまう』

    (*˙ᵕ˙*)え?

    この世には”むかしむかし”から始まる数多の物語があります。そんな物語もよくよく考えてみるとなんだかとっても奇妙です。罠にかかった鶴を助けた翁、助けられた鶴は人間の女に姿を変え、翁に恩返しをします。なんと動物が人間に姿を変えるという摩訶不思議な物語がそこにあります。翁から見ると、その女は人間であってその行動はあくまで人間の行動です。しかし、障子の向こうでは鶴が機を織っていたというオチがついた瞬間、そこに

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    2023年10月09日
  • さいはての家

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    古い借家に住み着く訳アリの人たち。

    そこでの生活が内容が主だが
    それぞれの心との戦いが秀逸。

    1回読んで共感というのは難しいかもしれないけど
    考えさせられる内容ではある。

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    2023年09月24日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

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    タイトルと内容との共通点が見いだせなかった。確かに蜘蛛は出てくる。最初にも最後にも。でも、蜘蛛を潰せなかった人が主人公ではない。
    「頭よくないってことにしておく方が落ち着く、そういう人もいるんだ」「みっともない子」母が子にはったレッテル。ひどいな。そうやって自分の側にいるようにがんじがらめにするのか。恋の力を持ってそこから抜け出す主人公に、蜘蛛は関係ある?主人公は実は全部わかっている、そんなに自分の思い通りにはことは進まないことを。

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    2023年09月07日
  • さいはての家

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    ネタバレ

    全て同じ老人ホームに隣接した家の話で、さらにそれぞれ何かから逃げてきた住人の話。
    最初の話は哲学的な導入であったのだが、そのまま進んでいくのかと思いきや徐々に不穏な空気でフェイドアウトしていく。そしてその不穏な空気感がどこか癖になってしまう、彩瀬まるワールドとも言うべき世界観。その後の話も、どこか不穏な空気をはらみつつ、最終的には住人の色々な感情、狂気・悲哀・絶望・ほんのわずかな希望をその家に置いて、住人たちは去っていく。
    実に不思議な世界観であったが、あっという間に読み終わっていた。
    これを読んでいる最中は、ずっとショパンの「雨だれ」が頭の中に流れていた。穏やかな日常に、時々訪れる不穏な空気

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    2023年09月07日
  • やがて海へと届く

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    私にも大切な親友がいます。
    もし真奈のように亡くしてしまったらどうしようと不安になりました。
    「形見」という言葉に違和感があるのも凄く分かります。置いていかれたくないし、置いていきたくない。
    しかし、「同じ場所にとどまってないと思う。歩いてると思う。俺たちがずっと同じところにいたら、たぶん置いていかれる」
    という遠野の言葉に救われたような気分になりました。

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    2023年08月18日
  • 偏愛小説集 あなたを奪うの。

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    【2023年95冊目】
    男と女の欲望をぶつけあった5つの短編集。求め、求められていることが、なんとなく感じられるのが人間の不思議なところで、「あっ」と思った瞬間に恋に落ちていたりする。それがいつも正解ではないのが難しいところではありますが。

    それぞれの作家さんが匂い立つような、けれどどろどろとはし過ぎない愛と欲望の話を書いているので、贅沢と言えば贅沢な一冊。どの作家さんも表現や心理描写が上手く(プロだから当然と言いたいところですが、そうでもない場合もある)違ったテイストのお話を楽しめました。

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    2023年08月09日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

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    「ちゃんと」、しなきゃ。
    梨枝が「みっともない」を恐れる気持ち、とてもよくわかった。

    ドラッグストアで正社員として働く主人公の梨枝、28歳。
    家事一切を引き受ける実家の母親。
    バイトの大学生三葉くん。
    毎日大量の鎮痛薬を買っていく女性客。
    幼い頃から体が弱く、料理が得意でない義姉。



    ”舌がもつれ、口が濁る。ダメなせい、は少し言葉が濡れすぎだ。わざと濡らしたのかもしれない。ああ、私はまだ、みっともないのは嫌だと思っている。出来るだけ取り繕った
    小綺麗なかたちで、なんとかみじめさを負わずに逃げ切りたいと思っている。”p248

    自分がよく見えるように、浅ましい、図々しいと思われないよ

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    2023年07月23日
  • 神様のケーキを頬ばるまで

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    一本目の泥雪、くっっっら、って思って。
    もっとほのぼのな話だと思って読んでたので、ちょっと進めるのが辛くなる。

    うまいなぁと思うのは、話が進むごとに少しずつ希望の割合が増えていくこと。

    だから、龍を見送る。光る背中。塔は崩れ、食事は止まず。は結構好きだったかも。


    気持ちが明るくなる本ではないけど、救済を感じた。

    そして柚木麻子の解説がすごい。
    本書くの上手い人って読むのも上手いのね。笑

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    2023年07月13日
  • 桜の下で待っている

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    作家買い。
    全話で脇役として登場する人物やモチーフを最終話に持ってくるという彩瀬まるの十八番な形式の連作短編集。

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    2023年06月14日
  • 桜の下で待っている

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    新幹線に乗ったことは1度しかないけど
    なんか新幹線に乗って行く旅先には大小関係なく
    素敵な出会いがあると思った。
    ほかほかふわふわなお話たちが詰まった小説。
    もれなく表紙が可愛くてパケ買いしちゃいました。笑

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    2023年06月06日
  • さいはての家

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    わけあり5つの人生それぞれに、暗さがつきまとうが、先を読みたくなってしまう。

    最後の「かざあな」を読んで希望を見出すことができた。

    人生、きれいごとだけではいかないので、色々と考えさせられた。

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    2023年06月03日