【感想・ネタバレ】骨を彩るのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

偶然死を身近に感じる機会が多かった時に読んだ。どんな言葉でも言い表すのは難しいけど、生きることと死ぬことについて上手く飲み込んで自分の中で折り合いがついた作品だった。

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2024年01月26日

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やがて海へと帰る。を読んで自分が死んだ事に気付かず歩いて歩いて同じ場所に戻って、また歩いて、歩かなくていいんだよとお婆さんが言ってくれる、顔が菊の花で、その大元が震災で、何度読んでも切なくて、でも切ないと自分とは関係ないと人事みたいに考える浅はかな自分がいる。どんどん記憶が消えて行き最後に歩かなくていいんだよと、救われる、最後に救われた思いです。小春の話が印象的だった、自分から見たら今の子供達は複雑で、逃げる術を持たないと生きれない、小春は自分が変わる事が正しいと知り実際そうした、葵とまた会えるはず

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2023年11月14日

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彩瀬まるさんの作品が好き。
以前なにかを読んでから漠然と思っていて、メルカリで5冊セットで購入うちの1冊目を読み終えた。
大きなストーリーに流される話ではなくて
手からこぼれ落ちていく日々の生活を、ひとつぶひとつぶ、お椀がたの手で受け止めているような、そんな印象
短編集だがゆるっと繋がっている私が愛してやまないスタイル
読み終わってからはじめて気付く、表紙のイラスト
なにか足りない、ずっと足りないと思っていたわたしを、埋めてくれる

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2023年11月09日

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ネタバレ

イチョウの葉が印象的だった。

1話目の指のたよりは夜中に読んだからか、
少しホラーに。夢の中で自分の指も。笑

2話目の古世代のバウムロール
分かる。
嫉妬心とか見栄とか。
他人が羨ましく思う。自分を着飾りたくなる。

3話目のバラバラ
人は1人では生きていけない
お互いの気持ち、自分が思ってもないほど実は相手は思っていてくれてたり。

4話目のハライソ
きっとみんな違う形でも
こーいう息抜きというか本音を出す場所が必要
ただ、そんな中にも気を遣ったり言葉を選んだり

最後のやわらかい骨。
人と違うところ。
心内を打ち明けていく
そして打ち解けていく
心の歪みが解かれていく気がした。

柔らかい気持ちになった。

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2023年05月05日

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読んでいると、体の芯が震える。
自分の心の淵からこぼれ落ちていく何か。
それは安易な言葉で形容できない。
彩瀬まるさんはその形にならない言葉を丁寧に編み上げていく。

登場する人々は皆が皆、心に虚を抱えている。
それは簡単に埋めようも埋まりようもないもの。
だが、自分を形作ってくれた誰かやいまも隣で共に編み上げてくれる他者によって、何かを見つけていく。
それで解決したり、変わったりするわけではない。
ただ、そこにあるのだと知る。
それが明日へと自分を繋げる階段へと変わっていく。
静けさがありながら、真正面に虚を見据えた力強い一作であった。

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2022年11月08日

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なんだこの小説。
いままで生きてきた時間の中で感じたことのある、
違和感、疎外感や、人と歯車が合わないと思った瞬間が、
全部詰まったような物語。
思い出して痛くて痒くて、胸を掻きむしりたくなる。

それでも、そんな経験が、今の自分を作っているのだと、
登場人物を自分を重ね合わせながら、
息をつめて最後の1ページまで読み進めた。
ページを進める毎に、各章の登場人物たちに起こることに
怯え、次のページで起こりそうなことを想像して、震える。

どうか、この人の人生がうまく進んでくれ、
この人の不幸が降りかからないように、頼む頼む神様。
と、昔の自分を庇うように登場人物たちを見守った。

読み終わってすぐに、著者の別の本を購入しました。

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2022年10月04日

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ネタバレ

 この方の作品とは初対面。繊細な感情を大切に拾い集めるような文章が、心に染みる。
 収録されている短編全てに、「骨」や「肉」という命や存在の比喩とも言えるキーワードが現れ、物語に深みを与えている。
 お弁当のウィンナーがなくなっていた理由に思いを巡らしてしまう程、各章のさりげない繋がりも丁寧に仕込まれていて、より登場人物達を身近に、愛おしく感じた。

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2022年07月30日

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読み終えた時、こころがすごく温かくなった。
欠けたピースを欠けたもの同士でぎこちなく繋ぎ合わせて、でも形が違うから上手くはまらないんだけど、それはそれで良い、ピース同士が少し重なるだけで万々歳。

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2022年06月09日

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人間味のあるやり取りが繊細な世界観で描かれており、読んでいて心地よかったです。最後のお話が特に好きです。あどけない女の子の友情が美しい。

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2022年03月19日

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誕生日プレゼントはおすすめの本がほしいです!って言ったら大好きな先輩がくれた本。

すべての話がちょっとずつ繋がっている短編集で心があったかくなりました。

日常を切り取りつつ、きらきらとした夢を見せてくれる素敵な小説でした。
また読みたい。

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2022年03月02日

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彩瀬まるさんは個人的に大好きで、この作品も大好きです。
人間の心の、脆くて弱い部分の描写が素晴らしい

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2021年10月19日

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悠都の肩はいつも熱い。湿気のない、よく日射しに熱せられた石のような熱さだ。

/やわらかい骨 
p222

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2021年10月09日

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「妻の夢」から始まる静かな物語である。
津村は、妻の朝子を10年前に大腸がんで亡くしている。
弁当屋の相川光恵と親しくなっているが、いまひとつ踏み出せない津村。
イチョウが黄金色の雨を降らせ、朝日を受けてきらきらと輝くその情景が繊細で、心に深く刻まれていく。

連作短編のようで、まるでバトンを繋ぐように、お話が少しずつ緩やかに繋がっていた。
誰もが、他人にわかってもらえないものを抱えて生きている様子がありありと描かれていた。
光恵の高校の同級生だった真紀子や玲子、津村の経営する不動産事務所に勤める浩太郎が主役となって登場し、それぞれ面白く読み進めていたのだが、最後の「やわらかい骨」でガツンとやられてしまった。
ここまできてやっと、この本で言いたかったことにたどり着いたような気がした。
3歳で母を亡くした津村の娘小春が、中学時代に体験したことによって何を感じ、何に気づいたのか。

私自身が、この本によって大事なことを教えられたし、理解していないことがたくさんあるということに気づかされた。
綾瀬まるさん、凄いです。読んでよかったです。

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2021年09月19日

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言葉を選び、選びながら寡黙に テーマは“喪失”
10年前に妻であり母親を亡くした、父娘を中心とした連作短編集

「指のたより」
妻を亡くした後、娘との生活を大切に暮らしてきた父親に心惹かれる女性が現れる
妻の日記に残された言葉
誰もわかってくれない
亡くなる前の記憶と妻の出てくる夢が交差する

最後の「やわらかい骨」
こちらは、高校生の娘の視線
父親との生活に過不足はないものの、自分では気が付かないほど本来の母親の不足
宗教家一家の転校生との短いけれど篤い交流
この章は、若くも深い感情が静かに描写されていて、若い世代にお勧めしたい

「古代のバームロール」
父親と親しくなりそうだった女性
彼女の高校時代の友人達の現在

「ばらばら」
前作の女性の友人
器用に生きていそうな彼女の子育ての悩み
育った家庭のトラウマ
旅先で甘え上手な少女と出会う

「ハライソ」
前作の少女とゲーム内の友人の大学生
架空の世界の友人との現実世界の相談

それぞれは、短編なのにきちんと物語が変わる
繋がってはいくけれど、別の喪失に観点が変わる
描ける世界が広いなと思いました

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2024年05月14日

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指のさきが引っかかったり引っかからなかったり、それでも前に進んでいく。
ろっ骨の間からじんわりしみてくるような、最後にぱっとイチョウ色が目の裏に浮かぶようないい本だったな。

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2024年01月02日

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みんな誰だって隠しておきたい事、心に暗い影をもっているものなんだなと改めて思う作品でした。
読み終えてみると、愛情や人の優しさ、思いはもっていても中々伝わらないものなんだな、と。
相手を思う気持ちがかえって相手との距離を生み
、ささいな誤解が大きくなり。
人と繫がれる事は奇跡に近くて正解はないのかな
でも思う気持ちさえあればいつかまた理解しあえるのかも。
感想は自分の気持ちも相手の気持ちも、理解するのは難しいでした。

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2023年11月30日

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短編集みたいだけど全てが繋がってる
人間誰しも持ち合わせているきれいだったり汚かったりする感情を、肯定も否定もせず受け入れて生きていくってこういうことなんだな

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2023年05月30日

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彩瀬まるさんの本4冊目。
5つの短編やけど繋がってる、でも各物語がしっかり独立してる。
彩瀬さんの抽象的な、幻想的な文章が掴みどころのない雰囲気を作ってるんだろうなぁ。

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2023年02月28日

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初めて読む彩瀬まるさん。
登場人物それぞれの視点での話を集めた短編集だった。
外からは華やかで満ち足りた人生に見えても、その人の中には決して埋められない何かを必死で抱えていたりすることを、物語を通して感じました。
登場人物それぞれの幸せを切に願ってしまう、繊細で温かいお話だった。

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2022年06月30日

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ネタバレ

自分を形成するものの中で他の人とは違う部分、欠けてる部分をどう変えていくか、折り合いをつけるか。
父の欠けた骨を埋めた景色が娘の骨を彩ってくれて良かったです。

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2022年02月27日

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すごく良かったです。
抽象的な表現もあるので理解するのに難しいところもあるけど、それぞれの心の内を言葉で表現できるのはさすがです‼︎
視点が違うと人の印象って全然違うんだなと、普通に考えればわかることなのかもしれないけど改めて気づかせてくれる作品でした。
他のも読みます‼︎

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2021年09月22日

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誰かのことを理解したいと思う気持ち
私のことを、わかってほしいという気持ち

触れてもいいの、いいのか、いいんだ
いいですとも、
と許される関係の特別さ

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2021年08月29日

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そのまま描かれている訳ではないのに、なぜか心にストレートに響くみたいな、そんな小説でした。
みんな黒を抱えてる、わざわざ見せないし、だから他の人のそれにも気づかない、そしてそれを忘れちゃうから羨んでしまったり、憎んでしまったり、踏み込んでしまったり。どっちが悪いとかじゃない、違う部分にはあまり触れず、加減しながら付き合っていくのが利口。それが全てではないと思うけど、とても良いお話でした。

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2024年02月03日

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短編それぞれの登場人物が繋がっているので、同じ人物の見え方が、さっきの話と次の話で変化する。
人には家族や友人との関係、歩んできた人生、話していないだけで悩みもあり、それらに伴う感情がある。
そういったものをどの短編でも感じた。

短編の中で特に好きだったのは「やわらかい骨」で、違うことを嫌う中学生の世界や、小春と葵がその環境の中で友情を育んでいく様子はとてもリアルだった。

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2023年05月07日

Posted by ブクログ

登場人物が薄く繋がっている短編集。
日々の中で何か上手く行かないこと、自分の中では当たり前なんだけど、人にとっては違うこと。
そんな日々に見られるけど、意外とそれについて深く考えたことはなかったなぁーとか…
だけど気付いてしまうと、ちょっと切なくなる。
全体的に優しさが感じられる作品だった。

2023.3.29

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2023年03月29日

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読解力が乏しいので二回読んだ。

一回目はふわふわとしたこの五つの短編集の共通項は何だろう説明が出来なかった。
二回目を読んで、作品紹介を初めて読んで、ああ「ない」を書いたのかと知って漸く物語を理解できた。

少し時間を空けて三回目を読んだらまた何か分かるのかもしれない。

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2023年03月19日

Posted by ブクログ

登場人物が繋がる5篇から構成される連作集。
どこかぽっかりと心に穴が空いた登場人物達の心情に、他者との関わる描写が深く鋭い。
各篇の終わりに訪れる憑き物が取れたような柔らかな爽快感が良い。

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2023年02月18日

Posted by ブクログ

少し前のなんなんさんのレビューに惹かれて買ってみた。

5つの話からなる短編の連作。
前の話に出た人が次の話では全く異なった感じの人として登場し、人というのは他人から見える姿からは推し量れないものを心の内で持て余しながら生きていることを改めて思わされる。
登場人物が持つ何か欠落しているという思いは、境遇だったり親や子のことであったりと様々で、人と関わることによって痛みを感じたり少し満たされたり。そうした行きつ戻りつの胸の内の描写が、自分に同じことが起こっているわけではないけれど、とても生々しく感じられた。
それぞれの話で読み終わってもどのようにでも解釈できるようなところが残っているところも、人の心の在りようが単純なものではないことをよく表していたように思う。

息子への処し方に悩みながら自身の過去の記憶と向き合い欠落を埋めていく母親を描いた三話目と、幼くして母を亡くした少女が"普通"について模索する最後の話が、私には良かった。

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2023年01月13日

Posted by ブクログ

登場する人物一人一人に視点を変えて短編となっていてリレー形式で楽しめる。前半は視点が同年代で感情に寄り添えたけど後半は視点が若いせいでなかなか読み進められなかった。自分の子世代の気持ちを理解する意味で読むことはできてもやはり感情移入はできない。積読が増えていくけれど選書を慎重にしないと時間のムダになってしまうな。でも若い著者の言葉の使い方は読書を楽しむと言う意味では良かった。

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2021年12月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

p73「もう自分は高校生ではないのだ。どうしても最終バスに乗らなければいけないわけではない。タクシーだって使える。このカフェは二十四時間営業なのだから、いくらでも、気が済むまで待つことが出来る。」

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2021年09月18日

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