彩瀬まるのレビュー一覧

  • くちなし

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    『蛇になる女はそれほど珍しくない… 異形になった女たちは、夜が明ける前のまだ動きの鈍い男たちのところへ向かい、愛する者を捕らえて頭からばりばりと食べてしまう』

    (*˙ᵕ˙*)え?

    この世には”むかしむかし”から始まる数多の物語があります。そんな物語もよくよく考えてみるとなんだかとっても奇妙です。罠にかかった鶴を助けた翁、助けられた鶴は人間の女に姿を変え、翁に恩返しをします。なんと動物が人間に姿を変えるという摩訶不思議な物語がそこにあります。翁から見ると、その女は人間であってその行動はあくまで人間の行動です。しかし、障子の向こうでは鶴が機を織っていたというオチがついた瞬間、そこに

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    2023年10月09日
  • さいはての家

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    古い借家に住み着く訳アリの人たち。

    そこでの生活が内容が主だが
    それぞれの心との戦いが秀逸。

    1回読んで共感というのは難しいかもしれないけど
    考えさせられる内容ではある。

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    2023年09月24日
  • さいはての家

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    ネタバレ

    全て同じ老人ホームに隣接した家の話で、さらにそれぞれ何かから逃げてきた住人の話。
    最初の話は哲学的な導入であったのだが、そのまま進んでいくのかと思いきや徐々に不穏な空気でフェイドアウトしていく。そしてその不穏な空気感がどこか癖になってしまう、彩瀬まるワールドとも言うべき世界観。その後の話も、どこか不穏な空気をはらみつつ、最終的には住人の色々な感情、狂気・悲哀・絶望・ほんのわずかな希望をその家に置いて、住人たちは去っていく。
    実に不思議な世界観であったが、あっという間に読み終わっていた。
    これを読んでいる最中は、ずっとショパンの「雨だれ」が頭の中に流れていた。穏やかな日常に、時々訪れる不穏な空気

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    2023年09月07日
  • やがて海へと届く

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    私にも大切な親友がいます。
    もし真奈のように亡くしてしまったらどうしようと不安になりました。
    「形見」という言葉に違和感があるのも凄く分かります。置いていかれたくないし、置いていきたくない。
    しかし、「同じ場所にとどまってないと思う。歩いてると思う。俺たちがずっと同じところにいたら、たぶん置いていかれる」
    という遠野の言葉に救われたような気分になりました。

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    2023年08月18日
  • 偏愛小説集 あなたを奪うの。

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    【2023年95冊目】
    男と女の欲望をぶつけあった5つの短編集。求め、求められていることが、なんとなく感じられるのが人間の不思議なところで、「あっ」と思った瞬間に恋に落ちていたりする。それがいつも正解ではないのが難しいところではありますが。

    それぞれの作家さんが匂い立つような、けれどどろどろとはし過ぎない愛と欲望の話を書いているので、贅沢と言えば贅沢な一冊。どの作家さんも表現や心理描写が上手く(プロだから当然と言いたいところですが、そうでもない場合もある)違ったテイストのお話を楽しめました。

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    2023年08月09日
  • 神様のケーキを頬ばるまで

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    一本目の泥雪、くっっっら、って思って。
    もっとほのぼのな話だと思って読んでたので、ちょっと進めるのが辛くなる。

    うまいなぁと思うのは、話が進むごとに少しずつ希望の割合が増えていくこと。

    だから、龍を見送る。光る背中。塔は崩れ、食事は止まず。は結構好きだったかも。


    気持ちが明るくなる本ではないけど、救済を感じた。

    そして柚木麻子の解説がすごい。
    本書くの上手い人って読むのも上手いのね。笑

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    2023年07月13日
  • 桜の下で待っている

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    作家買い。
    全話で脇役として登場する人物やモチーフを最終話に持ってくるという彩瀬まるの十八番な形式の連作短編集。

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    2023年06月14日
  • 桜の下で待っている

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    新幹線に乗ったことは1度しかないけど
    なんか新幹線に乗って行く旅先には大小関係なく
    素敵な出会いがあると思った。
    ほかほかふわふわなお話たちが詰まった小説。
    もれなく表紙が可愛くてパケ買いしちゃいました。笑

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    2023年06月06日
  • さいはての家

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    わけあり5つの人生それぞれに、暗さがつきまとうが、先を読みたくなってしまう。

    最後の「かざあな」を読んで希望を見出すことができた。

    人生、きれいごとだけではいかないので、色々と考えさせられた。

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    2023年06月03日
  • 骨を彩る

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    短編集みたいだけど全てが繋がってる
    人間誰しも持ち合わせているきれいだったり汚かったりする感情を、肯定も否定もせず受け入れて生きていくってこういうことなんだな

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    2023年05月30日
  • 神様のケーキを頬ばるまで

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    等身大の悩みやひとの立ち直りを描いた短編小説。
    これから立ち直っていきたいひと、希望の光がほしいと思ったひとにおすすめ。
    自分自身がいまは落ち込んではなかったので感情移入しきれなかったために★を一つ減らしました。

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    2023年05月16日
  • 不在

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    ネタバレ

    「本当は優しい人が、こんな風にあなたや私を傷つけるかな。優しいって、こんなどうしようもないことでは人を傷つけないってことなんじゃないのかな。」


    父親の遺品整理をするうちに、段々と父親に似ていって、狂っていく主人公から目を背けられませんでした。
    読んでいくほどに辛くなった本は初めてです。

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    2023年05月09日
  • 神様のケーキを頬ばるまで

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    適度に人間くさい。誰もが心の中に抱えるエゴのようなものをしっかりと描き、そこから脱することを試みる主人公たちの姿に、心がギュッとなると同時に勇気ももらえる。

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    2023年05月08日
  • さいはての家

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    人生が谷間に落ちた人達がたまたま出会うのがこの家で、山まで這い蹲るきっかけを与えてくれるのもこの家なんだな
    私も逃げたくなった時の居場所が欲しい

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    2023年05月02日
  • さいはての家

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    初読み作家。5話連作短篇集。

    古い借家には、安住の地を求め、ワケありの人たちが移り住んでくる。
    家庭がある年上の常連客と駆け落ちした女。新興宗教の元教祖など。

    話始めは明るい兆しを感じるが、読み進めると胸がざわつき、落ち着かなくなってくる。
    その家には、今までフタをして直視してこなかった本来の自分を、浮き彫りにする魔物が住んでいるのかも⁈

    大家さんや、隣の高齢者ホーム、不動産屋の真っ当さと明朗さとの対比がおもしろい。南向きの明るい庭が、逃げてきた現実と向き合う光となっているように感じた。『ままごと』が1番好み♡

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    2023年03月28日
  • さいはての家

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    綾瀨まる先生らしい,雰囲気のある5編からなる短編集.すべてハッピーエンドとはならないモヤっとした終わり方だけど,そこがいい.

    はねつき:結局.ずるい男だったというお話.
    ゆすらうめ:後日談を想像してしまう.清吾はどう感じたのだろう.
    ひかり:そんな便利な能力があればいいのだろうけど,すべては老女の勘違い・思い込みだったのだろうか.
    ままごと:朔ちゃんはまだ大学生なのだから,悲観することはない.これからだんだん見分けられるようになっていくよ.
    かざあな:「背中で~泣いてる~,お~とこの~美~学」なんてものを勘違いしていると病気になるという話(ちょっとちがうか?).

    「ゆすらうめ」と「かざあな

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    2023年03月27日
  • 骨を彩る

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    彩瀬まるさんの本4冊目。
    5つの短編やけど繋がってる、でも各物語がしっかり独立してる。
    彩瀬さんの抽象的な、幻想的な文章が掴みどころのない雰囲気を作ってるんだろうなぁ。

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    2023年02月28日
  • さいはての家

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    何かに行き詰まった人が流れ着いてくるある家が舞台の連作短編集。
    終わりの空気感を描くのが本当にうまい作家さんだなぁ。誰もが持つ自分の内側の暗い部分が丁寧に描かれてざわざわした。
    あと、たびたび出てくる場面の庭からの光が入ってきたときの描写がすごい。頭に映像として浮かぶのは文章力がすごいからなんだろうな。
    時系列に並んでると思ったらそうじゃなかった。
    「ままごと」が一番すき。

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    2023年02月27日
  • やがて海へと届く

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    愛する人の不条理な死を目の前にしたとき、人はどのように向き合っていくのか。
    亡き人のそのままを残し、過去を生きようとする、亡き人の姿を解釈し、今の一時を乗り越えようとする、亡き人への思いを片隅に未来へ生きようとする…。
    「死を乗り越える」とは何をするのか、そんなことを思わされた。

    「忘れないって、何を忘れなければいいんだろう」
    経験を持たない自分が、教師として何を伝えていけるのか。そんなことも考えてしまう。

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    2023年02月21日
  • 神様のケーキを頬ばるまで

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    同じ雑居ビルで働く人たちのそれぞれの人間模様を描いた5編の短編集。

    シングルマザーのマッサージ師や、イタリアンカフェバーの店長や、IT企業に勤めるOLなど、ままならない人生に疲れ果て、恋に仕事にもがき苦しむ人たちが新たな一歩を踏み出す様子を、心の内側をとても細やかに表現されていて、その苦しみが痛いほど伝わってくる。
    重苦しいのになぜかどんどん読み進められて、彼らの立ち直り方が潔くてかっこいい。

    それぞれの短編の締めくくり方もよかったけれど、最終章で、タイトルにある「神様のケーキ」という言葉の意味がちゃんと込められていたし、何かを失っても忘れられても、また新しく生まれ変われる、そんな希望を持

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    2023年02月19日