彩瀬まるのレビュー一覧

  • 不在

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    父を亡くした主人公は、実家を相続し遺品を片付けるうちに家族への想いと兄を選んだ父への消化できない気持ちに気付かされる。
    愛、家族、恋、重めのテーマやけど最後は希望を持てる終わりでよかった。

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    2023年02月19日
  • 朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)

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    ネタバレ

    この世とあの世を繋ぐ六つの短編集。この本全体に死の匂いが深く巣食っている。

    特に好みだったのは「よるのふち」。
    母親を失って混乱する家庭がリアルすぎるほどリアルで胸が痛んだ。そして蝕まれていくのが子どもだけだったことが、またある意味では切ない。母親を求めているのが子どもで、子どもを求めているのも母親なのだ。
    女の白い手が撫でているシーンが印象的。恐ろしいけれど、死してもなお強く消えない想いが、現実との境界線をゆらりと曖昧にしていくようだった。一緒にいたいあまりに、心配するあまりに、生者を引き摺り込んでしまうこともあるのかもしれない。

    「かいぶつの名前」もひどく切なかった。浮遊霊と地縛霊目線

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    2023年02月12日
  • さいはての家

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    「ぼんやりとしていた頃よりも『あ、こういうことだ』とわかった後の方が、嬉しいとか悲しいとかが強くなり、感情が大げさになる。それがいいのか悪いのかはわからない。」p19

    「扇風機の三枚羽根が、質量のある真夏の空気をかき混ぜている。」p169

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    2023年03月04日
  • 神様のケーキを頬ばるまで

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    最初の「泥雪」を読んでありがちな大人の成長もの?と思ったけど、2話目以降からどんどん印象が変わった。

    生きて働いて食べて寝て…と毎日懸命に生きている登場人物たち。抱えてる苦しみがあって、ジタバタしながら最終的には新しい道へ進もうとする訳だけど、彩瀬さんの描き方に寄るものなのか、みんな小説の中の他人というより身近な人みたいで、彼らの人生の話を聞かせてもらえたような気がした。

    それだからかみんなの葛藤一つ一つに不思議と共感できて、彼らに投げられた言葉が心に響いたりもした。

    「どうでもいい奴にどう思われようと、関係ないだろう」
    「ケンカ別れした人とも、もう一度新しく出会えるんだよ」

    時間を置

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    2023年01月28日
  • くちなし

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    私の父が哲学好きで、愛の定義を探していますが、その行動に疑問をもった作品でした。私は今高校生ですが、人を愛したいと思ったその未来で、この本を見返すのが楽しみで仕方ないです。

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    2023年01月25日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    自分や相手に違和感を感じて、やるせなさや息苦しさを感じる。誰もが経験したことのあるこの感じ。
    些細なきっかけで、その違和感を受け止めて前に進んでいく彼らに元気をもらえる、ほっこりする作品です。

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    2022年12月09日
  • 不在

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    人の死って思いがけないところで眠っていたものを揺り起こすよなぁ。
    主人公に全然気持ちが寄り添えないんだけど、側から見ていてこのバランスの崩し方は誰にでも起こりうるな、と思ったので、その点で感じるものがあったんだろうな、わたし

    2022.11.12
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    2022年11月13日
  • やがて海へと届く

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    読後に込み上げるこの想いはなんだろう。
    ありふれた言葉では形容できない。
    生者は喪くした人を日常に探してしまう。
    どうしようもなく、その人の痕跡を探してしまう。
    それが苦しく、胸をかき立ててゆく。
    やがてもう訪れることはないと人は知り、人はそれぞれのやり方で明日への一歩を踏み出す。
    それは残された者の抗いの記憶。
    その過程を真正面に見据え、丁寧な筆致で描かれた本作は何度も読みたくなる一作。

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    2022年11月06日
  • 暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―(新潮文庫)

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    東日本の震災時に関東から出かけていた著者が体験したルポ。
    被災地の人間ではないよそ者であり、避難所にいても辛い立場であっただろう
    出会った人たちが思いやりのあるいいひとばかりであったことが救われる
    いただいた「タマネギ」を食べずに差し上げてしまった著者の心の揺れが痛いほどわかる

    災害時というのは人によって考え方の違いが露呈する 窓を開ける、開けない、水を飲まない、野菜を食べない…
    必要以上に心配する人、デマも信じてしまう人。あまり気にしない人。気にしていても諦める人。

    すっと暮らしてきたその街に暮らせないことも辛いか、暮らせたとしても庭になった果物や畑で獲れた野菜が食べられないことの辛さを

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    2022年10月29日
  • やがて海へと届く

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    『死者への誠実を保てない』このフレーズに改めてドキッとした。
    正解なんてない。それに万人に当てはまる方法なんてない。それぞれがそれぞれに消化していかなければならないことだ。
    この作品で、それを見守る事で何か少しきっかけや勇気をもらえる気がする。すくんでいる足を動かす気持ちを。
    優しく背中に手を当ててくれるような作品だ。

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    2022年10月20日
  • 不在

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    愛された実感が無いために、別のもので補おうとする明日香。
    その気持ちが想像できるからこそ見ていられない。
    愛を理由に誰かを支配するなんて愚かだ、と端から見ていれば分かる。
    だけど「自分はそんなことしない」と言い切ることもできないから戸惑う。
    智の〈愛っていうのは、気持ちの悪い言葉だよ。〉という台詞が耳から離れない。

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    2022年09月10日
  • やがて海へと届く

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    とても考えさせられる作品でした。残された人たち
    の想いが沸々と胸に染みて、現実でも、こういった
    境遇の方々がおられる事を改めて実感しました。
    悲しい過去を風化させることは良くないが、あまり
    にも過去に囚われると上手く生きていけないが、過去について少し考えるだけでも、その先自分の新たな財産になると思うし、戒めにもなると思います。
    ノスタルジックな気持ちになりました。

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    2022年09月08日
  • やがて海へと届く

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    あなたは、『引っ越すことにしたんだ』と友人から言われて、そこに何を思うでしょうか?

    散らかった部屋を片付けよう、綺麗にしようと日頃思っていてもなかなかにそれを実行する機会は持てないものです。今は忙しいから、と理由をつけて、ついつい先延ばしにしてしまいがちです。もちろん綺麗好き、整理整頓好きという方には、そんなことない、と否定もされると思いますが、一般論として、当たり前に続いていく日常生活の中においては、後回しにしがちなことの一つであるとは言えると思います。

    そもそも『引っ越す』こと自体が、自身のそれまでの人生を一旦リセットする、『引っ越し』とは、そんな一つの機会でもあるのだと思います。だか

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    2022年09月05日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    ネタバレ

    帯は、
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    自分でいることに
    窮屈さを覚えた人々が
    夜な夜な掲示板に集う。

    ”私”とうまくつきあえない――
    悩める人々を解放する物語

    いつになったら、
    私は私と仲良くなれるの?
    -------------------------
    『小鳥の爪先』
    高校生の和海は、顔が良い。
    そのせいで、周りの友達や恋人との関係がうまくいかず、
    孤独を感じている。

    『あざが薄れるころ』
    結婚も出産もしないまま、おばさんという年齢になった。
    「女」を押し付けられるようなことには違和感を感じていた。それはおかしいこと?

    『マリアを愛する』
    私には大好きな彼がいる

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    2022年07月19日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    五つの短編からなる連作。
    五人の人間のままならなさを描き、あるインターネットのスレッドで少しだけ交わる。
    全編違う面白さ、メッセージ性を感じつつ、読み終わった後に本としての言葉がある。
    私は特に、鮮やかな熱病が好きでした。
    大きく変わるもの、小さく変わるもの、変わらずとも気づくもの。

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    2022年07月01日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    最後の話が一番好き

    体を脱いだら心だけが残る。体という属性を排除して心だけになれたら、自分は何を考えどう振る舞うだろう。今の自分とは変わるだろうか。

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    2022年05月28日
  • やがて海へと届く

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    わたしがたまに思い起こすイメージがある。

    わたしの前には道が続いている。
    でも見えるのは数メートル程度で後は真っ白い光のようなものに覆われていてよく見えない。
    でも私がひとり歩ける程度の1本道だから、進む先はわかっていて、早足になったり、ゆっくりになったりしながら私は進み続ける。
    辿り着く先は私自身の消滅ということはわかっていて、でも立ち止まっていても時間は流れて私は老いていくから、歩き続ける。

    たまに私は後ろを振り返る。
    後ろの景色はある程度しっかり見ることができる。
    そこには私が出会った人たちや出会ってきたものが見える。生活圏で見た景色や、好きな漫画や映画で観た景色も混ざって、私の記憶

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    2022年05月20日
  • 妖し

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    ネタバレ

    「喪中の客」終始いやな予感にドキドキさせられ、身構えていたのにやはり最後にゾクリ。やられた。

    「細川相模守清氏討死ノ事」時代物は苦手だが我慢して読み続けただけの価値はあった。読後爽快!ニンマリ

    「フクライ駅から」なーんだネット系の都市伝説かぁ…期待せず読み進めたら意外な展開になり引き込まれた。フェスタのその後を知りたくなる。

    「真珠星スピカ」なんて素敵な家族。泣けた。

    「わたしキャベンディッシュ」バナナに対する認識が変わった。シゲルの味が気になって仕方ない。

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    2022年05月19日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    オムニバス形式の短編集。
    もやもやが残らずスッキリする終わり方です。

    「マリアを愛する」と「真夜中のストーリー」が特にお気に入りでした。
    魅せたい自分、見せたくない自分。
    年齢、性別、その他諸々全てが煩わしくて、”自分じゃない誰かになりたい”と思っていた青い記憶が呼び覚まされました。
    懐かしいような、切ないような。

    彩瀬まるさんの本は読み終えると、自分の心の中の空っぽな部分になみなみと感情が満たされてくような感じがします。

    その感情が切なさなのか幸せなのかは作品により全く違いますが、ぎゅうっと本を胸に抱き締めたくなるような。そんなお話を書く方だなと思いました。

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    2022年05月16日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    書店で見かけて帯が気になったので購入した作品
    5話収録されていて、区切りがつけやすかった

    そして「マリアを愛する」というお話の女の子2人が良かったです…!実像と虚像のお話が好きなので

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    2022年04月11日