彩瀬まるのレビュー一覧

  • さいはての家

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    綾瀨まる先生らしい,雰囲気のある5編からなる短編集.すべてハッピーエンドとはならないモヤっとした終わり方だけど,そこがいい.

    はねつき:結局.ずるい男だったというお話.
    ゆすらうめ:後日談を想像してしまう.清吾はどう感じたのだろう.
    ひかり:そんな便利な能力があればいいのだろうけど,すべては老女の勘違い・思い込みだったのだろうか.
    ままごと:朔ちゃんはまだ大学生なのだから,悲観することはない.これからだんだん見分けられるようになっていくよ.
    かざあな:「背中で~泣いてる~,お~とこの~美~学」なんてものを勘違いしていると病気になるという話(ちょっとちがうか?).

    「ゆすらうめ」と「かざあな

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    2023年03月27日
  • 骨を彩る

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    彩瀬まるさんの本4冊目。
    5つの短編やけど繋がってる、でも各物語がしっかり独立してる。
    彩瀬さんの抽象的な、幻想的な文章が掴みどころのない雰囲気を作ってるんだろうなぁ。

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    2023年02月28日
  • さいはての家

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    何かに行き詰まった人が流れ着いてくるある家が舞台の連作短編集。
    終わりの空気感を描くのが本当にうまい作家さんだなぁ。誰もが持つ自分の内側の暗い部分が丁寧に描かれてざわざわした。
    あと、たびたび出てくる場面の庭からの光が入ってきたときの描写がすごい。頭に映像として浮かぶのは文章力がすごいからなんだろうな。
    時系列に並んでると思ったらそうじゃなかった。
    「ままごと」が一番すき。

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    2023年02月27日
  • やがて海へと届く

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    愛する人の不条理な死を目の前にしたとき、人はどのように向き合っていくのか。
    亡き人のそのままを残し、過去を生きようとする、亡き人の姿を解釈し、今の一時を乗り越えようとする、亡き人への思いを片隅に未来へ生きようとする…。
    「死を乗り越える」とは何をするのか、そんなことを思わされた。

    「忘れないって、何を忘れなければいいんだろう」
    経験を持たない自分が、教師として何を伝えていけるのか。そんなことも考えてしまう。

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    2023年02月21日
  • 神様のケーキを頬ばるまで

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    同じ雑居ビルで働く人たちのそれぞれの人間模様を描いた5編の短編集。

    シングルマザーのマッサージ師や、イタリアンカフェバーの店長や、IT企業に勤めるOLなど、ままならない人生に疲れ果て、恋に仕事にもがき苦しむ人たちが新たな一歩を踏み出す様子を、心の内側をとても細やかに表現されていて、その苦しみが痛いほど伝わってくる。
    重苦しいのになぜかどんどん読み進められて、彼らの立ち直り方が潔くてかっこいい。

    それぞれの短編の締めくくり方もよかったけれど、最終章で、タイトルにある「神様のケーキ」という言葉の意味がちゃんと込められていたし、何かを失っても忘れられても、また新しく生まれ変われる、そんな希望を持

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    2023年02月19日
  • 不在

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    父を亡くした主人公は、実家を相続し遺品を片付けるうちに家族への想いと兄を選んだ父への消化できない気持ちに気付かされる。
    愛、家族、恋、重めのテーマやけど最後は希望を持てる終わりでよかった。

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    2023年02月19日
  • 朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)

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    ネタバレ

    この世とあの世を繋ぐ六つの短編集。この本全体に死の匂いが深く巣食っている。

    特に好みだったのは「よるのふち」。
    母親を失って混乱する家庭がリアルすぎるほどリアルで胸が痛んだ。そして蝕まれていくのが子どもだけだったことが、またある意味では切ない。母親を求めているのが子どもで、子どもを求めているのも母親なのだ。
    女の白い手が撫でているシーンが印象的。恐ろしいけれど、死してもなお強く消えない想いが、現実との境界線をゆらりと曖昧にしていくようだった。一緒にいたいあまりに、心配するあまりに、生者を引き摺り込んでしまうこともあるのかもしれない。

    「かいぶつの名前」もひどく切なかった。浮遊霊と地縛霊目線

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    2023年02月12日
  • さいはての家

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    「ぼんやりとしていた頃よりも『あ、こういうことだ』とわかった後の方が、嬉しいとか悲しいとかが強くなり、感情が大げさになる。それがいいのか悪いのかはわからない。」p19

    「扇風機の三枚羽根が、質量のある真夏の空気をかき混ぜている。」p169

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    2023年03月04日
  • 神様のケーキを頬ばるまで

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    最初の「泥雪」を読んでありがちな大人の成長もの?と思ったけど、2話目以降からどんどん印象が変わった。

    生きて働いて食べて寝て…と毎日懸命に生きている登場人物たち。抱えてる苦しみがあって、ジタバタしながら最終的には新しい道へ進もうとする訳だけど、彩瀬さんの描き方に寄るものなのか、みんな小説の中の他人というより身近な人みたいで、彼らの人生の話を聞かせてもらえたような気がした。

    それだからかみんなの葛藤一つ一つに不思議と共感できて、彼らに投げられた言葉が心に響いたりもした。

    「どうでもいい奴にどう思われようと、関係ないだろう」
    「ケンカ別れした人とも、もう一度新しく出会えるんだよ」

    時間を置

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    2023年01月28日
  • くちなし

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    私の父が哲学好きで、愛の定義を探していますが、その行動に疑問をもった作品でした。私は今高校生ですが、人を愛したいと思ったその未来で、この本を見返すのが楽しみで仕方ないです。

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    2023年01月25日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    自分や相手に違和感を感じて、やるせなさや息苦しさを感じる。誰もが経験したことのあるこの感じ。
    些細なきっかけで、その違和感を受け止めて前に進んでいく彼らに元気をもらえる、ほっこりする作品です。

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    2022年12月09日
  • 不在

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    人の死って思いがけないところで眠っていたものを揺り起こすよなぁ。
    主人公に全然気持ちが寄り添えないんだけど、側から見ていてこのバランスの崩し方は誰にでも起こりうるな、と思ったので、その点で感じるものがあったんだろうな、わたし

    2022.11.12
    182

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    2022年11月13日
  • やがて海へと届く

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    読後に込み上げるこの想いはなんだろう。
    ありふれた言葉では形容できない。
    生者は喪くした人を日常に探してしまう。
    どうしようもなく、その人の痕跡を探してしまう。
    それが苦しく、胸をかき立ててゆく。
    やがてもう訪れることはないと人は知り、人はそれぞれのやり方で明日への一歩を踏み出す。
    それは残された者の抗いの記憶。
    その過程を真正面に見据え、丁寧な筆致で描かれた本作は何度も読みたくなる一作。

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    2022年11月06日
  • 暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―(新潮文庫)

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    東日本の震災時に関東から出かけていた著者が体験したルポ。
    被災地の人間ではないよそ者であり、避難所にいても辛い立場であっただろう
    出会った人たちが思いやりのあるいいひとばかりであったことが救われる
    いただいた「タマネギ」を食べずに差し上げてしまった著者の心の揺れが痛いほどわかる

    災害時というのは人によって考え方の違いが露呈する 窓を開ける、開けない、水を飲まない、野菜を食べない…
    必要以上に心配する人、デマも信じてしまう人。あまり気にしない人。気にしていても諦める人。

    すっと暮らしてきたその街に暮らせないことも辛いか、暮らせたとしても庭になった果物や畑で獲れた野菜が食べられないことの辛さを

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    2022年10月29日
  • やがて海へと届く

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    『死者への誠実を保てない』このフレーズに改めてドキッとした。
    正解なんてない。それに万人に当てはまる方法なんてない。それぞれがそれぞれに消化していかなければならないことだ。
    この作品で、それを見守る事で何か少しきっかけや勇気をもらえる気がする。すくんでいる足を動かす気持ちを。
    優しく背中に手を当ててくれるような作品だ。

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    2022年10月20日
  • 不在

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    愛された実感が無いために、別のもので補おうとする明日香。
    その気持ちが想像できるからこそ見ていられない。
    愛を理由に誰かを支配するなんて愚かだ、と端から見ていれば分かる。
    だけど「自分はそんなことしない」と言い切ることもできないから戸惑う。
    智の〈愛っていうのは、気持ちの悪い言葉だよ。〉という台詞が耳から離れない。

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    2022年09月10日
  • やがて海へと届く

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    とても考えさせられる作品でした。残された人たち
    の想いが沸々と胸に染みて、現実でも、こういった
    境遇の方々がおられる事を改めて実感しました。
    悲しい過去を風化させることは良くないが、あまり
    にも過去に囚われると上手く生きていけないが、過去について少し考えるだけでも、その先自分の新たな財産になると思うし、戒めにもなると思います。
    ノスタルジックな気持ちになりました。

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    2022年09月08日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    ネタバレ

    帯は、
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    自分でいることに
    窮屈さを覚えた人々が
    夜な夜な掲示板に集う。

    ”私”とうまくつきあえない――
    悩める人々を解放する物語

    いつになったら、
    私は私と仲良くなれるの?
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    『小鳥の爪先』
    高校生の和海は、顔が良い。
    そのせいで、周りの友達や恋人との関係がうまくいかず、
    孤独を感じている。

    『あざが薄れるころ』
    結婚も出産もしないまま、おばさんという年齢になった。
    「女」を押し付けられるようなことには違和感を感じていた。それはおかしいこと?

    『マリアを愛する』
    私には大好きな彼がいる

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    2022年07月19日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    五つの短編からなる連作。
    五人の人間のままならなさを描き、あるインターネットのスレッドで少しだけ交わる。
    全編違う面白さ、メッセージ性を感じつつ、読み終わった後に本としての言葉がある。
    私は特に、鮮やかな熱病が好きでした。
    大きく変わるもの、小さく変わるもの、変わらずとも気づくもの。

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    2022年07月01日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    最後の話が一番好き

    体を脱いだら心だけが残る。体という属性を排除して心だけになれたら、自分は何を考えどう振る舞うだろう。今の自分とは変わるだろうか。

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    2022年05月28日