彩瀬まるのレビュー一覧

  • さいはての家

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    わけありの者たちの不穏な日常が 淡々と流れていくのだけど、読んでいて不快にはならなかった。
    なんじゃ、このクズはと思えるような人物もいたけれど、このような人生もあるんかなぁ、と思うと 自分の日々のあれこれはなんと平和なものだろう、とどこか幸せな気持ちになったりした。

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    2024年03月30日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    ネタバレ

    留めておきたい言葉
    ・新しい価値を不快に感じるのは、それまでのルールに上手く乗ってこられた奴だ。
    ・時代とともに社会は、それぞれの心の形に沿った生き方を尊重する方向で進化してきている。先人たちの努力の結果だ。それを俺も享受し、背負うべき痛みがあるなら引き受けて、次につないでいきたい。
    ・愚かな熱病に、一度ぐらいかかってみても良かったのかもしれない。そうでなければ、他人の病を許せないのかもしれない。

    たまたま同じ掲示板を訪れた5人のお話。
    4章が自分の両親に重なり心に残った。5章が好き。キュンとしたし恋の終わりを見守ったような切ない気持ちになった。

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    2024年03月25日
  • 朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)

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    ジメジメしてて闇っぽくて、強い執念みたいな感情が渦巻いている物語だったけど、でもなんか、言葉や理屈では言い表せない優しさや愛だなとも感じた、気がした。愛ゆえに、魂は。という感じ。

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    2024年03月21日
  • 桜の下で待っている

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    4月。東北へ向かう新幹線に乗った男女5人は桜前線と共ににそれぞれのふるさとへ向かう。
    理由は様々。どの登場人物も心に故郷や家族に対する複雑な想いを抱えていたりする。
    家族って近い存在だからこそ難しかったりするし、私も共感できるな〜っていう部分がありました。
    東北という土地の描かれる情景も美しかったし桜も見てみたくなりました。
    連作短編なのだけれど、私はモッコウバラのワンピースの素敵な恋をした祖母と孫のお話とからたち香るの福島の実家へ結婚のあいさつをしに行くふたりのお話が好きです。
    ふるさとって深い。

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    2024年03月13日
  • 花に埋もれる

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    人間だとか、恋だとか
    とても幻想的に描かれているのに
    胸に迫ってくるのは、リアルで飾り気のない
    人の心だ。
    自分の心や身体を持て余したり、コントロールできなくてもがいても
    花も人もいつかは枯れて、大地へと帰っていく。
    耽美的な世界を漂うように、ゆらりゆらりと物語を楽しみました。

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    2024年03月10日
  • まだ温かい鍋を抱いておやすみ

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    生きることは食べること。そんな物語でした。
    シュークリームタワーのお話が1番好きだけど、よく分からないなと思う話もありました。

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    2024年02月03日
  • 骨を彩る

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    そのまま描かれている訳ではないのに、なぜか心にストレートに響くみたいな、そんな小説でした。
    みんな黒を抱えてる、わざわざ見せないし、だから他の人のそれにも気づかない、そしてそれを忘れちゃうから羨んでしまったり、憎んでしまったり、踏み込んでしまったり。どっちが悪いとかじゃない、違う部分にはあまり触れず、加減しながら付き合っていくのが利口。それが全てではないと思うけど、とても良いお話でした。

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    2024年02月03日
  • 朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)

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    生や死がテーマの短編集。

    擬音や表現が個性的で、グロテスク。
    共通して、この世のものではない存在が登場し、ぬるい悪夢を見ているような心地悪さを感じた。
    寂しさ、執着のようなもの、悲しさといった感情にリアリティがあって目が離せない。

    薄暗い負の感情の中に、愛しさや、生に対する思い、希望のようなものが、ぼんやりと光っているような一冊だった。

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    2024年01月18日
  • 花に埋もれる

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    不思議な世界観。
    ふわっと時空を飛び越える感覚がある。

    5篇からなるベストアルバム的短編集
    ・なめらかなくぼみ
    ・二十三センチの祝福
    ・マイ、マイマイ
    ・ふるえる
    ・マグノリアの夫
    ・花に眩む

    特に『マグノリアの夫』『花に眩む』が好き
    何の物語を読んでるんだっけ?主人公は一体何なんだっけ?と何度も確認したくなる不思議な感じがどちらもある。

    当たり前な事を当たり前として読み進めているとハテナがいっぱいになるので、素直に受け入れて読み進めるのが大事。
    それがおもしろい!

    人間の感情って見えない物なんだけど、もしも見えたらという視点でこんな表現で書けるのは本当にすごい!

    綾瀬まるさんが表現

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    2024年01月14日
  • 花に埋もれる

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    読み進めるたびに不思議な世界に入っていくような、本当に不思議な短編集でした。

    二十三センチの祝福は、普通にいい話だなぁと言う感じだったのですが、マイマイ、マイから「おやおや?」と言う何とも言えない世界観に引き込まれ、マグノリアの夫、花に眩むは温かくもどこか寂しい感じがして、ゆっくりともう1回読んでみたいなぁと思う。1回では咀嚼しきれない感は否めない笑

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    2023年12月17日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

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    「あの人」は柳原さん、ですよね?
    だって他の人、だいたい蜘蛛さわれたので…

    実際、私と主人公は境遇が違ってピンとは来なかったけど、必ず居ると思う。そんな人にこれ読んで元気になってほしいなって思う。
    私も頭痛持ちで、時々頭痛薬を飲むのだけど。前に、頭痛薬の副作用のところに、「頭痛」って書いてあって、え…(・_・;って思ったことがあるのを思い出しました。

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    2023年11月24日
  • くちなし

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    一見人間の話なのに、明らかに違う生き物たち。
    ・別れの時に彼の片腕をもらった女
    ・3回産卵をすると死んでしまう女たちの中で、一度も産卵をせず見守る女
    ・激情を抱くと蛇や怪物に変身してしまう女たち

    こんな発想できるのほんとすごいなー!と思うけど、普通の人間たちの話である「愛のスカート」「茄子とゴーヤ」がなんだかんだ良かった。

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    2023年11月24日
  • くちなし

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    恋愛小説と言っても、普通ではない。愛人から片腕をもらったり、くるぶしに花を咲かせたり、蛇になって男をたべたり、命がけで卵を産んだり。一体どこの世界の話なのか?という短編7つを収録。ファンタジーより、ちょっとグロテスクな印象。不思議な読後感。

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    2023年11月03日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

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    「使い古されたトリック」を用いたアンソロジー。
    若い作家さんによる軽やかな笑いもある作品が続き、最後に島田荘司さんの「世界にただひとりのサンタクロース」。人生で初めてのサンタクロースに涙しました。

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    2023年10月29日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    サラッと読めて、繋がってる。
    最後の話が、こんなことあるのかな?あるんだろうな?と思いながら読んだ。
    でも、ドラマみたいにそこで現実世界でも仲良くなる、ってことはないんだね。。。
    マリアを愛するだけが、ファンタジーっぽくてやや違和感。

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    2023年10月22日
  • さいはての家

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    一軒の古い家に住んださまざまな人達の話。
    皆事情を抱え、この束の間の住処で自分と向き合う。希望だったり諦めや後悔だったり嫌悪だったり…。唯一、隣設する老人ホームだけはずっとそこにあり、ここの住人とわずかな接触を持ち続けるのが奇妙なバランスだ

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    2023年10月17日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

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    薬局店長、母親と実家暮らしの冴えない28歳女が主人公、彼氏も出来て実家も出て暮らし始めるが・・・。母親のおせっかいが鬱陶しいが自分も彼氏の世話をやきたくなる、やっぱり親子!

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    2023年10月11日
  • さいはての家

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    色々な事に行き詰まった人達が何故か住み着く古い借家。理由があり逃げてここに来るのだ。不思議な少し暗い連作の短編集。それぞれ違う内容だが、何かから逃げている。この借家にひと時を過ごし又、去って行く。不思議なストーリー。

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    2023年09月13日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    「小鳥の爪先」ゆかりと和海の関係性がめちゃくちゃフラットですごく良い ○○だからこう、という先入観や思い込みを壊すのは少し怖いけど、素の自分でいられる場所を見つけられたら今よりずっと楽になるからね

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    2023年09月13日
  • 神様のケーキを頬ばるまで

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    同じ作品、同じ経緯についての感想なのに、なんてばらばらなんだろう。そして二人ともまるでしっかりと根付いた木のように、自分の考え方に確かさを感じている。

    捉え方は人によって違って、どれも間違っていないから難しい。

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    2023年09月03日