彩瀬まるのレビュー一覧
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ネタバレ懐かしい思い出、ほろ苦い思い出。
色々な思いが詰まった食べ物にまつわる短編。
不思議な雰囲気のお客さんは鳥料理を食べない。
波風立てずに全てをやり過ごす彼女に抱いた感情。
つらいときに好きだった人が作ってくれたパン。
複雑な思いでそれを作る彼と、もうそれを食べなくても大丈夫になるまでの彼女。
病気の夫を支えることへの不安から、会社の年下の人と不倫してしまったけれど、そのとき食べた罪悪感たっぷりのミックスピザに勇気をもらうまで。
子育ての息抜きに友達と小旅行で、誰かが作った食べ物を食べて温泉に入って、また日常に戻っていくまで。
幼い息子を亡くして気力を失った友達に、毎日食事を作って食べさせて、なんとか生きる気力を繋いだ日々。
病気で入院中の父の友人が、かつて作ってくれたシチューの思い出。
最初のひと匙のはばたきだけ妙にファンタジーだったような?
かなしい食べ物、好きだった人が作ってくれていた食べ物を今の恋人に作らせるって、なんだか薄気味悪いなと思ってしまった。。。ごめん。
毎日食事を作る身としては、誰かが作ってくれた料理を食べる喜び、とても共感。 -
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彩瀬まるさん、20作目
アンソロジー「鍵のかかった部屋」の一作
「神秘の彼女」
これはミステリーなのかな
大学寮に現れるきんきら大仏
決められたトリック
ー糸を使って外から鍵を閉めた密室ー
そこから5人の作家が全く違ったミステリーを作ったアンソロジー
似鳥鶏さんは、あの一〇一教室しか読んでいなかったので、こんなコミカルなモノも書くんだと驚き.大学サークル内のトラブル「このトリックの
問題点」
石井羊さんは、初めましてですが、優しい雰囲気のあるミステリーを書くなあと
あと食べ物を折り込むのかな「大叔母のこと」
芦沢央さんは、好きな作家さん
この短編も短い中にしっかりトリックアイテムを仕込んで、しかもそれを使ってラストに楽しい仕掛けまで「薄着の女」
島田荘司「世界にただひとりのサンタクロース」
クリスマスの夜の密室
初めてサンタが来た女の子と絞殺された母親
十年前の事件の真相を突き止める
さすがです.一気にアンソロジーの格が上がった -
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2016年第5回新井賞受賞
さて新井賞とはなんぞやと調べてみると
カリスマ書店員でエッセイスト、そしてストリッパーデビューを果たした新井見枝香さんが個人的に推したい本に贈られていたらしい
2023年に終了している
過去受賞作13作を眺めて見たのだけれど、なかなかのセンスと思ったのでした
彩瀬さんが旅行の途中東日本大震災に被災された事から生まれた作品の一つ
親友を震災で亡くした女性と その親友の恋人
ふらっと出かけたまま震災にあい帰ってこない親友の死を徐々に受け止めていく、という章と
亡くなった親友が震災にのみこまれた後の幻想世界.彷徨いながらやがて海の石となり、全てを受け入れたのち、再生に向かうという章
が交互に描かれていく
大切な人を突然失う、苦しい哀しみ
そこに時間が流れていく
時間が解決するものばかりではないが、彩瀬さん自身が過酷な経験から自らも救いたいと描いた作品
残された人達の気持ちの昇華は難しいだろうなと思う.数年を亡くなった友人に寄り添って生きてきた二人が、好きな人ができたと抱き合って泣きながら喜ぶ姿にとても惹かれた -
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テーマは“ふるさと” の5話からなる短編集
彩瀬さんは旅行途中で東北の震災に被災しており
描かれるふるさとは東北です
第一話 モッコウバラのワンピースは
大学生の孫が東北で一人暮らしをする祖母を訪れます
祖母は好きな人ができて東北へ
ばあちゃんがいるところが ふるさと
第二話 からたち香るは
婚約者のふるさと東北の実家にご挨拶
そこに震災を感じさせない温かなふるさとがある
第三話 菜の花の家
母親の法事で久しぶりに帰省
姪とお散歩中に懐かしい思いがけず
同級生と出会う
第四話 ハクモクレンが砕けるとき
花巻 親戚の結婚式で東北へ
宮沢賢治と遠野物語で生者と死者の境界線を
第五話 桜の下で待っている
ふるさとを持たなかった東京の姉妹
ふるさとの想いは人それぞれ
ふるさとってその土地があれば良いのではなく
迎えてくれる人がいての場所なんだと思うのです
“ばあちゃんがいるところがふるさと”
が好きでした -
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彩瀬まるさん、15作目
小説新潮掲載短編の
現世と常世のあわいの物語
はざまに足を踏み入れてしまう人達と
この世に遺憾を残した彼方者との
接点を描いた
君の心臓をいただくまで
ゆびのいと
よるのふち
かいぶつの名前
「眼が開くとき」
小学生の時、一時期クラスメイトだった
絵を描くことが好きだった少女と
周りの空気を良く読み演じる転校生の少年
大人になって再び出会う
少女はカメラマンとなり少年は俳優となり
カメラマンとして強靭なセクシーという要求に
美しい新人俳優を取り続ける
全てを撮り尽くしたあと 彼女の渇望は終わる
ちょいとドキドキした
石田由良の「跳ぶ少年」のセクシャルな感じと似ているようで、こちらのカメラマン女子は自己の渇望が優先な感じが冷ややか
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彩瀬まるさん、14作目
郊外に建つ古い借家
庭には 植物が生い茂る
世間から逃げたい隠れたい人達が 一時住み着いては離れていく
「はねつき」
家族を捨てた男との駆け落ちの行方
その包丁は背中に刺すので良いと思います
「ゆすらうめ」
殺人を犯し逃亡中の男と元同級生の同居
良い友人を巻き込まなくて良かったと思います
「ひかり」
新興宗教元教祖の殺人隠蔽逃亡の果て
最期をこの家で迎えて良かったと思います
「ままごと」
政略結婚から逃げた従順な姉と 親の真意を知った妹の短い同居生活
自分の気持ちを表現できて良かったと思います
「かざあな」
育休からの左遷出向、単身赴任先でのトラブル
仕事から子育てから道を外れた男の住処
きっと、妻は許してくれるよ
誰もはじめから逃げ始めたわけではない
隠れた家で次を探せた人も居るし
再び逃げた人も居るし
年老いた人もいる
一軒の借家をめぐる連作短編
このパターンいろいろ連作できそう
指輪とか家具とか本とかね
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良くも悪くも好き嫌いが分かれそうな作品。
多忙な時期でも、読書がしたいと思います買った短編集。
特殊な世界線というか、独特な設定が含まれているにも関わらず、すらすら読め、何故かその設定を受け入れられるのが不思議な感じがしました。
ただ、話によっては此処で終わる?というお話もありました。話の内容が面白かった分、少し終わり方が残念な印象。
短編集の中でも、1編が短い印象があるので時間がない人にはおすすめできます。
逆に長編が好きな方にしたら内容が薄く感じる可能性が捨てきれない印象も。
個人的には、「花虫」が1番好きでした。タイトルとおなじ「くちなし」は内容が薄く感じられました。凄く好きな世界観ですがスピード感が早すぎて、残念に感じました。この内容なら、もっと長く書いて欲しい感じの話。
ダラダラ書きましたが、時間がなく特殊設定ありの恋愛が好きな方にはおすすめできます。ただ、例外としてハッピーエンドやラブラブな話が好き方にはおすすめできません。