彩瀬まるのレビュー一覧

  • やがて海へと届く

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    ネタバレ

    東日本大震災。
    あのとき亡くなってしまった人たちは、すみれのようにさまよって、何回も何回も繰り返し、最期は会いたい人に会いに行けたのだろうか。

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    2022年06月22日
  • やがて海へと届く

    匿名

    購入済み

    深い傷と鎮魂

    人間の生や死、それから人との繋がりというものを、とても鋭敏に繊細にとらえている作家さんなのだと思う。過激ですらある独特の生死の表現から、震災を間近に体験したという作者の深い傷がうかがえた。
    ☆3つなのは、私自身がこのように震災を作品として読んで感傷に浸ったりして本当にいいものか、よくわからないから。

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    2022年06月17日
  • やがて海へと届く

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    いない人、いなくなった人に自分がどう関わっていくのがいいのか考え、立ち止まり、悩む奇数章は文体が心地よく読みやすかった。偶数章の解釈は難しい、彼女のことを真奈だと思ったりすみれだと思ったりした。
    忘れてもいいことにするって大事だね、それも一つの選択肢だ。

    映画は見てないけれど気になったので読んだ、震災のこととは別の話なのかなと予告を見た感じでは思うんだけどどうなんだろう、岸井ゆきのちゃんみたさに観とくべきだったな

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    2022年05月13日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    とても現代的なテーマ。世代間ギャップとか、性差とか、他人の自分像と自意識のねじれとか。
    ゆかり先生のキャラクターが最高。

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    2022年05月10日
  • やがて海へと届く

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    偶数章をどう解釈すればいいか分からなかった。だが、自分は東日本大震災の被災者ではないし、身近な人を亡くした経験もない。分からなくて当然なのかもしれない。でも、分かりたい。もっとたくさんのことを経験したあと、もう一度手に取ってみたい。それまでは、すみれのように、歩き続けようと思う。

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    2022年05月09日
  • 不在

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    "不在"とは、本来ならばいるべき場所にいないことを意味する言葉である。すなわち、はなから存在しないものに対しては使わない言葉だということができる。

    お父さんは、お兄ちゃんを一番に愛してた
    私は一番になれなかった
    選ばれなかった
    必要とされなかった
    愛されなかった
    そんな想いを胸に抱えたままの明日香。

    だけど、明日香は気づく。
    「愛は花だ。運がなければすぐに枯れるし、腐ってなくなってしまう。だけど咲いていたことまで否定しなくたっていい。なくなったからって、偽物だったわけではない。昔、きれいな花が咲いていた。それでいいんだ。」
    明日香と父の間には、一時美しい花が咲いていた。

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    2022年04月22日
  • 偏愛小説集 あなたを奪うの。

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    略奪愛をテーマにした小説集。
    女性作家たちの描く偏愛にドキドキする。

    どうしてこんなにも、欲しいのだろう。
    そして、どうしてこんなにも、求められたいのだろう。

    「それからのこと」花房観音
    なんだかリアルでよかった。設定はリアルじゃなかったけど。奪われたい、求められたい。

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    2022年03月22日
  • やがて海へと届く

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    ネタバレ

    物語が始まったと思ったら突然異世界に迷い込む、これは何の話だと思っていたら、東日本大地震で行方不明になってしまった親友すみれの事が忘れられず、新しい生活を送ろうとするすみれの恋人や両親に違和感を感じてしまう。やがて勤めているダイニングバーの店長が自殺したことによって物語は動き出し、新しい彼氏が出来る、なんじゃこりゃ男が欲しかっただけかよ。「余命10年」を読んだ後だからかこのご都合主義の主人公真奈には共感出来ない。確かに理不尽な別れは辛いだろうが、いつまで震災で飯食ってンダよと言いたい。これ映画大丈夫かな。

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    2022年03月17日
  • やがて海へと届く

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    まもなく(2022年4月)映画化されると云うことで読んでみたが、私の趣味ではなかった。1章毎に視点が入れ替わってややこしいし、特に偶数章はよう分からん文章。映画も見ないなあ・・・

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    2022年03月14日
  • 桜の下で待っている

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    ネタバレ

    新幹線と故郷。私は普通電車で2時間もかからないところに実家があるが、祖母の家は新幹線と特急列車を使用し4.5時間ほどかけていく。小説を読んでる間に祖母に会いたくなり電話をかけた。武文が思った「母親なのだから無条件で自らを受け入れて欲しい」「母さんは、母さんでなくてはおかしいだろう」のところが自分の心境にとても似ていて共感できました。春に読みたくなる1冊。新幹線に乗る人々の表情が観れる仕事、遠くに行ける仕事、素敵だな。

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    2022年03月06日
  • やがて海へと届く

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    ノンフィクション「暗い夜、星を数えて」に続き、今度は小説。筆者自身の被災体験がもとになった物語。親友のすみれを震災で失った真奈と、不意に命を奪われたすみれ(の意識)、それぞれの視点で交互に話は進む。真奈パートでは、友人の死と折り合いをつけようとする彼女の葛藤が痛いほど伝わってくる。すみれパートは混沌とした抽象的世界。彷徨う〝死者の意識〟が物悲しい。映像化は難しそうに思えるが、間もなく映画公開。浜辺美波ちゃんのすみれ役は気になる。

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    2022年03月07日
  • 暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―(新潮文庫)

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    丸11年となる3•11を前に。直木賞候補などで名前は目にしていたが初読みの作家さん。デビュー間もない頃の旅先での被災体験が生々しいノンフィクション。地震・津波の恐怖はもちろん、多くの善意に対する感謝や後ろめたさ、原発事故への怒りと絶望感、被ばくの不安など様々な、そして真っ直ぐな筆者の感情が心に響く、いいルポだった。小説「やがて海へと届く」も読んでみる。

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    2022年03月04日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    明日街こんぺいとう商店街という架空の商店街を舞台に7人の異なる作家さんからなる短編集。

    人情くさくて、温かい〜。
    行ってみたいと思わせる商店街。
    特に千早茜さんの「チンドン屋」が良かった。短い中に希望と哀しみのドラマがあった。

    こういう人情物は好き。読んでいてあったかい気持ちになれるし、人に優しくなりたいと思う。

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    2022年02月28日
  • 妖し

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    地に足がつかない。結末は、個々に委ねられる。短篇でしかたないけど、展開の変化や末路に至る解説を欲してしまう。不自由な自分に星3つ。

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    2022年02月27日
  • 桜の下で待っている

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    病気とかペットの死とか安易な設定で感動させようとする小説は鼻白むけど、こういう何気ない会話や描写の細やかさでじ〜んとさせる話は大好きです。
    一話目でちょっと泣きそうになってもーた

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    2022年02月24日
  • 朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)

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    人間の心に巣食う、化け物?真っ黒なもの?恐ろしいもの、についてのオムニバス。「君の心臓をいだくまで」と「瞳が開くとき」が好きでした。亡くなってしまった奥さんが旦那に忘れて欲しくないと繋がりを保とうとすることも、一度綺麗だと思ったものをずっと愛し続けていたいと思うのも、ものすごく歪んでいるけど、そこにどうしようもない人間らしさもあって、色々考えさせられました。

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    2022年01月31日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

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    「糸を使って外から鍵を閉めて密室を作る」というネタのミステリ集。同じテーマで全員がそれぞれ違った内容の作品ってのが面白い。
    個人的に1番好きなのは芦沢央さんの「薄着の女」。最後のオチがすごくいい!彩瀬まるさんの作品は初めて読んだけど、大学生らしさの雰囲気とストーリーのほんわかする感じが良かった。

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    2022年01月28日
  • 不在

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    ネタバレ

    「どれだけ1人になったって、周りにあなたを理解してくれる人がいなくたって、必ずこの世にはあなたと近い気持ちを持ったクリエイターがいて、漫画とか、音楽とか演劇とか、小説とか作ってるの。だから、なにを拒んでも大丈夫。絶対に1人にならないよ。」この言葉がすごく突き刺さりました、気持ちが楽になれました。私にとって彩瀬まるさんの小説は私を1人にさせない作者であって偉大です。

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    2022年01月28日
  • 桜の下で待っている

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    桜前線とともに新幹線で北へ、北へ。
    舞台は宇都宮・郡山・仙台・花巻と来て、最後に東京。物語同士がつながっているようで心地好かった。
    人の数、土地の数だけいろんな「ふるさと」がある。それでいいんだよ、とまぁーるく包んで認めてくれる、著者のあたたかくも鋭い眼差しが感じられた。

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    2022年01月12日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    人は自分の理解を早めるために、自分のなかで作ったフレームに合わせて物事を理解しようとする。

    「顔が良ければ、その他の全て素晴らしい人だ」、「女の人は女らしいかっこをして結婚することが幸せだ」、「死んだ元カノには勝てない」等フレームが邪魔をする。

    このフレームは物事を素早く理解するのには役立つが本質を見極めようとする時には邪魔をする。難しい。

    最後まで読んだ後で「鮮やかな熱病」を読み返すと、本藤が手の写真の掲示板を見た時の感想、これが一番フレームが邪魔をする例を面白おかしく体感できる。

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    2021年11月15日