彩瀬まるのレビュー一覧

  • 草原のサーカス(新潮文庫)

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    タイトルにサーカスが使われていて 文中にも度々出てくる。大事なワードだと思うのだけれど… 企業や組織などをサーカスという共同体で表現しているのだろうか?
    大手製薬会社に勤める姉の依千佳はサーカスが好きだ 大勢の人や動物が協力してもっと沢山の人に喜びを与えると信じている。
    一方 アクセサリー作家で妹の仁胡瑠はサーカスから逃げて暗い草原を疾走する白い虎に自分を重ねている。
    二人とも成功したかにみえたが段々暗雲が立ち込めていく。
    終盤 依千佳の同期生の愛が言っていた「そういう目まぐるしく変わる世界で唯一、私たちの思い通りに動かせるものって自分の体と心ぐらいじゃない。それしか持ってないんだから、優先

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    2024年10月18日
  • くちなし

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    生々しい小説だ、と思った。自分がいちばんよく知っているはずの自分のカラダが、なにかそれだけで別の意識をもった生き物みたいに描かれていて、ちょっと気味が悪い感じがするというか。
    結局いちばん怖いのは、「知らないもの」よりも「知っているはずなのに知らなかったもの」なのかも……。
    この本が、「高校生直木賞」を受賞したと知って読んでみたのだけれど、これを選んだ高校生の「読む力」に感服した。

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    2024年09月28日
  • なんどでも生まれる

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    ネタバレ

    小さかったチャボの桜,拾ってもらった茂さんと毎日暮らしている.会社でのパワハラで心を病んで祖父の営む金物店の2階に引きこもってしまった茂さんを思う気持ちに溢れた桜さんの心情が優しい.インコの師匠や周りの鳥たちとの交流もほほえましい.そして桜も成長していく.桜,卵を産むだけでなく孵すのか,最後気になった.

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    2024年09月09日
  • 花に埋もれる

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    どのお話もじんわり好きだった。
    特に「二十三センチの祝福」が良かったな。これからも追いかけたい作家です。

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    2024年09月07日
  • やがて海へと届く

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    時折描かれる土砂が流れてくるところで当時を思い出しました。私も被災地出身であり遠い親戚を亡くしました。
    真奈のすみれに対する執着というか執念ともみれる愛はすごかった。
    個人的には場面展開がわかりづらく読み解いていくのが難しい本だと思ってしまいました。

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    2024年09月09日
  • くちなし

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    艶めかしい!どのお話も、なんとも艶めかしい!
    ありえないと顔を背けるよりも早く、その世界に浸ってしまう。そんな魅力のある文章たちでした。
    愛する人の腕と暮らしたり、羽虫に身体を蝕まれたり、蛇になったり、卵を身籠ったり
    艶めかしい世界の中には生と死が無造作に転がっている。なんとなく避けてしまいたくなる生と死をドーンと投げ込まれたような衝撃がありました。

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    2024年09月05日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    ネタバレ

    美しい短編集でした。
    「マリアを愛する」が少しSF的な要素もあり一番好きでした。切ないけど美しいお話。

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    2024年09月05日
  • なんどでも生まれる

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    彩瀬まるさん好きなので、新刊かなり期待値高め過ぎてしまったせいか、そこまではハマれなかったです。ただ内容的にも、グイグイ次が気になって一気に読むという系統の作品ではないので、毎日少しずつ読む感じがちょうどいいペースだったのかも?「明日町」で起きるささいな事件に、登場人物たちが迷って悩んで立ち止まってそして進み出す、たんたんとした日常の中のあたたかいお話です。うつ病治療中の(読書可能な段階の)人たちにも強くオススメしたい作品です。

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    2024年09月04日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    懐かしくほのぼのとした短編集。昭和の味を出していて、人情物と言えるかも。シリーズ化しているようなので、続きも読んでみたい。それぞれの作家さんの雰囲気と特徴があって楽しめた。微かなリンクもニヤリとする。

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    2024年08月31日
  • 骨を彩る

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    前の話に登場した人が次の話で語り手になる。
    こういう話、好きです。
    語り手から脇役になると印象が変わるのが不思議。
    どの話もしんと染みてよかったです。

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    2024年08月30日
  • なんどでも生まれる

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    主人公(語り手)は装画の通りチャボの桜子さん。彩瀬さんの今までの作風とは違うと感じたけど、アンソロジーから派生した作品なのですね。たぶんそっちは読んでない気がする。

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    2024年08月22日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    やはり作家ごとの色があって、合うものもあれば合わないものもあり。
    ただ、全体的にそう転がってくれてよかったー、という気持ちになる終わり方ですっきりはする。

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    2024年08月18日
  • 妖し

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    ネタバレ

    10人の作家さんが描く怪異の短編アンソロジー。多種多様な怖い話。一体、どこからこんなアイデアが出てくるのかと驚きながら楽しみました。

    恩田陸『曇天の店』
    北陸の料理屋。開けてはいけない勝手口。フェーン現象がつれてくるカワケが人を狂わせる。ラストの夫婦の会話が不穏で、余韻たっぷりで終わる。

    米澤穂信『わたしキャベンディッシュ』
    バナナの種って貴重なんだなあ。シゲルはどんな味なのかしら。

    村山由佳『ANNIVERSARY』
    小2のときの儀式が35歳で効果を発揮?
    夫と息子と幸せに暮らしていたのに、少し違う世界で小2からやりなおし。新しい世界で新しい家族と幸せになっても、新旧、どちらも裏切って

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    2024年08月16日
  • まだ温かい鍋を抱いておやすみ

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    人との関わり方に少し癖のある人たちと、心安らぐ料理の話。
    価値観ってなかなか難しいなと思いました。
    家庭、家族になると磁場が歪むという表現に納得しました。

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    2024年08月13日
  • なんどでも生まれる

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    チャボ(鶏の一種)の世界を体験できる不思議な小説。

    期待を裏切る面白さや新鮮さを味わえました。
    チャボになった気分で色々な鳥類と一緒に過ごしているみたいでした。
    鳥たちの世界も色々な悩みを抱えて生きていて人間と同じなんだと思いました。

    また、茂さん(チャボの飼い主)の色々と葛藤していき、商店街を舞台に前進する姿にグッときました。

    自分で環境を作ったり新しい世界や変化にどのように対応するべきか教えてくれる。
    摩訶不思議な小説でした。

    普通の小説に飽きた方におすすめです。

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    2024年08月12日
  • まだ温かい鍋を抱いておやすみ

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    それぞれの話が独立していて、それぞれの世界に連れて行ってくれました。

    登場人物たちが不器用ながらも素直に悩みと向き合い、完全解決とまではいかなくとも一歩明るい方へ踏み出せた感じが、じんわり良い余韻を残してくれます。

    食べるは生きることだなと再実感。
    私のご飯を食べる人が強くしなやかに生きる力をつけるよう、念を送りながら食べさせよう、と思いました。

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    2024年08月01日
  • 草原のサーカス(新潮文庫)

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    今前半を読んでいますが、少し展開がゆっくりなように思いました。
    後半でどのように話が繋がってくるのか楽しみです。

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    2024年07月31日
  • 骨を彩る

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    すべてに満ち足りて生きている人はいない。この連作短編集で思ったことだ。

    亡くなった家族のことに想いを巡らせながら生きている人。拠り所を見つけて、何事もないかのように生きている人。自分にないものを持っている人に、嫉妬したり、関わりを絶ったりして、今の自分を正当化して生きている人。表向きはうまくやってるようでも、本当は辛いことを秘めている人。本当の自分を出せない人。自分を守るために人を蔑んでいる人。自分ではどうしようもないことを抱えている人。この登場人物達のことを知るにつれて、誰もが自分にないものを抱え、悩みながら生きていることについて考えた。

    読後、改めて見ると、キラキラしたイチョウの葉っぱ

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    2024年07月30日
  • まだ温かい鍋を抱いておやすみ

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    ネタバレ

    懐かしい思い出、ほろ苦い思い出。
    色々な思いが詰まった食べ物にまつわる短編。

    不思議な雰囲気のお客さんは鳥料理を食べない。
    波風立てずに全てをやり過ごす彼女に抱いた感情。

    つらいときに好きだった人が作ってくれたパン。
    複雑な思いでそれを作る彼と、もうそれを食べなくても大丈夫になるまでの彼女。

    病気の夫を支えることへの不安から、会社の年下の人と不倫してしまったけれど、そのとき食べた罪悪感たっぷりのミックスピザに勇気をもらうまで。

    子育ての息抜きに友達と小旅行で、誰かが作った食べ物を食べて温泉に入って、また日常に戻っていくまで。

    幼い息子を亡くして気力を失った友達に、毎日食事を作って食べ

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    2024年07月20日
  • 森があふれる

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    ネタバレ

    再読
    まず発想がありえないようで、そんなこともあるかなと納得したりもする。森になっていく妻と2階の寝室、作家の驚きながらも普通に対処するその心の動き、編集者も知っていながらの黙認。これってそんなに変なことではないの?と思ってしまう。

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    2024年07月10日