彩瀬まるのレビュー一覧
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コロナ禍とは何だったのだろう。
私もその間に祖母を亡くした。
直接的な関係はなかったものの、自分だけでなく誰かでさえ外出することに神経質になっていた姿を見ていて、間接的な影響はあったように思う。
この作品に入っている短いお話たちも、コロナ禍がメインに描かれているわけではない。
けれど、その時期を通り過ぎるということは、どこかで間接的な影響を受けている。
個人的には「遠まわり」という作品が好き。
自分にとって縁のある人に、お礼を言いたくても言えずにいたあの時期。
それっきり、もうずっと、機会が失われてしまった出来事。
オンラインでのミーティングは「メイン」にはならないまでも、今に至るし。 -
Posted by ブクログ
スカイツリーを見上げる 下町の片隅に、ひっそりと 息づく商店街『 明日町こんぺいとう商店街』。シリーズの4作目です。金平糖の角は24個。24軒のお店が集まっていて、今回はその中から7軒のお店のハートフルなエピソードが収められています。
お店ごとに作家が交代するのがこのアンソロジーの特徴で、私は前川ほまれさんの描いた 5軒目の『インドカレー ママレード』が心に残りました。
2軒目の蛭田亜紗子さんの『ツルマキ履物店』の回はちょっとテイストが違い「あら?」と思いましたが、色々な作家さんを読めるのがこのシリーズの良さなので、こんなテイストもありだな、と思いました。
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Posted by ブクログ
ネタバレお洒落で綺麗な雰囲気の文章で、読んでいて気持ち良かったです。
短編の最初の2つがリアルな内容だったから、3作目の「マイ、マイマイ」で急に違うタイプでびっくりしました笑。
身体から石とか花とか面白かったです。
「本当にあったら自分は梅か桃を咲かせたて、実をならして食べたい」と考えています。
一番好きだったのは「なめらかなくぼみ」で、もし特に大きな事件が起こらない人の人生が小説になるのなら、こういう部分が切り取られるのかなと思いました。
母親との確執を多く語りすぎないところは、この作者の上手な表現方法なのかとも思いますが、この主人公の辛いことを振り返らずに、したいように生きるっていう性格も現して -
Posted by ブクログ
ネタバレチャボの桜さん、商店街の金物屋の孫である茂さん。桜さんの一人称で話は進む。飼われている鳥の目線って想像したことがなかったので最初は困惑したけれど、鳥がこんなふうにものを考えて行動していたら面白いなと思った。鳥の中でも品種や分類が違えば鳥同士でも知らないことがたくさんあったりして、まるで人間社会のような鳥社会があって楽しかった。現実でもこうだったらいいのにな。
なんだか温かな陽だまりの中にいるような作品だった。色々な個性をすべて受け入れて包み込むような温もり。太陽の光は誰にでも平等に降り注いでいるように。
つらい現実も書いているがあくまでも前向きさがあり、タイトルのように何度でも変化の機会があっ