彩瀬まるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
みんな色んな困難があるけどそれぞれ腐れずに頑張っているんだよ〜な作品でよかった。
きっと現実でもこんな感じだと思う。好きなのにとか辛いとか恨んじゃう気持ち、様々あるけど、自分にとってそれはよくないからその気持ちを終わりに向かわせ進んでいく。きっと進んでいくのだろうけど、どうなったのかはほぼ書かれていないからわからない。でもみんないい方向に向かっていくんだろうな、そうなるといいなと思える作品。
最近主人公に共感できない作品ばかり読んでいたけど、この作品はみんな共感できて、小説だけど適度で適切な現実味があってよかったなー。
すごく個人的だけど、泥雪の「初めて買った絵は、意味を持ちますよ」が絵 -
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冒頭の2話「なめらかなくぼみ」「二十三センチの祝福」はリアリスティックなお話だったが、以降の4話「マイ、マイマイ」「ふるえる」「マグノリアの夫」「花に眩む」はファンタジー要素のある作品だった。
どのお話も人間の持つ持つあまり認めたくない微妙な心理や弱さ、残酷さを表していると思った。
そして、それぞれのお話で象徴的なオブジェ(物体)が登場する。1人がけのソファ、パンプス、カタツムリ、石、白木蓮、ハトムギ…。
どこか視覚に訴えてくるものがある。
特に、最後の二篇が印象に残った。
「マグノリアの夫」
…語り手の陸と夫の郁人は2人とも表現者だが、陸の真っ直ぐな潔癖さと、郁人の器用ながらも繊細で少し脆 -
Posted by ブクログ
初彩瀬まるさん。故郷を巡る5編の短編集。
故郷を訪れることで、親や親族、友人など人とのつながりや絆を再確認する話。実家へのご挨拶から、ご先祖様との邂逅まで、バラエティに飛んだ話が収録されている。どの話も違和感はないが、現実的な話とちょっと幻想的な話が入り混じっており、どっちかにしてくれと言う気もします。
モッコウバラのワンピース
孫の智也(大学生)が、再婚をきっかけに親族と離れて暮らす祖母を訪ねる話。息子や娘らの反対を押し切っての再婚だった。タイトルのモッコウバラのワンピースは祖母が着ている服。あまり馴染みのない花(僕が浅学なだけ?)を出してくるからには何か意味があるのだろうと調べてみた。花 -
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【ひとひらの羽】
鳴海さんの生き方、彼女と高木さんの関係が素敵だなと思った。結婚していてもしていなくても本人の生活が充実していたら幸せだよね。二人を見ていたら私も何だってできる気がしてきた。そして、会いたい人には会えるうちに会っておこうと思った。
【遠まわり】
不思議な話だった。私にも前世での思い入れのある場所があるのかな。そんな場所に今世で辿り着けたら素敵だなと思った。でも前世の記憶が一切ないから気づかないかなぁ…笑
【あたたかな地層】
作家さんの苦労が少し分かった気がする。シリーズ化してるものって本当に凄い。鬼の話はとても興味深くて私も岩手県に行ってみたくなった。もちろん、ご飯が魅力的だっ -