彩瀬まるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
"不在"とは、本来ならばいるべき場所にいないことを意味する言葉である。すなわち、はなから存在しないものに対しては使わない言葉だということができる。
お父さんは、お兄ちゃんを一番に愛してた
私は一番になれなかった
選ばれなかった
必要とされなかった
愛されなかった
そんな想いを胸に抱えたままの明日香。
だけど、明日香は気づく。
「愛は花だ。運がなければすぐに枯れるし、腐ってなくなってしまう。だけど咲いていたことまで否定しなくたっていい。なくなったからって、偽物だったわけではない。昔、きれいな花が咲いていた。それでいいんだ。」
明日香と父の間には、一時美しい花が咲いていた。 -
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Posted by ブクログ
桜の季節、東北新幹線で北へ向かう人や家族の物語。
宇都宮、郡山、仙台、花巻&新幹線で往復を繰り返す車内販売の女性が住む東京。
それぞれの町での「家族」や「ふるさと」を取り巻く事情と鬱屈を抱えた人たちの話でいい話なんだけど、何となくどこにでもあるような話で私にはあまり刺さらなかった(大半を混みあった病院や薬局で順番を気にしながら読むはめになったこともあるかもしれない)。
それにしても岩手を語ろうとすると宮沢賢治は不可欠で、出しておけばそれだけで場面が締まる。
その童話村や記念館をはじめ各地の見所を織り交ぜた作りには、コロナ禍で出来ないままの旅への思いをくすぐられた。東北にもまた行きたいなぁ。