感情タグBEST3
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東北新幹線でゆかりのある場所に向かう5つのストーリー。
ふるさと、というと一般的には温かいものと連想されがちだけど、それだけではない、
少し面倒だったり、緊張したり、複雑な思いがあったり、
そんなところが共感できて良い。
『モッコウバラのワンピース』と『菜の花の家』が好きだったけど、
それまでの4つの物語の深みが増す最後の『桜の下で待っている』も良かった。
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東北新幹線を北上しながら、春の花に彩られたそれぞれのふるさとの物語が詰まった短編集。婚約者の実家に帰省する『からたち香る』、祖母の手伝いに帰る『モッコウバラのワンピース』と車内販売のお姉さんが主人公の表題作がお気に入り。『ハクモクレンが砕けるとき』の生々しい描写は心が抉られるよう。実家は同じ市内にあるので、新幹線に乗っての帰省には少し憧れる。初恋の人と久しぶりに会って握手するっていいなぁ。
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話の内容には関係ないけれど、この前東北旅行に行ったおかげで知った地名や駅名、行った場所がたくさん出てきて、自分の世界が広がったことを実感した。
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新幹線に乗ったことは1度しかないけど
なんか新幹線に乗って行く旅先には大小関係なく
素敵な出会いがあると思った。
ほかほかふわふわなお話たちが詰まった小説。
もれなく表紙が可愛くてパケ買いしちゃいました。笑
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宇都宮で一人暮らしをする祖母の家を訪ねるために、東京駅から新幹線に乗り込む智也。
三ヶ月前に膝を痛めた祖母の、通院や買い物の運転手をするためである。
温泉郷にある足湯や、大きな吊橋が架けられた美しい渓谷が映像のように浮かび上がってきて、しばらく帰っていない自分の実家をふと思い出し、私も田舎に帰りたくなってしまった。
母として、女として生きた祖母のたくましさを知る「モッコウバラのワンピース」
婚約者の実家のある郡山へ向かう律子。「からたち香る」
母の七回忌法要のため実家を訪れた武文。「菜の花の家」
母方の親戚の結婚式に向かう小学4年生の知里。「ハクモクレンが砕けるとき」
宇都宮、郡山、仙台、花巻と桜前線が北上するように、北へ向かう人たちのふるさとをテーマにした短編集で、それぞれの名所もおさえてくれているので、東北を旅した気分になれます。
帰る場所、誰かが待つ場所をいつまでも大切にしたいと思う。
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東北への移動に関わる男女の短編集。
何と言っても、カタチのないものを表す文章が素敵。知らない匂いが伝わってきます。
瑞々しい景色をいつまでも覚えていられますように。
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冷たい皮を丁寧に剥いていき、さらにその下に潜む皮を剥いていき、そうやって辿り着いたほんのり温かい核
どんな話もそんな仄かな温もりを感じた
ふるさとについて、おもったり考えたりすることはなくて、ただの過去としか捉えたことがないけれど、いつかふるさとの重みに触れることになった時はこの本をもう一度読みたいと思う。
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彩瀬まるさんの本、ここ数年とっても好き。
なんといっても、(個人的に)ハズレがない。
温かいなかにも、尖っていたり痛々しかったり、ちょっと怖いお話も結構あるけれど、この小説はタイトルや表紙からして優しげな感じがして、受けた雰囲気は間違っていなかった。
故郷、家族、旅にまつわる5つの短編集。
舞台は主に東北地方。青森が残念ながらなかったのは恐らく、東日本大震災の影響を強く受けた土地を選んだからだと思う。
彩瀬まるさんは関東の方だけど、震災当日に東北を旅行していて被災したらしく、その関連の本も出されている。震災をモチーフに描かれた「やがて海へと届く」という小説は私も以前に読んだ。
福島にある彼氏の実家へ、彼女である主人公が一緒に帰る「からたち香る」は、放射能のことを気にしながらもそれを口にしていいのか迷う様子がリアルだった。
その土地に住む人にとってそこは愛する場所だけれども、よその土地の人にとっては少しの脅威を感じる場所になる。震災の影響で、いろんなかたちで傷ついた人がたくさんいるのだという事実を感じた。
他の短編にもタイトルや話中に必ず花や植物が登場する。
「ハクモクレンが砕けるとき」はほんの少しのホラー要素も混ざっているような幻想的なお話で(基本は温かいのだけど)、表題作は一番最後に据えられているのだけど、最後に配されたことに大きな意味がある。
故郷は楽しいばかりの場所ではないし、家族というものは面倒くさい面もある。「菜の花の家」はとくにそういう側面が表れている。
だけど、故郷や家族はなくならない。亡くなっても、なくなるものではない。
帰る場所とは思えなくても、それは確かに存在している。
その少しの鬱陶しさや、心強さを、感じられる物語群だった。
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「ふるさと」をテーマに5つの話がある。ふるさとの言葉の裏には私が思うにその物理的な「場所、景色」とそこに関わってくる「家族」の存在があると思う。私にとってふるさとは東北であるとすり込まれてきたが、どうにもその繋がりを感じることができない。きっと大人になって思い浮かべる故郷とは間違いなくここ神奈川の実家である。そして家族という存在が私は幼少の頃からかなり苦手だ。1番近くて1番気を使う相手。切っても切り離せないからなんとも面倒である。そんな私は4つ目の話を読んでいる間、この作者と私は合わないのかもしれないと考えていた。しかし最後の「桜の下で待っている」を読んで、先に読んだすべてのお話の当たり前ではないその「ふるさと」の存在とか、考え方とか私の思いとかすべてが巡ってああ読んでよかったなあって思いになった。読んでよかったなあ
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確かに親戚というのは謎の存在というか、単純に血のつながりがあるというだけで、他のところでは必ず仲が良いというわけでもなく、でも仲良くあるべしだろうし、まぁその他諸々の他人だって仲良くあるべし何だろうけど、そうは言ってもスペシャルなわけで。
これがもう親兄弟となったら、混沌の度合いが増すわけで。と言っても親は育ててもらったんだからそれなりに、兄弟は付き合いの長さゆえにそれなりに、なんとはなしな関係性。
そういうよく分からん関係だけども、強制されても困るような、というほわーんとした気持ちが割と分かるーってなるんよ。
でもそんなモヤモヤはともかく、やっぱ旅って良いよね!
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著者の、東北を大切に思う気持ちをちらちら感じる。なんとなく展開が読める話で想定内の着地点が多い短編だが、この人に求める部分はそこにあるので私はこの本、結構好き。
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花が咲き始める春先の東北を旅行したくなった。
宮沢賢治童話村は興味深い。
私のふるさとは何処だろうと考えた。帰ってきたと思える土地はあるけど、その中心に人はいないな。
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「モッコウバラのワンピース」「からたち香る」「菜の花の家」「ハクモクレンが砕けるとき」「桜の下で待っている」の5つの短編集。さらりと読めた。東北へは行ったことがないので、新幹線に乗ってたどって行くのもいいなぁと思った。ふるさとや、祖父母や、弔いとかに思いを馳せながらの読書だった。
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4月。東北へ向かう新幹線に乗った男女5人は桜前線と共ににそれぞれのふるさとへ向かう。
理由は様々。どの登場人物も心に故郷や家族に対する複雑な想いを抱えていたりする。
家族って近い存在だからこそ難しかったりするし、私も共感できるな〜っていう部分がありました。
東北という土地の描かれる情景も美しかったし桜も見てみたくなりました。
連作短編なのだけれど、私はモッコウバラのワンピースの素敵な恋をした祖母と孫のお話とからたち香るの福島の実家へ結婚のあいさつをしに行くふたりのお話が好きです。
ふるさとって深い。
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何でもない日常や、東北新幹線で故郷や友だちや親族や仕事で行くその中で流れていく物語。
子どもが出てくるお話では子どもの不思議な体験や幼少期に子供の生まれてからの記憶や出来事などを織り交ぜて不思議な時間が流れたり、かと言って特別の事ではないのだけれど。
さらさらと小説の中に流れる時間が東北の地域も震災の傷跡も少し登場し、北野地方の風景も目に浮かぶ。
読み終わってあまり重荷にならない本ではあります。
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5作品収録の短編集
すべてのタイトルに花の名前が入っており
物語の中でその花がでてきました
新幹線で移動し、その先で人々のいろいろな話で
それなりに楽しめました
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新幹線と故郷。私は普通電車で2時間もかからないところに実家があるが、祖母の家は新幹線と特急列車を使用し4.5時間ほどかけていく。小説を読んでる間に祖母に会いたくなり電話をかけた。武文が思った「母親なのだから無条件で自らを受け入れて欲しい」「母さんは、母さんでなくてはおかしいだろう」のところが自分の心境にとても似ていて共感できました。春に読みたくなる1冊。新幹線に乗る人々の表情が観れる仕事、遠くに行ける仕事、素敵だな。
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病気とかペットの死とか安易な設定で感動させようとする小説は鼻白むけど、こういう何気ない会話や描写の細やかさでじ〜んとさせる話は大好きです。
一話目でちょっと泣きそうになってもーた
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桜前線とともに新幹線で北へ、北へ。
舞台は宇都宮・郡山・仙台・花巻と来て、最後に東京。物語同士がつながっているようで心地好かった。
人の数、土地の数だけいろんな「ふるさと」がある。それでいいんだよ、とまぁーるく包んで認めてくれる、著者のあたたかくも鋭い眼差しが感じられた。
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桜の季節、東北新幹線で北へ向かう人や家族の物語。
宇都宮、郡山、仙台、花巻&新幹線で往復を繰り返す車内販売の女性が住む東京。
それぞれの町での「家族」や「ふるさと」を取り巻く事情と鬱屈を抱えた人たちの話でいい話なんだけど、何となくどこにでもあるような話で私にはあまり刺さらなかった(大半を混みあった病院や薬局で順番を気にしながら読むはめになったこともあるかもしれない)。
それにしても岩手を語ろうとすると宮沢賢治は不可欠で、出しておけばそれだけで場面が締まる。
その童話村や記念館をはじめ各地の見所を織り交ぜた作りには、コロナ禍で出来ないままの旅への思いをくすぐられた。東北にもまた行きたいなぁ。
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ふるさとという言葉には郷愁の響きがあり、ほのぼのとした温かい印象を受けるが、ふるさとは必ずしも皆にとって心地よいものではないということを感じさせる作品。そこを訪れる・帰るということには、それなりの覚悟を持っている人も多い。そんな人たちの思いを描いた短編集。
温かくて切ないふるさとがたくさん詰まっている。短編集ではあるが、じっくりと時間をかけて読み味わいたい作品である。
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『菜の花の家』『ハクモクレンが砕けるとき』の不思議さが好きだなー。
いろんな意味でつながりについて感じる一冊。
人間関係は一筋縄ではいかないこと、一面性ではなく多面的なこと、当たり前なんだけど、綺麗事だけでは済ませられないし、自分の価値観だけが正しいというか当てはまるわけではないことを感じさせられた。
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「ふるさと」をテーマにした短編集。最近読書傾向が刑事ものとか事件ものだったりするので、こういうほっこりした小説もたまにはいいなと思った。
私としては最初の「モッコウバラのワンピース」が印象的だった。
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ご先祖様?が出てくるハクモクレンの話が一番印象に残りました。
何で死ななきゃいけないのという問いに、この世界の仕組みをなにも言わずに見せて悟らせる。
宮沢賢治童話館に行ってみたくなりました。