【感想・ネタバレ】眠れない夜は体を脱いでのレビュー

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Posted by ブクログ

なんとなく読みやすいかな?と言うだけで手に取った一冊。何も期待していなかっただけに予想以上に面白かったし、気持ちが前向きになれた。

短編でサクサク読める。ひとつのネットの書き込みをめぐってのそれぞれの見方が面白い。どれもわかる点はある。どの主人公、どのストーリーも好きだった。

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2024年03月18日

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手の書き込みサイトがどれでも出てきて気になったのも、最後にちゃんとオチが付く、これもまたいい作り。物語も繋がっているし内なるテーマも繋がるし、いいですね。身体を脱ぎ捨てるという発想と実際にあり得る事と、なるほど頷く。綾瀬まるさんは桜の下で待ってるから読み初めて、地元が舞台で訛りがちゃんとしてて、そこからですね好きになる。震災の時に相馬で電車に乗っていたんだった。やがて海へと帰るが強く残ってて、あの世界観が何回でも読める

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2023年11月14日

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ネタバレ

途中だけど短編集なので、書いてみる。
「あざが薄れるころ」という短編を読んだ。合気道を始めた中年女性の稽古と日常の話。
合気道を休日にやっているので、非常に共感できる部分が多く読んでいて内容がすんなり頭に入ってくる文章だった。
他人との齟齬、感覚のズレを感じる「日常」

合気道の稽古で味わう限られた人間関係の中での共感や成長の「瞬間」
が丁寧に描かれていた。
最後には、課題を乗り越え成長し「日常」を受け止めていた。
幾つになっても成長と感謝を忘れたくないと思った。

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2023年08月08日

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容姿、性別 重く永遠の問題のような題材を
読者を見捨てることなく、
ゆっくり紐解いていく感じが心地いい。

私的に悩みなどはない分、素敵な作品として読破。

登場人物は、、全員にどこか切なさが感じられ
リアルそのものだった。

現実世界で生活しているひとの考えや思考を、
美しく言語化している感じが、心地よい。

とりあえず、心地よく夜風に浴びながら読みたい一作。

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2023年04月27日

Posted by ブクログ

自分自身との折り合いがうまくいかない、自分でいることに窮屈さを感じる。こんなに苦しいことってあるか。だけど、共感すること多く読み進めました。
相手との関係性、距離感にもよるが、おそらく人は大なり小なり自分を演じている部分もあるのではないか。
コンプレックス、性別、年齢、こうあるべきという価値観、一般的な役割をうち破りながら自分を見つめ、認め直してゆく。
無意識に解放されたいという思いが繋がったのか、各章の主人公は、あるネット掲示板に辿り着く。この一風変わったスレッドへの応答に様々な捉え方がきっかけとなり現実と向き合う。
体を脱ぐ、役割の枠に押し込められず、素のままのなりたい自分になる、これが出来たらいいのですが…。
5つの章、どれも個性に富み深かった。特別何が起きたというわけではないけれど、現代を生きる人たちの(居場所を探す)生きにくさの繊細な心理描写が響きました。
印象的だったのは、「あざが薄れるころ」の真知子。
世間からは少し違ったかもしれないが、ひたすら技を磨く姿が凛としてかっこいい。
「欲しいもの、これさえあればいい、他の人が持っているものはあったら嬉しいけど、なくてもまあいい、というものが分かったから、幸せになれたのかもしれない」
どれもラストは、主人公の表情がすっきり生き生きとして見えるところが良かった。
一生つきあっていく自分自身、やはり好きになるのが
いいけれど、人はこういう思いを抱えてるんだなと。

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2022年11月26日

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ネタバレ

現代チックで寄り添いやすいお話達でした。
短編全てに一本筋の通った共通項があって読み進めやすい。
短編というとお話の厚みに物足りなさを感じるこど多いのですが今回それは無し!


「これからどんどん楽になるよ。息抜きしたり、自分を作り変えたり、そういう力をあんただけじゃなくて周りも手に入れて、優しくなるから。あと少しだけがんばって」
大人だからってこんな素敵なこと言えるとは限らないわよ!!!!和海くんの恋は本物ですと声を大にして言いたい。もう言ってる。

「いい子のふりじゃないよ。お父さんとお母さんが好きなの。だから、今はなるべくあの人たちの生き方を肯定して、一緒に生きていたい」
月ちゃん良い子!!!!月ちゃんは幸鷹くんの本当の心を浮き彫りにしてくれてるんでしょう?それなら昴くんとの恋ってモノホンね…と野暮な妄想を繰り広げてのたうち回ってしまった。

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2022年07月11日

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最初はタイトルの意味が分からなくて、だけどすごく気になって手に取った本。

"体を脱ぐ"ことができたらどれだけ良いだろう。
私は自分の顔が嫌い。体型も声も嫌い。だから、今の体を脱いで他の誰かの体に入れたらいいなぁと、小さい頃から思っていた。

本作は、そんな私のように自分という入れ物に何らかの違和感を感じている五人のお話。自分が思い描いている"自分"と、他者が見ている"自分"との乖離に思い悩む五人。
私は中でも「鮮やかな熱病」が好きだ。こうあるべき、といった枠に囚われがちな人は、きっとその人自身が枠に無理やりはめ込まれて息苦しい思いをして育っているのだと思う。そんな語り手が、体を脱いで伸び伸びと彼らしく息をし始めるラストに自然と頬が緩んだ。

私も自分自身が好きになれなくても、しっくりこなくても、何か自分に合ったものを見つけて私らしく息ができるようになりたいなあ。

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2022年07月07日

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最後の話で掲示板のスレッド主の核心が明かされて、明かされた核心から思いもよらない儚げな幸せが咲いて、ほっこりと温かくなった

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2021年12月14日

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「手の画像をください」というスレッドに立ち寄った人々の5つの物語。しっくり来ない現状、夜のネットサーフィン、感情の移ろいが我がことのよう。
「マリアを愛する」が好き。

無理に馴染まなくても、いい。

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2021年01月30日

Posted by ブクログ

5編どれもとても良かった。体のコンプレックス・・・というか、自分のありようと客観との間にあるギャップに、戸惑う気持ちがいろいろな方向から繊細に描かれている。どのお話を読んでも少しずつ、あ、なんだか分かるな、と思ったり、戸惑う人がいたら、こんなふうに接すればいいのかな、と思ったり。
ふだん生きる社会と、自分の内面とがなんだか噛み合わないと思う人は多いのかな。程度の差はあれ。その感覚に対して、どう向き合うのかも人それぞれ。「認めていいんだ」と思えるようになる高校生の和海。すでに飲み下して、「変わってる」と言われることに何かを感じることもなく日々の楽しみを見つけている50代の真知子。私が一番気持ちを寄せたのは真知子だった。欲しいもの、なくてもいいものを、きちんと見分けられるようになって、幸せな夜を過ごせたらいいな、と思う。

客観的な要請に合わせれば過ごしやすくなるのかもしれないけど、それが生きやすさに繋がらないならしんどい。そこに目を向け、息をつける瞬間も与えてくれる、そんな物語。

いい言葉もたくさん。
「息抜きしたり、自分を作り変えたり、そういう力をあんただけじゃなくて周りも手に入れて、優しくなるから。」
「新しい価値を不快に感じるのは、それまでのルールに上手く乗ってこられた奴だ。」
「愚かな熱病に、一度ぐらいかかってみても良かったのかもしれない。そうでなければ、他人の病を許せないのかもしれない。」

あと、各話に共通して出てくる「手を見せてほしい」のスレ主に『マリアを愛する』の香葉子だけが違和感を覚えている。「労力と成果の帳尻が合っていない」と。スレ主が目指した女の子と香葉子が近い世代だからかなと思うとおもしろい。

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2020年12月10日

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とても良かった。オムニバス形式の本ですが、どの話にも好きなポイントがあって、結果全部好きです。たぶん作者さんの根底にある価値観というか、人間性というか、そういうものがすごく自分に合っているんだと思う。日常の中でいろんな想いを抱えた人たちの、当たり前みたいな関わり合いの中で生まれていくきらきらしたものが、心を癒してくれました。彩瀬まるさんの話、これからもっと読みます。

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2020年11月10日

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あまり期待せずに読んだがおもしろかった
それぞれの章で主人公の気持ち、物の捉え方などが変わっていくのをみていると、自分の考え方の幅も広くなったような気がした
どの短編も好きだけど4つ目のおじさんの話が一番よかった

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2024年04月14日

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自分や相手に違和感を感じて、やるせなさや息苦しさを感じる。誰もが経験したことのあるこの感じ。
些細なきっかけで、その違和感を受け止めて前に進んでいく彼らに元気をもらえる、ほっこりする作品です。

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2022年12月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

帯は、
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自分でいることに
窮屈さを覚えた人々が
夜な夜な掲示板に集う。

”私”とうまくつきあえない――
悩める人々を解放する物語

いつになったら、
私は私と仲良くなれるの?
-------------------------
『小鳥の爪先』
校生の和海は、顔が良い。
そのせいで、周りの友達や恋人との関係がうまくいかず、
孤独を感じている。

『あざが薄れるころ』
結婚も出産もしないまま、おばさんという年齢になった。
「女」を押し付けられるようなことには違和感を感じていた。それはおかしいこと?

『マリアを愛する』
私には大好きな彼がいる。
だけど彼の中には、映像で残っている死んだ元カノがいる。死んだ相手には勝てない。
そう思っていたら…。

『鮮やかな熱病』
銀行員として生きてきたが、このところ何に関してもイライラする。妻の行動、娘との距離、友人の決断。
どうしてイライラするのか。忘れているもの、見えないものに気づけるのか。

『真夜中のストーリー』
アバターを作って、仮想空間で恋愛をしている。
仮想空間内での彼、昴に、現実世界で会いたいと言われる彼女の月子。
でも月子の本当の姿は30代の男。
性別が異なる本当の姿で、実際に会うということ。

どれもこれも日常にありえる、
言葉にならないような、
目に見える形になりきらないような違和感、孤独感。
でも、自分にとっては大きくて、
永遠にように感じる。泣きたくなる。

そんな経験を掬い上げて、
それも悪くないよ、って見せてくれるような一冊でした。

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2022年07月19日

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五つの短編からなる連作。
五人の人間のままならなさを描き、あるインターネットのスレッドで少しだけ交わる。
全編違う面白さ、メッセージ性を感じつつ、読み終わった後に本としての言葉がある。
私は特に、鮮やかな熱病が好きでした。
大きく変わるもの、小さく変わるもの、変わらずとも気づくもの。

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2022年07月01日

Posted by ブクログ

オムニバス形式の短編集。
もやもやが残らずスッキリする終わり方です。

「マリアを愛する」と「真夜中のストーリー」が特にお気に入りでした。
魅せたい自分、見せたくない自分。
年齢、性別、その他諸々全てが煩わしくて、”自分じゃない誰かになりたい”と思っていた青い記憶が呼び覚まされました。
懐かしいような、切ないような。

彩瀬まるさんの本は読み終えると、自分の心の中の空っぽな部分になみなみと感情が満たされてくような感じがします。

その感情が切なさなのか幸せなのかは作品により全く違いますが、ぎゅうっと本を胸に抱き締めたくなるような。そんなお話を書く方だなと思いました。

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2022年05月16日

Posted by ブクログ

書店で見かけて帯が気になったので購入した作品
5話収録されていて、区切りがつけやすかった

そして「マリアを愛する」というお話の女の子2人が良かったです…!実像と虚像のお話が好きなので

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2022年04月11日

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ネタバレ

*小鳥の爪先
顔がイケメンな事がコンプレックスな男子高校生の話。綾瀬さんは本当に人間、男、女の湿っぽい嫌なところを表現するのが上手で、主人公が抱く、彼女に対する何となく嫌な感じにあー、って共感してしまった。明るい結末で大人が読んでも一歩踏み出す勇気をくれる

*あざか薄れるころ
合気道の習い事をする50代独身女性の物語。母親と同居していてぼけている訳では無いがだんだんと言動に不安を覚える日常に共感もしたが、いくつになっても悩みは絶えずないものねだりなんだなぁと思い、主人公のように「かっこいい」女性になりたいと思った

*マリアを愛する
彼氏の亡くなった元カノへの嫉妬から起こるファンタジー。前半の元カノについて調べたりどうすれば嫉妬しないのか、苦しくなくなるのか、悩む主人公の姿は恋する人なら1度は味わう苦しさだろうなって思った

*鮮やかな熱病
仕事一筋で男は働くもの、古風な考えの主人公が現代の価値観にいらつくお話。途中で出てくる「男女比率って役割を脱いで、ただの対等な大人同士として、尊重しあえる関係を作りたいんだと思います」という言葉が良かった

*真夜中のストーリー
これまでのお話の共通点は全て主人公たちがたまたまたどり着いた「今起きている人の手の画像を見せてください!」という掲示板。この掲示板を立ち上げた主人公のお話。
綾瀬さんらしい、伏線というかお話が繋がるストーリー、面白かったです。
総じてどれも一瞬、人間や社会の仄暗い部分が描かれても希望を感じる結末でとても読んでて明るい気分になれる本でした

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2021年10月29日

Posted by ブクログ

秋の夜更けに読みたいような本。
「小鳥の爪先」と「マリアを愛する」が好き。
周りから受ける評価に違和感があったり、自分の目指す「自分」像と違っていても、自分を認める。好きになる。
難しいことなんだけど、意外とこんなささいなきっかけで出来る様になるのかも。
スレッドの主にはびっくりだったけど。
またいつかふらっと読みたい。

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2021年02月04日

Posted by ブクログ

オムニバス形式の物語でした。あっさりと読める文体で、何処と無くしっくりくる作品でした。少し、いい感じでした。

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2024年05月17日

Posted by ブクログ

「手の写真を見せて」というあるスレッドで繋がる5つの短編集。
「マリアを愛する」が一番好き。
彩瀬まるさんらしい言葉選びがどれもしっくりきてよかった。

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2023年02月19日

Posted by ブクログ

連作短編?繋がりは「手の写真を見せて」とのスレッド
最後に誰がかいてるのかわかるけど、いい感じに裏切られた。

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2022年07月02日

Posted by ブクログ

とても現代的なテーマ。世代間ギャップとか、性差とか、他人の自分像と自意識のねじれとか。
ゆかり先生のキャラクターが最高。

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2022年05月10日

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人は自分の理解を早めるために、自分のなかで作ったフレームに合わせて物事を理解しようとする。

「顔が良ければ、その他の全て素晴らしい人だ」、「女の人は女らしいかっこをして結婚することが幸せだ」、「死んだ元カノには勝てない」等フレームが邪魔をする。

このフレームは物事を素早く理解するのには役立つが本質を見極めようとする時には邪魔をする。難しい。

最後まで読んだ後で「鮮やかな熱病」を読み返すと、本藤が手の写真の掲示板を見た時の感想、これが一番フレームが邪魔をする例を面白おかしく体感できる。

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2021年11月15日

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短編集。あいかわらず異色な感のあるお話を書かれてるけど、この作品は少し抑えめな感じで親しみ易さを感じた。

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2021年08月05日

Posted by ブクログ

様々な違和感を持った人達のお話。
なかなか人に理解されない悩みだからこそ、この本に共感できる部分こそ少ないけれど、「人それぞれの違和感」という意味ではとても共感したし心温まるお話でした。

短編だけど全てが一つのことに繋がっていて、その繋がり方も他の物語にはあまりないように感じたので面白かったです。

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2021年04月11日

Posted by ブクログ

連作短編集、になるのかな。
みんないろいろあるけど、どうにかこうにか折り合いつけて生きていくしかないのよね。

最後の話が面白かった。

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2021年03月17日

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