彩瀬まるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【怪異】をテーマに描く奇譚小説。
アンソロジーシリーズ。
この面子だし、と思って読み始めたのが
間違いだった…
想像のはるか上の上をゆく怖さだった…
夜、部屋で一人で読んでいられないページが
何度もあった。
大好きな米澤穂信の
「わたしキャベンディッシュ」も、
あーー、これが伏線でこうなる感じかぁ
のんきに思っていたあたし。
伏線は伏線でも回収先が違っていて
安定の穂信のぞわぞわ感。
乾ルカの「かぐわしいひと」なんか
ここから先は、もう読めない……と
次の日に
持ち越したくらいなのに
その怖さに上塗りされるように
壊れていく人間の怖さがくる。
えーーー??そっちーーー??!みたいな…
そんな中、
なんとも言えない感情と思いに溺れたのが
窪美澄の「真珠星スピカ」
母と娘、父と娘。
このそれぞれの【2人きりの時間】には
切なさとやりきれなさ、
それに希望が詰まってる。
まだ読んだことがない作家さんも多かった。
少しずつ読んでみたい。
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Posted by ブクログ
ネタバレクレセント錠に紐などを巻き付けて、外から鍵を掛けることによって完成するオーソドックスな密室トリック。
これを使ってのアンソロジーミステリー五編。
似鳥鶏「このトリックの問題点」
このアンソロジーの発起人らしく、謎解きの議論をメインにした話。
コミカルなのに探偵役が犯人に突きつける言葉がキツくて、笑って終わりと言うことにはなってるけど、犯人はもう居たたまれないし、このサークルにも大学にも居づらいだろう。
友井羊「大叔母のこと」
亡くなった大叔母の自宅にある鍵のかかった書斎を開けるために大叔母の過去に迫る若い男女。
どんな人にも青春があり輝いていた時がある。そこに苦さや切なさがあっても。
初読み作家さんだが、なかなか良かった。
彩瀬まる「神秘の彼女」
大学寮に時折現れる黄金の廬舎那仏というヘンテコ設定から始まり、チャットだけの付き合いの女の子を探すという展開へ。
一体どこに行くのか、この話…と戸惑っていたが、何のことはない、青春ドタバタミステリーだった。読み終えて見ればなかなか面白い。
芦沢央「薄着の女」
犯人(厳密にそう言って良いのか)側から描く、倒敍形式。
超名探偵刑事が人懐っこく油断させつつグイグイ迫る。
こんなに優秀ならこれが厳密な殺人事件なのかどうかも解き明かしなさいよ、と思っているうちにアレヨアレヨと完結。
最後の二行からするに、結局おふざけだったのか。
島田荘司「世界にただひとつのサンタクロース」
子供の頃に起きた、人生最良で最悪なクリスマス。あの日、家の中で一体何が起きたのか。
これまでの四作品とは明らかに力量も熱量も違う作品。さすが島田さんというか、それにしても何故こんなライトなアンソロジーに収録した?というか。
苦しく切なく、それでも希望がないわけでもない余韻も残しつつ、若き御手洗も見られる作品。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ似鳥鶏さん、友井羊さん、彩瀬まるさん、芦沢央さん、島田荘司さんの5人の作家さんによる同一トリックアンソロジー。
お題としてトリック(紐で密室を作る)が先に設定されていて、作家さんが思い思いのストーリーに仕上げるなんて、面白い試み。
似鳥鶏さん「このトリックの問題」はお題に忠実、かつ似鳥さんらしく面白い。
友井羊さん「大叔母のこと」は、日常の謎のミステリ。気持ちが温かくなりました。
彩瀬まるさん「神秘の彼女」、いきなり”金の廬舎那仏”が出てきて、もうノリがとっても面白い!いつトリックが出てくるのかなぁ、と思いながら読んでましたが、ラストで自分の頭の中で想像すればいいのかしら。あと、春さんとのその後が気になります。
芦沢央さん「薄着の彼女」、ラスト2行にやられました!ぜひ、2時間ドラマ化をお願いしたいです(笑)。
島田荘司さん「世界にただひとりのサンタクロース」、本格ミステリーですね。ただ、トリックがお題のものとは違っているような気がしますし、この短編は長編小説「鳥居の密室」という作品の一部として書かれた、とのことなので、あえて収載しなくてもよかったのでは?と思います。
(島田さんファンには申し訳ありませんが、「新潮文庫nex」というレーベルには若干違和感が…)
本書で執筆されている作家さんのうち、今までに読んだことがあるのは似鳥鶏さん、芦沢央さんだけ。アンソロジーは読んだことのない作家さんの作品への入り口にもなっていいですね。
友井羊さん、彩瀬まるさんの作品も読んでみたくなりました。