彩瀬まるのレビュー一覧

  • 花に埋もれる

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    ん?あれ?そうだっけ?と思うようなリアルな描写。
    匂いと湿度。
    短編集だけれど、徐々に空気や世界に飲まれていく。

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    2023年09月03日
  • くちなし

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    ファンタジー要素が少ない、愛のスカート、茄子とゴーヤが好み。
    全体として、人のいかがわしさ、ふしだらさを否定せず、不完全さを受け入れながら前向きに進む展開に背中押される。

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    2023年08月26日
  • 花に埋もれる

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    綾瀬さんはまだ数冊しか読んでないけど、なんだか分かったような分からないような読後感。急にディストピア?みたいな。

    今作は「女による女のためのR‐18文学賞」受賞作の「花に眩む」も収録された、帯曰く「ベストアルバム的短編集」と。そう、女性向きの作風かなと感じる。そのディストピア感は村田沙耶香さんっぽさも。黒いソファの話から始まり、靴修繕の話、アンモナイト化石、恋をすると芽生える石、白木蓮、体から植物…と各物語の断片だけを切りとると、訳が分からない。

    物語的には、どの話もじんわり綾瀬ワールドを堪能させてもらった。

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    2023年08月21日
  • 朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)

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    よく言われる「読むのが苦しい」たぐいの短編集。その中でおぼろげな希望とか、教訓とかを、”成仏”とともに届けるおはなし。

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    2023年07月31日
  • 花に埋もれる

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    ネタバレ

    「なめらかなくぼみ」と「二十三センチの祝福」が好き。

    「なめらかなくぼみ」は、
    主人公が子どもの時、久々に母親に抱っこされて嬉しかった時、クレヨンで家の壁に落書きしたのを母親が見た途端、母親は主人公を床に落とした。
    「きっとみんな、確かだと思っていた腕からすべり落ちた経験があるのだ。だから安心して体を預けられるものが欲しくなる。」ってところが、ハッとさせられた。
    私も子育てしていて、愛情を持って子どもに接していても、落書きとか嫌なことをされたら、嫌な態度を取ってしまうかもしれないな…と思った。

    「二十三センチの祝福」は、
    主人公の元妻が、妊娠中に具合が悪くて、ひどい態度を取ったことで、主人

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    2023年07月27日
  • さいはての家

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    ひとつの家を舞台にした、少しホラー強めの短編集。なかでも、はねつきは暴力性とホラーと美しさとが同居していて、のめり込んだ。

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    2023年07月23日
  • 花に埋もれる

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    なんかすごい不思議な!はなし!

    人の身体を生々しく感じる表現が多くて
    子供は見ちゃいけません!って感じの
    大人の優越感さえあるような、
    禁断の本棚に置いてありそうなベストアルバム。

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    2023年07月14日
  • さいはての家

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    軽い気持ちで読み始めたら、想像以上に重い雰囲気が漂う作品でした。動植物や老いゆく人々の描写も、なんだか不気味さを孕んでいます。人間の中におちる影がテーマでしょうか、、光が恋しくなる本でした。

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    2023年06月04日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

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     クレセント錠に糸を掛けて外から引っ張る事で密室にするトリック。そのトリックを使うと最初から明言されていながら、それぞれ違う展開が書かれていて面白かったです。

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    2023年05月26日
  • 桜の下で待っている

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    ネタバレ

    何でもない日常や、東北新幹線で故郷や友だちや親族や仕事で行くその中で流れていく物語。
    子どもが出てくるお話では子どもの不思議な体験や幼少期に子供の生まれてからの記憶や出来事などを織り交ぜて不思議な時間が流れたり、かと言って特別の事ではないのだけれど。
    さらさらと小説の中に流れる時間が東北の地域も震災の傷跡も少し登場し、北野地方の風景も目に浮かぶ。
    読み終わってあまり重荷にならない本ではあります。

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    2023年05月07日
  • 骨を彩る

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    短編それぞれの登場人物が繋がっているので、同じ人物の見え方が、さっきの話と次の話で変化する。
    人には家族や友人との関係、歩んできた人生、話していないだけで悩みもあり、それらに伴う感情がある。
    そういったものをどの短編でも感じた。

    短編の中で特に好きだったのは「やわらかい骨」で、違うことを嫌う中学生の世界や、小春と葵がその環境の中で友情を育んでいく様子はとてもリアルだった。

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    2023年05月07日
  • 神様のケーキを頬ばるまで

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    「塔は崩れ、食事は止まず」がお気に入り。
    主人公の暗くてひねくれた部分が私に似ている気がして、葛藤や付いた悪態一つ一つに共感してしまう。
    ハッピーエンドです!とは言い難いけれど、澱んで沈みきった思考の持ち主だった大野が、日常の中の小さな幸福を見付け始めた事が嬉しかった。

    それにしても、パンケーキ食べたくなっちゃったな。


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    2023年05月02日
  • 朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)

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    温かいだけじゃなく、ゾッとする表現もたくさんあった。愛する人を残していく時、自分はどうなってしまうだろう。時間を置いてまた読みたい。

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    2023年04月22日
  • 朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)

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    生きること、死ぬこと、食べることはつながっている。
    大切な人を失くした時、遺された方の辛さはもちろんだけど、死んでしまった方の無念さがとても印象的だった。改めて日々を大切に生きていかねばと考えさせてくれる読書体験になった。

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    2023年04月19日
  • 神様のケーキを頬ばるまで

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    彩瀬まるさんの書く物語は 苦しい。
    それは、目を逸らしたくなるような悲劇が描かれている訳ではない。家族、仕事、恋人…生きていれば誰もが1度は悩み苦しんだことがあるであろうこと。日々の生活の中でぶち当たる壁。5篇の短編の主人公の誰かには共感してしまうんじゃないだろうか。ただ、この主人公たちには共通していることがあると思う。それは みんな「真面目」だということ。きっとみんな生きることに不器用で几帳面で、自分の中にある「正しさ」があって他人も自分も許せない。自分で自分をがんじがらめにしている感じ。

    今日のわたしは 生理痛と低気圧頭痛のダブルパンチでメンタルが弱くなっているんだ。「生きていると、一つ

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    2023年04月08日
  • 骨を彩る

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    登場人物が薄く繋がっている短編集。
    日々の中で何か上手く行かないこと、自分の中では当たり前なんだけど、人にとっては違うこと。
    そんな日々に見られるけど、意外とそれについて深く考えたことはなかったなぁーとか…
    だけど気付いてしまうと、ちょっと切なくなる。
    全体的に優しさが感じられる作品だった。

    2023.3.29

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    2023年03月29日
  • 暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―(新潮文庫)

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    今頃で申し訳ないという気持ちで読んだ。
    それでも、今、復興と言えるのかはわからないが、福島を訪れたいと思った。相馬市、いわき市、JR常磐線新地駅。地図で確認した。
    何ができるでもない小さな力、それでも行動しないより行動した方がいいと思う。
    作家でも、言葉のプロでも見たものを伝えきれていない、書けていないという津波の恐ろしさ。
    記憶の新しい2011年5月には小説新潮に書き下ろしたという、葛藤はあっただろうに。
    今まだ私のように手に取る人はいる。

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    2023年03月20日
  • 骨を彩る

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    読解力が乏しいので二回読んだ。

    一回目はふわふわとしたこの五つの短編集の共通項は何だろう説明が出来なかった。
    二回目を読んで、作品紹介を初めて読んで、ああ「ない」を書いたのかと知って漸く物語を理解できた。

    少し時間を空けて三回目を読んだらまた何か分かるのかもしれない。

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    2023年03月19日
  • 明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語【電子限定特典付】

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     明日町のこんぺいとう商店街を舞台にした群像劇の体裁で、商店街の7つの店舗の人々を7人の作家が描くアソート短編集。シリーズ4作目。

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     寺地はるなさんと山本幸久さんが決め手となって読むことにしました。

     自分のペースで楽しく読めたのは前川ほまれさんの「インドカレーママレード」です。タイトルの伏線回収も含めて好きな作りでした。

     大島真寿美さんの「カフェスルス」もいつもの (?) にぎやかな関西弁によく合った世界でおもしろかった。

     そして山本幸久さんの「おもちゃ屋『うさぎや』」。本巻の7店舗の人たちを見事に巻き込み、ほっこりするハーモニーを聴いているような

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    2024年04月01日
  • やがて海へと届く

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    親友が震災で消息を絶ってから時間をかけて不在を受け入れていく再生の話。
    映画化されたけど、ファンタジーなシーンがけっこうあるから実写では厳しいんじゃないかと思ってたらそこはアニメーションになるのかな?映像化でどんな風になるのか観たい。

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    2023年02月28日