彩瀬まるのレビュー一覧
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ネタバレ「なめらかなくぼみ」と「二十三センチの祝福」が好き。
「なめらかなくぼみ」は、
主人公が子どもの時、久々に母親に抱っこされて嬉しかった時、クレヨンで家の壁に落書きしたのを母親が見た途端、母親は主人公を床に落とした。
「きっとみんな、確かだと思っていた腕からすべり落ちた経験があるのだ。だから安心して体を預けられるものが欲しくなる。」ってところが、ハッとさせられた。
私も子育てしていて、愛情を持って子どもに接していても、落書きとか嫌なことをされたら、嫌な態度を取ってしまうかもしれないな…と思った。
「二十三センチの祝福」は、
主人公の元妻が、妊娠中に具合が悪くて、ひどい態度を取ったことで、主人 -
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Posted by ブクログ
彩瀬まるさんの書く物語は 苦しい。
それは、目を逸らしたくなるような悲劇が描かれている訳ではない。家族、仕事、恋人…生きていれば誰もが1度は悩み苦しんだことがあるであろうこと。日々の生活の中でぶち当たる壁。5篇の短編の主人公の誰かには共感してしまうんじゃないだろうか。ただ、この主人公たちには共通していることがあると思う。それは みんな「真面目」だということ。きっとみんな生きることに不器用で几帳面で、自分の中にある「正しさ」があって他人も自分も許せない。自分で自分をがんじがらめにしている感じ。
今日のわたしは 生理痛と低気圧頭痛のダブルパンチでメンタルが弱くなっているんだ。「生きていると、一つ -
Posted by ブクログ
明日町のこんぺいとう商店街を舞台にした群像劇の体裁で、商店街の7つの店舗の人々を7人の作家が描くアソート短編集。シリーズ4作目。
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寺地はるなさんと山本幸久さんが決め手となって読むことにしました。
自分のペースで楽しく読めたのは前川ほまれさんの「インドカレーママレード」です。タイトルの伏線回収も含めて好きな作りでした。
大島真寿美さんの「カフェスルス」もいつもの (?) にぎやかな関西弁によく合った世界でおもしろかった。
そして山本幸久さんの「おもちゃ屋『うさぎや』」。本巻の7店舗の人たちを見事に巻き込み、ほっこりするハーモニーを聴いているような