彩瀬まるのレビュー一覧
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スカイツリーを見上げる下町の片隅にある、架空の商店街の物語、第3弾。
知らない作家さんの名前も増えてきたが、今回もまた一段と、箱庭世界が充実していった。
自分のコレクションが増えていくような気持ち。
自営業と後継ぎという定番の物語、古くなってしまった業種、逆に商店街にはそぐわないようなおしゃれな店舗のことなど、品ぞろえ多数。
その中、シリーズで一番最初のお話だったカフェ・スルスのその後の様子を知ることができてよかった。
また、店の内情は一つもうかがわせず、舞台として使われている「アイスバイン」は、ちょっと異色で、文学的にして官能的である。
『明日の湯』が一番好きかも。
そして、お店をやってい -
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ネタバレ大好きな明日町シリーズ、第三弾
一軒目「カフェ スルス~一年後~」大島真寿美
平均年齢60歳。老後の楽しみに開いたお店に咲く恋の花。
二軒目「ブティックかずさ」 越谷オサム
三十近いひきこもりがちのバンドマンの一人息子VS昭和の香りプンプンな「ブティックかずさ」を守り続けている父。
三軒目「エステ・イン・アズサ」青谷真未
お互いを思いやるお嫁さんと姑さん、なんて素敵なんだ。
四軒目「明日の湯」秋山浩司
銭湯の壁の絵にまつわるおばあちゃんの恋心に、心がぽかぽか♪。
がんばれ三太郎!
五軒目「ドイツ料理屋・アイスバイン」島本理生
ずっと好きでいたいからと、他の男性と結婚した主人公。
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スカイツリーを見上げる下町の片隅にある、架空の商店街。
大山淳子氏の「あずかりやさん」がとても良かったので、"出身地"である、こんぺいとう商店街のことをもっと知りたくなりました。
個人商店が立ち並ぶ商店街は、現代では衰退の傾向にあるけれど、こんぺいとう商店街は、たたむ店あり、新しくできる店ありで細々と続いている。
家業を継いだ若者や、出て行ってまた戻ってきた者、新しい商売の形、幼なじみと小さな恋の話など、懐かしい雰囲気の中で語られる。
後に行くにしたがって、他の商店の名前が登場するようになって、箱庭世界が充実していくのが面白い。
一軒目『カフェ スルス』 大島真寿美
ほ -
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この前に読んだ本の感想に、松田くんの家庭について身につまされると書いたけど、これはまたそれ以上に身につまされるお話ね。
幼い弟の死をきっかけに両親が分かれ、母の手で育てられた主人公。
ことある度に「ちゃんとした生き方」を求められ「みっともないことをするな」と教えられてきた彼女は、母に反発しながらも「かわいそうな母」を捨てておけない。
母の教えを疎ましく思いながら、そこから出られない彼女。
妻の出産で兄が家に帰ってきたことを機に、前後して勤務先のバイトの子に好かれて付き合いだしたこともあり、家を飛び出し一人暮らしを始める。
その部屋をこれまでとは違ったテイストで飾り、その中でこれまでと違ったテイ -
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■勝手に予告編
小さなリボンが付いたピンクベージュのパンプスが、私の一番お気に入り。
あの人からもらったこの靴のおかげで、私はどこまでも歩いていけると、小さな自信が持てた。
どこまでも遠く、長く、そして、
フカク、フカク…。
綺麗な花々に囲まれて、私は歩いてきた道をふと振り返ると、大きな流れに一瞬で体は飲み込まれた。
目の前を下から上に進んでいく、一つ一つの泡に映るのは、すみれ?それとも私なの?
■読後の感想
章ごとに世界が切り替わる本作は、震災で傷を負った人々の葛藤を現しているのだと感じました。
読み始めた時は場面展開についていけず、なかなかページが進まずに諦めようかと思いました -
Posted by ブクログ
自分が知っている人間とは違う習わしがあったり、生態を持っている世界の人間の愛の物語が多く、初めは戸惑いながら読み進めました。中盤から少しずつ不思議で奇妙な感覚に慣れていき、読み方も分かって来たので、最初の方の話はこの状態でもう一度読みたい。解説の言葉を拝借する形になるけれど、話の設定は変わっているのにそこに登場する人物の感情は痛いくらいに"人間"でしかなくて、理解できたり知ってるなと思える感情が多かったです。特に個人的に、「花虫」「けだものたち」は幻想的な世界観や登場人物間での揺れ動く感情のやり取りが好きでした。また、「愛のスカート」と「茄子とゴーヤ」は読みやすかった。
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決して読後感は好きではない、もやもやするものもあるけど、自分の境遇にささる、大変印象深い作品だった。
まず自分的に身につまされたのは、息子の様子。子供の頃は親にべったりでも大人になったら、育った分だけ離れていく。
離れれば離れるほど、自分と違う考えを持てば持つほど(場合によれば親を嫌うこともあるだろう)子供が育ったということになるのだろう。悲しい事実だけど、特に現代日本ではあるのだろう。
そして、主人公のキャリアを犠牲にしたが故の恨み…私は主人公ほど家族のために犠牲にしたわけではないけど、自分は子育てしなくて当たり前、自分の時間は自分のためと疑問も持たない夫には色々な感情が付きまとう…
母親 -
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ネタバレ「不在」というタイトルだったが、何が不在だったのか。あるじが不在になった家が中心になっているが、そこが示唆しているものが何だったのか。つかめそうで、つかめない。
彩瀬まるの著作は、うまく感想が言えない。いつもザワザワするし、最後まで読めなかった本もあった。この著作も一番伝えたかったことが何なのかを考えるのは難しかった。しばらくたって、もう一度読んでみたい。
依然として社会の中ではまだ女性の立場は弱い。ただ、少しずつ社会が変化していることに伴い、タイミングや運によっては徐々に自分の生活を自分で築いていける力を持てる人も増えてきていると思う。
そんな中、さらなるタイミングが重なり、社会の中では