彩瀬まるのレビュー一覧
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焦げ茶色の桜碁石模様チャボである桜さんの視点に終始する。桜さんの命の恩人、茂さんは勤めていた企業で精神的ダメージを積み重ねていて今は引きこもりがちになり、おじいさん、おばあさんの営んでいる金物店に居候してる。金物店のある明日町商店街は傷ついている茂さんもチャボの桜さんもふんわり受け入れてくれる心優しき商店街。商店街の人たちと接する中で茂さんは少しずつ恢復していく。すっぱりハッピーエンドにはならないがかすかに明るい未来を感じてシアワセになる桜さんなのだった。鳥界と人間界の間にいるセキセイインコの「師匠」は桜さんのいい相談役で作品の調味料となっている。
■簡単な単語集
【いろはちゃん】小学二年 -
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Posted by ブクログ
最近クレイジー小説にハマっている。村田沙耶香の生命式、湊かなえの人間標本、、、etc...。王道とは違う道をゆく本は、理性が否定したくとも本能が、好奇心をくすぐる世界を見せてくれる。
男性の書く小説、女性の書く小説。前者はどっしりしたミステリーや、社会物の王道が多いのかもしれない。常識ぶっ壊します系ほ小説は、女性著者が多い気がする。偏見だけど。
いつも、作者は読者側の抱く無意識的な格差を炙り出してくれていると思ったけれど、作者の属する文壇側にもそうした偏見がある事を教えてくれた。
本としてはもっと熟成されたクレイジーさが欲しかったかも。 -
Posted by ブクログ
連作短編集
大学時代、合気道部で同期だった男女4人(青さん、かやのん、ゲンゲン、卓ちゃん)の物語。愛称で呼び合える関係って良いですね。大学時代は充実した日々を共に過ごし、順風満帆に見えた4人だが、、
以下、各編の感想
「新しい星」
本書のタイトルと同タイトルの短編。希望に溢れるタイトルに見えるが、結婚、出産、仕事に躓いて意にそぐわない新しい星に叩き落とされた青子の話。立ち直るキッカケが、より不幸な星の友人(茅乃)を気遣う事ってのは何だかなぁ。と思ったけど、解説の白尾悠さんの解釈は違うみたい。それぞれ違う星に叩き落とされた友人に、自らが叩き落とされた星から光を届ける話だとのこと。素敵な解釈