彩瀬まるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
数年前に表紙買いしてそのまま積ん読になってた本。
積ん読崩し3冊目。
この本は買った事さえ忘れていたし、なんならこの作家さんのお名前も存じ上げなかった。完全に表紙の絵と帯のあおりに惹かれて買ったのだと思う。
今まで詩的な表現が強い女性作家さんの作品が苦手で、読み始めた時は「苦手なタイプかも…」と少し構えたんだけど、それぞれの話が「死」と向き合うことによってそれぞれの「生命」を物語っていて、最後の1ぺージ、下手したら最後の2~3行だけで、一気に話の印象が変わり、すごく好きになる話ばかりだった。
短編集だったのもよかったのかも。
この作家さんの他の本もいつか読んでみたいなと思った。 -
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Posted by ブクログ
チャボの桜さんが主人公というユニークな小説。とても面白いし、素敵なお話。軽く読めるので、疲れた時の息抜き、落ち込んだ気分を前向きにさせてくれる、おすすめの本だ。
桜さんの飼い主、茂さんは、営業のお仕事がうまくいかなくて、心の病気になり、祖父母の営む金物屋さんで暮らすことになった。その商店街で桜さんと茂さんが、出会う人と鳥たちとの交流を描いた、あったかい物語。鳥が卵から孵るように、新しい世界へ踏み出していく、希望と不安。新しい扉を前にして、躊躇いそうになる背中を、優しく押してくれる小説だ。
フィクションとはいえ、桜さん、とても賢く優しく魅力的だ。実際、鶏も七面鳥も鴉も、多分、とても頭がいいのは事