彩瀬まるのレビュー一覧

  • 眠れない夜は体を脱いで

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    ネタバレ

    *小鳥の爪先
    顔がイケメンな事がコンプレックスな男子高校生の話。綾瀬さんは本当に人間、男、女の湿っぽい嫌なところを表現するのが上手で、主人公が抱く、彼女に対する何となく嫌な感じにあー、って共感してしまった。明るい結末で大人が読んでも一歩踏み出す勇気をくれる

    *あざか薄れるころ
    合気道の習い事をする50代独身女性の物語。母親と同居していてぼけている訳では無いがだんだんと言動に不安を覚える日常に共感もしたが、いくつになっても悩みは絶えずないものねだりなんだなぁと思い、主人公のように「かっこいい」女性になりたいと思った

    *マリアを愛する
    彼氏の亡くなった元カノへの嫉妬から起こるファンタジー。前半

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    2021年10月29日
  • 不在

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    愛は花だ。運がなければすぐに枯れるし、腐ってなくなってしまう。だけど咲いていたことまで否定しなくたっていい。なくなったからって、偽物だったわけではない。昔、きれいな花が咲いていた。それでいいんだ。

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    2021年08月31日
  • 朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)

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    豪雨の現在に読んだら、「明滅」がとても心にきました。
    人ではないものや、想いが強過ぎて鬼になりそうな人もいるけど、それを救うのもまた人なのかもしれない。鬼になるのをとどまらせるのも、一緒に堕ちてあげるのも。
    朝がくるまでそばにいる…朝がくるまでの暗闇ではあなたのそばにいるよ同じ闇に引きずり込みたいから、なのか、あなたの闇に朝がきて光が差すまでそばにいるから、なのか…どちらも出てくるお話たちが良かったです。

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    2021年08月14日
  • 暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―(新潮文庫)

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    東日本大震災での状況だけでなく、そこで生活する方々の心の葛藤や想いを感じ取ることができました。物語でなく実話でしたが、温かい方がたくさんいるのだと感じることができました。

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    2021年07月11日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    スカイツリーが見える、東京の下町。
    古くからのお店と新しいお店が混じり合う、明日町こんぺいとう商店街の、七軒のお店の物語を7人の作家が描くアンソロジー。

    既読の作家さんは、大島真寿美さん、彩瀬まるさん、千早茜さん、中島京子さん。
    それぞれの持ち味が出ていて、どれも面白かった。

    大山淳子さんの『あずかりやさん』が、盲目の店主が一日百円で大切なものをあずかるというお店を舞台にしていて、にぎやかな商店街の中、しんとしずかな店という感じが良かった。
    アンソロジーを手に取ると、こうして新しく好みに合いそうな作家さんが見つかるのが楽しみ。

    こんぺいとう商店街シリーズとして続刊もあるらしいので、続きも

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    2021年07月04日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

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    密室をどうやってお話にするか!作者が違うとここまで違うんだなぁとワクワクするお話でした。新潮文庫nexのアンソロって毎回豪華な上に内容が濃いから読み応えがありますね

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    2021年07月03日
  • 桜の下で待っている

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    宇都宮で一人暮らしをする祖母の家を訪ねるために、東京駅から新幹線に乗り込む智也。
    三ヶ月前に膝を痛めた祖母の、通院や買い物の運転手をするためである。
    温泉郷にある足湯や、大きな吊橋が架けられた美しい渓谷が映像のように浮かび上がってきて、しばらく帰っていない自分の実家をふと思い出し、私も田舎に帰りたくなってしまった。
    母として、女として生きた祖母のたくましさを知る「モッコウバラのワンピース」
    婚約者の実家のある郡山へ向かう律子。「からたち香る」
    母の七回忌法要のため実家を訪れた武文。「菜の花の家」
    母方の親戚の結婚式に向かう小学4年生の知里。「ハクモクレンが砕けるとき」
    宇都宮、郡山、仙台、花巻

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    2021年06月25日
  • 妖し

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    印象的だった作品

    ANNIVERSARY/村山由佳
    真珠星スピカ/窪美澄
    李果を食む/阿部智里
    かぐわしきひと/乾ルカ
    喪中の客/小池真理子

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    2021年05月31日
  • 朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)

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    静かに静かに物語が流れていくのに、心がぐらぐら動かされる不思議な作品。

    今ここに生きている私のすぐ隣にも、もしかしたら「死」が存在しているかもしれない。そもそも生と死の境界線ってなんだろう。

    どの物語も、ゾワゾワするような幻想的なような、「死」を考えさせられるものだけど、不思議と怖いとか悲しいとかではなく、心がほぐされるような柔らかさのあるストーリーだった。

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    2021年05月27日
  • 妖し

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    以前読んだ妖のアンソロジーと同じかと思いきや少しテイストが違った。
    でもどれも一通り面白かった。

    その中でも武川佑さんの短編が素晴らしかった。
    日本史に明るくない私が読んでも目が離せない凄まじい熱量。読めない字も吹き飛ばすほどの強風がふく文章。本を持つ手が肘まで熱くなるような引き込まれ方をする物語に久々に出会った。まるでVRの映像を観たような読後感。

    うーん、アンソロジーにハマりそうだな。

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    2021年04月19日
  • 桜の下で待っている

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    東北への移動に関わる男女の短編集。
    何と言っても、カタチのないものを表す文章が素敵。知らない匂いが伝わってきます。
    瑞々しい景色をいつまでも覚えていられますように。

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    2021年03月21日
  • 妖し

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    ネタバレ

    特に「マイ、マイマイ」と「李果を食む」が印象に残った。

    マイ、マイマイ
    過去の体験は今の自分を作っている。その事実を物理的なものに例えて、体からぽろっと抜け落ちる表現がおもしろかった。
    自分が持っている価値観に案外無自覚だったりするよなと思った。

    李果を食む
    兄弟それぞれの事実に基づいた認識が、同じものを見ているはずなのに、捩れの位置みたいに全く違うものとして突き進んでいく感じ、徐々にどれが真実が分からなくなる奇妙さが読んでいておもしろかった。

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    2021年03月20日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    中島京子さんと大島真寿美さん目当てに読んだ。どれも角が取れてて、程よい甘さ。こんぺいとうって美味しいもんね。

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    2021年02月24日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    2時間邦画を見ている感じ!
    色んな短編が緩やかに繋がりを帯びている。
    マリアを愛する が一番好きかなぁ。
    恋してる女の子のトロンとした柔らかさって可愛いよね。

    51/100

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    2021年02月11日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    秋の夜更けに読みたいような本。
    「小鳥の爪先」と「マリアを愛する」が好き。
    周りから受ける評価に違和感があったり、自分の目指す「自分」像と違っていても、自分を認める。好きになる。
    難しいことなんだけど、意外とこんなささいなきっかけで出来る様になるのかも。
    スレッドの主にはびっくりだったけど。
    またいつかふらっと読みたい。

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    2021年02月04日
  • 明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語【電子限定特典付】

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    この商店街の魅力というか、根底に流れる想いみたいなもののが自分の好みなのか、「合わないなぁ」と感じるものがなくどれも平均点以上のおもしろさ。
    安定・安心・粒揃い なアンソロジー。
    いろいろ増えてきて忘れてる話もあるので、第1集から読み直してみたくなりました。

    どうでもいいことだけど、巻末の〈初出〉の日付、本当?

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    2021年01月24日
  • 桜の下で待っている

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    冷たい皮を丁寧に剥いていき、さらにその下に潜む皮を剥いていき、そうやって辿り着いたほんのり温かい核

    どんな話もそんな仄かな温もりを感じた
    ふるさとについて、おもったり考えたりすることはなくて、ただの過去としか捉えたことがないけれど、いつかふるさとの重みに触れることになった時はこの本をもう一度読みたいと思う。

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    2021年01月23日
  • 桜の下で待っている

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    彩瀬まるさんの本、ここ数年とっても好き。
    なんといっても、(個人的に)ハズレがない。
    温かいなかにも、尖っていたり痛々しかったり、ちょっと怖いお話も結構あるけれど、この小説はタイトルや表紙からして優しげな感じがして、受けた雰囲気は間違っていなかった。

    故郷、家族、旅にまつわる5つの短編集。
    舞台は主に東北地方。青森が残念ながらなかったのは恐らく、東日本大震災の影響を強く受けた土地を選んだからだと思う。
    彩瀬まるさんは関東の方だけど、震災当日に東北を旅行していて被災したらしく、その関連の本も出されている。震災をモチーフに描かれた「やがて海へと届く」という小説は私も以前に読んだ。

    福島にある

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    2020年12月04日
  • 桜の下で待っている

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    「ふるさと」をテーマに5つの話がある。ふるさとの言葉の裏には私が思うにその物理的な「場所、景色」とそこに関わってくる「家族」の存在があると思う。私にとってふるさとは東北であるとすり込まれてきたが、どうにもその繋がりを感じることができない。きっと大人になって思い浮かべる故郷とは間違いなくここ神奈川の実家である。そして家族という存在が私は幼少の頃からかなり苦手だ。1番近くて1番気を使う相手。切っても切り離せないからなんとも面倒である。そんな私は4つ目の話を読んでいる間、この作者と私は合わないのかもしれないと考えていた。しかし最後の「桜の下で待っている」を読んで、先に読んだすべてのお話の当たり前では

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    2020年09月16日
  • 朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)

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    不思議な感じがして面白かったです。
    ファンタジーやSFは好きではないですが、人間愛が結論に来るので、ぶっ飛んだ感じもしっくりきます。
    本をあまり読まないわたしですが、たまには小説をと手に取りました。
    若い小説家さんなので、高校生とかにも人気?のようです。

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    2020年04月24日