彩瀬まるのレビュー一覧

  • やがて海へと届く

    Posted by ブクログ

    わたしがたまに思い起こすイメージがある。

    わたしの前には道が続いている。
    でも見えるのは数メートル程度で後は真っ白い光のようなものに覆われていてよく見えない。
    でも私がひとり歩ける程度の1本道だから、進む先はわかっていて、早足になったり、ゆっくりになったりしながら私は進み続ける。
    辿り着く先は私自身の消滅ということはわかっていて、でも立ち止まっていても時間は流れて私は老いていくから、歩き続ける。

    たまに私は後ろを振り返る。
    後ろの景色はある程度しっかり見ることができる。
    そこには私が出会った人たちや出会ってきたものが見える。生活圏で見た景色や、好きな漫画や映画で観た景色も混ざって、私の記憶

    0
    2022年05月20日
  • 妖し

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「喪中の客」終始いやな予感にドキドキさせられ、身構えていたのにやはり最後にゾクリ。やられた。

    「細川相模守清氏討死ノ事」時代物は苦手だが我慢して読み続けただけの価値はあった。読後爽快!ニンマリ

    「フクライ駅から」なーんだネット系の都市伝説かぁ…期待せず読み進めたら意外な展開になり引き込まれた。フェスタのその後を知りたくなる。

    「真珠星スピカ」なんて素敵な家族。泣けた。

    「わたしキャベンディッシュ」バナナに対する認識が変わった。シゲルの味が気になって仕方ない。

    0
    2022年05月19日
  • 眠れない夜は体を脱いで

    Posted by ブクログ

    オムニバス形式の短編集。
    もやもやが残らずスッキリする終わり方です。

    「マリアを愛する」と「真夜中のストーリー」が特にお気に入りでした。
    魅せたい自分、見せたくない自分。
    年齢、性別、その他諸々全てが煩わしくて、”自分じゃない誰かになりたい”と思っていた青い記憶が呼び覚まされました。
    懐かしいような、切ないような。

    彩瀬まるさんの本は読み終えると、自分の心の中の空っぽな部分になみなみと感情が満たされてくような感じがします。

    その感情が切なさなのか幸せなのかは作品により全く違いますが、ぎゅうっと本を胸に抱き締めたくなるような。そんなお話を書く方だなと思いました。

    0
    2022年05月16日
  • 眠れない夜は体を脱いで

    Posted by ブクログ

    書店で見かけて帯が気になったので購入した作品
    5話収録されていて、区切りがつけやすかった

    そして「マリアを愛する」というお話の女の子2人が良かったです…!実像と虚像のお話が好きなので

    0
    2022年04月11日
  • 不在

    Posted by ブクログ

    「無理に愛さなくていいし、愛されなくていいんだ。自分とは違うってそれだけを思って、憎むより先に遠ざかろう。」

    文章は読みやすく、すっと入ってくる。
    色々考えながら思いながら読み進めた。自分の中に愛を見つけた人間は強い。
    不在というタイトルだが至る所に私は愛を感じた。

    0
    2022年04月07日
  • 暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    苦しい。苦しい。

    震災の本は何冊か読んだ事があるがこちらは又別目線での話だった。

    一章は旅行先で震災に見舞われた話。
    二章は数ヶ月後ボランティアに行く話。
    三章は震災の時助けてくれた人達に会いに行く話。

    中でも取り上げられているのが放射線。

    作者は物凄く気にしている人。
    震災中もボランティア中もとても気にしていた。
    私はもう子供も産んでこれから産む事もないからか分からないけど全然気にしない人。だから作者の気持ちが分からない。野菜も魚も東北だろうが何だろうが気にしない。海外の物よりもむしろ国内の方がいいとすら思ってる。

    でも気にする人はするんだね。
    東北に住んでる人ですら分かれるらしい

    0
    2022年03月25日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    密室トリックを解決していくのではなく、トリックの方法を考えて行く…ちょっと斬新…
    結果密室トリックだけど、それぞれ違う話で面白かったです。

    0
    2022年03月05日
  • 明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語【電子限定特典付】

    Posted by ブクログ

    スカイツリーを見上げる下町の片隅にある商店街の物語、第4弾。
    戦後の焼跡に24軒集まって始まった商店街ということだったけれど、今では80軒近くの店があるという。
    毎回、冒頭に地図が載っているけれど、その本に載っている短編のタイトルのお店だけなので、これは・・・あの物語のお店の場所なのだが・・・と迷ってしまう。
    今回の桜さんのように、お店を出て歩きながら紹介してくれると、ふむふむ、川平金物店は、水沢文具店の向かって左隣なのだな?とわかって嬉しい。
    今までに登場した、全部のお店が載った大きな地図が見たいなあ〜

    老朽化した二階建てで、一階がお店で二階が住居という作りが多い。
    看板も古い言葉で、若い

    0
    2022年03月02日
  • やがて海へと届く

    Posted by ブクログ

    私と同じ東北人、震災に想いを寄せる人にグッとくる作品だと思います。

    あっちの彼女も
    こっちの彼女も
    それでいいんだ、よかった
    と思えました。

    0
    2022年02月04日
  • やがて海へと届く

    Posted by ブクログ

    親愛なる友の影を追いかけてまぼろしを捕まえようとするお話。
    表現がやさしくて美しいのと、苦しむ人が無理をしないで喪失感とか罪悪感みたいのをなじませていくみたいなのがよかった。

    0
    2022年01月23日
  • やがて海へと届く

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    まなとすみれ、それぞれに共感できる考えや気持ちが多くあった。私は関東で東日本大震災を経験したけれども、あの時東北にいた人たちはもっとすごい経験をしたと思う。私は、この本を通して少しでもその人たちに寄り添うことができるのではないかと思って、この本を手に取った。

    0
    2022年01月18日
  • 眠れない夜は体を脱いで

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    *小鳥の爪先
    顔がイケメンな事がコンプレックスな男子高校生の話。綾瀬さんは本当に人間、男、女の湿っぽい嫌なところを表現するのが上手で、主人公が抱く、彼女に対する何となく嫌な感じにあー、って共感してしまった。明るい結末で大人が読んでも一歩踏み出す勇気をくれる

    *あざか薄れるころ
    合気道の習い事をする50代独身女性の物語。母親と同居していてぼけている訳では無いがだんだんと言動に不安を覚える日常に共感もしたが、いくつになっても悩みは絶えずないものねだりなんだなぁと思い、主人公のように「かっこいい」女性になりたいと思った

    *マリアを愛する
    彼氏の亡くなった元カノへの嫉妬から起こるファンタジー。前半

    0
    2021年10月29日
  • 不在

    Posted by ブクログ

    愛は花だ。運がなければすぐに枯れるし、腐ってなくなってしまう。だけど咲いていたことまで否定しなくたっていい。なくなったからって、偽物だったわけではない。昔、きれいな花が咲いていた。それでいいんだ。

    0
    2021年08月31日
  • 朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    豪雨の現在に読んだら、「明滅」がとても心にきました。
    人ではないものや、想いが強過ぎて鬼になりそうな人もいるけど、それを救うのもまた人なのかもしれない。鬼になるのをとどまらせるのも、一緒に堕ちてあげるのも。
    朝がくるまでそばにいる…朝がくるまでの暗闇ではあなたのそばにいるよ同じ闇に引きずり込みたいから、なのか、あなたの闇に朝がきて光が差すまでそばにいるから、なのか…どちらも出てくるお話たちが良かったです。

    0
    2021年08月14日
  • 暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    東日本大震災での状況だけでなく、そこで生活する方々の心の葛藤や想いを感じ取ることができました。物語でなく実話でしたが、温かい方がたくさんいるのだと感じることができました。

    0
    2021年07月11日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

    Posted by ブクログ

    スカイツリーが見える、東京の下町。
    古くからのお店と新しいお店が混じり合う、明日町こんぺいとう商店街の、七軒のお店の物語を7人の作家が描くアンソロジー。

    既読の作家さんは、大島真寿美さん、彩瀬まるさん、千早茜さん、中島京子さん。
    それぞれの持ち味が出ていて、どれも面白かった。

    大山淳子さんの『あずかりやさん』が、盲目の店主が一日百円で大切なものをあずかるというお店を舞台にしていて、にぎやかな商店街の中、しんとしずかな店という感じが良かった。
    アンソロジーを手に取ると、こうして新しく好みに合いそうな作家さんが見つかるのが楽しみ。

    こんぺいとう商店街シリーズとして続刊もあるらしいので、続きも

    0
    2021年07月04日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    密室をどうやってお話にするか!作者が違うとここまで違うんだなぁとワクワクするお話でした。新潮文庫nexのアンソロって毎回豪華な上に内容が濃いから読み応えがありますね

    0
    2021年07月03日
  • 桜の下で待っている

    Posted by ブクログ

    宇都宮で一人暮らしをする祖母の家を訪ねるために、東京駅から新幹線に乗り込む智也。
    三ヶ月前に膝を痛めた祖母の、通院や買い物の運転手をするためである。
    温泉郷にある足湯や、大きな吊橋が架けられた美しい渓谷が映像のように浮かび上がってきて、しばらく帰っていない自分の実家をふと思い出し、私も田舎に帰りたくなってしまった。
    母として、女として生きた祖母のたくましさを知る「モッコウバラのワンピース」
    婚約者の実家のある郡山へ向かう律子。「からたち香る」
    母の七回忌法要のため実家を訪れた武文。「菜の花の家」
    母方の親戚の結婚式に向かう小学4年生の知里。「ハクモクレンが砕けるとき」
    宇都宮、郡山、仙台、花巻

    0
    2021年06月25日
  • 妖し

    Posted by ブクログ

    印象的だった作品

    ANNIVERSARY/村山由佳
    真珠星スピカ/窪美澄
    李果を食む/阿部智里
    かぐわしきひと/乾ルカ
    喪中の客/小池真理子

    0
    2021年05月31日
  • 朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    静かに静かに物語が流れていくのに、心がぐらぐら動かされる不思議な作品。

    今ここに生きている私のすぐ隣にも、もしかしたら「死」が存在しているかもしれない。そもそも生と死の境界線ってなんだろう。

    どの物語も、ゾワゾワするような幻想的なような、「死」を考えさせられるものだけど、不思議と怖いとか悲しいとかではなく、心がほぐされるような柔らかさのあるストーリーだった。

    0
    2021年05月27日