彩瀬まるのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
自分という生き物とうまく付き合えなくて、自分でいることに窮屈さを覚える。
どうして自分はこんな風にしか生きられないのだろう。という自己嫌悪に陥った経験を持つ人は、持たない人よりも多く存在すると思う。
別の誰かになることは叶わない。それならばこの自分という厄介な生き物と、どう付き合っていけばいいのか。
そういった想いを抱えた登場人物たちが織り成す、5つの短編集。
美しい容姿に生まれたことを窮屈に感じている男子高校生や、女性という性に少なからず違和感を抱えながら生きてきた中年女性など、自分のコンプレックスが何であるかをはっきり認識している主人公もいれば、真面目すぎて物事をまっすぐに決め付けてしま -
-
Posted by ブクログ
タイトルが気になって読みたかった本。
初読みの作家さんです。
大筋は恋愛小説になるけど、母子家庭で不自由なく育った主人公(梨枝)がさまざまな経験を通し、価値観をアップデートする物語だと思った。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
母子家庭がゆえに、"みっともない"子どもにならないように"正しいこと"を教え育ててくれた母。
それが原因で、常に失敗を怖れるように育ってしまった主人公。
客観的にみれば争いを起こさない優しい人だけど、掘り下げれば自分に自信がなく、責任を受け入れる度胸がない弱い人。
そんな心が弱いけど、まわりに優しい人を"蜘 -
Posted by ブクログ
ネタバレ夏目漱石、人生で5回は挑戦して挫折して、まだ読めてないんだよなあ、、なんと直近で挑戦したのは2週間前。
これってもう向いてないってことでいいよね?とか言い訳し出している。
小説に、過去の名作が出てくると読みたくなる/読まなければいけない気持ちになる。
次は川端康成試してみよう。
他人の痕跡に触れることを恐れながら、ネズミが蛇に食べられることを望む野田さん。
他人の痕跡を整理整頓して消し去り、ネズミが捕食されるイメージを怖がる主人公。
"誰かがあなたの代わりにばつを下してくれれば、このあいだ片付けていた天井裏の箱みたいに、整理した気分になれたのか"
"生ゴミに -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んでいると呼吸が詰まりそうになるような、おそらくこの物語と似たような身に覚えのある体験をした方も多いのではないだろうか。
P.195〜199 「かつんと小石を噛んだように三葉くんの表情が強ばる───…」
ここからの流れが所謂毒親育ちの弊害を分かりやすく表現している。梨枝自身も母から言われ続けてきた「ちゃんとしなさい」「みっともない」の呪いで恋人の三葉くんを支配しようと苦しんでいくさま。
梨枝を縛り付けるのは母から女手ひとつで住宅ローンを完済し子供ふたりの成人後まで世話して"やってる"と言われ続けた、見返りを求めて余計な先回り/面倒/条件付きの愛情。
「かわいそう」だ -
Posted by ブクログ
帯の言葉
「結局その人が去ったあとに残るのは、
他者に渡せた幸福だけなのかもしれない」
よほど優れた秀でた人でない限り、凡人の私達は
去っても何も残らない。残せない。
そう、諦めていて。
今も段々弱っていく、みっともない姿をみせる
身近な人にイライラして嫌悪して、そんな自分に自己嫌悪して…
「いいところだけ覚えておいてよ」
「みっともない部分は、相手にしないでいいから」
ストンと言葉が降りてきた。
言われた、と思った。
読書の良いところは、こんなふうにストンと言葉が
降りてくるところ。
ありがとう。
これだけで充分。
色々あるけど、また頑張ろうかと思えた。 -
Posted by ブクログ
自分自身は男として生を受けた。
性自認は男性で性的指向は女性。
マジョリティに属しているつもりでいる。
ただ趣味嗜好が合わない。
父親が好きだった、
釣り、格闘技、ラジコン、煙草、車。
どれにも興味を持てなかった。
格闘技や煙草は毛嫌いすらしている。
唯一といっていい共通点の野球は全く見方が違って話が合わなかった。
せっかく息子だったのに残念だったな、と思っている。
イエにも社会にも個人に対して要求があって、
個人が個人として欲求を突き詰めるのは難しい。
作品として、途中まではすごくよかったのだけれど、
終盤、依怙地になっていた夫が突然気が変わるシーンがある。
現実はそんなものかもしれな