彩瀬まるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
真嶋は後輩指導を厳しくしすぎたことを発端にリズムを崩してしまう。
入江は子育てとデザイナーの仕事の両立で不安に襲われる。
渡瀬は子供時代の家庭環境から癖になった人を馬鹿にする癖に苦しむ。
同級生だった3人が『トンネルらんたん』というバンドメンバーを探すことを通して、大人になった今のお互いの境遇を理解していく。
そんな理解から新たな青春が明けていく。
あの人は大体で感覚的に仕事をこなして、あの人は重箱をつつくように慎重に仕事をこなす。
あの人は後輩の指導に妥協を認めつつ褒めて伸ばす、あの人は細かいミスを許さずに厳しく指導をする。
何が正解とかなくて、ただの思考の癖の違いなんだね。
この物語のストーリーに思い当たる節がかなりあって、読みながら頷いてしまう。
まあでも僕はもう少し向き合わなければならなかったなあとは思うけどね…
人にはそれぞれの考え方や癖があって、まずそれに気付くという壁、そしてその考え方や癖を変える壁もしくはそれを受け入れて適応していく壁。
どれも大変だとは思うけど、それぞれの登場人物が向き合っていたのがとても尊いと思えた。
これは葛藤する大人の青春の物語だ。 -
Posted by ブクログ
彩瀬まるさんの文章は自然にスッと入ってきて読みやすい。
30代。クォーターライフクライシスと言われるような、なんとなく人生に静かな絶望感を抱く時。
青春時代と今は確かに地続きのはずなのに、気づけばけっこう遠くまで来てしまったなぁという感覚。ライフステージが分かれていくにつれ、人との関係性も薄れていく時期。
そんな時に、きっかけは何であれ(本書ではトンネルらんたんのメンバー探し)、こんなふうに高校時代の仲間と繋がれたらすごく素敵だなと思います。
高校時代のあの人この人に会いたくなりました。
そんなことを踏まえると、「青春とそれから」というタイトルはまさにぴったり。
登場する曲など含め、平成一桁世代には特に刺さると思います。 -
Posted by ブクログ
彩瀬まる〜!!っていう作品だったと思う。
夫婦でも、全て同じとは限らないし、考え方も価値観も違う。でもそこをそういうものだよねって進むか、同じように擦り合わせていくのかどうか。
そういうものだよねって思ってても、それによって自分の価値観が揺らぐとしたら、それは許せるのかどうか。でも、すれ違ったとしても、夫婦なんだよね。子どもがいて、それが家族なんだよね。誰かと生きるってそういうことなんだよね。
私のかんむり、他者からは見えない、私だけのかんむり。でも私もそれをおそらく自然にまとっていて、自分からも見えない。でも誰もがみんなかんむりをかぶっているんだと思う。 -
Posted by ブクログ
「初めて私は、母のことを嫌いなのかもしれないと思った」この部分に出会えただけでも読んでよかった。そう思ってもいいんだと。"その「思ってもいい」とか「いけない」って誰が決めたの?"って三葉くんに突っ込まれそうだ。
「だって本当は、あの人が正しいのかもしれないし」という主人公に対し「本当は、ってなに?」と言ってくる子だもん。
でも三葉くんは三葉くんで、誰にも知られたくない秘密を抱えていたというのが最高だった。
正直、この二人は長くは続かないだろう。でも、「この世で一番自分を思ってくれている」母から離れたこと、みっともなくても年下の男と一緒に暮らし始めるというステップを踏み出せたことがうれしい。 -
Posted by ブクログ
この本を読んでいておもしろいな、
怖いなと思ったところは
それぞれが、自分のなかで誰かの人物像を作り上げていて、見たいように見ているといこと。
イチカもニコルも悪いことをやっている。
だけど、イチカはやっていない、やるはずがない。
ニコルはやっていない。信じられない。
みたいな感情を抱いている。
でも、側からみたらイチカにもニコルにも非があって、
実際にはやってしまっている。
過去の時間があるからこそ、
やっていないと信じている気持ちが怖くもあり、
現実的でもあると感じた。
どこかで踏みとどまることができなかったのか、(特に私はイチカに対して思った)と考えた一方で、
私もイチカの立場だったら同じことをしていたのだろうか。 -
ネタバレ 購入済み
未来の有る話が良いな。「うさぎや」の真悟くんのように、未来に向かって、進んで行きたいと、思えるような。こんぺいとう商店街も、若い人達が、増えて来たみたいだし。