彩瀬まるのレビュー一覧

  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    ネタバレ

    【あらすじ】
    この路地を曲がれば、そこはもう、すこし不思議な世界の入口―。ひとつの架空の商店街を舞台に、七人の人気作家がお店を開店し、短編を紡ぐほっこりおいしいアンソロジー。商店街のマスコット「招きうさぎ」がなつかしくあたたかな物語へと誘います。

    【感想】

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    2017年08月07日
  • 青春とそれから

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    仕事がうまくいかない、プライベートに課題がある、仕事とプライベートの両立に苦労している、様々な境遇にそれぞれ違った悩みがある人たちの連作短編。
    身近にありそうな悩み事を丁寧にリアルに描いているようで好印象でした。共感されやすい、読みやすい内容と思います。
    星4つの評価といたしました。

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    2026年10月11日
  • 青春とそれから

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    真嶋は後輩指導を厳しくしすぎたことを発端にリズムを崩してしまう。
    入江は子育てとデザイナーの仕事の両立で不安に襲われる。
    渡瀬は子供時代の家庭環境から癖になった人を馬鹿にする癖に苦しむ。
    同級生だった3人が『トンネルらんたん』というバンドメンバーを探すことを通して、大人になった今のお互いの境遇を理解していく。
    そんな理解から新たな青春が明けていく。

    あの人は大体で感覚的に仕事をこなして、あの人は重箱をつつくように慎重に仕事をこなす。
    あの人は後輩の指導に妥協を認めつつ褒めて伸ばす、あの人は細かいミスを許さずに厳しく指導をする。
    何が正解とかなくて、ただの思考の癖の違いなんだね。
    この物語のストーリーに思い当たる節がかなりあって、読みながら頷いてしまう。
    まあでも僕はもう少し向き合わなければならなかったなあとは思うけどね…

    人にはそれぞれの考え方や癖があって、まずそれに気付くという壁、そしてその考え方や癖を変える壁もしくはそれを受け入れて適応していく壁。
    どれも大変だとは思うけど、それぞれの登場人物が向き合っていたのがとても尊いと思えた。
    これは葛藤する大人の青春の物語だ。

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    2026年10月06日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    同じ掲示板に関わる5人の主人公のそれぞれの背景を描いた短編集。どの話も全く違う状況で、でも何かしら癒されていく救いのある話ばかりだった。私は特に「あざが薄れるころ」の主人公に共感した。

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    2026年09月30日
  • 青春とそれから

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    じわりと良い。

    青春が終わり中年期にさしかかるときに立ち現れる「このままで良いのか」という問い。
    ここに出てくる登場人物たちは置かれている境遇に違いはあれども、どこかで通ずる抱えている悩み。
    ふとそれを共有できたときに、少しだけ呼吸がしやすくなる。
    がむしゃらに切り抜けるのではなく、自分の出来ること、出来ないことを見定めて、新たに踏み出す。少しだけ固い結び目を緩めるとふっと入り込んでくる風。

    マカロニえんぴつを聴きながら幸福な読後感を抱えて、自分もまた日常に向かう。

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    2026年09月28日
  • 青春とそれから

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    彩瀬まるさんの文章は自然にスッと入ってきて読みやすい。

    30代。クォーターライフクライシスと言われるような、なんとなく人生に静かな絶望感を抱く時。
    青春時代と今は確かに地続きのはずなのに、気づけばけっこう遠くまで来てしまったなぁという感覚。ライフステージが分かれていくにつれ、人との関係性も薄れていく時期。
    そんな時に、きっかけは何であれ(本書ではトンネルらんたんのメンバー探し)、こんなふうに高校時代の仲間と繋がれたらすごく素敵だなと思います。
    高校時代のあの人この人に会いたくなりました。

    そんなことを踏まえると、「青春とそれから」というタイトルはまさにぴったり。

    登場する曲など含め、平成一桁世代には特に刺さると思います。

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    2026年09月27日
  • 森があふれる

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    ネタバレ

    言えない言葉が溢れ出して森になる

    浮気性の作家と創作物の材料として扱われた作家の妻。ある日妻は発芽してしまう。浮気相手の女性も搾取対象となり次第に自分の中の空洞を感じるように。

    ラスト近くの夫婦の延々と続く会話も分かり合えてなさが滲みだしててぞわぞわしました。

    作家の夫がテイカー過ぎて引きました。が、最後は良かったと思います、個人的に。

    第36回織田作之助賞候補作。2022年に直木賞候補にも挙がっている作家さん、少しずつ読んでいこう。楽しみが増えました。

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    2026年09月18日
  • やがて海へと届く

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    このタイトルは、主人公の、著者の、大切なひとを失ったことのある人たちの、願いだと思った。二つの視点から描かれており、そのうちの一つの視点が最初は何なのか分からなかったが、読み進めていくうちに分かった。はじめは怖かったが、次第に泣きそうになるほどの悲しみと光を感じた。私は、死ぬことで大切な人に会えなくなるのも、大切な人がいなくなるのも怖くて堪らないが、いつかはその時がくる。そのあとのことは誰にも分からないが、この小説から感じた願いをわたしも掛けてみたいと思った。

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    2026年09月18日
  • まだ温かい鍋を抱いておやすみ

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    鍋を抱いて寝るって、
    日本語として理解出来るけど、
    状況としておかしいよね。
    中身、こぼれるよね、
    などというツッコミはおいておき。

    生きるためには誰も皆食べるよね、
    という真実の前に分かりみの深い短編集。

    「家族の味の好みとか、栄養とか、生野菜を食べる練習をさせなきゃとか、そういうことばかりジグソーパズルみたいに考えてたら、自分が何を食べたいかぜんぜん分からなくなってた」
    …泣く。

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    2026年09月14日
  • かんむり

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    彩瀬まる〜!!っていう作品だったと思う。
    夫婦でも、全て同じとは限らないし、考え方も価値観も違う。でもそこをそういうものだよねって進むか、同じように擦り合わせていくのかどうか。
    そういうものだよねって思ってても、それによって自分の価値観が揺らぐとしたら、それは許せるのかどうか。でも、すれ違ったとしても、夫婦なんだよね。子どもがいて、それが家族なんだよね。誰かと生きるってそういうことなんだよね。
    私のかんむり、他者からは見えない、私だけのかんむり。でも私もそれをおそらく自然にまとっていて、自分からも見えない。でも誰もがみんなかんむりをかぶっているんだと思う。

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    2026年09月13日
  • 花に埋もれる

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    この作家さんに初めて出会った作品。木爾チレンさんが好きで、嫉妬する同期って話してて気になって読んだ!はあー読後喜怒哀楽が全部一気に来る感覚

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    2026年09月09日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

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    「初めて私は、母のことを嫌いなのかもしれないと思った」この部分に出会えただけでも読んでよかった。そう思ってもいいんだと。"その「思ってもいい」とか「いけない」って誰が決めたの?"って三葉くんに突っ込まれそうだ。
    「だって本当は、あの人が正しいのかもしれないし」という主人公に対し「本当は、ってなに?」と言ってくる子だもん。
    でも三葉くんは三葉くんで、誰にも知られたくない秘密を抱えていたというのが最高だった。
    正直、この二人は長くは続かないだろう。でも、「この世で一番自分を思ってくれている」母から離れたこと、みっともなくても年下の男と一緒に暮らし始めるというステップを踏み出せたことがうれしい。

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    2026年09月01日
  • 草原のサーカス(新潮文庫)

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    この本を読んでいておもしろいな、
    怖いなと思ったところは
    それぞれが、自分のなかで誰かの人物像を作り上げていて、見たいように見ているといこと。


    イチカもニコルも悪いことをやっている。
    だけど、イチカはやっていない、やるはずがない。
    ニコルはやっていない。信じられない。
    みたいな感情を抱いている。

    でも、側からみたらイチカにもニコルにも非があって、
    実際にはやってしまっている。


    過去の時間があるからこそ、
    やっていないと信じている気持ちが怖くもあり、
    現実的でもあると感じた。



    どこかで踏みとどまることができなかったのか、(特に私はイチカに対して思った)と考えた一方で、
    私もイチカの立場だったら同じことをしていたのだろうか。

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    2026年08月22日
  • 不在

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    漫画家が主人公の物語の本作の解説を、後に作家を主人公した物語であるPRIZEを生み出す村山由佳さんが書いているのが個人的に少し嬉しい。
    解説にもあったが、主人公から目を逸らしたくなるのは同族嫌悪の表れだというのは言い得て妙だなと思った。
    タイトルの『不在』が何重にもストーリーに絡みついてくる作品だった。

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    2026年08月13日
  • なんどでも生まれる

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    チャボの桜さんの視点の物語
    優しい空気感で面白い視点
    インコの師匠が「生きてりゃどうしたって
    間違える。間違えたってああそうかってだけだ」
    そう思えて切り替えるのが難しいのが人なのか

    それでも四季のように変われる
    冬から春はワクワクするように
    そう思える素敵な話でした

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    2026年08月13日
  • くちなし

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    どこか歪なのに幻想的で儚く、不気味なのに美しさも感じる作品。
    ファンタジーのような特殊設定のある現実離れした短編なのに、現代の生きづらさがテーマなのか、とても読みやすくすんなり心に入ってきた。

    『けだものたち』『茄子とゴーヤ』『山の同窓会』が好き。
    苦手な人も多そうだけど、個人的には面白かったしまた読みたい。

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    2026年08月08日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    クレセント錠を開けるという共通トリックを題材にした作者別々の短編アンソロジー

    同じトリックを題材にしても作者それぞれに特色があり、叙述的なものや人情話、完全な技巧派と読んでいて飽きないのはいい
    まあただ一部それでいいの?と思う作品はあったが…
    そしてやはり島田荘司が群を抜いて秀逸である

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    2026年08月06日
  • まだ温かい鍋を抱いておやすみ

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    美味しそうなご飯がでてくる少し不思議な短編集でした。
    読んでいるとお腹が空いてきます。
    『大きな鍋の歌』がお気に入り。

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    2026年07月23日
  • 新しい星

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    「どんな時でも、生活があるのね、きっと」の一文が印象深い。
    どんなに悲しいことがあっても、生活は切り離せない。受け入れて、新しいペースを作っていかなければならない。
    私は悲しさに足を取られて、何もできなくなってしまう。この一文を忘れずにいたい。

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    2026年07月15日
  • 明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語【電子限定特典付】

    ネタバレ 購入済み

    未来の有る話が良いな。「うさぎや」の真悟くんのように、未来に向かって、進んで行きたいと、思えるような。こんぺいとう商店街も、若い人達が、増えて来たみたいだし。

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    2026年07月05日