彩瀬まるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「初めて私は、母のことを嫌いなのかもしれないと思った」この部分に出会えただけでも読んでよかった。そう思ってもいいんだと。"その「思ってもいい」とか「いけない」って誰が決めたの?"って三葉くんに突っ込まれそうだ。
「だって本当は、あの人が正しいのかもしれないし」という主人公に対し「本当は、ってなに?」と言ってくる子だもん。
でも三葉くんは三葉くんで、誰にも知られたくない秘密を抱えていたというのが最高だった。
正直、この二人は長くは続かないだろう。でも、「この世で一番自分を思ってくれている」母から離れたこと、みっともなくても年下の男と一緒に暮らし始めるというステップを踏み出せた -
Posted by ブクログ
この本を読んでいておもしろいな、
怖いなと思ったところは
それぞれが、自分のなかで誰かの人物像を作り上げていて、見たいように見ているといこと。
イチカもニコルも悪いことをやっている。
だけど、イチカはやっていない、やるはずがない。
ニコルはやっていない。信じられない。
みたいな感情を抱いている。
でも、側からみたらイチカにもニコルにも非があって、
実際にはやってしまっている。
過去の時間があるからこそ、
やっていないと信じている気持ちが怖くもあり、
現実的でもあると感じた。
どこかで踏みとどまることができなかったのか、(特に私はイチカに対して思った)と考えた一方で、
私もイチカ -
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ネタバレ 購入済み
未来の有る話が良いな。「うさぎや」の真悟くんのように、未来に向かって、進んで行きたいと、思えるような。こんぺいとう商店街も、若い人達が、増えて来たみたいだし。
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Posted by ブクログ
ネタバレ「ああ、この人のそばにいたくない。イヤだ。こわい。自分が嫌われている、攻撃を受けるかもしれないという状態がどうしてもこわい。いちばん簡単なのは今までと同様に、すみません聞こえちゃって、とか、その節はご迷惑をかけて、と低姿勢で逃げてしまうことだ。
でも謝った瞬間、それは「私が悪かったこと」になってしまう。だめだ、それをやり続けたら死んでしまう。すみません、とほとんど反射のように謝りたがる舌を噛みしめて、お客へするように微笑みかけた。」
子供のころからの「みっともない」ところを抱えてきてしまった主人公たちを中心に、その心が紆余曲折あって力強く変わっていく様を楽しむことができた。
自分は特に主人 -
ネタバレ 購入済み
七人の作家が書く、明日町こんぺいとう商店街の七つの店舗の物語。大山淳子さんの「あずかりやさん」は、、先に読んで知っていたけど、ここから生まれた物語だったんだ。へぇ〜
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Posted by ブクログ
母は「かわいそう」な人だから、私がそばにいてあげないとという呪縛がありながらも母に守られて生きてきた28歳箱入り娘の主人公。身に覚えのある感覚がたくさんあったし、「かわいそう」って何だろう?母娘の適切な距離感って何だろう?と考えるきっかけにもなった。相手の苦しみを理解することはできても分かり合えることはできなくて、自分の気持ちをうまく言葉にできず何を言っても違うと感じる主人公に共感した。8歳年下の大学生アルバイトの三葉くんとの関係もなんだか危うくて、永遠には続かないんだろうなぁと感じた。夢の中みたいに、モヤがかかっているような物語だった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ正当な相撲は取れない。そんな若さも背力もない。ならば八飛びだ。賭けるんだ。
ハタハタハタ。唯一の活路、意識の端で捉えたかぼそい金色の勝ち筋をなんとしても辿る。手放さない。ハタ、ハタ。私が変える。私しかいない。
「当たらない」
力を込めて呟いた瞬間、胸の中の小うるさい鳥の首をポキリとくびる、確かな手ごたえを感じた。
心が凪いで、静かになる。
川のそばで生きて、他のものやひとたちと隔たれた主人公たちの物語
これまで読んだ本と共通して、他者や強いられた環境により窮屈な思いに囚われる人たちの心が解かれる短編集だった
どの話にも窮屈な現状から逃れるための言葉や後押ししてくれる存在があって、それが主 -
Posted by ブクログ
東北新幹線で訪れる土地を舞台に、遠い距離にいる親しい相手に再会する人々のドラマを描いた5つの短編集です。
今の世の中、遠く離れていても画面越しに話すことだってできるとはいえ、実際に対面して感じるその人の存在の確かさは格別なものだと思うのです。そしてひとときを一緒に過ごすことで、大切な人だという改めての気づきや、保ちたい関係性のための一歩を踏めるようにもなるのかも、とも思いました。
個人的に訪れたばかりの青森が最初の一編にあり、風景が蘇ってきて旅情をまたかき立てられました。他の土地ごとに美味しい物や美しい風景にも触れられていて、旅に出たくもなるお話たちでもありました。