彩瀬まるのレビュー一覧

  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    ネタバレ

    【あらすじ】
    この路地を曲がれば、そこはもう、すこし不思議な世界の入口―。ひとつの架空の商店街を舞台に、七人の人気作家がお店を開店し、短編を紡ぐほっこりおいしいアンソロジー。商店街のマスコット「招きうさぎ」がなつかしくあたたかな物語へと誘います。

    【感想】

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    2017年08月07日
  • 青春とそれから

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    じわりと良い。

    青春が終わり中年期にさしかかるときに立ち現れる「このままで良いのか」という問い。
    ここに出てくる登場人物たちは置かれている境遇に違いはあれども、どこかで通ずる抱えている悩み。
    ふとそれを共有できたときに、少しだけ呼吸がしやすくなる。
    がむしゃらに切り抜けるのではなく、自分の出来ること、出来ないことを見定めて、新たに踏み出す。少しだけ固い結び目を緩めるとふっと入り込んでくる風。

    マカロニえんぴつを聴きながら幸福な読後感を抱えて、自分もまた日常に向かう。

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    2026年09月28日
  • 青春とそれから

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    彩瀬まるさんの文章は自然にスッと入ってきて読みやすい。タイトルも良いですよね。高校時代のあの人この人に会いたくなりました。
    登場する曲など含め、平成一桁世代には特に刺さると思います。

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    2026年09月27日
  • 森があふれる

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    ネタバレ

    言えない言葉が溢れ出して森になる

    浮気性の作家と創作物の材料として扱われた作家の妻。ある日妻は発芽してしまう。浮気相手の女性も搾取対象となり次第に自分の中の空洞を感じるように。

    ラスト近くの夫婦の延々と続く会話も分かり合えてなさが滲みだしててぞわぞわしました。

    作家の夫がテイカー過ぎて引きました。が、最後は良かったと思います、個人的に。

    第36回織田作之助賞候補作。2022年に直木賞候補にも挙がっている作家さん、少しずつ読んでいこう。楽しみが増えました。

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    2026年09月18日
  • やがて海へと届く

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    このタイトルは、主人公の、著者の、大切なひとを失ったことのある人たちの、願いだと思った。二つの視点から描かれており、そのうちの一つの視点が最初は何なのか分からなかったが、読み進めていくうちに分かった。はじめは怖かったが、次第に泣きそうになるほどの悲しみと光を感じた。私は、死ぬことで大切な人に会えなくなるのも、大切な人がいなくなるのも怖くて堪らないが、いつかはその時がくる。そのあとのことは誰にも分からないが、この小説から感じた願いをわたしも掛けてみたいと思った。

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    2026年09月18日
  • まだ温かい鍋を抱いておやすみ

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    鍋を抱いて寝るって、
    日本語として理解出来るけど、
    状況としておかしいよね。
    中身、こぼれるよね、
    などというツッコミはおいておき。

    生きるためには誰も皆食べるよね、
    という真実の前に分かりみの深い短編集。

    「家族の味の好みとか、栄養とか、生野菜を食べる練習をさせなきゃとか、そういうことばかりジグソーパズルみたいに考えてたら、自分が何を食べたいかぜんぜん分からなくなってた」
    …泣く。

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    2026年09月14日
  • かんむり

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    彩瀬まる〜!!っていう作品だったと思う。
    夫婦でも、全て同じとは限らないし、考え方も価値観も違う。でもそこをそういうものだよねって進むか、同じように擦り合わせていくのかどうか。
    そういうものだよねって思ってても、それによって自分の価値観が揺らぐとしたら、それは許せるのかどうか。でも、すれ違ったとしても、夫婦なんだよね。子どもがいて、それが家族なんだよね。誰かと生きるってそういうことなんだよね。
    私のかんむり、他者からは見えない、私だけのかんむり。でも私もそれをおそらく自然にまとっていて、自分からも見えない。でも誰もがみんなかんむりをかぶっているんだと思う。

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    2026年09月13日
  • 花に埋もれる

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    この作家さんに初めて出会った作品。木爾チレンさんが好きで、嫉妬する同期って話してて気になって読んだ!はあー読後喜怒哀楽が全部一気に来る感覚

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    2026年09月09日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

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    「初めて私は、母のことを嫌いなのかもしれないと思った」この部分に出会えただけでも読んでよかった。そう思ってもいいんだと。"その「思ってもいい」とか「いけない」って誰が決めたの?"って三葉くんに突っ込まれそうだ。
    「だって本当は、あの人が正しいのかもしれないし」という主人公に対し「本当は、ってなに?」と言ってくる子だもん。
    でも三葉くんは三葉くんで、誰にも知られたくない秘密を抱えていたというのが最高だった。
    正直、この二人は長くは続かないだろう。でも、「この世で一番自分を思ってくれている」母から離れたこと、みっともなくても年下の男と一緒に暮らし始めるというステップを踏み出せたことがうれしい。

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    2026年09月01日
  • 草原のサーカス(新潮文庫)

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    この本を読んでいておもしろいな、
    怖いなと思ったところは
    それぞれが、自分のなかで誰かの人物像を作り上げていて、見たいように見ているといこと。


    イチカもニコルも悪いことをやっている。
    だけど、イチカはやっていない、やるはずがない。
    ニコルはやっていない。信じられない。
    みたいな感情を抱いている。

    でも、側からみたらイチカにもニコルにも非があって、
    実際にはやってしまっている。


    過去の時間があるからこそ、
    やっていないと信じている気持ちが怖くもあり、
    現実的でもあると感じた。



    どこかで踏みとどまることができなかったのか、(特に私はイチカに対して思った)と考えた一方で、
    私もイチカの立場だったら同じことをしていたのだろうか。

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    2026年08月22日
  • 不在

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    漫画家が主人公の物語の本作の解説を、後に作家を主人公した物語であるPRIZEを生み出す村山由佳さんが書いているのが個人的に少し嬉しい。
    解説にもあったが、主人公から目を逸らしたくなるのは同族嫌悪の表れだというのは言い得て妙だなと思った。
    タイトルの『不在』が何重にもストーリーに絡みついてくる作品だった。

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    2026年08月13日
  • なんどでも生まれる

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    チャボの桜さんの視点の物語
    優しい空気感で面白い視点
    インコの師匠が「生きてりゃどうしたって
    間違える。間違えたってああそうかってだけだ」
    そう思えて切り替えるのが難しいのが人なのか

    それでも四季のように変われる
    冬から春はワクワクするように
    そう思える素敵な話でした

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    2026年08月13日
  • くちなし

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    どこか歪なのに幻想的で儚く、不気味なのに美しさも感じる作品。
    ファンタジーのような特殊設定のある現実離れした短編なのに、現代の生きづらさがテーマなのか、とても読みやすくすんなり心に入ってきた。

    『けだものたち』『茄子とゴーヤ』『山の同窓会』が好き。
    苦手な人も多そうだけど、個人的には面白かったしまた読みたい。

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    2026年08月08日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    クレセント錠を開けるという共通トリックを題材にした作者別々の短編アンソロジー

    同じトリックを題材にしても作者それぞれに特色があり、叙述的なものや人情話、完全な技巧派と読んでいて飽きないのはいい
    まあただ一部それでいいの?と思う作品はあったが…
    そしてやはり島田荘司が群を抜いて秀逸である

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    2026年08月06日
  • まだ温かい鍋を抱いておやすみ

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    美味しそうなご飯がでてくる少し不思議な短編集でした。
    読んでいるとお腹が空いてきます。
    『大きな鍋の歌』がお気に入り。

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    2026年07月23日
  • 新しい星

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    「どんな時でも、生活があるのね、きっと」の一文が印象深い。
    どんなに悲しいことがあっても、生活は切り離せない。受け入れて、新しいペースを作っていかなければならない。
    私は悲しさに足を取られて、何もできなくなってしまう。この一文を忘れずにいたい。

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    2026年07月15日
  • 明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語【電子限定特典付】

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    未来の有る話が良いな。「うさぎや」の真悟くんのように、未来に向かって、進んで行きたいと、思えるような。こんぺいとう商店街も、若い人達が、増えて来たみたいだし。

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    2026年07月05日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

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    ネタバレ

    「ああ、この人のそばにいたくない。イヤだ。こわい。自分が嫌われている、攻撃を受けるかもしれないという状態がどうしてもこわい。いちばん簡単なのは今までと同様に、すみません聞こえちゃって、とか、その節はご迷惑をかけて、と低姿勢で逃げてしまうことだ。
    でも謝った瞬間、それは「私が悪かったこと」になってしまう。だめだ、それをやり続けたら死んでしまう。すみません、とほとんど反射のように謝りたがる舌を噛みしめて、お客へするように微笑みかけた。」

    子供のころからの「みっともない」ところを抱えてきてしまった主人公たちを中心に、その心が紆余曲折あって力強く変わっていく様を楽しむことができた。

    自分は特に主人公も抱えていた、「他の人に馬鹿にされていないか、間違っていないか指摘されるのが怖い」部分が共感して、主人公が陰口叩かれているところでは「ヒュッ」と怖くなるシーンもあった。

    けど、その直後主人公の梨枝がそのいわれのない陰口に対して内心では震えながら、力強く言い返したのが自分も勇気つけられた気がした。

    また、梨枝から見たら、冷ややかにからかうような三葉くんや気丈に見えていた雪さんも本人たちには梨枝のように見せられない部分があり、それを梨枝に打ち明けることができて良かったねと思った。

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    2026年07月05日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

    ネタバレ 購入済み

    七人の作家が書く、明日町こんぺいとう商店街の七つの店舗の物語。大山淳子さんの「あずかりやさん」は、、先に読んで知っていたけど、ここから生まれた物語だったんだ。へぇ〜

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    2026年07月04日
  • 新しい星

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    突然違う星に飛ばされてしまうような、どうしようもないことが人生にはたくさんある。
    どんなに近くにいる家族や友人でも本当の気持ちなんて分かり合えるなんて無理だと思う。
    想像力は大切だけど、どんなに考えても人の気持ちなんて計り知れない。だけど「一緒に考えよう」と寄り添ってくれる友達がいるっていいなぁ〜 ちょっと離れたところから俯瞰してみているような距離感もいい。
    劇的なことはおこらないけど読んでいて心地よい優しい話だった。

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    2026年06月25日