彩瀬まるのレビュー一覧

  • あのひとは蜘蛛を潰せない

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    ネタバレ

    「ああ、この人のそばにいたくない。イヤだ。こわい。自分が嫌われている、攻撃を受けるかもしれないという状態がどうしてもこわい。いちばん簡単なのは今までと同様に、すみません聞こえちゃって、とか、その節はご迷惑をかけて、と低姿勢で逃げてしまうことだ。
    でも謝った瞬間、それは「私が悪かったこと」になってしまう。だめだ、それをやり続けたら死んでしまう。すみません、とほとんど反射のように謝りたがる舌を噛みしめて、お客へするように微笑みかけた。」

    子供のころからの「みっともない」ところを抱えてきてしまった主人公たちを中心に、その心が紆余曲折あって力強く変わっていく様を楽しむことができた。

    自分は特に主人

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    2026年07月05日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

    ネタバレ 購入済み

    七人の作家が書く、明日町こんぺいとう商店街の七つの店舗の物語。大山淳子さんの「あずかりやさん」は、、先に読んで知っていたけど、ここから生まれた物語だったんだ。へぇ〜

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    2026年07月04日
  • 新しい星

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    突然違う星に飛ばされてしまうような、どうしようもないことが人生にはたくさんある。
    どんなに近くにいる家族や友人でも本当の気持ちなんて分かり合えるなんて無理だと思う。
    想像力は大切だけど、どんなに考えても人の気持ちなんて計り知れない。だけど「一緒に考えよう」と寄り添ってくれる友達がいるっていいなぁ〜 ちょっと離れたところから俯瞰してみているような距離感もいい。
    劇的なことはおこらないけど読んでいて心地よい優しい話だった。

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    2026年06月25日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

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    母は「かわいそう」な人だから、私がそばにいてあげないとという呪縛がありながらも母に守られて生きてきた28歳箱入り娘の主人公。身に覚えのある感覚がたくさんあったし、「かわいそう」って何だろう?母娘の適切な距離感って何だろう?と考えるきっかけにもなった。相手の苦しみを理解することはできても分かり合えることはできなくて、自分の気持ちをうまく言葉にできず何を言っても違うと感じる主人公に共感した。8歳年下の大学生アルバイトの三葉くんとの関係もなんだか危うくて、永遠には続かないんだろうなぁと感じた。夢の中みたいに、モヤがかかっているような物語だった。

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    2026年06月24日
  • 妖し

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    ネタバレ

    アンソロジーは結構当たり外れがあると思っていて、今回は当たりでした。
    怪異をテーマに10人の豪華な作家が描いた作品です。
    アンソロジーの短編集は作家が変わるが故に薄味になりがちなイメージですが、どの作品もしっかり味があって良かったです。
    個人的には、「わたしキャベンディッシュ」、「かぐわしきひと」が特に良かったです。
    アンソロジーは普段読まない作家に出会うので、定期的に読みたいなと思いました。

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    2026年06月19日
  • 川のほとりで羽化するぼくら

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    ネタバレ

    正当な相撲は取れない。そんな若さも背力もない。ならば八飛びだ。賭けるんだ。
    ハタハタハタ。唯一の活路、意識の端で捉えたかぼそい金色の勝ち筋をなんとしても辿る。手放さない。ハタ、ハタ。私が変える。私しかいない。
    「当たらない」
    力を込めて呟いた瞬間、胸の中の小うるさい鳥の首をポキリとくびる、確かな手ごたえを感じた。
    心が凪いで、静かになる。

    川のそばで生きて、他のものやひとたちと隔たれた主人公たちの物語

    これまで読んだ本と共通して、他者や強いられた環境により窮屈な思いに囚われる人たちの心が解かれる短編集だった

    どの話にも窮屈な現状から逃れるための言葉や後押ししてくれる存在があって、それが主

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    2026年06月14日
  • さいはての家

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    本好きの方から選んでもらった本。
    なぜだかじんわりと心に残る。
    いいなぁこの家。

    時系列(入居順)がちょっと変えてあったりして、「前の人が亡くなったらしい。」とかいうセリフにギョッとするけど、最後まで読めば正しい順番が分かってホッとする。

    いいなぁ畳でウトウトしたい。

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    2026年06月10日
  • やがて海へと届く

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    ネタバレ

    すみれと真奈どちらの気持ちにも共感できた
    大切な人が亡くなっても生活は続く。月日は流れる。
    すみれ視点は幻想的な箇所が多かったので映画も見たい。大切な人に明日も会えるのって当たり前じゃない。大事にしていきたいと思った。

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    2026年06月06日
  • 骨を彩る

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    失くしたものがあっても補えるものがあるのかもしれない。同じじゃなくても全然別のものでもいいんだと思う。自分の気持ちにはいつも真っ直ぐに向き合いたいと思った。

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    2026年06月05日
  • 新しい星

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    心にすっと入ってくる小説でした。苦しみも痛みもある人生を、それらを全部含めてやさしく包んでくれるような。
    おすすめです。

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    2026年05月31日
  • 嵐をこえて会いに行く

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    東北新幹線で訪れる土地を舞台に、遠い距離にいる親しい相手に再会する人々のドラマを描いた5つの短編集です。

    今の世の中、遠く離れていても画面越しに話すことだってできるとはいえ、実際に対面して感じるその人の存在の確かさは格別なものだと思うのです。そしてひとときを一緒に過ごすことで、大切な人だという改めての気づきや、保ちたい関係性のための一歩を踏めるようにもなるのかも、とも思いました。

    個人的に訪れたばかりの青森が最初の一編にあり、風景が蘇ってきて旅情をまたかき立てられました。他の土地ごとに美味しい物や美しい風景にも触れられていて、旅に出たくもなるお話たちでもありました。

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    2026年05月26日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    とても良かった。
    内容としては、恋愛も絡みつつ、でも、それだけではない。全編どれも、優しい感じ。
    特に最終話が一番好み。伏線回収ってわけではないけども。なりたい自分、内面的に存在する自分、というのが別にいて、その自分が現実ではないとこで一人歩きしてしまう感じが良かった。

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    2026年05月22日
  • 草原のサーカス(新潮文庫)

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     久々の彩瀬さん作品。物語に恋愛要素はなく、姉妹の仕事に対する向き合い方とその人生。

     彩瀬さんらしくない?内容でしたが、読みやすくてスラスラ読めました。
     どうか2人ともしあわせになってほしいと、そう願う最後でした。

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    2026年05月10日
  • 新しい星

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    4人の男女の視点で日常移り変わっていく小説。
    無垢に自分の周りで物事が完結して、狭いコミュニティで競り合っていた学生の頃とは違って
    大人になるとなぜかライフステージや肩書きで優劣がついてしまう。近いからこそ相談できないこともある。大人になってからの方が長いのに。
    今の自分の状況と重ねて、色々な事情を抱えていても日常の些細なことや悩みの相談できる、付き合いの長い友人は改めて貴重だなと感じた。

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    2026年05月29日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

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    タイトルが気になって読みたかった本。
    初読みの作家さんです。

    大筋は恋愛小説になるけど、母子家庭で不自由なく育った主人公(梨枝)がさまざまな経験を通し、価値観をアップデートする物語だと思った。
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    母子家庭がゆえに、"みっともない"子どもにならないように"正しいこと"を教え育ててくれた母。
    それが原因で、常に失敗を怖れるように育ってしまった主人公。

    客観的にみれば争いを起こさない優しい人だけど、掘り下げれば自分に自信がなく、責任を受け入れる度胸がない弱い人。
    そんな心が弱いけど、まわりに優しい人を"蜘

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    2026年04月18日
  • 朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)

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    湿った、静かな、ドロドロ、薄暗い、辛気臭い
    そんな雰囲気の中に、小さく温かいものが垣間見える作品。

    情景が想像しやすくて読みやすいです。

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    2026年04月14日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

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    ネタバレ

    大抵の人が子供の頃にちゃんとしなさい、と言われたことがあると思う。親から見ると子供はいつまでも子供だし一緒に住んでいると特にそうなんだろうなと思う。
    都会に住んでいるとこの主人公のように干渉されながらも当たり前のように同居するだろうなと思う。経済的にも助かるしね。
    この主人公も家を出ることでいろんなことを自分で飲み下しながらようやく一人の社会人になっていったなと親目線で感じた(笑)

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    2026年04月05日
  • かんむり

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    10代から70代までの光の人生は、喜びだけじゃない、思い通りにいかないことに戸惑い、違和感に抗いながら、様々な感情の波を受け止め葛藤していた。生きるってこういうことなんだろう、どんな選択をしたとしても、なるべく自分の人生を肯定していたいと思った。

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    2026年03月29日
  • さいはての家

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    ネタバレ

    夏目漱石、人生で5回は挑戦して挫折して、まだ読めてないんだよなあ、、なんと直近で挑戦したのは2週間前。
    これってもう向いてないってことでいいよね?とか言い訳し出している。
    小説に、過去の名作が出てくると読みたくなる/読まなければいけない気持ちになる。
    次は川端康成試してみよう。

    他人の痕跡に触れることを恐れながら、ネズミが蛇に食べられることを望む野田さん。
    他人の痕跡を整理整頓して消し去り、ネズミが捕食されるイメージを怖がる主人公。

    "誰かがあなたの代わりにばつを下してくれれば、このあいだ片付けていた天井裏の箱みたいに、整理した気分になれたのか"

    "生ゴミに

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    2026年03月17日
  • 神様のケーキを頬ばるまで

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    特別なことはなく、少し傷付いた人たちが前を向く物語。
    綾瀬さんは傷付いた時の感情をすごく無機質に、モノの価値を生き物みたいに書くから、文章が特異で読んでいて楽しい。
    短編集が1つの雑居ビルで繋がっている発想になるほどぉと思ったのと、次の物語で前の短編の主人公がほんの少しだけ出てくるのもなんだか嬉しい。

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    2026年03月12日