彩瀬まるのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ厳しい作品だった
作中にあったように、ゆるやかな死は、自身においても周りの人たちにおいても、いろいろなことやものを整理する時間があるが、突然の死には、なにもない
死んだ人も生きている人も、おなじように大きな傷を負って、たぶん生きてる側はずっとそれを抱えて生きてゆく
いつか時が、、、というけれど、たとえ心の平穏は訪れても、決して消えることはない悲しみはずっとそばに寄り添うだろう
死への畏怖があるからこそ生への尊厳があり、作中を通じて投げかけられていることに対峙することが難しい自分はまだまだだなあって、まあ、いくつになってもまだまだで、それがわかるのはいつか死を受け入れたときかもしれないし、そ -
-
Posted by ブクログ
ネタバレコロナの時期を挟んで久しく会えていなかった人、心の距離があいてしまった人に会いに行く短編集。
北海道や東北を舞台にしており、気になっている地 盛岡が舞台のものもあったので、また呼ばれている気分に。
岩手の由来になった神社が気になる。元編集者の方のブックカフェは存在しないのかもしれないけど、面白い本屋さんやブックカフェが多いイメージだったので、より行きたい気持ちが強くなった。
ラストの国会議員になった知子さんの話を読んだのが、丁度総裁選の日だったので複雑な気持ちに。
馬車馬のように働かなくても、お給料に見合うような真面目な働きをして、悪いことをしないでくれたら、人間らしい生活を送ってほしいと思 -
Posted by ブクログ
彩瀬まるさんの作品は2冊目
大学時代に合気道部で同期だった青子、茅乃、玄也、卓馬は、大学卒業後それぞれ悩みを抱えて暮らしています。
あるきっかけから合気道が4人をまた引き合わせたことで、家族に言えない本音や深刻な悩みを打ち明け合います。
家族ほどストレートに心に踏み込まず、大学時代の4年間一緒に汗を流し気心しれた4人の関係はとても楽なんだろうなぁ。
理不尽や不安、しんどい状況を4人で分け合い、お互いにかけ合う言葉もさりげなく優しくて心に染みました。
程よい距離感の友人関係は心強くて羨ましくなります。
辛いこと悲しいことが次々とおこりましたが、新しい星で生きる…読後感は悪くなかったです -
Posted by ブクログ
直木賞候補になったことで名前を知った作家さん
学生時代に合気道部で同期だった男女4名の物語。
章ごとに、書き手の主題は変わるが、彼ら4人のそれぞれと、関わりの中で物語は進む。
学校を卒業して10年後以降ぐらいから、話は流れていく。
外見状は順風満帆に見えたとしても、人はそれぞれ他人には言えない事情を抱えている。その他人に言えない悩みまで、彼らはよく話し、そして分かち合う。
押し付けるわけでないその関係は、ありえないほど優しい。でも、作り物、偽善ぽくはなく優しい。
ひょっとして好きな作家さんかもしれないので、他の作品も読ませていただこうと思います。 -
Posted by ブクログ
チャボの桜さんが主人公。鳥好きにはたまらない。目線や語りが終始しっかりチャボなので、筆者の筆力に脱帽だ。(インタビューで筆者が桜さんが思ったよりおしゃべりでびっくりしたと書いてあった)商店街といった狭い中での日常系のお話がとても居心地が良いので、紆余曲折はあるもののゆったりと読むことができた。
話の途中で消化不良なところがあり、もっと最後は王道的展開でもよかった気がする。キャラクターが魅力的なので掘り下げて書いて欲しいところがたくさん出てしまうのだ。
インコの師匠と桜さんとの会話が好きだ。変わることは悪いことではない。いいことも悪いことも、変化に伴ってなんどでも生まれるのだろう。 -
Posted by ブクログ
彩瀬まる『森があふれる』を読んで、印象に残ったのは、物語全体ににじみ出る、まだ消えないジェンダーの鎖に縛られた登場人物たちの姿だ。
特に貴夫は、男性としての呪いに気づきつつも逃れられないやるせなさを抱え、多くの男性が同じように縛られているのではないかと考えてしまう。
ジェンダーの縛りが家族という境目のあいまいな共同体で濃厚になり、個人を息苦しくさせる様子も印象的だ。文章はみずみずしく美しく、独特で伝わる比喩表現が多く、人物の心情や物語の空気を深く感じさせる。
女性は男性から常に丸くあれと求められる描写は、自身の経験とも重なり胸に響く。
ジェンダーの呪いが解消されない状況で男と女が家族になる息苦 -
Posted by ブクログ
彩瀬まる3作目
好きになれない主人公だけど、祖父に、父に愛されたかった感情と向き合うようになり感情的になってしまうのが読んでいて少し辛かった。
作中で、それ以上言ってはいけない、、それだけはやってはいけない、、と思いつつもそれらの行為で他人だけでなく自分を一番打ちのめしてしまう描写が印象的。
とうの昔だけれども、かつて欲しくて欲しくてたまらなかった父からの愛の不在に苦しめられる主人公を通して、
きっと誰にもある欠けた部分を無視できないもどかしさを思い出す作品。
この作者を書く他の作品でも感じた、明るいものではないけれど、心がほぐれていく救いなようなものを感じてよかった。 -