彩瀬まるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「ああ、この人のそばにいたくない。イヤだ。こわい。自分が嫌われている、攻撃を受けるかもしれないという状態がどうしてもこわい。いちばん簡単なのは今までと同様に、すみません聞こえちゃって、とか、その節はご迷惑をかけて、と低姿勢で逃げてしまうことだ。
でも謝った瞬間、それは「私が悪かったこと」になってしまう。だめだ、それをやり続けたら死んでしまう。すみません、とほとんど反射のように謝りたがる舌を噛みしめて、お客へするように微笑みかけた。」
子供のころからの「みっともない」ところを抱えてきてしまった主人公たちを中心に、その心が紆余曲折あって力強く変わっていく様を楽しむことができた。
自分は特に主人公も抱えていた、「他の人に馬鹿にされていないか、間違っていないか指摘されるのが怖い」部分が共感して、主人公が陰口叩かれているところでは「ヒュッ」と怖くなるシーンもあった。
けど、その直後主人公の梨枝がそのいわれのない陰口に対して内心では震えながら、力強く言い返したのが自分も勇気つけられた気がした。
また、梨枝から見たら、冷ややかにからかうような三葉くんや気丈に見えていた雪さんも本人たちには梨枝のように見せられない部分があり、それを梨枝に打ち明けることができて良かったねと思った。 -
ネタバレ 購入済み
七人の作家が書く、明日町こんぺいとう商店街の七つの店舗の物語。大山淳子さんの「あずかりやさん」は、、先に読んで知っていたけど、ここから生まれた物語だったんだ。へぇ〜
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Posted by ブクログ
母は「かわいそう」な人だから、私がそばにいてあげないとという呪縛がありながらも母に守られて生きてきた28歳箱入り娘の主人公。身に覚えのある感覚がたくさんあったし、「かわいそう」って何だろう?母娘の適切な距離感って何だろう?と考えるきっかけにもなった。相手の苦しみを理解することはできても分かり合えることはできなくて、自分の気持ちをうまく言葉にできず何を言っても違うと感じる主人公に共感した。8歳年下の大学生アルバイトの三葉くんとの関係もなんだか危うくて、永遠には続かないんだろうなぁと感じた。夢の中みたいに、モヤがかかっているような物語だった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ正当な相撲は取れない。そんな若さも背力もない。ならば八飛びだ。賭けるんだ。
ハタハタハタ。唯一の活路、意識の端で捉えたかぼそい金色の勝ち筋をなんとしても辿る。手放さない。ハタ、ハタ。私が変える。私しかいない。
「当たらない」
力を込めて呟いた瞬間、胸の中の小うるさい鳥の首をポキリとくびる、確かな手ごたえを感じた。
心が凪いで、静かになる。
川のそばで生きて、他のものやひとたちと隔たれた主人公たちの物語
これまで読んだ本と共通して、他者や強いられた環境により窮屈な思いに囚われる人たちの心が解かれる短編集だった
どの話にも窮屈な現状から逃れるための言葉や後押ししてくれる存在があって、それが主人公たちの変化を促してくれて読んでいて頼もしさを感じた。
個人的には最後の話が好きだった。
最後のおばあさんはそれまでの人生で夫の存在に縋ってきたけど、その夫が自分の存在を脅かそうになったシーンで自分の考えで明確に問題をなんとかしようと新しい手段をとった描写がとても力強く、こちらも晴れやかな気持ちになった。
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Posted by ブクログ
東北新幹線で訪れる土地を舞台に、遠い距離にいる親しい相手に再会する人々のドラマを描いた5つの短編集です。
今の世の中、遠く離れていても画面越しに話すことだってできるとはいえ、実際に対面して感じるその人の存在の確かさは格別なものだと思うのです。そしてひとときを一緒に過ごすことで、大切な人だという改めての気づきや、保ちたい関係性のための一歩を踏めるようにもなるのかも、とも思いました。
個人的に訪れたばかりの青森が最初の一編にあり、風景が蘇ってきて旅情をまたかき立てられました。他の土地ごとに美味しい物や美しい風景にも触れられていて、旅に出たくもなるお話たちでもありました。 -
Posted by ブクログ
タイトルが気になって読みたかった本。
初読みの作家さんです。
大筋は恋愛小説になるけど、母子家庭で不自由なく育った主人公(梨枝)がさまざまな経験を通し、価値観をアップデートする物語だと思った。
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母子家庭がゆえに、"みっともない"子どもにならないように"正しいこと"を教え育ててくれた母。
それが原因で、常に失敗を怖れるように育ってしまった主人公。
客観的にみれば争いを起こさない優しい人だけど、掘り下げれば自分に自信がなく、責任を受け入れる度胸がない弱い人。
そんな心が弱いけど、まわりに優しい人を"蜘蛛を潰せない"と表現しているのだなと思った。
●常に真面目に正しく生きることは、個性を潰し、詰まらない人生になる。
●他者の"わからない"価値観を、勝手に"かわいそう"と決めつけること。
"みっともなさ"は弱点でもあり、その人の個性や本音でもあると思っている。
所詮、人間なんだから誰にも欠点があって、向き不向きもある。自分の弱点を個性だと気付けた時から人生楽になるんだけどな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ夏目漱石、人生で5回は挑戦して挫折して、まだ読めてないんだよなあ、、なんと直近で挑戦したのは2週間前。
これってもう向いてないってことでいいよね?とか言い訳し出している。
小説に、過去の名作が出てくると読みたくなる/読まなければいけない気持ちになる。
次は川端康成試してみよう。
他人の痕跡に触れることを恐れながら、ネズミが蛇に食べられることを望む野田さん。
他人の痕跡を整理整頓して消し去り、ネズミが捕食されるイメージを怖がる主人公。
"誰かがあなたの代わりにばつを下してくれれば、このあいだ片付けていた天井裏の箱みたいに、整理した気分になれたのか"
"生ゴミに埋もれたねずみを忘れさせる、美しくてひどいことがたくさん起きた。"
"気づかなければ、それないのだ。気づいてしまったら、そのままにはできない。"
"でも、いやだ。そう考え始めると止まらなかった。"
別に頼んでない。って心の声って自分も含め、自分の仲のいい友人が多く持ってる。特に恋愛関係においての愚痴の終着点は大抵そこに行き着いてる。
できれば古民家を今年見つけたいなあ